久保隼陥落…。ダニエル・ローマンすごかった。こりゃ勝てんわ。まるでゴロフキンじゃねえかww【結果・感想】
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2017年9月3日、京都にある島津アリーナ京都で行われたWBA世界S・バンタム級タイトルマッチ。
同級王者久保隼が、ランキング2位の挑戦者ダニエル・ローマンと対戦。9R1分21秒TKOで敗れ、王座から陥落した試合である。
身長165cmのダニエル・ローマンに対し、王者久保は身長176cmの長身とリーチを活かしたアウトボクシングで対抗。右のリードでローマンの侵入を防ぎ、得意の左ストレートにつなぐいつものスタイルを見せる。
だが、ローマンはこれに動じることなく、久保の右に左を合わせながら落ち着いて距離を詰める。そして、間合いが近づいたところで大きく踏み込み、右ストレートをヒット。
さらに左ボディで久保を下がらせ、徐々に試合のペースを掴んでいく。
6R以降、動きが落ちた久保に対してローマンが圧力を強め、ダウン寸前まで追いつめる。さらに7、8Rと続けざまにダウンを奪い、完全にペースを掌握する。
最後はローマンの右が久保の顔面を跳ね上げたところで、レフェリーが割って入り試合終了。
9R1分21秒、ダニエル・ローマンのTKO勝利。初の世界戦で王座戴冠を果たした。
「ダニエル・ローマンがギャビン・マクドネルをKO! い〜い試合でしたね。最初から右のオーバーハンド」
なお、この試合を観戦していたランキング3位の亀田和毅は、試合後にダニエル・ローマンへ挑戦したい意向を示している。
「亀田和毅が余裕の勝利! イバン・モラレスとの3兄弟対決を制す。てか、世界前哨戦だったのね」
手も足も出なかったな久保隼。いいところがほとんど出せなかったな~
「初めから勝敗が見え見えの試合だった」
「ほぼ何もできずに負けて情けない」
「途中でテレビを消した」
など、相変わらず辛辣な評価を受ける久保隼。
中には「これは本当に世界戦だったのか」など、まるで久保本人に恨みがあるかのような言いぐさも散見され、目を逸らしたくなるほどの言われようである。
解説の長谷川穂積の「久保にとって初めての世界レベルの相手だった」という言葉に影響されてか、もはや久保選手を貶すことが目的なのでは? というくらい。
ただ、内容的には完敗としか言いようがなく。
久保選手がいいところをほとんど出せずに負けてしまった感じである。
応援してはいたのだが「ちょっと手も足も出なかったなぁ」というのが率直な感想だろうか。
「エストラーダvsクアドラスとかいう予想困難な一戦。SUPERFLYの中で実は一番楽しみ。エストラーダのKO勝ちが観たいぞ」
久保の長所は長身とリーチを活かしたアウトボクシング。あの妙なタイミングの左は魅力たっぷり
とはいえ、久保が弱過ぎたとか、世界戦レベルの試合ではなかったなどと言うつもりはまったくない。
前回申し上げたフィジカル面の脆弱さも、この階級にとどまるには目をつぶるしかないのかなと思っている。
ピンチでのクリンチ云々、追い詰められた際の対処などもあるが、それはそれ。
個人的には、単純にダニエル・ローマンがすご過ぎた。
「アレをやられちゃ勝てんわww 今回は相手が悪かったからあきらめましょう」としか言いようがない。
過去の試合を観ていい選手だというのはわかったが、まさかここまでだったとは。
まず僕が思う久保のよさは、この階級では規格外の長身とリーチの長さ。
それを存分に活かした右で相手を突き放し、得意の左ストレートにつなぐ。
懐の深さはもちろん、斜に構えることで極力相手から急所を遠ざける。
そして、ほとんど身体を開かずに「スパッ」と打ち込む左。いきなり死角から飛んでくるイメージとでも言えばいいか。
その反面、懐に入られた際には脆さが目立つ。
前回のセルメニョ戦でも、大きく踏み込んでの右でダウンを喫するシーンも見られるなど、全体的に身体の芯が細い。フィジカル面に課題を抱えている印象である。
ただ、階級屈指の長身と妙なタイミングの左は特徴的で、ここまで極端な長所と短所を併せ持った選手は本当におもしろい。個人的にはかなり好きな選手の1人である。
「久保隼が徐燦(シュ・チャン)にKO負け。敵地で散り、2階級制覇ならず。久保隼への罵詈雑言が井岡vsノクノイ戦並みに酷過ぎる」
ダニエル・ローマンがすご過ぎた。ここまで対策されて持ち味を無効化されたら手の打ちようがない
そして、ダニエル・ローマンが実行した久保対策にはちょっと度肝を抜かれた。
久保の右に対し、下から肘を突き上げてパンチの軌道を変える。
左足を外側に踏み込み、外旋回のパンチを肩口から当てる。
右腕を弾き、顔面へ意識を向けさせたところでパンチの戻りに合わせて左ボディ。
懐に入るための布石というか、久保の右を封じる作戦である。
「岩佐圧勝で世界王者!! 小國は手も足も出ず、試合後に引退を表明。ラフさが足りなかったかな小國は」
序盤3Rまでにリードの差し合いで久保を圧倒し、踏み込みのタイミングを測る。
パンチを弾かれ、空いたところにボディを打たれるため、久保は徐々に右を出せなくなる。
また、外側からボディと顔面を意識させられているため、右サイドに逃げることもできない。
そして4R以降、久保の右リードと右へのステップを封じたローマンが、フリーパスで懐に侵入。
右足を大きく踏み出して正面に回り込み、みっちり練習してきたという右ストレートをヒット。さらに角度を変えてアッパーにつなぐ。
身体を開かず、急所を相手に見せないという久保の持ち味が、これで完全に無効化されてしまった。
再三の左ボディでガードが下がり、腰が落ちた久保はローマンのプレスを防ぐ手段がない。至近距離でローマンの右を次々に被弾し、足を止めての打ち合いでも歯が立たず。
ただただダメージを蓄積させる状況が続く。
ダニエル・ローマンは久保の癖も特徴も全部お見通しだったかな。ちょっと相手が悪過ぎた。まるでゴロフキンのような理詰め
長谷川穂積「久保はパンチを左側へのダッキングでよける癖がある」←恐らくローマン側はそんなことは十二分に承知していて、それをさせないために左を多用し、逃げ場を封じていたはず。
セコンドからも「左に避けるとローマンの右をもらうから、頭を右に振れ」という指示が出ていたようだが、ローマンにしてみれば「今さら?」である。
もっとパワフルな右、多彩な右を出すべきとの意見も聞かれたが、右を出すとボディが飛んでくるのでそれも難しい。
また、よく観ると久保の左も何発かローマンにヒットしているのだが、もちろんこれも想定済み。久保の腕が伸びきらない位置で受けているためダメージには至らず。しっかりと戻り際を狙ってのカウンターである。
多彩な左で相手の右を封じ、巧みな位置取りで進行方向を限定する。
そして、相手の得意な左にカウンターを合わせて手詰まりにさせ、後は落ち着いて弱らせていくだけ。
いやすごい。
ここまでの理詰めというか、八方ふさがりに追い込む周到さ。
まるでウィリー・モンローJr.を追い詰めたゴロフキンを彷彿とさせる。
ピンチでの対処法や久保の経験不足など、言いたいことはわかる。
だが、今回はちょっと相手が悪過ぎた。たとえばこれが和氣慎吾だったとしても、果たして勝てたかどうか。
久保隼がどうこうより、単純にダニエル・ローマン恐るべし。逆にここまでお見事な試合をされて、いい経験になったと考える方が健全な気がする。
「バルデス完勝!! セルバニアを寄せつけず。思ったよりいい選手なのかもなオスカル・バルデス。ダウンを奪われながらも攻撃の手を休めず打ち続ける」
亀田和毅でもダニエル・ローマンに勝つのは容易じゃないんじゃない? もし年末に実現するなら観に行きたい
今回の久保隼敗北を受けて、ランキング3位の亀田和毅がダニエル・ローマンへの挑戦の意向を示したとのこと。
トレーナーの亀田興毅も「和毅とローマンはかみ合う」とコメントしており、今後の交渉に注目が集まる。
「亀田和毅国内復帰初戦を判定で飾る!! 後楽園ホールに行ってきたぞ。天笠、赤穂も揃い踏みの豪華興行」
正直、これはどうなのだろうか。
亀田和毅でも、ダニエル・ローマンに勝つのは容易くないと思うのだが。
こういう理詰めの選手に勝つには、身体能力で吹き飛ばすのが一番だとは思うが、果たして亀田和毅にそれができるか。
持ち前のスピードで煽る?
遠い距離をキープして当て逃げ?
あの理詰めから12R逃げ切れますかね。
必ずどこかで打ち合う場面が出てくる気がするが。
それこそフィジカル勝負で勝たなくてはどうにもならないんじゃないの? みたいな。
てか、もし東京で亀田和毅vsダニエル・ローマン戦があるなら観に行こうかな。年末でも何でもいいから、実現してくれないかな。
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