2軍調整の松坂大輔、1軍登板までの険しい道のり。手術後の回復具合は何合目まできてるのか?
松坂大輔の2軍調整が続いている。
2016年4月14日に1イニング、20日に2イニング、そして27日には4回61球を投げて3失点。中6日の間隔で実戦登板しつつ、ブルペン入りしながら肩の回復具合を見ているという。
2016年シーズンがスタートして早1ヶ月。昨年の覇者ソフトバンク・ホークスは出だしこそややつまづいたものの、徐々に自力を見せて現在は首位に立っている。
先発5、6番手の椅子を狙う松坂大輔の1軍登板はいつになるのか。
日本球界に復帰して注目を集めるも、8月に肩の手術をして登板なしに終わった2015年シーズン。その借りを返すためにも何とか1軍での活躍が望まれるところだが、果たしてどうなるか。
一向に出てこない松坂大輔。だからどうした? 応援は続けるよもちろん
2016年シーズンが始まり約1ヶ月が経つが、一向に松坂大輔の1軍登板の噂は聞こえこない。それどころか、3月16日に古巣・西武とのオープン戦に先発した後に肩の違和感を訴え、1ヶ月ほど実践から遠ざかったとのことである。
2016年は年明けから「表情が明るい」「順調に回復している」「開幕1軍を目指す」と景気のいい話が聞こえていた。恐らく今シーズンの松坂には期待していた方も多いと思う。
当然僕もその1人で、オープン戦での登板を観てガッカリさせられた人間である。
だが、繰り返し申し上げているように僕は松坂大輔の大ファンだ。松坂がどれだけ批判されようが不良債権呼ばわりされようが、凹むことなく復活を待ち続けたいと思っている。
アメリカ時代から何度となく期待を裏切られているが、今なお松坂の躍動する姿に期待している自分がいる。本当に我ながら気持ち悪いのだがww
2軍戦でもいまいちな投球。完全にリハビリ段階……
松坂への思い入れが強すぎて、またしても前置きが長くなってしまった。そろそろ本題に入りたいと思う。
2016年4月27日の松坂登板試合(2軍戦)を観た感想である。
まず数字的には4回61球5安打、2四球3失点という内容だった。
だが、それ以上に松坂の球は打者にきっちり捉えられていた。許した安打は5本ながら芯で捉えられた打球は多く、相手打者には気持ちよく振り抜かれていた。
まあひと言で言うと、現在の松坂は2軍の打者にすら通用していない。
ストレートのスピード、変化球のキレ。フォームの躍動感。どれを見ても、残念ながらまだまだリハビリ段階。とてもじゃないが1軍に上がってどうこうというレベルではない。
3月のオープン戦のときは曲がりなりにも抑えていたではないかと思われるかもしれないが、そのときは打者も調整中であったことを忘れてはいけない。
身体が出来上がっていない3月の段階では振り遅れていた球にも、シーズンが始まれば打者はしっかりついてくる。3月の段階からリハビリ状態が続く松坂では抑えられないのも無理はない。
「松坂大輔さんの2017年成績予想【定例報告】オープン戦ラスト登板で広島を相手に7回無安打無失点」
以前の記事で5月頃の1軍登板ではないかと見込んでいたが、残念ながらそれは下方修正せざるを得ないようである。
ほんの少し前進してる。ほんの少し……
ただ、悪いことばかりではない。
現状、松坂が1軍の打者に通用するような球を投げているとはとてもじゃないが言えない。
それでも、前進していないとは言っていない。
「制球がバラバラ」
「打者と勝負できていない」
「球自体がよかったわけではない」
本人のコメントからはあまり前向きな言葉は聞こえないが、僕が見た限り3月の段階よりはよくなっていた。
スピードやキレがないとは言ったが、それでも3月時点の絶望的な姿よりは若干上がってきていることは間違いない。
何より、あのときよりも腕が強く振れるようになっていることは大きい。まだまだ怖々投げている感じは強いが、確実に前進していると考えていいのではないだろうか。
これから気候もよくなってくるし、だんだんと方向に向かっていくと期待できる。
まあ、前進と言っても半歩くらいだけどね。
もちろん前進しているといっても、何度も言うように今の松坂がリハビリ段階であることに変わりはない。
松坂の前に進むスピードよりも2軍選手の調子が上がるスピードの方がはるかに早いので、現段階ではポンポン打たれてしまうのは当然の結果である。
これからさらに状態を上げていく必要があるし、たとえ全快したとしても1軍レベルまで持っていけるかも定かではない。
しかも投げているのは並の選手ではない。あの松坂大輔である。1軍レベルで通用するという程度で納得する人は誰もいないだろう。
繰り返すが、進んだといってもあくまで半歩。10段階でいうと0.5程度である。
つまり1ヶ月で0.5ずつと考えると、10段階までいくのには20ヶ月……。
契約終わっちゃうじゃねえか!!
いや、さすがにそれはないか。
とはいえ、こんなくだらないことが言えるのも、松坂のピッチングがほんの少し上向いていることに安心したからに他ならない。
「フォーム、フォーム」言うのを止めとけって思う。それ逆効果じゃねえか?
相変わらず「下半身主導のフォームが〜」とか「手投げの印象」とか「崩れてしまったフォームの修正」など、フォームに関するコラムやコメントを数多く見かける。
「『松坂大輔のフォームがおかしい』って連呼するけどさ? 具体的に松坂(ソフトバンク)どこがダメなのさ?」
ただ、僕自身は「もうそれはいいんじゃないの?」と思っている。
いくら周りが騒いだところで、現実的に今の松坂はあの投げ方なのだ。しかも2014年のMLB時代でもあのフォームで球威のある球を投げ込んでいたのである。
とりあえず自分の中にある「理想のフォーム」や「かつての松坂像」と照らし合わせるのは止めればいいのではないかと思う。周りの人間(評論家や球団OBなど)は、あーだこーだと口出しせずに松坂が段階を踏んで復活するのを手伝ってやればいいのではないだろうか。松坂が困ったときだけ手を差し伸べるという姿勢が一番だと思うのである。
それこそ、これまで球界に多大なる貢献をしてきた選手である。ある程度のわがままは許されるはずだし、自分で引き際を決める権利も持っている。
もちろん周りが騒ぎ立てることで松坂自身にも変な影響を与えてしまうという懸念もあるだろう。そのあたり、工藤監督は本当にうまいと思う。ほとんど松坂の話題を出さないことで、批判が向かないように配慮していることが伝わってくる。
まあ、あの松坂大輔に対して周りが騒ぐなというのも無理なのはわかっているのだが。ましてや結果がすべてのプロの世界ならなおさらである。
それでも松坂大輔に対してだけは、見境なく「がんばれ」と思ってしまう自分がいる。
何度も言うが、我ながら気持ち悪い話であるww
-
前の記事
内山vsコラレスの敗因? 経験知不足、国内専門王者の弊害が一番大きいんじゃないかな? 衰えやモチベーション低下ではなく 2016.04.28
-
次の記事
「モチベーション」とか「メンタル」とかホント好きだよな。笑わせんなよ。内山は実力でコラレスに負けたんだよ 2016.04.30