ビデオ判定ってやっぱりクソだわ。ラグビーリーグワンのTMO(ビデオ判定)が末期。準決勝2試合で計11回は正気の沙汰じゃねえ。決勝戦ではゼロって何だそりゃ【2023.5.23感想】
2023年5月23日に東京・国立競技場で行われたラグビーリーグワン2022-23のプレーオフ決勝戦。埼玉パナソニックワイルドナイツとクボタスピアーズ船橋・東京ベイが対戦し、17-15でクボタスピアーズが勝利。1978年の創部以来初の日本一を達成している。
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— ラグビーリパブリック|RUGBY REPUBLIC (@RUGBY_REPUBLIC) May 20, 2023
埼玉パナソニックワイルドナイツ、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、横浜キヤノンイーグルス、東京サントリーサンゴリアスの4チームで争われたプレーオフ。
ところが準決勝のワイルドナイツvsキヤノンイーグルス戦ではTMO5回、クボタスピアーズvsサントリーサンゴリアス戦ではTMO6回とTMOの多さが注目を集める事態となっている。
特にクボタvsサントリー戦ではトライが3度TMOで無効とされたサントリーが24-18で惜敗。試合の流れを止めかねないTMOの乱発は以前から疑問視されており、この試合ではそれがモロに表面化した。
その一方で5月23日の決勝戦ではTMOゼロ。
ビデオ判定を要する(と思われる)プレーもあったものの、その場では実施されることはなく。
ところが試合後に危険なプレーに対して追加の処分が科されるという。
「埼玉パナソニックワイルドナイツ マリカ・コロインべテ選手 追加的処分のお知らせ」
これを受けて、選手の安全性や公平性を重視するはずのTMO(ビデオ判定)がスムーズな試合進行を妨げるといった意見が頻出している。
- 1. 決勝戦がおもしろかった。基本プレーを徹底するワイルドナイツととにかく“前”で勝負するクボタスピアーズ
- 2. クボタの出足がよかった。縦横無尽なスタイルをバーナード・フォーリーが強烈なリーダーシップでまとめる
- 3. この試合がよかった理由はTMOがなかったから。試合としては最高とまでは言えないが、ビデオ判定がないだけで快適だった
- 4. 最近の日本ラグビーにおけるTMOの多さは度が過ぎる。極論、コンタクトスポーツなんて反則のオンパレードですよ笑
- 5. TMOによってゲームプランがめちゃくちゃにされる。モールが持ち味のキヤノン、後半に勝負したいサントリーの思惑が…
- 6. 何らかの対策を講じる段階じゃない? 回数制限と時間制限は必須
- 7. ビデオ判定をやるなとは言わん。やるならちゃんとやれと言っている
決勝戦がおもしろかった。基本プレーを徹底するワイルドナイツととにかく“前”で勝負するクボタスピアーズ
遅ればせながら2023年5月23日に国立競技場で行われたラグビーリーグワンの決勝戦を視聴した。
結果は17-15でクボタスピアーズが勝利。2連覇中の埼玉ワイルドナイツを下して初の日本一に輝いたわけだが。
感想としては、めちゃくちゃおもしろかった。
2連覇中のワイルドナイツは基本のプレーを愚直にやり続けることで勝利を重ねてきたチーム。
半身ズラしてしっかり当たり、数歩前に出てから確実にラックを作る。
ディフェンスは“面”を意識して一斉にスタート、極力立ってプレーする。
それに対してクボタは自由度の高いラグビーでグランドを縦横無尽に駆け回る。
ボールキャリアはディフェンスの間に全力で走り込む、絡まれた状態からオフロードでつなぐ。
ディフェンスは対面が飛び出してプレッシャーをかけると同時に外側が上がってロングパスをケアする。
ひたすら走り勝つラグビーというか、攻撃も守りもとにかく“前”で勝負するスタイルである。
エディー・ジョーンズ再び日本代表HCに? エディーのラグビーは古い。世界の主流はディフェンス重視のロースコア。トレンドに即した人選をだな…
クボタの出足がよかった。縦横無尽なスタイルをバーナード・フォーリーが強烈なリーダーシップでまとめる
全員がシステマティックに動くワイルドナイツと出足の速さと運動量を担保に自由度を高めたクボタスピアーズ。
中でもクボタのディフェンスの出足はワイルドナイツを大いに苦しめた。
1人が一気に飛び出す分、裏を割られるリスクもあるが、それ以上にスピーディなプレッシャーでワイルドナイツを糞詰まりにすることに成功した。
僕自身、あれだけ窮屈にパス回しするワイルドナイツを観たのは初めてだし、“一か八かの勝負”とはまったく違う根拠のある作戦と言えるのではないか。
そして、そのメンバーをSOバーナード・フォーリーが強烈なリーダーシップでまとめる。
2018-19シーズンに神戸製鋼コベルコスティーラーズに所属したダン・カーターもそうだが、ああいう“つなぎ”のラグビーを機能させるには司令塔の存在がめちゃくちゃ重要。
正確なキックとパスワークはもちろん、ある程度年齢が上&世界的なビッグネームというのは必須条件なのだと思う。
その点、今の神戸には“存在感”でチームを引っ張る選手がいない。それが低迷の大きな要因なのでは? と思っているのだが、どうだろうか。
だからブリン・ガットランドはいいって言っただろw コベルコ神戸スティーラーズ2023-24シーズン振り返り。もうオフェンスに振り切る方向でええんちゃう?
この試合がよかった理由はTMOがなかったから。試合としては最高とまでは言えないが、ビデオ判定がないだけで快適だった
表題の通りなのだが、僕がこの試合を楽しめた一番の理由はTMO(ビデオ判定)がなかったから。
上述したように準決勝2試合ではTMOが計11回。クボタスピアーズに敗れたサントリーサンゴリアスはトライを3度TMOで無効にされている。
このTMO祭りは試合後に各所で(ネガティブな方面で)話題となったわけだが、それが影響してか決勝戦では1度も実施されず。
試合後に危険なプレーに対して追加処分が科されるなど不可解な裁定もあったものの、スムーズな試合進行自体は非常に快適だった。
正直、試合として最高だったか? というとそうでもない。
前半などは両チームともにミスが目立ち、「このパスが通れば」「そこで落としたらダメでしょ」というプレーが頻発した。
日本一を決める試合にふさわしくないふわふわした展開が続いた。
だが、やはりTMOがないのはいい。
すでにTMOによる中断が常態化しているからか、それがないだけで試合のスピード感が違う。
準決勝などはTMOの連発により前後半各40分ずつの試合が2時間越えという有り様である。
あれだけぶつ切りの試合でラグビーの人気拡大を図ろうなど、もはやギャグとしか言いようがない。
ビデオ判定などやらないに越したことはないというのがはっきりとわかる。
最近の日本ラグビーにおけるTMOの多さは度が過ぎる。極論、コンタクトスポーツなんて反則のオンパレードですよ笑
もともと僕はスポーツにおけるビデオ判定が大嫌いな人間なのだが、今後はより機械に頼るケースが増えていくことは想像に難くない。
好き嫌いはともかく時代の流れとして受け入れざるを得ない。
ただ、それを踏まえた上で。
近年の日本ラグビーにおけるTMOは度が過ぎている。
何かがあればすぐにビデオ判定。
少しでも怪しければ平気でビデオ判定。
酷いケースでは、トライが成立した直後にキックを制止→だいぶ前のラインアウトまで遡って検証をおっ始めるという。
いやいやいやいや。
そこを白黒はっきりさせることにどれだけの意味があるのよ?
いったん流したものを蒸し返すっておかしくないっすか?
誰も文句を言っていない、誰かが負傷したわけでもないものをほじくり返す意味があるの?
極論、ラグビーなんて反則のオンパレードですからね。
ラインアウトのスローやスクラムのボールインは厳密に言えば全部反則だし。
流れで肩が頭に当たるのも普通にあるし。
選手も観客も暗黙の了解で受け入れているわけで。
そこをいちいち白黒つけてたら試合にならないでしょ。
流れの中でOKならOKでいい。
試合を止めてまでやることじゃないんだよ。
こう言っちゃなんだけど、グレーゾーンの中にこそ競技のおもしろさが詰まってたりもしますからね。
キヤノンイーグルスvsシャイニングアークス最悪な試合だったな。TMO6回ってバカじゃないの? そこは流せよってプレーは絶対にあるから
また、最近は主審が申請するだけでなくTMO側からしゃしゃるケースも増えているとか。
完全に手段が目的化していてお話にならない。
TMOによってゲームプランがめちゃくちゃにされる。モールが持ち味のキヤノン、後半に勝負したいサントリーの思惑が…
何より納得いかないのが、TMOによってゲームプランがめちゃくちゃになること。
「試合の流れが止まる」「集中が途切れる」といった懸念はもちろん、中断が繰り返されることによって体力の回復が図れてしまうのが……。
当たり前だが、ラグビーは疲労とダメージが勝敗に直結するスポーツ。
コンタクトやスピーディな球回しでどれだけ相手を削れるかが重要になる。
準決勝1試合目のワイルドナイツvsキヤノン戦などはその典型である。
キヤノンはモールが持ち味のチームで、当然ながら後半に強さを発揮する。
前半はFWで削りつつ少ない点差で切り抜ける。
で、相手FWに疲れが出る後半にペースを上げて一気に突き放す流れを得意とする。
ところがこの試合では前半に4度のTMOが実施されている。
要するにキヤノンの勝ちパターンがTMOの連発によってパーにされたのである。
初のプレーオフ進出を果たしたキヤノンにとって2連覇中のワイルドナイツは格上の相手。
いかに自分たちのペースに持ち込むかがキモなのに、それをTMOで潰されているのだからたまったもんじゃない。
また2試合目のクボタvsサントリー戦のTMOは前後半各3回ずつ。
クボタは細かいパス回しと素早い詰めのディフェンスでかき回すスタイルのチームで、豊富な運動量をどれだけ維持できるかが勝敗を分ける。
サントリーとしてはクボタの走力が落ちる後半に勝負をかけたいわけだが、その後半にTMOで3度もトライを無効にされている。
これはすでに“タラレバ”を超えていると言っていい。
「ルールだから受け入れるしかない」とかではない。
決勝に進出するチームをTMOが決めたと断言するレベル。
誇張でも何でもなく試合の流れや観客の訴求力以上に重大な問題だと思うのだが。
繰り返しになるが、ビデオ判定などやらないで済むならそれに越したことはない。
流れの中でOKならOKでいい、グレーゾーンの中にこそスポーツの醍醐味があったりもする。
もっと言うと、各チームが準備してきたプラン、積み重ねてきたものをチャラにしてまで白黒つけるべきプレーなどこの世に存在しない。
【ラグビー】TMOって必要? テレビジョンマッチオフィシャル不要論を唱えてみる。暴論かな?
何らかの対策を講じる段階じゃない? 回数制限と時間制限は必須
とにかく日本ラグビーのTMO(ビデオ判定)の多さは末期。
冗談抜きで何らかの対策を講じる段階にきていると思う。
とりあえずはアレだ。
以前から何度も言っているように
・回数制限
・1回における時間制限
を設けるところから。
現状はレフェリーがノーリスクで何度でもTMOを実施できるが、まずはそれを回数制にする。
また、年間の累積数によるレフェリーへのペナルティも必須。迷ったらいくらでもビデオ判定に頼れる今の状態は明らかによくない。
そして、1回の検証に制限時間を設けるべき。
たとえばTMOを申請した瞬間から最大1分半で打ち切るとか。
時間内に結論が出なければ最初のジャッジ通りということで。
選手や観客が4分も5分も放置されるなど正気の沙汰ではない。
ついでに言うと、レフェリー陣はもう少しキビキビ動きやがれ。
TMOの開始とともに主審とタッチジャッジが大型スクリーンにダラダラと集まり延々と協議を続ける。で、結論が出ればこれまたダラダラと戻り、両チームの選手を呼んで……。
いや、舐めてんのかと。
そこは全力ダッシュだろがと。
無駄に試合をぶった切っているという自覚を持ちやがれ。
コベルコ神戸スティーラーズの2023-24シーズン展望。昨シーズンの惨状に比べればだいぶマシっぽい。新加入のブリン・ガットランドに期待
ビデオ判定をやるなとは言わん。やるならちゃんとやれと言っている
日本ラグビーでTMOが導入されたのが2014年。
すでに10年近く経つというのにあまりに洗練されていない。
それどころかラグビーそのものをつまらなくする元凶になりつつある。
何度も言うが、僕はスポーツにおけるビデオ判定が大嫌い。
そのビデオ判定をノーリスクで何度でも実施できる権限をレフェリーに与えた結果がコレである。
横浜キヤノンvsコベルコ神戸戦を現地観戦してきた。ラグビーリーグワンin日産スタジアム。初めての日産スタジアムクソでけえ笑
ビデオ判定をやるなとは言わん。
やるならちゃんとやれ、試合を中断する重大さともう少し真剣に向き合えと言っている。
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