川崎ブレイブサンダースの親会社になるDeNAってすげえ優良企業だって知ってた? 野球の次はバスケだって

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バスケリングイメージ
先日、バスケットボールのBリーグを観戦してきた。
 
2017年12月22日(金)に川崎市とどろきアリーナで行われた、川崎ブレイブサンダースvs大阪エヴェッサ戦。89-73で川崎ブレイブサンダースが勝利した試合である。
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11月に渋谷サンロッカーズvs島根スサノオマジック戦を観てきたことは以前の記事でお伝えした通り。あまりの楽しさに、さっそく第二弾を敢行してしまった次第である。
 
「Bリーグ(バスケット)とかいうクッソおもしろいスポーツイベント。SR渋谷vs島根を観てきたぞ。現地観戦にはこの説得力が欲しいんですよ」
 
感想はもちろん「サイコーだったww」
 
19:05試合開始で、会場を出たのが21:30前後。
時間もちょうどよくて間延び感はまったくなし。
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もう楽し過ぎっす。
バスケ観戦やべえっす。
 
 
発表された観客数は1806人。
客入りはざっと見たところ、5、6割といったところ。
さすがに金曜日の夜に満員とはいかないようで、空席はそれなりに目立っていた。
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ただ、とどろきアリーナはアクセスが悪く、武蔵溝ノ口駅(JR南武線・投球田園都市線)からバスに乗るか、武蔵中原駅(JR南武線)から徒歩で15分。
 
平日の夜ということを考えれば、決して悪くはない。
 
今回は奮発して1万円の席にしてみたのだが、こりゃたまらんですねww
選手は近いし、ど真ん中だし。
目の前で選手が柔軟したり、尋常じゃない迫力でございます。
 
クリスマスシーズンということで、各クォーターごとの催しも華やか。
あっという間の2時間半で、すでに「次はいつ行こうかな」と考えながら帰るという。
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アカンですねww
このままいくと春〜秋は野球、秋〜春はバスケという感じで、現地観戦サイクルが完成しそうな予感がプンプンしているww
 
 
とまあ前回同様、バスケ観戦を楽しんだわけだが、そればかりでもアレなので。
 
「フットサル現地観戦の「ここがビミョいぞ」な部分を挙げてみる。観客動員が厳しいらしいけど、どうすれば?」
 
今回は、Bリーグの収益や親会社の状況についてボチボチ考えてみたいと思う。
ちょうど川崎ブレイブサンダースの親会社が東芝からDeNAになることが発表されたばかりなので、タイミングもいい。


まあ、あくまで素人がテキトーにガタガタ言うだけなので、気楽に読んでいただければ幸いである。
 
なお、必ずしも情報の正確性が保証されるわけではないことをご了承ください。
 
「ラグビープロ化構想がスタートしたらしいけど、なかなか難しそう。批判もあるけど企業スポーツってクッソ待遇いいからね」
 

決算短信が出たので、DeNAの売上や収益を見ていこうか

では、まず来シーズンから川崎ブレイブサンダースの親会社となる株式会社ディー・エヌ・エー【DeNA】について。
 
2017年11月9日に発表された決算短信(平成30年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結))を見ていきたい。
 
リンク先PDFのP8の(2)要約四半期連結損益計算書の【第2四半期連結累計期間】を見ると、「売上収益」が約765億円→約733億円、「営業利益」が約152億円→約136億円。合計が約116億円→約108億円。前年の同じ時期と比べ、やや落ちていることがわかる。
 
具体的には、P13、14にある各事業の内訳。EC事業の利益が約10億円→-約1.35億円となったのが響いた模様である。
 
EC事業とはいわゆるインターネット上の商取引を指す。2016年末に問題になったキュレーションサイトの相次ぐ閉鎖が影響したと言えそうである。
 
とはいえ、根幹を支えるゲーム事業は約131億円→約134億円と微増しており、任天堂との業務・資本提携が奏功したことがうかがえる。
 
とりあえず上記を見る限り、会社の根幹を揺るがすような落ち込みとは言えない。
 

会社の財務状況はどうなのよ。実はDeNAってかなりの優良企業だって知ってました?

次は「貸借対照表」を見て、会社の財務状況を調べてみる。
 
具体的には、以前の記事「サッカーJ3の存在意義とは? Jリーグの3部は必要か?」でご紹介した「企業の安全性を判断する3つの指標」について。
 
まず中長期的な経営状態の判断基準として重要視される「自己資本率」
 
これは、上記の「平成30年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」の最初のページに記載がある。
1.平成30年3月期第2四半期の連結業績(平成29年4月1日~平成29年9月30日)→(2)連結財政状態→「親会社所有者帰属持分比率」(自己資本比率)の項目。ここを見ると、「78.5%」と記されている。
 
業種にもよるが、一般的に自己資本比率は15%以上あれば安全圏と言われており、70%を超える企業は、中長期的に見てもかなり余裕があると判断できる。
 
続いて短期的な経営状態の判断基準となる「流動比率」
この比率は「流動資産÷流動負債」の式で算出されるもので、一般的な安全圏としては120%以上。DeNAに関しては280%を超えており、こちらも経営状態が良好と言えそうである。
 
 
さらに、最も短期的な指標である「手元流動性」
いわゆる「すぐ動かせるお金がどれだけあるか」を表し、来月の売り掛けが突然消えた場合でも、それを補う企業体力があるかを示す指標である。一般的に大企業では1ヶ月分、中小企業で1.5ヶ月分と言われている。
 
DeNAに関しては、僕がざっと計算したところ約1.1ヶ月。企業規模を考えれば、こちらも安全圏ではないだろうか。
 
これらを踏まえると、DeNAはかなりの優良企業。当面は事業を縮小したり、ベイスターズを手放したりという心配はないと考えてよさそうである。
 

スポーツ事業の伸びが顕著。ベイスターズの好調ぶりをバスケット界でも発揮できるか

「DeNA ゲーム依存の営業増益 3月期、新事業は仕切り直し」
 
上記の記事は2017年初旬のものだが、任天堂との提携によって主力事業であるゲーム事業がうまく好転したことがうかがえる。
携帯ゲーム→スマホゲームへの移行がスムーズに実現し、会社の根幹を支える事業がうまく波に乗った結果である。
 
記事では「キュレーションサイトの頓挫による新規事業の模索が続く」とあるが、それはあくまで中長期的な展望。「新規事業・その他」の収益もマイナス計上が続いており、遺伝子検査や自動運転などに対する先行投資の意味合いが強い。
 
その中でも、ひときわ目を引くのが「スポーツ事業」の伸び
前年比で約39億→約44億と順調な収益アップを見せており、ゲーム事業に続く収益の柱となる可能性を秘めている。
 
横浜DeNAベイスターズの好調を維持したままバスケット界へ参入。DeNAにとって、今回の川崎ブレイブサンダース買収は、いろいろな意味で自然な流れだったのだと思う。
 

Bリーグの事業規模はまだまだ小さい。そして、川崎ブレイブサンダースはスポンサー収入に依存したチーム

では、ここからは、Bリーグでの川崎ブレイブサンダースの現状について。
ちょうど2016-2017シーズンの決算が発表されたばかりなので、そちらを見ながら考えていきたい。
 
「B.LEAGUE 2016-17シーズン(2016年度) クラブ決算概要」
 
リンク先のPDFを見るとP1目がB1、P2目がB2となっており、Bリーグに所属する全チームの決算概要が確認できる。
 
そして、川崎ブレイブサンダースはP1目の左から8番目。サンロッカーズ渋谷と横浜ビー・コルセアーズの間に記載されている。
 
代表的な項目を見ると、
 
営業収入:約9.5億円
営業費用:約7億円
 
営業費用や税金等を引いた純利益が1.6億円
 
「プロスポーツ選手とファンの距離感? 物理的な接触で選手が怪我するとか、最悪だからな。松坂大輔肩の違和感によりノースロー」
 
DeNAのスポーツ事業の利益が30~40億円なので、事業規模としてはまだまだ小さい。
とはいえ、金額だけを見ればB1リーグ中1位。しっかりと利益を出していることを考えれば、チームを買い取るメリットは十分ありそうである。
 
と言いたいところだが、実際はそんな簡単な話ではない
 
営業収入の中にあるスポンサー収入の項目。ここを見ると、川崎ブレイブサンダースは約6.4億円と記載されている。しかも、この金額は大阪エヴェッサの約7.1億円、シーホース三河の約6.9億円に次ぐ3位である。
つまり川崎ブレイブサンダースは、B1リーグの中で3番目にスポンサー収入に依存しているチームということになる。
 
純利益が1.6億円で、スポンサー収入が6.4億円。
仮にこの部分がまるまるゼロになったと考えると、-4.8億円。
あっという間に赤字を垂れ流す不良債権の誕生である。
 
さらに言うと、DeNAは来シーズン、約4.8億円の赤字から運営をスタートするという意味でもある。
 
スポンサー収入に依存したこの状況を、DeNAがどう変えていくか。
スポーツ事業の利益が30~40億の中、バスケの事業規模は2億円未満。ここにどこまで人員を割けるか。
 
また、現状でも十分なエンターテイメントを提供できている中、さらにどう盛り上げていくか。
いろいろな意味で、向こう2、3年のDeNAの手腕に注目である。
 
ちなみにだが、横浜DeNAベイスターズの総年俸は前年比で推定4.8億円増。バスケの事業規模の倍に匹敵する金額である。
 
まあ、スーパー有能おばさんの南場智子氏なら、うまくやりそうではあるが。
そのうち送迎バスが自動運転になったりとかね。
 
なお、川崎ブレイブサンダースの運営会社であるTBLSサービス株式会社だが、この会社の経営状況については「資産の部」と「負債の部」の内訳が記載されていないため、把握できなかった。
 

現親会社の東芝について。なかなかヤバそうですね。バスケチームの運用なんぞをしてる場合じゃないくらいには

そして、川崎ブレイブサンダースの現親会社であり、経営再建中の東芝について。こちらも決算が発表されたばかりなので、DeNAと同じノリで見ていきたい。
 
「決算短信・決算公告」
上記リンク先のPDF「2017年度 第2四半期決算(6か月累計)(連結)」
 
まず中長期的な経営状態の判断基準として重要視される「自己資本率」(株式資本比率)だが、PDFの最初に「-15.2%」とある。
安全圏が15%、10%を切ると危険水域と言われる中、まさかの-15%。完全な債務超過である。
 
次に短期的な経営状態の判断基準となる「流動比率」
「流動資産÷流動負債」の式で算出され、120%以上あれば当面の資金繰りは問題ないと判断される指標だが、結果は93%。
80%を切ると借金過剰と言われる中、短期的な深刻度はそこまで高いわけではない。ただ、すばやく現金化できる資産が少ないことは確かで、健全には程遠いことも間違いない。
 
最後は最も短期的な指標「手元流動性」について。
こちらは、受取手形及び売掛金の短、長期が不明なためにいまいち判然としないのだが、ちょっと調べたところによると1、2か月程度は確保できているとのこと。少なくとも、向こう数か月で倒産するわけではないと思われる。
 
こうして見ると、やはり東芝がピンチであることに疑いの余地はない。
今すぐお手上げというほどの緊急事態ではないが、少なくともプロスポーツチームの運営などやっている場合ではない。
 
半年の売り上げが2兆円を超える中、川崎ブレイブサンダースのスポンサー料6億円前後を削ったところで焼け石に水な感じもしないでもないが。
 
「東芝がBリーグの名門・川崎をDeNAへ譲渡。身売り価格300万円の理由とは」
 
上記の記事を読むと、ラグビーや野球部員はあくまで東芝の社員。完全プロ化したバスケと違い、簡単には切れない状況というのもなるほどである。
 
 
まあ、これはバスケのリーグが長年にわたって分裂していた要因でもある。
プロとして独り立ちしたい選手と、大企業の社員という身分を守りたい選手。双方の言い分が食い違い、軋轢が生じた結果。
 
どちらが正しいというわけでもなく、どちらの言い分も間違いとは言えない。
「バスケ協会の利権争いで選手がないがしろにされた」などと言われていたが、実際はそんな単純な話ではなかったのだと思う。
 
この話をすると長くなるので止めておくが。
 
 



 

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