サイヤング賞投手ダラス・カイケルが千葉ロッテ入団。近年はシンカーが打ちごろの球に。ZOZOマリンでのチェンジアップ次第かな

サイヤング賞投手ダラス・カイケルが千葉ロッテ入団。近年はシンカーが打ちごろの球に。ZOZOマリンでのチェンジアップ次第かな

2024年7月30日にプロ野球千葉ロッテマリーンズが前ミルウォーキー・ブルワーズのダラス・カイケル獲得を発表した。


ダラス・カイケルはヒューストン・アストロズ時代の2015年にサイヤング賞を獲得したMLB通算103勝のサウスポー。
 
だが近年はやや低迷気味で、2024年は4試合に投げて0勝0敗、防御率5.40。7月13日(現地時間)のホワイトソックス戦が最後の登板となっている。
 
 
一方のロッテは7月31日現在47勝39敗でパリーグ2位につける。
コンディション不良で離脱していた佐々木朗希の一軍復帰も決まり、残りシーズンでの巻き返しを図る。
 
その中で獲得が発表されたサイヤング賞投手に注目である。
 

カイケルのロッテ入りには驚いた。ミーハーな僕は今からワクワクしている笑

ダラス・カイケルの千葉ロッテ入り。
 
2023年にDeNAベイスターズ入りしたトレバー・バウアーに続いてガチのサイヤング賞投手の来日である。
これはちょっと驚きというか、SNSでニュースを見た瞬間は「うっそ、マジで!?」と声が出てしまった笑
 
ただ、カイケルの場合は単純な成績不振によるもの。プレー以外のトラブルで居場所をなくしたバウアーとは事情が異なる。
 
熱投バウアー。キャリア最多の128球で2失点完投勝利。合理的じゃないものが心を打つ。8回裏に打席に立ったときの球場の雰囲気がすげえ
 
と言いつつ、今年の助っ人の中ではダントツの大物であることに変わりはない。
基本ミーハーな僕はこのニュースに今からワクワクしている笑
 
 
てか、ロッテはシーズン途中の助っ人獲得が結構ありますよね。
2020年のチェン・ウェイン。
2021年のエンニー・ロメロ。
2022年のロベルト・オスナ。
 
優勝を諦めない姿勢を見せるとともに、限られた資金をどう使うかを考えているのだろうと。
 

今のカイケルはかなり厳しい状態。全投球の半分を占めるシンカーが打ちごろの球に

今シーズンのカイケルのピッチングを漁ってみたが、正直かなり厳しいと思う。
 
全投球の約半分を占めるシンカーはスピードがなく落ち方もドロンとしている。
サイヤング賞イヤーの2015年と比較すれば違いは明らか。当時はもっとスピードがある上に“キュッ”と落ちていたのだが。
 
精密なコマンドがカイケルの持ち味だが、それはそれとして。
コントロール以前に球威そのものがMLBのボーダーラインを下回っている(気がする)。
 
 
 
今のカイケルが厳しいというのはスタッツからもわかる。
 
シンカーの平均球速が2015年から2kmほど低下している上に、
2015年:89.4マイル(約143.9km)
2024年:88.1マイル(約141.8km)
 
変化量もだいぶ少なくなっている。
2015年:横変化9.4、縦変化5.5
2024年:横変化8.5、縦変化3.5
 
この辺は映像の印象通りである。
 
 
その証拠に被打率もガタ落ち。
2015年:.240
2024年:.422
 
投球の軸となる球がここまで落ちるとやはり苦しい。
プロのピッチャーは球速が1km違うだけで抑え方が変わってくるという話を聞いたことがあるが、今のカイケルもそれに当てはまるのだろうと。
 
2024年プロ野球、新加入の助っ人適当考察。オドーアの電撃退団を受けて。円安+ハイレベルな日本は海外選手にとって面倒くさい場所
 

チェンジアップの大幅な良化。持ちネタを総動員して生き残りを図っている

逆によくなっているのがチェンジアップ
 
2015年時点ではシンカー、スライダーの次に割合が高い球(全体の約13%)だったが、2024年現在は2番目(約27%)に上がっている。
逆にスライダーはほぼ封印状態である。
 
 
スタッツもスライダーの被打率が年々悪化しているのに対して、
2015年:.117
2019年:.237
2022年:.429
 
チェンジアップは大幅な改善が見られる。
2015年:.200
2019年:.213
2022年:.299
2024年:.059
 
 
・平均球速
2015年:79.0マイル(約127.1km)
2024年:81.1マイル(約130.5km)
 
・変化量
2015年:横変化10.4、縦変化5.7
2024年:横変化7.5、縦変化2.9
 
2015年に比べて球速は3km以上アップ、逆に変化量は小さくなっている。
要するに軌道をシンカーに近づけることで偽装しているのだろうと。
 
カッター、スライダー、スイーパーと3段階のスピード、変化量を使い分けるのが近年のトレンドだが、カイケルはそれを逆方向でやっている印象。
 
本来はスライダーで真逆の変化をプラスしたいところだが、今のコンディションではちょっと難しい。
持てるネタを総動員して生き残る道を模索していると想像する。
 
山本由伸復帰登板感想。まだまだこんなもんじゃないから。打者を絶望させるのが本来の山本由伸だから。大谷翔平、今永翔太、ダラス・カイケル
 

Advertisement

 

強風のZOZOマリン、飛ばないボール、広いゾーン。今年のNPBならそこそこやれる可能性も?

上記の通り今のカイケルはチェンジアップを駆使してどうにかしのいでいる状態。
2024年のピッチングを観ても唯一いいのがこの球で、日本でどれだけやれるかもチェンジアップ次第になりそうである。
 
ただ、ロッテがカイケル獲得に踏み切ったこと自体はめちゃくちゃ理解できる。
・強風のZOZOマリンスタジアム
・飛ばないボール
・外に広いストライクゾーン
 
ZOZOマリンは強風の影響で変化球がよく曲がる上に左投手のチェンジアップが魔球化するという話も聞く。
 
今シーズンの飛ばないボール、やたらと外に広いゾーンがシンカー、チェンジアップ使い&コマンドのいいカイケルにマッチすることを期待したのだろうと。
 
もしかしたらCC・メルセデス(力感のないフォームから“ピュッ”とくるストレート&スライダー、カーブ)と真逆のタイプがほしかったのもあるかもしれない。
 
 
・蒸し暑い日本の夏
・マウンド、ボールの違い
・途中加入による環境の変化
等に対応できればそこそこやれるのでは? と思ったりする。
 

Advertisement

 

打者陣にはがんばってほしい。今のカイケルが活躍できちゃうリーグでいいの?

ダラス・カイケルを日本で観られる興奮はもちろんだが、同時に「今のカイケルを活躍させちゃダメだろ」という思いもある。
 
申し上げた通りカイケルは純粋な成績不振で日本にくる。一線級のクオリティを維持していたトレバー・バウアーとはワケが違う。
 
WBCの余韻がすげえw 「日本野球が世界最強」ってドヤるための大会。課題が山積みなのはわかってるし収益構造の歪さなんて10年以上前から承知してんだよ笑
 
それこそMLBで落第と言われた36歳のベテランに滑り止めで使われるリーグでいいの?
仮にもWBC、プレミア12、オリンピックの3冠を獲得した国のリーグですよ?
全盛期からほど遠い今のカイケルに抑えられるようなら投高打低も末期じゃない?


そんな感じで、カイケルのピッチングを楽しみにしつつ打者陣の奮闘にも期待している。
 

Advertisement

 
大谷翔平背番号17 野球 Tシャツ ジャージ ユニフォーム 野球ユニフ半袖
 
侍ジャパン 番號18 山本 由伸 野球応援 フェイスタオル
 
今永昇太のピッチングバイブル
 

 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!