ムンギアvsリアム・スミス感想。巨神兵ムンギアがスミスのガードをぶっ壊し。スミスもよかったけどねじ伏せられた【結果・感想】
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2018年7月21日(日本時間22日)、米・ロサンゼルスで行われたWBO世界S・ウェルター級タイトルマッチ。
同級王者ハイメ・ムンギアにランキング1位の元王者リアム・スミスが挑んだ一戦は、ムンギアが3-0(116-111、119-110、119-108)の判定で勝利。見事初防衛に成功した。
2018年5月にサダム・アリを衝撃的な4RTKOで下し、戴冠を果たしたハイメ・ムンギア。
初防衛戦の相手は、26勝1敗1分の戦績を持つ元王者リアム・スミス。キャリア唯一の敗戦は2016年にサウル・“カネロ”・アルバレスに喫したもので、文句なしの強豪と言える。
また、本来サダム・アリに挑戦する予定だったのはムンギアではなくスミス。だが、直前にスミスがアレルギーを発症して中止となり、今回ようやく順番が回ってきた形。
「亀海完敗…。グレグ・ベンデティとのカウンター勝負で歯が立たず。今回はどうにもならなかったな。動きは落ちてないと思うけど」
試合は前回同様、大振りのスイングで襲いかかるムンギアに対し、スミスが右クロスのカウンターで対抗する展開。
パワフルなムンギアのパンチをかいくぐり、スミスが的確にヒットを重ねるなど、序盤は一進一退の攻防が続く。
だが中盤以降、パワーで勝るムンギアが徐々にスミスを押し込むシーンが増える。
中間距離で連打を浴び、6Rにはダウンを奪われるなど、スミスはムンギアの前進を抑えきれない。
「まんまだったなウシクvsガシエフ。無策のガシエフが12R空転させられ大差判定負け。WBSS優勝のウシクはヘビー級?」
自慢のパワーを活かして腕を振るムンギア。
スミスも何とかカウンターで応戦するが、そのつど打ち負けロープに下がらされてしまう。
その後も激しい打ち合いが続き、大激戦のまま12R終了のゴングが鳴る。
結果は大差判定でムンギアの勝利。各局面でスミスを上回ったムンギアが文句なしの初防衛を飾った。
「プログレイスvsベラスコ感想。プログレイスすごいね。猛獣的な強さを感じる。そしてWBSSのS・ライト級がクッソ楽しみ」
リアム・スミスがよかった!! 怪物ハイメ・ムンギアに対抗できるのか? とか思ってたけど
ミゲール・コットに勝利し初戴冠を果たしたサダム・アリをボロ雑巾のようにKOしたハイメ・ムンギア。
「階級間違ってねえか?」と思うほどの衝撃的な勝利にテンションが上がり倒したわけだが、そのムンギアのさっそくの初防衛戦である。
「やっべえw 巨人ムンギアがアリを爆撃。ムンギアなんだコイツ。プロレスラーみたいだな。は? これでもハードの方がデカいの?」
挑戦者はリアム・スミス。
本来はこの選手がサダム・アリと対戦する予定だったのだが、直前でスミスがアレルギーを発症し中止に。
個人的にこの試合を楽しみにしていたので、中止が決まった際はかなり残念だった記憶がある。
そして、満を持してのタイトル挑戦となったわけだが、果たしてリアム・スミスが巨神兵ハイメ・ムンギアに勝てるか?
正直、これはちょっと厳しいのではないか。
確かにスミスはいい選手だが、ムンギアのパワーを何とかできるとは思えない。
十中八九、フィジカルでねじ伏せられちゃうんじゃないの?
などと予想していた。
「亀海喜寛引退。先入観、常識に立ち向かった男の偉大さ。日本人が中量級以上で通用しない? 冗談も休み休み言えよw」
ところが、実際にはめちゃくちゃいい試合だった。
結果だけを見ればムンギアの圧勝だが、思った以上にスミスの作戦が機能していた気がする。
うん。さすがリアム・スミス。
この選手はカネロとも十分渡り合っていたし、やっぱり元王者だけあって実力は申し分ない。
「何とかできるとは思えない」などとほざいておいてよく言うぜという話だがww
「エロール・スペンス1RKO勝利。おいおい強杉かww でもオカンポのスペンス対策も間違いじゃなかったよね」
リアム・スミスは前に出てのカウンターで勝負。野性的なムンギアの連打を封じ込める
まず今回の試合でリアム・スミスが狙ったのが、右のカウンター。
野性味溢れる動きで襲いかかるムンギアの左に右クロスを被せ、そのまま距離を詰めてスペースを潰す。
前戦を観る限り、ムンギアは前に出て腕を振ると手が付けられなくなる。サダム・アリは下がりながらのカウンターを狙ったが、結局ムンギアの圧力に何もできずにKO負けを喫してしまった。
「おおお…ハードがララに勝ちやがった! いい試合だったな。両方がんばった。ちょっとロマvsリゴ戦ぽくもあったかな」
圧倒的フィジカルを誇る相手に臆さず、勇気をもってカウンターを合わせる。
そして、打ち終わりに必ず手を出してムンギアの連打を発動させない。
この試合に対するリアム・スミスの気合がたっぷりと感じられる動き。
実際、序盤3Rまでは普通にリアム・スミスがペースを掴んでいたように思える。
うん。
やっぱりこういう野性的でパワフルな相手には前に出てのカウンターですよね。
「ビボルvsチレンバ感想。おいおい、チレンバ次は勝てるんじゃないか? いい試合だったな。ビボル勝利は文句ないけど」
パワフルなムンギアを抑えきれず。ダウンも奪われ、ガード一辺倒で耐える時間が続く
だが4Rの後半から、徐々にスミスはムンギアの圧力を抑えきれなくなる。
カウンターを浴びても気にせず前に出るムンギアに押し込まれ、ロープ際で耐えるシーンが目立ち始める。
序盤同様、カウンター+頭が当たる距離での接近戦を挑むスミスだが、その位置でもムンギアは強引に腕を振ってスミスを後退させてしまう。
カウンターを封じるために1発目の左をボディに変えたのも効果的で、両者のパワー差が顕著に表面化していく。
そして、6R残り40秒。
ムンギアの猛攻を浴び、スミスはガードを固めて亀になる。
カウンターを合わせることもできず、ひたすら耐える時間が続く。
対するムンギアはガードの上でもお構いなしに腕を振り、凶悪なフックをねじ込む。
ワンツーの打ち終わりを狙われ、側頭部に被弾したスミスの首がガクッと揺れ、そのまま尻餅をつくようにダウン。
苦笑いを浮かべながら立ち上がるスミスだが、明らかに足元がおぼつかない。腕をからめてラウンド終了のゴングを待つ。
「木村翔がサルダールをボディでKOして2度目の防衛に成功。中国の英雄がまたやったぜ!! 次は田中恒成戦か?」
リアム・スミスはめちゃくちゃがんばった。でも、ムンギアのパワーに消耗させられ、カウンターが間に合わず
いや~、キツい。
リアム・スミスがやろうとしていることはわかるし、恐らく選手としての完成度はムンギアよりも上。
固いガードから上下の打ち分けなど、さすがだなと思わせる動きは随所に見られる。
「サンキューコバレフ、お前はサイコーだった。アルバレスに7RKO負けで王座陥落。クラッシャーの終焉か?」
だがムンギアとのフィジカルが違い過ぎて、各局面でどうしても打ち負けてしまう。
ムンギアのパワーを抑えきれず、得意の接近戦で後退させされる。
「大健闘の井上岳志。ハイメ・ムンギアに3-0の判定負け。でもめちゃくちゃカッチョよかったよな。採点は…118-110かな?」
もちろんムンギアの柔軟な上半身やボディ打ちはよかったが、それ以上に怪物的な圧力にリアム・スミスが歯が立たなかった感が強い。
スミスのカウンターを上半身のクネクネとした動きで芯を外し、反動を利用して下から突き上げながら前に出るムンギア。
頭を下げて踏ん張るスミスのさらに下からアッパーを突き上げ、自分の身体が浮き上がるくらいのフルスイングで顔を跳ね上げる。
スミスはムンギアの前進を止めるためにいつも以上に力を込めて腕を振る。そのため、どうしてもガードに一瞬の遅れが生じる。
また、サイドへの動きも大きく、攻防のつなぎにスムーズさが失われてしまう。
バタバタとした足取りでリングを回り、ムンギアの大振りのフックにフルスイングで対抗。
だが、絶えず頭の位置を動かすムンギアを捉えきれず、至近距離での打ち合いでは勝てない。
結果的にガードを固めて亀になり、ロープを背負わされる展開。
正直、ヒット数ではリアム・スミスも負けていなかったとは思うが、それ以上に両者の消耗度に差があり過ぎた。
「サンダースが禁止薬物陽性w やるならバレんなよ。ロマゴンvsフェンテス、ムンギアvsクック、レミューvsオサリバン振り返り」
スピード&パワー至上の勝利。できればムンギアは対抗王者との統一戦が観たいね。階級アップでもいいけど
毎度似たようなことを申し上げてアレなのだが、やはりスピード&パワーは至上だなと。
基本、デカくて動ける選手が最強。
同じ動きができるなら身体がデカい方が有利に決まってる。
特にここ最近、怪物王者が台頭しているS・ウェルター級ではなおさら。
「ジャーメル・チャーロがトラウトに完勝。野性味満載の1発狙いで2度のダウンを奪うも倒しきれず。ハード戦はよ」
「パンチ力は関係ない」「角度とタイミングが重要」という話はよく聞くが、フィジカル上位であればそれだけ余裕が生まれることは間違いない。
相手のパワーで消耗させられながら一瞬のチャンスを待つより、相手を消耗させながらチャンスを探る方がはるかに有利。
完成度は高いが身体能力にもの足りなさのあるリアム・スミスにとって、今回は本当に残酷な試合だった。
なお、勝利したハイメ・ムンギアは今後どうするのか。
このまま防衛路線を歩むのか、それともどこかの時点でミドル級にアップするのか。
個人的には階級アップの前に対抗王者との統一戦を実現してもらいたいが。
ジャーメル・チャーロやジャレット・ハードなど、フィジカル五分の相手との激突をぜひとも観てみたい。
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