八村塁とトム・ホーバスの確執がおもしれえ。公の場でここまで反旗を翻した日本人選手を見たのは初めて。ホーバスのボス気質に八村がカチンときたんだろうな

八村塁とトム・ホーバスの確執がおもしれえ。公の場でここまで反旗を翻した日本人選手を見たのは初めて。ホーバスのボス気質に八村がカチンときたんだろうな

バスケの日本代表がゴタついている。
 
2024年11月13日に八村塁がトム・ホーバスHCを始めとした日本協会への不満を表明。23日には「今の日本代表ではプレーしたくない」と決別宣言とも取れる言葉を発する。
 
それを受けて、同じ日本代表でNBPでもプレーした渡邊雄太が自身の思いを語る。


さらに11月30日にはバスケ協会の三屋裕子会長が「選手が集中できる環境作る」旨のコメントを出す。


先に申し上げておくと、僕はバスケットにはあまり詳しくない。
楽天がNBA中継をかっさらって以降はハイライトで観るくらい(たまにWOWOW)で、Bリーグも年に数回現地観戦する程度。
代表の試合はオリンピック以来観ていない、いつどんな大会が行われているかも知らない。
 
そんな感じで八村塁、渡邊雄太やトム・ホーバス、代表チームへの思い入れはほぼゼロ。
一連の騒動に心を痛めている方には申し訳ないが、完全に下世話なゴシップとして楽しませていただいている。
 
なので、ここで解決策どうこうを言う気はいっさいない。
憶測や偏見にまみれた感想を述べるだけである。
 
というわけで、もし不快に思う方がいたら申し訳ない笑
 

公の場で指揮官に「NO」を突きつけた八村塁。こういう選手を見たのは初めて

とりあえず驚いたのが、八村塁が公の場でトム・ホーバスHCに「NO」を突きつけたこと。
 
選手からの突き上げで指揮官(監督やヘッドコーチ)が交代させられた例でパッと思いつくのは2018年のサッカー日本代表。ロシアW杯直前にヴァヒド・ハリルホジッチ監督が突然解任→西野朗氏の代表監督就任が発表されたヤツ。
 
確かあのときは本田圭佑をはじめチームの中心メンバーがハリルホジッチの戦術と合わず、本番直前でついに爆発→監督交代という流れだった覚えがある。
 
 
古い話では、プロ野球巨人ジャイアンツの堀内恒夫監督と清原和博の確執。
オフに球団事務所を訪れた清原が「監督と自分、どちらを選ぶのか?」と球団代表に迫ったことで翌年の監督交代につながったアレ。
もともと両者は折り合いが悪く、清原はホームランを打っても堀内監督とのハイタッチを拒否していたとか。
 
その他「誰々と誰々が不仲」「○○と××が口をきかない」といった噂話はちょいちょい聞こえてくる。
 
だが、これらはあくまで裏側で行われていること。基本はメディアを通して流れてくる噂でしかない。
実際に不仲なのは何となくわかるものの、それが間違いだったパターンも普通にある。
 
 
その中で今回の八村は報道陣の前ではっきりとトム・ホーバスを否定した。
 
マジな話、ここまで公然と反旗を翻した選手が過去にいたのだろうか。
少なくとも僕はこういう行動に出る日本人選手を見たのは初めて。
あの行動が正解か不正解かはともかく、めちゃくちゃ驚いた。
 
八王子ビートレインズvs湘南ユナイテッドBC現地観戦。Bリーグは「いつ、どこに行っても楽しい」場所ではなくなった。ちょっと内輪ノリがキツかったよね
 

ホーバスHCはボス気質なんだろうな。例の会見は八村に序列を示す意味もあったでしょ

トム・ホーバスHCについてだが、恐らく“群れのボス気質”なのだと思う。
 
テレビ画面や報道を通しての印象だが、「このチームを率いているのは自分」「お前らはボスである俺の言うことに従うべき」という意識が強いと想像する。
 
特にタイムアウト時の様子がそんな感じ。
選手に大声でキレ散らかす姿や周囲がそれを何の抵抗もなく受け入れる光景を見ると、ああいうのは“いつものこと”なのだろうと。
 
 
そして八村塁がブチ切れた(らしい)2023年9月の会見。

「彼がやりたいんだったら、彼から声をかけていいと思います。私たちはスタイル変わらない。彼が来るなら、うちのバスケやります。やらせます。当たり前。彼は入って欲しいけど、やらないんだったら、このメンバーでいいチーム作りましょう」


これに関してはのちにホーバス自身が「誤解が広がった」と釈明したわけだが、会見直後はSNSや掲示板等で「八村不要論」が飛び交ったことを覚えている。
また先日の渡邊雄太も「変な切り取られ方をした」「悪者は誰もいない」とコメントするなど、原因はコミュニケーション不足にあったとしている。
 
ただ、ぶっちゃけあの会見はホーバスの我の強さも出ていたと思う。
「レイカーズのスターターだか、レブロンのマブダチだか知らんが、代表では俺がボスや」「NBA選手だろうが関係ない」「チームの方針に従ってもらうからそのつもりでいろよ」的な。
 
オリンピック予選よりも所属チームを優先した八村に代表での序列を示したというか。
八村なしで出場権を獲得したことで「ドヤァ!!」となった部分もあった気がする。
 
で、それを(断片的に)目にした八村が「あ?」と。
 

八村はたぶんキレたら怖いタイプ。ホーバスにはずっと不満を抱えていたっぽい

・プロの試合で勝てるやり方ではない
・世界のレベルの練習のしかたではない
八村のコメントを見る限り、以前からホーバスHCへの不満を抱えていたのは間違いない。
もしかしたら練習やミーティングの中でぶつかったこともあるのではないか。
 
ホーバスとしては「八村塁にも遠慮しない」姿勢を見せることでチームの団結を促す意味もあったのかもしれない。
そのために不当な? 扱いを受ける側はたまったもんじゃないが。
 
そのホーバスに公の場で「このチームのボスは俺だからお前も従え」と言われた。
それでとうとう爆発したのだと想像する。
 
「は? 何言ってくれてんの?」
「世界、世界って、君が世界の何を知ってるの?」
「NBAの第一線でやってる俺より実績あるの?」
 
さらに契約満了だと思っていたホーバスHCが続投だと聞き(八村は寝耳に水だったらしい)、ついに黙っていられなくなった。
 
売り言葉に買い言葉ではないが、これは八村が怒るのも無理はない。日本バスケのために体を張ってきたつもりが都合よく使われた上にコケにされた(と本人が感じた)のであれば。
 
下記の記事に「なぜこのタイミングだったのか」というフレーズがあるが、いや、そんなもん「このタイミングがもっとも相手にダメージが入るからだろ」としか言いようがない。


要は八村は「言っちゃう人間」なのだと思う。
 
いわゆるキレたら怖いタイプ
普段は我慢強く相手に気遣いもできるが、いったんブチ切れると歯止めが効かなくなる。修復不能なところまで拗れて2度と戻ることはない。
 
 
別にプロスポーツの現場で選手と指揮官が仲よしである必要はない。“チームを強くしたい”“勝ちたい”という目標を共有できていれば人間性どうこうは関係ない。
 
ただ、チームの中心選手が「今の日本代表ではプレーしたくない」とコメントするほど拗れるのはアウト。現状、完全に臨界点を超えている(と思う)。
 

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渡邊雄太の会見はよかった。「世界」マウントの八村に意見できるとすれば渡邊雄太だけ

なお八村の会見を受けて渡邊雄太がすぐに反応したのはよかった。
渡邊の言うようにホーバスが更迭されたら日本代表は崩壊していただろうし、実際その手前まで行っていたのだと思う。
 
現日本代表(日本バスケ界)で八村塁は間違いなく別格。
NBAのドラフト1順目など意味不明すぎるし、当たり前のように「今日の八村は18得点」と報道される状況は100%トチ狂っている(いい意味で)。
 
今シーズンから渡米した河村勇輝に注目が集まっているが、当たり前だが2way契約とドラフト1順目では話が違う。
 
 
しかもバスケは競技の性質上、1人の超人がチームを変えることができるのが……。
 
僕はオクラホマシティ・サンダー時代のラッセル・ウェストブルックが大好きなのだが、2014-15シーズンの孤軍奮闘っぷりはマジですごかった。
ケビン・デュラントほか怪我人が続出する中、冗談抜きで1人でチームを牽引した。ギリギリでプレーオフ進出を逃したものの、あのシーズンのウェストブルックは今でも印象に残っている。
 
それと同じで八村塁が日本代表に必要ないなど絶対にあり得ない。
インサイドで勝負できるのがジョシュ・ホーキンソン1人という状況を打破しつつ、外からの3Pも打てる八村は最後のピースと言っても過言ではないほど。
 
ホーバスHCとしても協会としても「それならいらない」と切り捨てるにはあまりに大きい存在である。
 
 
その八村に意見できるとすれば同じNBAでプレーした渡邊雄太だけ
「じゃあお前、世界を知ってんのか」と啖呵を切った八村が聞く耳を持ってくれるのは国内では渡邊雄太以外に考えられない。
 
恐らく渡邊もそれを自覚しているのだと思う。
代表チームの崩壊を食い止められるのは自分だけ、今何かを言わなければ取り返しがつかなくなると。
 
サンロッカーズ渋谷vs信州ブレイブウォリアーズ現地観戦。久々のB1観戦でレベルの高さ、観客の熱狂に驚いたw オイオイ、B3とは全然ちげえな
 
いや〜、おもしれえな笑
Bリーグの収益が右肩上がりの中、代表チームでこんなゴタゴタが起きるとは。
 
また代表の試合に注目してみようかな。
いつ、どんな試合があるのかも知らんけどw
 

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