井岡一翔がフランシスコ・ロドリゲスと9月に指名戦? でもこれは大丈夫でしょ。荒っぽいファイタータイプじゃ井岡には通用しない
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WBO世界S・フライ級王者井岡一翔の3度目の防衛戦が2021年9月に東京で行われる見込みらしい。
相手はランキング2位のフランシスコ・ロドリゲスJr.。
6月にWBOから指令が出されて現在交渉中とのことだが、日程的にもそろそろ正式発表があってもいい頃だとは思うが果たしてどうなるか。
以前からWBAスーパー/WBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダや元4階級制覇王者のローマン・ゴンサレスとのビッグマッチを希望している井岡にとっては絶対に負けられない相手。
所属ジムの拠点が正式に決まったこともあり、井岡本人も「ここから新たに歴史を作る」と意気込みを語っている。今回は圧勝が最低条件と言っても過言ではなさそうである。
井岡は実質負けかな…。ロドリゲスの踏み込みと圧力に大苦戦。勝ちはしたけど衰えも見えたような。判定に物議を醸した時点でアウト
井岡vsフランシスコ・ロドリゲス交渉中だって。井岡は早くビッグマッチに進んでもらいたいけどね
井岡一翔vsフランシスコ・ロドリゲスJr.。
現在交渉中であることを考えると、この試合が行われることはほぼ確実なのだろうと。
さらにロマゴンやエストラーダなどのトップランク組が相変わらず内輪でワチャワチャしているので、井岡が希望する海外でのビッグマッチもなかなか決まりそうにない。
新型コロナウイルスの影響で先行きは不透明だが、どちらにしても井岡の選択肢はあまり多くはないと思われる。
ロマゴンvsエストラーダ114-114かな。ロマゴンはやっぱりフライまでの選手。軽量級で重量級っぽい試合をするのが井上尚弥
と言いつつ、個人的にはさっさとビッグマッチを観たいですけどね。
「メリットがない」「格が違う」と言い続けた田中恒成戦をせっかく会心の出来でクリアしたわけだし。
もう国内や上位ランカー相手に証明することはないと言っても過言ではなく、残すはIBFのジェルウィン・アンカハアスを含めた他団体王者との最強対決のみ。
惰性で防衛を続けるうちにモチベーションを失った山中慎介の二の舞だけは避けてほしいところである。
今回は大丈夫じゃないの? 強い選手だと思うけど、王者級と比べて一段落ちる印象
とまあ、余談はともかく。
今回の指名挑戦者(予定)のフランシスコ・ロドリゲスJr.だが、はっきり言って大丈夫だと思う。
身長163cm、リーチ165cmと体格的には井岡とほぼ変わらず(井岡は身長164cm、リーチ167cm)、もともとL・フライ級からキャリアをスタートさせた選手。
S・フライ級の井岡が若干適性を超えていると言っても、今回に関しては体格的な不利はなさそうである。
また過去の試合を観る限り、この選手は中間距離からやや近い位置での打ち合いを得意とする印象。
ガードを高く上げた構えから放つ左ジャブで距離を測り、身体を振りながら前進。
腕の届く位置まで近づいたところでぶん回しの連打を浴びせる。
左右のボディ打ちと躊躇のないフルスイングを武器とするファイタータイプと言えそうである。
ただ、全体的に大振りが目立つ上に動きもやや大雑把。
荒々しさ、身体の強さは秀でているようだが、距離の調整、打ち終わりのケア、近場での攻防等、随所にヌルさが散見される。
また階級を上げるごとに少しずつ距離が遠くなっているのも気になるところで、キャリア初期に比べて“自分の手が届く位置まで前進する”という工程が一つ増えている。
強い相手には違いないと思うが、王者級と比べると少し落ちるというか。
2017年5月に井上尚弥に挑戦したリカルド・ロドリゲスよりも少し上かなぁ? くらいの選手だと想像する。
井岡一翔vs田中恒成。井岡の重ねてきたものの重さが桁違い。ホントに勝ってよかった。黙して語らぬ視聴率大正義時代の最後の生き残り
こういう大雑把で荒っぽいタイプは井岡に通用しない。十中八九井岡勝利で間違いなさそう
そもそも論として、こういう“荒っぽいけどやや大雑把”なタイプが井岡に通用しないことはこれまで幾度も証明されている。
特に一度引退した際に肉体改造に着手したこともあり、2018年9月の現役復帰以降は持ち前の緻密さに力強さが上乗せされている。
前回の田中恒成戦もそうだし、戴冠を果たしたアストン・パリクテ戦でも馬力でねじ伏せにくるパリクテに当たり負けせず後半KOで沈めてみせた。
恐らく今回の試合も前に出てくる相手を井岡が受け止める→近場での差し合い勝負になるとは思うが、そこで井岡が打ち負ける光景はちょっと想像できない。
井岡の足腰が目に見えて衰えているか、もしくはあからさまに調整に失敗するか。
そのどちらかがない限り、ロドリゲスは井岡のディフェンスを突破できずに根負けする可能性が高い(と思う)。
そして、僕はこれまでコンディション調整に失敗した井岡というのを一度も見たことがない。
まだ正式決定ではないので勝敗予想は止めておくが、今回は十中八九井岡の勝利は固い(と思う)。
中盤から後半にかけてのKO、もしくは文句なしの大差判定か。普通にやって普通に井岡が勝つでしょと思っている。
エルウィン・ソトvsジョナサン・ゴンサレスは結構いいよな。京口とソトの統一戦よりそそられる。WBOが両陣営に指名戦を指令だって
アムナットみたいに懐が深くてニュルニュル誤魔化すのがうまい選手が苦手な井岡。シントロンって結構惜しかったよな
逆に井岡が苦手なのは“ズルい”タイプなのだと思う。
これまで井岡が喫した2敗は2014年5月のアムナット・ルエンロエン戦と2018年12月のドニー・ニエテス戦。
どちらの選手も
・そこそこ長身で懐が深い
・前手の差し合いで井岡を上回る
・誤魔化すのがうまい
という特徴がある。
特に2014年のアムナットは徹底して前での勝負にこだわり、近距離で勝負したい井岡をそのつどカウンターで迎撃してみせた。
さらに後半はバテバテだったにも関わらず、ロープの反動やクリンチを使いながらニュルニュルと誤魔化し続けて突破口を作らせなかった。
崩れそうで崩れないまま、何だかんだで12Rまで完走したのは本当にお見事だったと思う。
要するにアムナットやニエテスのようにうまさとズルさを両立できるタイプに翻弄されるというのが井岡の基本的な負けパターンなのだろうと。
そう考えると、2019年12月のジェイビエール・シントロンはかなり惜しかった。
長身サウスポーのアウトボクサーというスペックに加え、ボディを効かされても最後まで倒れないメンタルの強さも兼ね備えていた。
井岡vsシントロン感想。たくましさ、荒々しさの増した井岡が長身サウスポーに完勝。僕はこっちの井岡の方が好きかな
今振り返ると、相性的には田中恒成よりもはるかに打倒井岡の可能性を持った選手だった気がする。
あまりに正攻法すぎたというか、アムナットのようなズルさが足りないのが痛かった。
井岡のドーピング疑惑が晴れたことを全面的に受け入れている空気に驚いた。メキシコ肉からの混入はあれだけ否定、嘲笑してたのにこっちはOKなのね
ちなみに2020年末の井岡一翔vs田中恒成戦でのドーピング検査で井岡の検体から禁止薬物が検出されたことが結構なニュースになっていたが、結局JBCの検査体制の不備、不手際ということで不問になっている。
あらぬ疑いをかけたとして、JBCの理事長が井岡側に直接謝罪をすることで一応の終結に。
井岡一翔が正式謝罪受け「1つのけじめついた」JBC理事長ら進退伺を提出 #井岡一翔 #boxing https://t.co/rMGO3YpeRo
— 日刊スポーツ (@nikkansports) July 12, 2021
これに関してはJBCのあまりの杜撰さに驚かされたのだが、同時に井岡=正、JBC=誤という結論をすんなり受け入れる雰囲気にも同じくらい驚いている。
個人的に調べたところ、腐敗した検体から禁止薬物が出るケースは十分あり得るとのこと。今回の件もJBCの杜撰さが原因でたまたま検出されたというのもその通りなのだと思う。
井岡一翔の尿を自宅の冷蔵庫で保管ってそんなことホントにあるの? SNSで直接罵声を浴びせるのはアウトだよな。相手が誰であれ
ただ、メキシコ産の汚染肉による禁止薬物検出についてはあれだけ否定していたのに今回はOKなの? という部分は大いにある。
メキシコ肉から禁止薬物が検出されるケースはボクシング以外にもサッカーや競泳、競輪などさまざまな競技で発生しており、JADA(日本アンチ・ドーピング機構)も注意を隆起しているほど。
「特定地域で生産された食肉に関する注意喚起」
要は不測の事態は実際に起こり得るわけで、一概にメキシコ肉を理由にドーピングを否定するボクサーが嘘をついているとは言いきれない。
諸々を踏まえた上で、以前「カネロが禁止薬物を使用したとは断言できない」と言ったところ……。
「まだそんなことを信じてる人間がいるんだな笑」とひろゆきみたいなトーンで突っかかってきたヤツがいたことをよく覚えている。
ところが今回はそういった嘲笑じみた声はほとんど聞こえてこない。
さまざまな競技で発生しているメキシコ肉からの禁止薬物検出を真っ向否定するのであれば、当然今回も井岡が嘘をついているという声が出てきてもおかしくないと思っていたのだが……。
逆に今回のケースをOKとするなら、今後はメキシコ肉からの禁止薬物検出を「ビバ・メヒコww」などとバカにできなくなるわけで。
腐敗した検体からの禁止薬物検出がどの程度の確率で発生するかについては記述が見つけられなかったのだが、汚染肉から検出される確率とどちらが高いのだろうか。
以前から各所で言われていたメキシコ肉の汚染による禁止薬物検出は全力で否定するけど、突然降って湧いたような腐敗検体からの検出は全面的に受け入れる。今となっては井岡がクリーンかどうかについてはあまり興味がないのだが、どちらにしても不思議な現象だった。
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