ウィリー・モンロー・ジュニアがロサドを一蹴!! え? カネロのミドル級調整試合にモンロー? デラホーヤの商魂も鈍ったか?【結果・感想】
2016年9月17日(日本時間18日)に米・テキサス州アーリントンにあるAT&Tスタジアムで、WBOインターコンチネンタル・ミドル級王座決定戦として、ウィリー・モンロー・ジュニアとガブリエル・ロサドの一戦が行われた。
同級の世界ランカーで、ともに統一王者ゴロフキンへの挑戦経験がある選手同士の対戦となったこの一戦。ウィリー・モンロー・ジュニアがガブリエル・ロサドに3-0(118-110、117-111、116-112)の12R判定勝ちを収めた。
「爆腕!! 村田がブルーノ・サンドバルにド迫力KO!! 世界前哨戦で格の違いを見せつけ3RKO」
ディフェンシブにカウンターを狙うスタイルのモンローに対し、ロサドはなかなか手が出せない。
試合後半になってロサドがようやく前に出て見せ場を作るが、反撃はそこまで。終始ロサドをコントロールしたモンローが3-0で快勝した試合である。
「俺のウィリー・モンローJr.さんキター!! サンダースとのタイトルマッチ。よしお前ら、震えて眠れ」
ウィリー・モンロー・ジュニアすばらしい。この選手をセミファイナルに持ってくる手腕もww
ウィリー・モンロー・ジュニア安定感抜群の勝利!!
本日も安定のモンロー・ジュニアさん、無難にランカー対決を制して自身の存在を無難に誇示。
いや、さすがである。
この安心感。この安定感。
そよ風のように現れ、山も谷もない平坦な道を音も立てず静かに歩き、何事もなかったかのように去っていく。
まるで仙人を思わせる静かなボクシング。
これこそ僕の大好きなウィリー・モンロー・ジュニアさんでございますww
そして、この試合をセミファイナルに持ってきたデラホーヤの采配もこれまた秀逸である。しかもセミセミにはこれまた安全運転大好きな判定マシーン、サダム・アリの復帰戦。
「ジェシー・バルガスがサダム・アリをTKOで下して勝利!! 激戦を制したバルガスが2階級制覇達成!」
なるほど。
メインのカネロvsリアム・スミスを逆に盛り上げる演出ですね。
逆にね!!
浮ついた客席をサダム・アリとウィリー・モンロー・ジュニアさんでしっかりと沈めておいてからの~~カネロ!!
「5万人以上集まったって、そんなに期待通りのマッチメークが続くわけないだろ?」と思わせておいてからの~~カネロ!!
「恐れ入りましたカネロ。リアム・スミスにあんな勝ち方するか。サウル・アルバレスが9RTKO勝ち」
観客には常に緊張感を持たせ、メインイベントへとつなぐ采配。
確かに大きくジャンプするにはいったん膝をかがめる必要があるからな。
さすが歴戦の雄オスカー・デラホーヤである。
「ホルヘ・リナレスvsアンソニー・クローラ(クロラ)予想! シャレにならんぞリナレス。スピードで勝てるってマジ?」
最高に穏やかな気分で観戦しました。ウィリー・モンロー・ジュニアさん、あざっす
まあ正直な話、この試合の結果は組み合わせを聞いた瞬間にわかった。
ロサドがウィリー・モンロー・ジュニアのディフェンスを崩せるわけがない。試合を観る必要もなく、3-0でモンローさんの勝ちだ。
ご存知のように、2016年9月は日本でも海外でも大きなボクシングの試合が立て続けに開催された。しかも、個人的には冷静に観られないようなマッチメークも目立っていた。ケル・ブルックvsゴロフキンや長谷川穂積vsウーゴ・ルイスなど、複雑な気分にさせられたりイラついたりと個人的にも精神が乱高下していた次第である。
→「言うほどいい試合かこれ? 長谷川穂積がウーゴ・ルイスにTKO勝利」
→「無謀にもほどがあるケル・ブルックがゴロフキンに5RTKO負け!! セコンドのナイス判断」
だが、怒涛のボクシング月間の締めに選んだこの試合は、本当に穏やかな気分で観ることができたww
予想するまでもないマッチメークにおいて、目当ての選手が予想通りの動きを披露して予想通りに勝利する。こんな予定調和があってたまるかというくらいの平坦な道のり、そして結末である。
ありがとう俺のウィリー・モンロー・ジュニアww
やっぱり君は最高で最低だww
「アントニオ・オロスコvsケアンドレ・ギブソン予想。ついに復帰戦キタ!! オロスコさんの栄光への道が再スタート」
いつも通りのウィリー・モンロー・ジュニアが効率的な省エネスタイルでロサドをかる〜くひねる
試合の流れとしては、サウスポーのウィリー・モンロー・ジュニアが距離をとってディフェンシブに構え、それをロサドが追う展開。
だが、追い足のないロサドはなかなかモンローからクリーンヒットを奪えない。逆にモンローがロサドの打ち終わりに、レンジの長い踏み込みでカウンターをヒット。各ラウンドにおいてカウンター数発のヒットの分だけモンローにポイントが流れるという試合である。
まあアレっすわ。
ほぼいつも通りのウィリー・モンロー・ジュニアですよ。ええ。
というか、ロサドにモンロー・ジュニアさんを崩せるはずがない。せめてカーティス・ステーブンスくらい連れてこい、お?
「ウィリー・モンロー・ジュニアやっぱりいい選手!! トンプソンに判定勝利で健在ぶりをアピール」
ロサドが距離を詰めてきた分だけ後退し、パンチを鼻先で避ける。
右に回りながら時おりロサドの左にカウンターの右を被せる。
コーナーに詰まりそうになれば高速のワンツーを見せてスペースを作り、瞬間的に身体を入れ替える。
パンチのスピードで圧倒して相手に手を出させなくさせ、無駄なアクションを抑える。狙うのは基本的にカウンターのみで、こう着状態をなるべく長くすることで体力の消費を極力抑える。
まさしくエリスランディ・ララやギジェルモ・リゴンドーと類似した省エネスタイルである。
「最強のクソ試合製造機アンドレ・ウォードさんが本日も安定の完封。ブランドを寄せつけず」
グイグイ前に出てくる相手には若干脆いところがあり、正直モンローはララやリゴンドーに比べればやや落ちる。今回の試合でも7、8Rにペースを奪われかけるなど、トップ中のトップと言える選手ではない。
だが、これだけ身体のさばきが巧い選手を捕まえられる選手が今のミドル級にゴロフキン以外にいるだろうか。個人的にはダニエル・ジェイコブスが相手でも、最後までコントロールしきるのではないかと思っているのだが。
「ジェイコブスがセルジオ・モーラとの再戦を制す!! ゴロフキン? いや厳しいでしょ」
ロサドが頭を振りながらモンローとの距離を詰める。
対するモンローは、クラウチング気味の構えのままジリジリと後退。
ロサドがタイミングを測り、いきなりの右を打ち込む。
滑るようなステップで斜めに後退するモンロー。頭を下げてロサドの右を避け、すぐにショートの左を返す。
ロサドがスタンスを広げてモンローの懐に入ろうとするが、コーナーでモンローの左右の連打を被弾して動きが止まる。
その瞬間を逃さずモンローが身体を入れ替え、コーナーから脱出。大きく距離をとって再びリング中央で対峙する。
「ウォータースvsロマチェンコ決定ワロタww これで内山vsコラレス再戦確定的か?」
必要なときに必要な分だけ動き、余計な体力はいっさい使わない。
いわゆるこれ系の選手の一つの完成形と言っても過言ではないスタイルである。
「サンダースvsウィリー・モンローJr.とかいうアラサー大男2人のお見合いが36分間続く地獄。俺がリゴンドーを嫌いな理由がコレww」
前回の記事でも申し上げたが、長谷川穂積もあれだけの才能があるのだから、その気になればこういうスタイルを極めることができたのではないだろうか。そして、35歳になった今でも変わらずに全盛期を維持できていた可能性もあるような気がする。「勝利最優先」と「効率重視」というメンタルさえあれば。
まあ、仮にリゴンドースタイルで勝ち続けたとして、あれだけの人気を得られたかどうかは別の話なのだが。
「英雄の帰還。生贄の名はジェシー・バルガス。パッキャオは復帰戦を盛大に飾れるか?」
何度も言うけど試合は全っ然おもしろくないぞ? こんな選手をカネロの相手にしちゃうのか? 無謀にもほどがあるぞ?
テクニカルなボクシングでガブリエル・ロサドを寄せ付けず、見事に判定勝ちを収めたウィリー・モンロー・ジュニア。相変わらずの安定感でミドル級屈指の実力者であることを見せつけた。
だが、とにかくこの選手の試合はつまらない。
僕自身、ウィリー・モンロー・ジュニアのことは応援しているし、いつかは王座を獲得してもらいたいと思っている。
ただ、同時に試合を観るのがこれだけ苦痛な選手も珍しいww
エリスランディ・ララもリゴンドーもそうだが、退屈なだけでなく絶望的に華がないというのが厳しい。
応援してはいるが、瞼の重みとも壮絶な戦いを強いられるという意味では試合観戦自体が苦行以外の何物でもない選手である。
しかも今回の興行でセミファイナルに出てきたということは、モンロー・ジュニアがカネロの次回の対戦相手と考えられているということなのだろうか。
いや、それは最悪じゃないか?
だってウィリー・モンロー・ジュニアだぞ?
カネロはすでにエリスランディ・ララともオースティン・トラウトとも試合をしているし、今さらこの手のタイプをぶつけてどうしようというのか。
「チャーロ兄ジャーマルがトラウトを撃破!! フィジカルモンスターが階級屈指のテクニシャンを力技でねじ伏せる」
調整試合とはいえ、ボクシング界のドル箱スターに失敗確実な興行のメインを張らせるなど正気の沙汰ではない。
しかもタイプ的にもゴロフキンとはまったく違うし、ミドル級への適応を考えてもどうなの? という感じである。
どうしたデラホーヤ。
ちょっと商売への嗅覚が鈍ったか?
今回の興行への出場をビリー・ジョー・サンダースにも断られたというし、要はミドル級でカネロの調整試合として手ごろな選手が見当たらないということなのだろうか。
「ドネアvsマグダレノ予想!! 世代交代を拒否しろ。フィリピーノフラッシュが無敗の剛腕サウスポーと激突」
モンロー・ジュニアさんの金髪がバレンティンっぽくてワロタ
これは余談だが、今回の試合では髪を金髪に染めていたモンローさんの姿がヤクルトスワローズのバレンティンみたいでちょっとおもしろかった。まあそんなものはすぐに見慣れたし、ただの出オチに過ぎないのだが。
逆にロサド陣営でセコンドをつとめていたフェルナンド・バルガスがあり得ないくらい太っていて、僕にとってはその方がよっぽど印象的だったといっても過言ではない。
さらにTwitterのフォロワーさんが、バルガスのことを「DeNAベイスターズのラミレス監督みたいになってる」とおっしゃっていたのにはかなり笑わせていただいた。
「バレンティン攻略の指示を出すラミレス監督」という構図が個人的にはツボだったww
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