決まっちゃったよw ロマチェンコvsリナレス。相性は悪くないけど、実際は難しいかな。階級の壁を見たいよね【予想・展望】
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2018年5月12日(日本時間13日)、米・ニューヨーク州で行われるWBA世界ライト級タイトルマッチ。
同級王者ホルヘ・リナレスが、現WBO世界S・フェザー級王者ワシル・ロマチェンコと対戦する。
「ウシクvsガシエフ予想。WBSSクルーザー級決勝がサウジアラビアで開催。井上尚弥も次回バンタム級で出場するとか」
今年1月にメルシト・ヘスタを敗り3度目の防衛を果たしたリナレスが、現役最強と言われるワシル・ロマチェンコの挑戦を受ける。
「リナレスがロマチェンコにKO陥落。あ〜惜しい。もう少しだったけどな。これがスピード&パワーの偉大さ」
この試合はかねてから両者が対戦を望んでいたものの、テレビ局や開催日の関係でなかなか締結せず。一時はロマチェンコvsレイムンド・ベルトラン戦が浮上するなど、交渉は難航した。
だが、ゴロフキンvsカネロ戦と放送時間を調整することで一気に解決。急転直下で決定した試合である。
「バルテレミーvsレリク、グローブスvsユーバンクJr.を観たので感想を。バルテレミーさんの体調の悪さとグローブスの泥仕合ww」
ホントに決定しちゃったよロマチェンコvsホリナレス。両者の願いが通じたな
ワシル・ロマチェンコvsホルヘ・リナレス。
交渉が難航し、一時は頓挫しかけたこの試合がついに正式発表された。
3階級制覇王者リナレスにとってもキャリア最大のビッグマッチ。
挑戦者ロマチェンコもライト級初戦がいきなりタイトルマッチということで、間違いなく未知の領域である。
そして、僕は以前から「リナレスはロマチェンコに対抗できる可能性のある数少ない選手」と申し上げている。
「ロマチェンコ攻略の糸口見っけ? マリアガボッコボコ。今日も対戦相手をオモチャにして遊ぶ」
全階級を通してトップクラスのハンドスピードと、カネロに匹敵するほど精度の高いコンビネーション。
しかも身長170cm、リーチ166cmのロマチェンコに対し、リナレスは身長が173cmでリーチが175cm。サイズや階級差も含め、リナレスの力がMAXで発揮されれば何かが起こる? かも?
実現の有無はともかく、打倒ロマチェンコとしてはマジで悪くない。
などと、うっすらと考えていた次第である。
それがまさかホントに実現するとは。
ビッグマッチを強く希望するリナレスと、強敵との対戦を求めるロマチェンコ。
両者の思惑とタイミングが一致したというか、勝負を賭けたいリナレスの願いが通じたというか。
「いや、よく決めたなぁ」というのが、率直な感想である。
「ロマチェンコにno masされない選手は誰? 階級を上げても無双は続くの? どこかに勝てる人はいないの?」
リナレスに勝機は? 僕は結構難しいと思っております。メルシト・ヘスタさんに思いっきり対策されてたし
とまあ、実現自体に驚いたこの試合。
じゃあ実際にはどうなのか。
今回の試合、リナレスに勝機はあるのか。
あくまで個人的な意見だが、かなり厳しいと思っている。
正直、リナレスがロマチェンコに勝てる可能性は相当低いのではないか。
「リナレスならロマチェンコに対抗できる」などと申し上げておいてアレだが、現実的にはこれまでの相手と同様、ロマチェンコに翻弄されて終わる気がしている。
「ロマチェンコ圧勝。リゴンドーにもノーマス。相性が悪過ぎた結果だぞ? もともとリゴに勝機はほとんどなかったからな?」
まずリナレス対策についてだが、実はかなりはっきりしている。
自分から前に出て距離を詰め、近場のもみ合いに持ち込む。
リナレスがコンビネーションを打つ前にスペースを潰し、どん詰まりの状態を作り出す。
前回のメルシト・ヘスタさんも実践していたが、要するに接近戦である。
「どん詰まりのリナレスvsヘスタ。お互いに相手の持ち味を打ち消し合った結果、大差判定でリナレス勝利。ヘスタやっぱりいい選手だった」
リナレスのハンドスピードと精度の高いコンビネーションが機能するのは、基本的には中間距離。
腕が伸びる位置から、しっかり助走をつけて打ち込む。
思い切り腕が振れるスペースがあってこその超絶連打である。
「ジョシュ・テイラーvsポストルうおお!! 期待のテイラーが虚弱内山ことポストルに挑む」
逆に言うと、そのスペースを潰せば優位に立てることを意味する。
1発目に合わせて踏み込み身体を密着させる。そのまま近場で連打を浴びせ、コンビネーションの発動を抑えこむ。
メルシト・ヘスタがやったように、リナレスを糞づまりの便秘状態にさせることが最も効果的なリナレス対策になる(気がする)。
「パウンド・フォー・パウンド(PFP)決定。僕のPFPを考えたので、発表してみる【2018年3月現在】」
ヘスタの過去の試合を観ると、この選手は本来カウンターが得意なタイプ。
腕を下げて上体の動きで芯を外し、打ち終わりに連打を返すスタイルである。
だが、それだとリナレスのハンドスピードには間に合わない。
2017年9月のルーク・キャンベルのように、突進力とスピードに対処できずに押し切られる可能性が高い。僕が「リナレスはヘスタをKOするんじゃないの?」と予想したのはそのためである。
「リナレスはゲスタをKOしてくれるんだろ? 格下扱いだけど、普通に強敵じゃないの? でもリナレスが圧勝してくれるはず」
なので、あの試合でヘスタが見せたリナレス対策はほぼ完璧だった。
基本性能で及ばず判定負けを喫したが、やろうとしていたことに間違いはなかった。
「ベルデホ堕ちる…。ロサダに10RTKO負け。復帰戦で番狂わせ、キャリア初黒星を喫する。観てるだけで息切れが止まらん」
アミール・カーン対策もリナレスと似ている。「待ち」の相手に強く、接近戦で攻め込まれると脆い
ちなみにだが、リナレスの上位互換と言われるアミール・カーン対策もこれに近い。
腕が伸びる位置では持ち前のハンドスピードを発揮し、無類の強さを見せつける。
カウンター狙いのダニー・ガルシアを序盤はスピードで圧倒し、ハンドスピード勝負でデボン・アレクサンダーを上回ってみせた。
「アレクサンダー勝てんかった…。オルティスとの元王者対決にドローで復帰戦を飾れず。やっぱり階級が合ってないような…」
だが2015年のクリス・アルジェリ戦では、先にスペースを潰されあっという間に糞づまりの便秘状態に陥った。
リナレスvsヘスタ戦と同様、基本性能の差で判定勝利したが、試合自体は消化不良のまま。本来の爽快感とはほど遠いものだった。
「ダニー・ガルシアがリオスをKO! はぁ~、すっごい。パワーレスなくせにカウンターはヤバいw 村田vsカネロもこんな感じ?」
「待ち」の相手には強いが、自分から距離を詰めてゴンゴン打ち込むタイプを持て余す。
この辺の相性の問題も、あれこれ考えていくと結構おもしろかったりする。
勝敗予想はロマチェンコの判定勝利。ゲイリー・ラッセル戦と似たような展開になるかなぁ。いや、わからんけど
そして、ワシル・ロマチェンコにそれができるかという話だが、恐らく問題はない(気がする)。
当然リナレス対策には気づいているだろうし、実践する能力を備えてもいる(と思う)。
「マイキー・ガルシア4階級制覇達成!! リピネッツに3-0で勝利。やっぱりS・ライト級ではスペシャル感は薄れるよな」
ん?
根拠?
そりゃあなた。
アレですよ。
2014年のゲイリー・ラッセルJr.戦ですよ。
あの試合を観直すと、実はロマチェンコがラウンドごとにいろいろと切り替えていることに気づく。
序盤の1、2Rは接近戦。
ラッセルの初弾にカウンターを被せて距離を詰め、身体を密着させて連打を打ち込む。
まさに上述のリナレス対策そのものである。
「おおお…ハードがララに勝ちやがった! いい試合だったな。両方がんばった。ちょっとロマvsリゴ戦ぽくもあったかな」
さらに3Rからは、打ち終わりを狙う作戦に移行。
ガードを上げてラッセルの連打に耐え、一瞬の切れ目を狙ってコンパクトな右をねじ込む。
ディフェンスと立ち位置を意識した攻防分離の省エネスタイルというヤツ。
1Rから全力疾走のラッセルに対し、接近戦と攻防分離の省エネスタイルを使い分けてペース配分するロマチェンコ。
スタミナの消費はラッセルの方がはるかに大きく、4、5R以降、両者の体力差は開く一方だった。
「プログレイスがインドンゴをボッコボコで初戴冠。まんま山中vsルイス・ネリだったな。相性の悪さがモロだった」
そして今回のリナレス戦も、これと似たような展開になるのではないか。
繰り返しになるが、リナレスは腕を振るスペースを確保してこそのスタイル。
だが、残念ながらこの選手には相手を遠ざける術がない。メルシト・ヘスタにあっさり距離を詰められたものが、ロマチェンコ相手に何とかなるとは思えない。
しかもヘスタはロマチェンコと同様、S・フェザー級上がりの身体の小さな選手である。
接近戦と攻防分離の省エネスタイルを駆使するロマチェンコが、徐々にリナレスの体力を奪う。
序盤は体格差を活かしてリナレスが善戦するも、終わってみれば結局ロマチェンコの圧勝。
さすがにノーマスにはならないかもしれないが、ロマチェンコが余裕を持って中〜大差判定で勝つと予想する。
リナレスの「主人公」感に期待。ロマチェンコとかいう脇役なんかに負けんじゃねえぞww
とはいえ、何だかんだで今回のリナレスには期待している。
ジェイソン・ソーサ戦やミゲール・マリアガ戦はハナから興味もわかなかったが、リナレスのポテンシャルならもしかしたら? というのはちょっとだけある。
もちろん、相性的に最悪だったリゴンドーよりも。
「は? ソーサがロマチェンコに勝てるわけねえじゃんかww え? 棄権した? よし、批判の時間だああああ」
予測と準備。
ONE PIECE風に言えば「見聞色の覇気を研ぎ澄ませ過ぎて未来が見える」ほど、相手の動きを予測する能力に長けたロマチェンコだが、リナレスの脳筋スピードボクシングならそれを超えてくれるのではないか。
「ラッセルとかいう年1の風物詩。今回はジョセフ・ディアスとのお戯れですかww フェザー級最強の試合枯れマン」
冗談でも何でもなく、ノールックで「あさっての方向にパンチを出したら当たりました」みたいなことが起きてもおかしくないくらい。
「リナレスはキャンベルに二度と関わるなww 2-1の判定でスレスレ勝利。危ない試合だった。再戦したら負けるんでない?」
また、ロマチェンコが「選ばれし者」との対戦が初めてというのも少しだけある。
オルランド・サリドやローマン・マルチネス、ギジェルモ・リゴンドーなど。これまでのロマチェンコの相手はどちらかといえば「くせ者」が多く、いわゆる「主人公」タイプと対戦するのは初めてである。
個人的な印象だが、リナレスという選手はカネロやパッキャオ、マイキー・ガルシアなどと毛色が近い。ONE PIECE風に言えば「覇王色の覇気の持ち主」(何のこっちゃ)だと思っている。
この「選ばれし者」「主人公」の持つ空気感が、わけのわからない力でロマチェンコを圧倒するのではないか。
もはや根拠もクソもないが、そういう非科学的な現象が起きることを僕は切に願っているww
と同時に、今のロマチェンコはそれほどヤバいよという話。
「カネロの禁止薬物陽性の裏でいろいろあったよ。コバレフvsミカルキン、ビボルvsバレラ、ジョシュ・テイラーvsカンポス」
てか、ほんの少しでもほころびが見えるといいんですけどね。
階級の壁でも、相性の問題でも何でもいいので。
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