リナレスがS・ライト級進出? アブネル・コットを3RTKOで再起に成功。S・ライト級でマイキー、ラミレスに挑戦だと?【結果・感想】
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2018年9月29日(日本時間30日)、米・カリフォルニア州で行われた138ポンド契約10回戦。
元3階級制覇王者ホルヘ・リナレスが元WBC中米S・ライト級王者アブネル・コットと対戦し、3R1分31秒TKOで勝利。
今年5月にワシル・ロマチェンコに敗れて以来、約6ヶ月ぶりの再起に成功した。
開始直後から持ち前のスピードを活かしてワンツーを打ち込むリナレス。
対するコットは距離をとり、ガードを上げてサイドに回り込む。遠い位置からリナレスの打ち終わりを狙ってカウンターを狙う。
「リナレスまさかの1RTKO負け。セサール・カノがデカくて長くて強かった。これをやられるとリナレスは厳しい」
だが、スピードで上回るリナレスは反撃をものともせず、顔面、ボディに的確なヒットを重ねる。
2Rにはガードの外からの右をコットのテンプルに叩き込み、この試合最初のダウンを奪う。
ダメージを隠しきれないコットは、3Rに再び右を被弾しダウン。
何とか立ち上がるものの、追撃に耐えられずにリナレスに抱きつくようにリングへ転がる。
「エロール・スペンスvsマイキー・ガルシア本当に決まっちゃった。勇敢なのか無謀なのか。どちらにとってもメリットある」
足元がおぼつかないコットの姿を見たレフェリーは、すかさず試合をストップ。3R1分31秒、リナレスのTKO勝利が決定した。
試合後、リナレスはマイキー・ガルシア、ホセ・カルロス・ラミレスとのビッグマッチを実現したいとコメント。ワシル・ロマチェンコとの再戦をにらみつつ、今後もS・ライト級で戦う意欲を見せている。
「そして伝説()へ…。 田中恒成が木村翔に判定勝利で最速3階級制覇。至近距離での打撃戦と駆け引きがすごかった」
- 1. リナレス再起!! GBPのFacebookが快適な件。元王者の再起戦やホープのお披露目イベントならこのお手軽さはアリだよね
- 2. リナレス相手にそれじゃダメなんだよコット。身体も大きくリーチも長い。期待感はあったけどな
- 3. 距離をとって、アングルを調整して〜とやっていても、リナレスのスピードには追いつかない。みすみすフルボッコにされにいくようなものだよね
- 4. 上背とリーチのあるコットはフルボッコに合い、うまく戦ったメルシト・ヘスタは根本的なスペック不足。やっぱりリナレスの牙城は高いなと
- 5. S・ライト級に進出するリナレス。マイキーはキツそうだけど、ホセ・カルロス・ラミレスなら挑戦できる? でも、一番観たいのはプログレイス戦
リナレス再起!! GBPのFacebookが快適な件。元王者の再起戦やホープのお披露目イベントならこのお手軽さはアリだよね
先日、GBPのFacebook上で中継されたこの試合。
ロマチェンコに敗れたリナレスの再起戦ということで、それなりに楽しみにしていた試合でもある。
そして、とにかくFacebookの画質がいい。
以前のジョセフ・ディアスvsヘスス・ロハス戦ではことあるごとにカクついてお話にならなかったが、前回のライアン・ガルシアや今回のリナレスvsコットに関してはほぼ問題なし。
「ライアン・ガルシアがモラレスに大苦戦? Facebook界の切り札アイドルがゼエゼエ言いながらも16連勝を飾る」
しかも、Live中継後には動画がアーカイブ化され、いつでも好きなときに観直せる気前のよさ。
元王者の再起戦やホープのお披露目などのイベントで、このお手軽さはめちゃくちゃありがたい。
今後どうなっていくかはわからないが、個人的にはすばらしい試みだと思う。
リナレス相手にそれじゃダメなんだよコット。身体も大きくリーチも長い。期待感はあったけどな
実際の試合については、「ああ、それじゃダメなんだよコット……」といった感想。
身長173cm、リーチ175cmのリナレスに対し、コットは身長178cm、リーチ180cm。
試合前の計量でもリナレスよりひと回り大きく、何かを期待させる雰囲気のある選手だった(気がする)。
ところが結果は観ての通り。
ほぼ見せ場を作ることもできずに3RTKO負け。
2度のダウンを奪われ、最後は足をもつれさせてのレフェリーストップという結末である。
「井上尚弥WBSS出陣。パヤノ? だからどうした。圧勝しやがれ。全局面でねじ伏せろ。一片の希望すらも残すな」
ガードを上げて距離をとり、リングを旋回。
リナレスと正対しないように、絶えずアングルを変えることを意識した振る舞い。
長いリーチを活かしたジャブで距離を測り、打ち終わりにカウンターを返す。
どうやらミゲール・コットの親戚とのことだが、タイプ的にはちょっと違う。
何となくだが、L・ヘビー級のバドゥ・ジャックの下位互換というイメージかなと。
「バドゥ・ジャックvsスティーブンソン。いい試合過ぎて笑いが止まらんww どっちも出し切った消耗戦」
そして、このコットの作戦は、リナレスにはまったく通用しなかった……。
距離をとって、アングルを調整して〜とやっていても、リナレスのスピードには追いつかない。みすみすフルボッコにされにいくようなものだよね
いつも似たようなことを申し上げているが、リナレスを攻略するには接近戦。
超絶スピードを活かした出入りと連打が持ち味の選手なので、それを出させないために距離を潰す必要がある。
回転が上がる前に間合いを詰め、自分から手を出してリナレスに糞詰まりを起こさせる。
とにかく自由に動けるスペースを与えないことが、打倒リナレスには一番いい(と思う)。
「カーンとダウンはセットや!! カーンvsバルガス、ポーターvsガルシア振り返り。え? 松本亮負けたの?」
なので、今回のコットの作戦は悪手もいいところだった。
自分から距離をとれば、リナレスに腕を振るスペースを与えてしまう。
単発の左を出すだけでは、わざわざ踏み込みのタイミングを作るだけ。
そして、打ち終わりを狙ってのカウンターなど、そもそも間に合うわけがない。
恐らく1発目の左に右を被せるつもりだったのだろうが、その前に2発目の右が飛んでくるに決まっている。
正直、あのくらいのスピードの選手が「アングルを調整して〜、打ち終わりにリターンを〜」などとやっていては、リナレス相手にはフルボッコにされる未来しかない。
「リナレスがロマチェンコにKO陥落。あ〜惜しい。もう少しだったけどな。これがスピード&パワーの偉大さですよ」
逆に開き直って前に出た3Rは、左右ボディや顔面への右など、ところどころにいいパンチが見られた。
最後はリナレスの右で沈んだが、ラウンドを通した動きは決して悪くなかった(と思う)。
全体を通しては、初っ端のやり方を間違えたせいで甚大なダメージを負い、それを挽回する暇もないまま負けてしまった感じ。
上背とリーチのあるコットはフルボッコに合い、うまく戦ったメルシト・ヘスタは根本的なスペック不足。やっぱりリナレスの牙城は高いなと
今回のコットは、とにかく立ち上がりで自分からリナレスにスペースを与えてしまったのが痛かった。
せっかく上背とリーチでは上回っていたので、もっと強引に距離を詰めれば別の展開もあったかな? という気はしないでもない。
それこそ上から覆いかぶさるように体重を預けて、ローブロー気味にボディをぶっ叩くとか。クリンチまみれの泥試合に持ち込めれば、リナレスが根負けするパティーンもあったかも……。
「どん詰まりのリナレスvsヘスタ。お互いに相手の持ち味を打ち消し合った結果、大差判定でリナレス勝利」
たとえば今年1月のメルシト・ヘスタは絶妙なリナレス対策を披露したが、根本的なスペックが足りずに押し切られてしまった。
逆に今回のアブネル・コットはサイズ、フィジカル面はよかったが、やり方を間違えたせいで撃沈した。
そう考えると、やはり「速い、強い、正確」の3拍子が揃ったリナレスの牙城は高い。
いつも脳筋才能マンなどと言っているが、何だかんだでロマチェンコに肉薄した男の実力は凄まじい。
しばらく見ない間にちょんまげヘアーになってたしね(関係ない)。
S・ライト級に進出するリナレス。マイキーはキツそうだけど、ホセ・カルロス・ラミレスなら挑戦できる? でも、一番観たいのはプログレイス戦
なおリナレスは今後、ロマチェンコとの再戦を視野に入れつつ本格的にS・ライト級に進出するとのこと。
体格的にS・ライト級ではどうか、この階級での耐性は? など、今のところ未知数な部分は多い。
とはいえ、ぶっちゃけやれないこともないだろうとも思っている。
本人はマイキー・ガルシア、ホセ・カルロス・ラミレスとのマッチメークを希望しているらしいが、う〜ん、これはどうなんだろうな。
どちらも相当厳しい気がするが……。
「マイキーvsイースター感想。イースターがんばった。マイキーは淡々と左を出し続けて勝利。やっぱりイースターじゃ厳しいよな」
でもアレか。
ビッグマッチ志向のマイキーはともかく、WBSS不参加のホセ・カルロス・ラミレスなら案外すんなり決まることもあるのか?
などと言いつつ、個人的に観てみたいのがvsレジス・プログレイス。
実現性をいっさい抜きにした話だが、現状プログレイスに勝てる可能性が一番高いのは実はリナレスじゃねえか? などと思っている。
「プログレイスvsベラスコ感想。プログレイスすごいね。猛獣的な強さを感じる。WBSSのS・ライト級がクッソ楽しみ」
どっしりとした構えで1発目を外し、打ち終わりにカウンターを狙うプログレイス。
それに対し、カウンターを打つ余裕すら与えないハンドスピードであっという間にぶち抜くリナレス。
両者のスタイルを比較すると、相性的には決して悪くない(気がする)。
いつものように序盤のスパートが成功すれば、先行逃げ切りで判定勝利という結末もあり得る? かも?
もちろんS・ライト級への適応は不可欠だとは思うが。
とはいえ、仮にプログレイス戦が実現するとしてもWBSSの後。
少なくとも2019年内はないと考えた方がいい気がする。
「ダニエル・ローマンがギャビン・マクドネルをKO! い〜い試合でしたね。最初から右のオーバーハンド」
早々にプログレイスが負ければ試合自体は実現可能だが、無冠のプログレイスにリナレスが挑む意味は……。
妄想すればするほど、「やっぱり妄想だよねww」で終わる話だなと。
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