【閲覧注意】バドゥ・ジャックvsジェームス・デゲール感想。体調整えて気合い入れて観るべし。特に前日は8時間睡眠必須な【結果・ドロー】
2016年1月13日(日本人14日)に、米・ニューヨーク州にあるバークレイズ・センターでWBC・IBF世界S・ミドル級タイトルマッチが行われた。
WBC王者バドゥ・ジャックとIBF王者ジェームス・デゲールが互いのベルトを賭けて激突したこの一戦。
初回にダウンを奪ったデゲールがスピードを活かしたテクニカルな動きを見せ、それをバドゥ・ジャックが重厚なプレッシャーで追いかける展開が続く。
「デービスvsベドラサ感想。どうもピンとこない。新スター候補デービスが7RKOでペドラサを一蹴して初奪還」
両者一歩も譲らず白熱の試合となったが、ラストラウンドでジャックの左フックがデゲールの顔面にヒット。デゲールが尻餅をつくようにダウンを喫する。
最後の力を振り絞って攻め込んだジャックだが、あと一歩のところで仕留めきれずに試合終了のゴングを聞く。
結果は114-112、113-113、11-113での引き分け。
ブーイングがわき起こるほどの微妙な判定だったため、すでに両陣営とも再戦への機運が高まっているとのことである。
「ロマチェンコに勝てるのは誰? 階級を超えたPFP、ハイテクボクシングマシーンをストップできそうな選手を考えてみる」
バドゥ・ジャックって実はいい選手ですよ? キャリアもすばらしいし、もうちょっと評価されてもいいと思うんだけどな
ほらな、バドゥ・ジャックはすげえだろ? あ?
いきなり意味不明な恫喝からスタートしたが、気にせず進めたいと思う。
今回の試合、結果は引き分けだが、内容的にはバドゥ・ジャックの圧勝ではないだろうか。
そして、僕はこの試合の決定を聞いたときからバドゥ・ジャック有利を予想していた。完全な後出しジャンケンなのだが。
このバドゥ・ジャック、個人的にかなりいい選手だと思っている。
存在自体が地味で、なおかつS・ミドル級が谷間の階級という印象が強いためか、気に留めている人は少ない。だが、それでもバドゥ・ジャックは間違いなく階級屈指の実力者である。
「エリスランディ・ララvsフォアマン感想。ムカつくけどすげえ。ララがダーティ、正当両面でフォアマンを圧倒」
これまでのキャリアも骨太路線そのもの。
僕が観た試合だけでもデレク・エドワーズ、アンソニー・ディレル、ジョージ・グローブス、ルシアン・ビュテ。そして今回のジェームス・デゲールとそうそうたる顔ぶれが揃う。
スタイルとしては「堅実なくせ者」とでも言えばいいだろうか。
ガードを上げて前進し、自分の間合いで1発1発力を込めて腕を振る。
足の運びと左の使い方がうまく、どんな選手が相手でもいつの間にかロープを背負わせてしまう。スピードもなく攻防分離気味ではあるが、フィジカルが強くペース取りに長けた選手である。
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そして、何よりこの選手の最大の持ち味は「相手のよさを消す」こと。
相手の得意な距離をいち早く察知し、それを発揮させないポジショニングで実力を半減させる。また、至近距離で肘を突き出してスペースを確保したり、パンチのついでに肘を当てにいくといったダーティさも持ち合わせる。
スタイルはまったく違うが、バーナード・ホプキンスに近いメンタルの持ち主といえるのではないだろうか。
「ホプキンス引退!! ジョー・スミスにリングアウト負けで伝説に終止符。出がらし状態の51歳がラストマッチ」
だが、相手の得意分野を封じる過程で必ず危険地帯に足を踏み込む必要が生じるため、序盤は劣勢になりやすい。なので、今回のように初回にいきなりダウンを喫したり、1RKO負けを食らったりというケースが起きてしまうのである。
特別速いわけじゃない。
身体能力も高くない。
だが、相手の能力を見抜く洞察力とそれを実行するフィジカル。そして勝つために手段を選ばないメンタルを持った選手。
言ってみれば努力の人。つまり「凡人の星」である。
「八重樫がメリンドにまさかの1RTKO負け!! L・フライ級日本人王者4人体勢が1夜で崩れ去る」
スピード差のあるデゲールを抜群の洞察力と経験値で追い詰める
対するジェームス・デゲール。
流れるようなフットワークやスムーズなコンビネーションを観る限り、この選手は距離をとって戦うのが得意な選手に思われがちである。
だが、実は意外とファイタータイプというか、前に出てなんぼの選手である。
「バドゥ・ジャックはすげえだろ? クレバリーを問題にせず圧勝。驚いたかオイ? 俺は驚いたぞww」
細かい右リードからの左ストレートで相手をたじろがせ、左右へのフットワークを駆使して反撃を許さない。絶えず動き続けることでリターンの機会を奪い、スペースを確保して再びロングの左ストレート。
そして、この選手に対してバドゥ・ジャックが実行した攻略法は「至近距離で正面をキープする」こと。
近い間合いをキープしてデゲールのスペースを潰し、得意の長いストレートやリードを打つ機会を与えない。常に真正面に立つことでデゲールをまっすぐ後退させ、反撃の手立てを奪っていく方法である。
「カネロ・アルバレスvsチャベスJr.決定! ビバ メヒコ! 大絶賛の時間だあああぁぁぁ!!」
とはいえ、スピード差のある相手を追い詰めるには普通に追いかけていたのでは間に合わない。
リングを大回りに動くデゲールに対し、進行方向を先回りするように最短距離で間合いを詰める。正対したポジションを外さないように意識しつつ、鋭角に距離を詰めて「はい、捕まえた」。さすがは凡人の星である。
「ゲイリー・ラッセルvsエスカンドンが楽しみすぐる。両方めちゃくちゃいい選手ですよねこれ?」
まあ、眠いっすよこの選手の試合は。だから前の日はよく寝とけって言っただろ?
ところがこのバドゥ・ジャック、いかんせん決め手がない。
相手の長所を封じ、自分の間合いに持ち込むまではすばらしいのだが、そこからの爆発力が絶対的に不足している。なので、ポイントでは毎回接戦になってしまうのである。
「三浦隆司が花山薫パンチでミゲール・ローマンを撃墜!! デラホーヤが早くも「年間最高試合」に認定」
ペースは明らかに握っている。
自分の形で試合を進めているのは間違いない。
だが、なぜか各ラウンドで明確な差がつかない。
毎回惜しいところまでいくのだが、モヤモヤしたままラウンド終了のゴングが鳴る。
残念ながら、この辺りの微妙な試合運びがジャックの地味な印象を増長しているのだと思う。
そして、僕が「閲覧注意」「体調を整えてしっかり睡眠時間をとってから観るべし」と申し上げたのはそういうことである。
バドゥ・ジャックの試合って、マジで眠いから。
「フランシスコ・バルガスvsミゲール・ベルチェルト予想。豪打のメキシカン対決勃発。ベルチェルトねえ……」
バドゥ・ジャックvsジェームス・デゲール再戦? いや、もう決着はついてるんじゃない?
なお、今回の微妙な判定結果を受けて、さっそく再戦の話が浮上しているとのこと。
ん〜〜……。
いりますかね再戦。
普通にバドゥ・ジャックの勝ちで終わってると思うけどなあ。
まあ、終盤のデゲールの盛り返しもすごかったけど。
あの選手があんな二番底を持っていたのはちょっと意外だった。
「消耗戦ゴルァw ヒルベルト・ラミレスvsジェシー・ハート。フラッフラで打ち合う疲労感満載の壮絶なシーソーゲーム」
また、バドゥ・ジャック本人は、今後のL・ヘビー級挑戦の意向を示しているという話もある。
いや、それはどうなんだろうか。
何とも言えないが、かなり厳しいのではないだろうか。
「ベテルビエフこれアカンヤツやww プリエトを豪打のカウンター1発で生まれたての小鹿に」
どちらかと言えば、適正階級でキャリアをまっとうした方がこの選手は幸せになれると思う。
とはいえ、すでに一通り有力選手との試合を済ませており、この階級でやることがないというのも確かだが。
あ、ちなみにジェームス・デゲールはヒルベルト・ラミレスとの一戦を観てみたいです。