Big-O(オオスミタケシ)逝く。DEV LARGEがゴールド・ロジャーならBig-Oは白ひげだろうな。で、MUROが冥王レイリーか

Big-O(オオスミタケシ)逝く。DEV LARGEがゴールド・ロジャーならBig-Oは白ひげだろうな。で、MUROが冥王レイリーか

Big-Oの名でSHAKKAZOMBIEのMCとして活動し、ファッションブランド「PHENOMENON」「ミスター・ジェントルマン」のデザイナーも務めたオオスミタケシ氏が2021年1月24日に敗血症で逝去したとのこと。


 
僕は警察が大嫌いです。ドレッドヘアーじゃねえし両親日本人だけどすげえ職質受けるんだが? そこは差別ではないのか?
 

僕にとってのオオスミタケシ氏はデザイナーというよりSHAKKAZOMBIEのBig-O。いきなりの訃報にかなり驚いている

オオスミタケシ氏逝去。
 
最初に申し上げておくと、僕にとっての氏はデザイナー・オオスミタケシではなく、SHAKKAZOMBIEのBig-OもしくはOSUMI。ジャパニーズHIPHOPの黎明期を支えた1人としての印象の方が強い。
 
2000年代以降はデザイナーとして成功していたことは知っていたが、正直「PHENOMENON」は僕の趣味には合わず。高額なこともあってこれまで手を出したことはない。
 
一方SHAKKAZOMBIEはかなり好きなグループで、Big-Oのことは「日本一カッコいいデブ」と呼んでいたりもしていた。
リアルタイムで聴いていたわけでもなくHIPHOPに特別詳しいわけでもないが、今回の訃報にはかなり驚かされている次第である。
 
敗血症ということで新型コロナウイルスが関係しているのかは不明だが、どちらにしても残念極まりない。
 
ラッパーが大麻で逮捕されるたびに同業者や取り巻きが一斉に擁護し始める現象、やっぱりダサいよ。どう考えてもダサい。全然リアル()じゃない
 

ジャパニーズHIPHOPを「ONE PIECE」に例えるならゴールド・ロジャー→DEV LARGE、白ひげ→Big-O、冥王レイリー→MURO。MUROは黎明期のHIPHOPを完成させた第一人者

表題の通りなのだが、ジャパニーズHIPHOPの黎明期を漫画「ONE PIECE」に例えるなら、
海賊王ゴールド・ロジャー→DEV LARGE
“白ひげ”エドワード・ニューゲート→Big-O
“冥王”シルバーズ・レイリー→MURO
 
ジャパニーズHIPHOPは2002年発売のアルバム「最終兵器」(キングギドラ)によって一つの完成形に到達したと言われていたが、僕の中ではちょっと違う。
 
BUDDHA BRANDが1996年「人間発電所 プロローグ」でシーンに風穴を開け、翌1997年にSHAKKAZOMBIEがファーストアルバム「Hero the S.Z.」を発表して時計の針を大きく進める。
 
そして2000年発売のアルバム「PAN RHYTHM:Flight No.11154」(MURO)により、ジャパニーズHIPHOP黎明期の完成形が示されたと思っている。
 
中でもシングルカットされた「El Carnaval」はキャッチーなトラックと特徴的なMUROの低音ラップが見事にマッチしており、誰にでも聴きやすくカッコいいナンバーに仕上がっていた。

 
キングギドラは幅広い層に支持を集めるZeebraとセルアウト寄りのKダブシャインという組み合わせがうまく作用したが、MUROはその辺のバランス感覚が抜群だった気がする。
 
流行に媚びないアングラ精神を遵守しつつ、HIPHOPというジャンルが大衆に受け入れられるように努力する。
 
ポップであることがHIPHOPにとって正しいかどうかなどは僕のようなニワカ()にはまったくわからないが、とにかくMUROという人物はラッパーとしてもトラックメーカーとしても高い能力と嗅覚の持ち主だった(と思う)。
 

BUDDHA BRANDの衝撃は凄まじかった。DEV LARGEはまるで黒人が日本語でラップをしているような感覚

申し上げたようにジャパニーズHIPHOPの黎明期を「ONE PIECE」に例えるなら海賊王ゴールド・ロジャー=DEV LARGEだと断言できるのだが、BUDDHA BRANDの衝撃は誇張抜きで凄まじいものがあった。
 
1996年「人間発電所 プロローグ」でのクッソかっこいいトラックと意味は謎だが耳に残るリリック。
 
英語と日本語を半々の割合でミックスしたラップなどこれまで聴いたことがなく、中でもリーダー格のDEV LARGEの存在感はとんでもない。
まるで黒人が日本語でラップしている感覚というか、完全に僕の知らない異世界から現れた怪物。
 
わかりやすく表現するなら「神曲キター♪───O(≧∇≦)O────♪」というヤツ。
 
SHAKKAZOMBIEとのユニット大神名義の「大怪我」を含め、「人間発電所 プロローグ」は今もなおジャパニーズHIPHOP界でもっとも有名な1枚と言える。

 
1997年「天運我に有り(撃つ用意)」や2000年「DON’T TEST DA MASTER」などに関しては、カッコよすぎてもはや理解が追いつかないww
 
さすがに今聴いても全然古くないとは言い難いが、少なくとも取っつきやすくてカッコいい曲であることは確か。
 
興味があればぜひとも視聴していただければと思う。

 

 
「DON’T TEST DA MASTER」は元K-1の登坂匠も入場曲に使用してたしね。
 
格闘技イベントの入場で使われたらテンション爆上がり曲Best5。すでに使用してる選手がいたら一瞬でファンになりますがそれが何か?
 
2000年以降のDEV LARGEは他のラッパーの曲に客演として参加したりトラックメーカーとして活躍したりと前面に出ることは少なくなったが、時おり触れるラップやトラックはさすがと思わせるものばかりだった。
 
2004年「THE 9th SENSE」(スチャダラパー)内「リーグオブレジェンド」にてスチャダラパーとブッダのコラボが実現したのはなかなかセンセーショナルな出来事だった記憶が……。

 
中年サラリーマンがビートに合わせて「飲みニケーション」を連呼することで話題になった「JINRO」のCM曲もDEV LARGEのプロデュース。
 
 
1995年に日本に帰国(DEV LARGEは帰国子女)した際にジャパニーズHIPHOPの現状に愕然とし、まずはCD屋にHIPHOPの棚ができることを目標にしたとのこと。
 
MURO率いるヒップホップ集団KING OF DIGGIN’の中心メンバーとして黎明期を支えた第一人者とも言える存在で、2015年の急逝を含めてまさにHIPHOP界のゴールド・ロジャーと呼ぶにふさわしい(と思う)。
 
KING OF DIGGIN’の一覧を見ると、海賊王のクルー感満載ですからねww
 
 
ちなみにブッダの初期メンバー、NIPPSさんは一時期フィジカル的にガチでヤバかった記憶が……。
 
この1、2年はまあまあ無事みたいだけどww

 

Big-Oの声量と高音に度肝を抜かれた。SHAKKAZOMBIEのファーストアルバム「HERO THE S.Z.」は黎明期における最高傑作

そして、Big-O擁するSHAKKAZOMBIEについて。
 
上述の通り僕がSHAKKAZOMBIEの存在を認識したのはBUDDHA BRANDとのユニット大神での「大怪我」が初めて。
 
中でも3番目に登場したラッパーの声量と高音に「何だコイツ!!」となり、後にそれがSHAKKAZOMBIEというグループのBIg-Oだと知った経緯がある。
 
あの巨体と若さもあって肺活量が半端じゃなかったのだと思うが、この人の声量はとにかく凄まじい。
実際にライブに行った人によると、あまりの声量で常にマイクが音割れを起こしていたとか。
 

和尚様の説教より俺の発狂
地球がパックリ割れる声量

このリリックなど、まさに自身のスタイルを体現した言葉としか言いようがない。
 
 
で、SHAKKAZOMBIEは1997年7月にファーストアルバム「HERO THE S.Z.」を発売するわけだが。
 
個人的にこの1枚はHIPHOP黎明期における最高傑作
捨て曲が1曲もなく、すべてが渾身のSHAKKAZOMBIEワールドで満たされている。
 
申し上げたようにSHAKKAZOMBIEはこの「HERO THE S.Z.」でジャパニーズHIPHOPの時計の針を大きく進めることに成功した。
この1枚がなければMUROの「PAN RHYTHM:Flight No.11154」も存在しなかったのでは? と思うほどに。
 
中でも4曲目「空を取り戻した日」(Big-Oのソロ)、7曲目「WHO’S THAT?」、8曲目「虹」、12曲目「この手につかんだ真実」は僕が特に気に入っているナンバー。
 
彼らの日本語中心の韻には英語と日本語をミックスしたブッダのリリックとは違う心地よさがあり、HIDE-BOWIEとBig-Oの掛け合いはそれぞれ個性的で耳に残る。
 
ブッダ同様、今聴いても古くないと言うには無理があるが、オールドスクールに触れるには最適の1枚と言えるのではないか。

 

空を取り戻した日
SHAKKAZOMBIE
ヒップホップ/ラップ
¥255

WHO’S THAT?
SHAKKAZOMBIE
ヒップホップ/ラップ
¥255


SHAKKAZOMBIE
ヒップホップ/ラップ
¥255

この手につかんだ真実
SHAKKAZOMBIE
ヒップホップ/ラップ
¥255

さらに「HERO THE S.Z.」から約5年後の2002年に発売されたサードアルバム「THE GOODFELLAZ」では、MUROが完成させたジャパニーズHIPHOPの進化形に触れることができる。

 
15曲目「IT’S OKAY」にはNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの中でもっともスキルフルと言われたDABOが客演として参加しており、僕好みの聴きやすいナンバーとなっている。

IT’S OKAY feat.DABO
SHAKKAZOMBIE
ヒップホップ/ラップ
¥255

2010年代以降、DABOをはるかに凌ぐスキルを持つラッパーが多数出てきたが、僕は2000年代前後のオールドスクールなラップも同じくらい好きだったりする。
 
いい意味で力が抜けているというか、あまり詰め込み過ぎない感じが。
 
SKY-HIとか、めちゃくちゃ上手いのはわかるんですけどだんだん肩が凝ってくるんですよねww
 
 
 
などなど。
色々な意味で今回の訃報は残念であり、Big-Oを「ONE PIECE」で例えるなら“白ひげ”エドワード・ニューゲートというのもその通りだと思う。
 
 
Big-O、本当にお疲れさまでした。
心からご冥福をお祈りいたします。
 
 
あと、健康はマジで大事だよね。
 

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