ジェイコブス、クイリンを瞬殺!! 初回の壮絶ラッシュでTKOに下し、見事防衛成功【結果】
WBA世界ミドル級タイトルマッチが5日(日本時間6日)にアメリカ・ニューヨーク州ブルックリンにあるバークレイズセンターで開催された。
王者のダニエル・ジェイコブスが元WBOミドル級王者の挑戦者ピーター・クイリンを1R1分25秒TKOで下し、3度目の防衛に成功した。
「クリチコに勝ったタイソン・フューリーがおもろすぎる件ww」
ブルックリンを地元とする友人同士の対決として注目を集めたブルックリンダービー。強打者同士の対決とあって白熱の展開が期待されたが、結果はジェイコブスがクイリンを85秒で沈めて完勝を収める。衝撃の結末に会場からは地鳴りのような歓声が沸き起こり、3ヶ月連続で行われたミドル級タイトルマッチのトリを飾るにふさわしい一戦となった。
「ジェイコブス大健闘!! ゴロフキンのKO記録をストップ!! でもがんばった止まりかな。倒し方は見えたけど誰ができんの?」
抜群のタイミングで右をヒットして一気に試合を決めたジェイコブス
開始のゴング。
距離をとってリズミカルに頭を振りながら左右に動くジェイコブス。
左を出しながらジリジリと近づくクイリン。
「ジェイコブスがセルジオ・モーラとの再戦を制す!! ゴロフキンの渇きを潤すのはアイツしかいねえよ【結果・感想】」
クイリンが左を出す。
ジェイコブスがバックステップでこれを避ける。
さらにクイリンが踏み込んで左を出す。右のフックを合わせるジェイコブス。クイリンの鼻先をかすめる。
緊張感が漂う立ち上がり。
「八重樫がハビエル・メンドサに勝てる気がまったくしないんだが」
クイリンが踏み込む。
同時にジェイコブスが一歩前に出て左を出す。
クイリンがこの左をガードしながら身体を左に傾ける。
ガードの間からクイリンの顔面がのぞく。ここにジェイコブスの右ストレート!!
バシュッ!!
凄まじい炸裂音とともにクイリンが膝をぐらつかせながら後退する。
追うジェイコブス。
クイリンをロープに詰めて得意のラッシュ。
打たれながらも反撃するクイリン。
左、右とフックを返す。
ジェイコブスの顔面をかすめる。だが当たらない。
ジェイコブスの右がダブルでクイリンの顔面を捉える。
クイリンの首がぐにゃりと曲がる。
たたらを踏むように大きくよろけるクイリン。
何とかダウンを拒否して体勢を立て直す。
レフェリーがクイリンの表情を確認する。
大きく目を見開いたクイリン。
焦点が合っていない。
これを見たレフェリーが両手を交差して試合をストップする。
1R1分25秒TKOでジェイコブスの勝利!!
わずか85秒の結末!!
ブルックリン出身の強打者対決は、ダニエル・ジェイコブスの壮絶な勝利で最高の幕切れを迎えた。
「タイソン・フューリーさんは何をなさりたいんですかねぇww」
クイリンのタイミングを研究し尽くしてきたジェイコブスと、やや消極的だったクイリン
いや、すごかった。
すごい試合だった。
試合前の予想はジェイコブスの勝利だったのだが、まさかこんな結末になるとは。やはり強打者同士の激突は何が起こるかわからない。
「ピーター・クイリンvsダニエル・ジェイコブス予想!! 注目の強打者、ブルックリンの友人対決!!」
試合展開としては、先に一発当てた方が得意のラッシュでたたみかける。どちらがそのシーンを作ることができるか、どこでそのシーンがどこでやってくるかだと思っていたのだが、まさかの初回とは。
「ワイルダーvsスピルカ予想!! スピードのあるスピルカを迎えうつワイルダー」
ジェイコブスの立ち上がりはクイリンの強打を警戒して距離をとって左右に動く作戦。これは思ったとおりだった。
一方のクイリンは開始直後からガンガン前に出ると予想していたが、思ったほどではなかった。恐らくジェイコブスがカウンターを狙っていることを感じたのだろう。被弾を警戒し過ぎて手数が少なくなる悪癖が初回から顔を出してしまっていた。
「ジェイコブスさんがゴロフキンに勝つには? ニューヨークのヒーロー、ジェイコブスよ、GGGの圧勝予想を覆せ」
この消極的なクイリンの姿勢はジェイコブスにとってありがたかった。本来試合の中盤以降を想定していたカウンターのチャンスが開始直後に巡ってきたのだ。
そしてクイリンのパンチのタイミングを相当研究してきていたのだろう。その前にもいいタイミングでのカウンターを見せていたし、まさしくジェイコブスの術中にはまってしまった形である。
「アブラハム、マーティン・マレーに判定勝利で防衛成功!! 攻防分離型のカウンターパンチャーは今日も健在だったぞ」
クイリンはやはり、ゴング直後からもっとガンガン前に出てジェイコブスを下がらせたかった。それが敗因と言えば敗因だと思うが、さすがにあれだけカウンターを狙っている相手に躊躇なく前に出ろというのも酷な話かもしれない。
どちらにしろ、前に出られないクイリンには勝ち目はなかったということだろうか。
「八重樫vsハビエル・メンドサ!! 赤っ恥予想の言い訳をしていくぞww」
ド迫力のラッシュ。でも隙だらけ
ただ、毎回のことながらジェイコブスのラッシュは心臓に悪い。
途切れることのない連打はパワフルで迫力満点だ。観る者を熱狂させる魅力があることは間違いない。
だが、いかんせん大振りすぎる。
あれだけ両腕を大きく振り回せば当然カウンターを食いやすくなるし、全弾フルスイングなのでタイミングの変化がほとんどなく危険極まりない。
クイリンが数発パンチを返していたが、あれが一発でも当たっていれば形勢は一気に変わったはずだ。
特に左。
右を振り回す最中に顔面ががら空きになるので、いつ相手の左を食ってもおかしくない。
実際クイリンの左が一発顔面をかすめるシーンもあったし、もしかしたら紙一重での勝利と言っても過言ではないのかもしれない。
まあ、その危うさもジェイコブスの魅力の一つと言ってしまえばそれまでなのだが。
大満足の3ヶ月連続のミドル級タイトルマッチ。ジェイコブスの今後は?
ゴロフキンvsレミュー、アルバレスvsコットと、3ヶ月連続で続いたミドル級タイトルマッチ。
理詰めのゴロフキンが暴れ馬のレミューに手も足も出させないほどの実力差を見せつけ、若きスターであるアルバレスがテクニシャンのコットをさらに上回るテクニックとフィジカルで抑え込む。そしてブルックリン出身の友人対決。先に当てた方が勝ちの豪打対決でジェイコブスがクイリンを瞬殺。
3試合とも、それぞれの選手の特徴が凝縮されたおもしろい試合だった。
「ゴロフキンが豪打のレミューに勝利!!」
「“カネロ”・アルバレス、コットに大差判定勝ち!!」
防衛を果たしたジェイコブスだが、今後はどうするのだろうか。
クイリンも言っていたように、プロモーターやテレビ局の関係で統一戦を開催することは非常に難しい。かといってライバルのクイリンを撃破してしまった今、これ以上ワクワクする相手も見当たらない。ようやくビッグネームの仲間入りを果たしたというのに、ジェイコブスの行く末は早くもどん詰まりである。
ただ、ジェイコブスがゴロフキンに挑戦してもまず勝てないだろうが。
狙うとしたらアンディ・リーあたりか。
個人的には前にも言ったように、ウィリー・モンロー・ジュニアとマッチメークしてもらって、実力の違いを見せつけて欲しいところだが。
もちろん勝つのはウィリー・モンロー・ジュニアである。
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