エマヌエル・ロドリゲスは西田凌佑の持ちネタをまるっとスケールアップさせた印象。比嘉大吾戦の再現が理想? そんなことができるの? 亀田興毅は交渉がんばれ
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少し時間が経ってしまったのだが、2023年8月11日にエディオンアリーナ大阪で行われたIBF世界バンタム級挑戦者決定戦、同級5位西田凌佑と同6位クリスチャン・ヒメネス戦を視聴した。
結果は3-0(118-110、116-112、117-111)の判定で西田が勝利。
日本時間8月13日に米・メリーランド州でIBF同級王座を戴冠したエマヌエル・ロドリゲスへの挑戦権を獲得したわけだが。
ただ試合後に「強い相手で、あまりジャブを出せなかった」「今までで一番強い相手で緊張感があった」とコメントするなど、本人的にはなかなか厳しい試合だったとのこと。
西田凌佑、3―0判定勝ちで世界挑戦権獲得 会見に同席した元ボクサーの愛妻「今までで一番強い相手で…」 #スポーツ #sports #ニュース https://t.co/VOYfPepTEw
— スポーツ報知 (@SportsHochi) August 11, 2023
また試合前に西田が直訴していた日本での世界戦については、2024年の実現に向けて交渉を開始すると亀田興毅ファウンダーが改めて約束している。
西田凌佑 挑戦者決定戦を判定で制し初の世界戦切符!亀田ファウンダー「浪速のメイウェザーや」来年1月に約束/ファイト/デイリースポーツ online https://t.co/mXX0utGeHX #DailySports
— デイリースポーツ (@Daily_Online) August 11, 2023
西田凌佑がエマヌエル・ロドリゲスに勝利。ジャブで圧倒してロドリゲスに中間距離を諦めさせる。そういえば比嘉戦でも接近戦やってたわ
西田はしっかり勝った印象。比嘉大吾戦ではうまさ(狡猾さ)が目立ったけど
西田凌佑vsクリスチャン・ヒメネス。
僕は西田凌佑の試合をちゃんと観たのは2021年4月の比嘉大吾戦以来。
その際は西田のうまさ(狡猾さ)に「すげ~」となったが、今回は“しっかりと”勝った印象である。
西田凌佑すげえわ。比嘉大吾対策は堤聖也よりもはるかに上。比嘉はどこを基準にするかだろうな。相手を選んで王座戴冠を狙うか
多彩な右リードで距離をキープ、左ストレートを意識させることでヒメネスを中に入らせない。
もともとカウンターが得意なアウトボクサータイプなのだと思うが、この試合でも自身の長所を活かして勝ち切った。
前手の差し合いやいきなりの右等、時おり顔面への被弾もあったものの、それ以外は問題なし。安全な間合いで勝負し続けてみせた。
本人が言うようにクリスチャン・ヒメネスは強い選手だったが、その相手にも西田のファイトは通用した。
挑戦者決定戦としても文句なしだったと思う。
なお比嘉戦では「立ち回りがうまい」「相手の嫌がることをやれる」選手だと思ったが、むしろ今回の方が西田の持ち味が出ていたのかもしれない。
ちなみに西田、ヒメネスより上にランキングされているレイマート・ガバリョはどうするんでしょうか。2021年12月のノニト・ドネア戦から復帰2連勝中みたいですが。
一応WBOの1位にも名前があるので、近い将来ジェイソン・モロニーと対戦する可能性もある?
ジェイソン・モロニーvsアストロラビオ。え? これモロニー勝ったか? ドローすらあり得たような…。アストロラビオの対策がよかった
エマヌエル・ロドリゲスに勝つのはなかなか厳しいような…。西田の持ちネタをスケールアップさせたのがロドリゲス?
この勝利でIBFの挑戦権を獲得、エマヌエル・ロドリゲスを日本に呼べるか? という状況になったわけだが、じゃあ西田がロドリゲスに勝てるか? というと……。
結構厳しいかもしれんなぁと。
両者の試合を観比べてみたが、いろいろな面でロドリゲスが一枚上手な印象。
まず西田のここまでの戦績は8戦全勝1KO。デビュー戦の1RTKO以外はすべて判定である。
全部の試合を観たわけではないが、基本的に“待ち”中心のカウンター使いなのだと思う。
なので、ロドリゲス戦(実現すれば)も恐らく判定狙い? の可能性が高い。
ただ、ロドリゲス相手にポイント勝ちするのはかなり難しそう。
多彩な右リード、左のカウンター、距離の調整が持ち味の西田だが、それはロドリゲスも同じ。
しかもあの選手はやろうと思えば左右に動きながらでもカウンターを返せる。チャンスの局面では圧力を強めてKOを狙うことも可能。
ゲイリー・アントニオ・ラッセル、メルビン・ロペスに完勝していることを考えればサウスポーを苦にしないのも明らかである。
エマヌエル・ロドリゲスvsアントニオ・ラッセル。ロドリゲスうますぎた。ラッセルの高速ジャブを攻略。改めてルイス・ネリvsロドリゲス戦がポシャったのが…
前手のリードの多彩さ、ナチュラルに出すカウンター、フットワーク、その他。
西田の持ちネタをまるっとスケールアップさせたスタイルというか。
同じ土俵で勝負させられ、各ラウンドわずかずつ上を行かれる。
前手の差し合いで上回られ、左ストレートにはそのつどカウンターを合わせられる。
得意な間合いが似通っている分、能力差がそのまま勝敗に影響するのではないか。
何をやってもカウンターが返ってくるせいで徐々に手詰まりになり、試合後半は左右に動く以外にできることがなくなるパティーン。
打開策が見つからないままダラダラと時間が経過し、気が付いたら試合終了のゴングが鳴るとか、そんな感じ。
正直、相当尖ったやり方をしない限りメルビン・ロペスと同じ結末になる気ががが……。
エマヌエル・ロドリゲスがメルビン・ロペスを圧倒、約4年ぶりのIBF王者に。やっぱり差があったよな。できればKOして欲しかったけど
西田陣営の戦略に期待しておく。不利な状況をどう覆すかが見どころ?
実際、どうすれば西田がロドリゲスに勝てるのかがわからない。
理想は比嘉大吾戦の再現かな? と思うが、ロドリゲスと比嘉ではあまりにタイプが違う。
あの試合は「前手の右で比嘉を遠ざける→入ってくるタイミングで左右ボディをヒット→すぐさまサイドに動く、懐で暴れられる前に上からのしかかる」の無限ループでポイントアウトに成功した。
だが、アレはサイズ差がある&ガードを上げて前進してくる比嘉だからできた作戦。ロドリゲス相手にあそこまで右リードが機能する感じはしない。
だったら自分から行きます?
危険地帯に自ら踏み込んでロドリゲスが嫌がるボディ攻撃を仕掛ける?
レイマート・ガバリョもアントニオ・ラッセルもメルビン・ロペスもそれをやって撃沈したけど。
カウンター使いの西田にガバリョやラッセル以上の突進力を出せますかね?
比嘉を封じ込めた上からのクリンチも、サイズ差のない(西田170cm、ロドリゲス168cm)ロドリゲス相手にできるかどうか……。
あれこれ考えると、何だかんだで一番得意(相手も得意)な中間距離で勝負するのがもっとも確率が高い気もしてくる。
アブドゥラスル・イスモリロフは勝てる試合だった。左構えで勝負した方がよかった気が。井上浩樹vs佐々木尽が観たいけど、ないんだろうな
まあ、そういう不利な状況をどう覆すか、陣営の立てる作戦も見どころではあるのだが。
というより、今回は西田陣営がどんな戦略でロドリゲスに立ち向かうかが最大の注目ポイントかもしれない。
僕のような素人には想像もつかないプロの発想()で「おお!! すげえ!!」「なるほど!!」と言わせていただきたい笑
西田凌佑の“真っ当な”キャリア。亀田興毅は交渉がんばれ
というわけで亀田興毅は交渉がんばれ。
こんなことを言うのはアレだが、西田凌佑はめちゃくちゃ“真っ当な”キャリアで挑戦権を手に入れている。
文句なしの勝利でアジア王座を戴冠→防衛を重ねながらチャンスを待ち、一番いい(と思われる)時期に上位ランカーとの挑戦者決定戦が回ってきた。
ジムパワーを発動してのショートカットもなし、待たされすぎてモチベーション維持が難しくなることもない。
総試合数は8と多くはないが、やるべきことはしっかりやっている(と思う)。世界タイトルマッチを実現するタイミングとしては最適なのではないか。
というわけで亀田興毅は交渉がんばれ。
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