前田健太がノーノー未遂。すげえなマエケン。今年はいいと思ってたけど、まさかここまでとは。めちゃくちゃワクワクしたわ。なお勝ち星【2020.8.18感想】
大リーグ、ミネソタ・ツインズに所属する前田健太投手が現地時間2020年8月18日、本拠地ターゲット・フィールドでのミルウォーキー・ブルワーズ戦に先発。
9回無死までノーヒットノーランを続ける快投を見せたが、惜しくも白星はならず。チームは延長戦の末に4-3のサヨナラ勝ちを収めている。
3回1死~5回まで8者連続三振を奪い、球団記録を更新するなど圧巻のピッチングを見せた前田。8回まで1本のヒットも許さず大記録が目前に迫ったものの、9回無死から2球目をソガートにセンター前に運ばれ無念の降板。
チームメートからも大きな拍手が起きるほどの素晴らしい投球内容だったが、後続が打たれて白星が消滅してしまう。
その後、チームは延長12回にポランコの内野安打でサヨナラ勝ちを飾ったが、最終回残り3人で白星を逃した前田に対しては米メディアからも同情の声が上がっている。
マエケン、ノーノー未遂すげえ!! 今年は結構いいんじゃないか? と思ったけど、まさかここまでとは
マエケンのノーノー未遂!!
全60試合という超変則日程で7月にスタートしたMLB。
先日、大谷翔平やダルビッシュ有などの日本人投手の登板試合についての感想を一通り申し上げたわけだが、その中でも僕がもっともいいと思ったのがツインズの前田健太である。
投手大谷翔平が酷い。世界最高峰のリーグでスターターを務めていいレベルではない。MLB開幕日本人投手登板振り返り
ドジャースからの移籍1年目でどんなパフォーマンスを見せるかに注目していたところ、1発目の登板からなかなかいい仕上がり。これはちょっと期待できるかも? と思いつつ、80、90球前後で球威が落ちてくるのも相変わらずだったので、まあ大体こんなもんだろうと。
MLBの舞台では根本的なスペックが足りず、スーパーエースにはなれない。だが、少なくとも優秀な先発3番手として使い勝手のいい便利屋の立場は確立できる。
ドジャース時代と同様、レギュラーシーズンはそこそこ勝てる先発としてローテーションを守り、プレーオフでの勝負どころで第二先発などの役割を担う感じなのかな? と漠然と予想していた次第である。
それがまさか……。
9回まで1本のヒットも許さず12奪三振、ノーヒットノーラン未遂とは。
ここまでの成績も3勝0敗 防御率2.27という堂々たるもの。
今年はなかなかいいんじゃねえか? と思ってはいたが、このレベルの働きを見せるというのは完全に予想外だった。
ダルビッシュ有→結構いい感じじゃない?
田中マー君→安定感はあるよね
菊池雄星→観てないけど、覚醒しつつある?
山口俊→ようやく少し慣れてきた。がんばれ
大谷翔平→あぼーん
こんな感じで2020年の日本人投手にはあまりテンションが上がらないのだが、その中で唯一マエケンだけが僕をワクワクさせてくれる。
田中マー君、今回もいい感じ。6回3安打2失点でようやく初勝利。ダルビッシュ、マエケン、山口もよかった。でも打者が…
最高でしたとしか言いようがない。8連続三振の球団記録? 圧倒的すぎてニヤけてきますよw
実際の投球内容についてだが、もう「最高でした」の言葉しかない。
正直、立ち上がりはあまりよくなかったと思う。ストレートは走らずスライダーは抜け気味。1、2回の球を観る限り、6回を何とか2、3点に抑えられればという感じだった。中でも2番イエリッチには終始投げにくそうにしていたのが印象的である。
だが、3回の先頭ウリアスの打席あたりから目に見えて球のキレが増していく。
スライダーは外側にキュイッと曲がり、ストレートは高めに伸びる。83、84マイル前後のチェンジアップを2球続けてサードごろに打ち取ったわけだが、あそこから一気に波に乗った気がする。
球団記録を樹立した8連続三振はマジですごい。
真ん中高めのストレートを見せ球に、スライダーとチェンジアップを同じ球速帯で両サイドに落とす。ごくたまに77マイル前後のカーブで緩急をつけたり、ツーシームで内側を抉ったり。
特に右打者の内側にチェンジアップをどんどん投げられるあたりはさすがはマエケン。あの球があることにより、外側に逃げるスライダーだけではなく同じ軌道から内側に沈む変化を打者に意識させて狙い球を絞りにくくすることに成功した。
しかも、カッター気味のスライダーとツーシームで変化の軌道を増やし、さらに打者を深く幻惑する。
ワクワクどころか、あまりの自由自在っぷりに観ているこっちもニヤけてくるほどww
マエケンやっぱり今年はいいな。今回も悪いなりに80~90球で乗り切るクオリティをキープしたし。って、MLBって来月で終わんの!?
下記は本人のYouTubeチャンネルだが、これらを観たあとにもう一度この日の投球を観直すとさらにおもしろいのでおススメである。
MLBに移籍してから投げ始めたチェンジアップ(スプリットチェンジ)の解説動画。
スライダー(普通のスライダー、カッター気味のスライダー、楯変化のスライダー)の解説動画。
もうアレだ。
野球ファンの望む内容をそのまま具現化した動画っスよね。
打たれたあとの交代は仕方ないよね。かなり球威も落ちてたし。しかし、いい表情するわ~
また、9回ノーアウトで初ヒットを打たれたあとの交代について批判の声もあったらしいが、個人的にあそこは適切な判断だったと思っている。
7回に80球を超えたあたりから徐々に球威が落ちていたし、実際8回はかなりアップアップだった。
キャッチャーのアビラもコメントしていたが、8回1アウトで6番ナルバエスに10球粘られた末に四球を出したところが限界だった感じ。
「ノーノー未遂の前田健太 女房役が偉業消滅を嘆く「残念だった。彼は素晴らしかった」」
9回の先頭ソガートへの初球ストレートが88マイルしか出てないのを観た瞬間に「あ、これはアカン」と思ったわけだが、案の定2球目のチェンジアップを拾われてジ・エンド。
何とかノーノーを達成してほしかったが、さすがにあの球威では打たれても仕方ない。
センター前に打球が落ちた瞬間の表情(写真:MLB.comより引用)。
交代を告げられた際の表情(写真:MLB.comより引用)。
敗者の背中ではない。正真正銘勝者の背中(写真:MLB.comより引用)。
いや~、いい表情しやがる。
もともとこの人は日本時代からポーカーフェイスにはほど遠い、メンタルがパフォーマンスに大きく影響する選手ではあったが。
そして、こういう生々しい表情、感情の機微がモロに見えるのも時間制限のない野球というスポーツの醍醐味だったりする。
まあ、3-0のあの局面から同点に追いつかれたのは笑ったけどねww
マエケンが交代したのを確認して、ちょろっとウンコして戻ってきたら普通に3-3になってて「何ごと!?」と。目を離したこの10分程度の間にいったい何があったのよ!? みたいな。
守護神のロジャースも準備が遅れていたのだと思うが、さすがにあのピッチングをした前田に自責点がつくのは……。
まったくワロエナイけど、思わず笑ってしまった。
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