アイスホッケー甦れ!→「へんじがない。ただのしかばねのようだ」。今度はデミョンキラーホエールズ解散? この2年3ヶ月で激動過ぎでしょ笑
先日、久しぶりにダイドードリンコアイスアリーナでアイスホッケーを現地観戦したのは申し上げた通り。
アイスバックス強くなった? 王子イーグルスは優勝おめでとうございます。会場のダサさが盛り上がりを妨げる?
またその少し前にアジアリーグの強豪・王子イーグルスが来年度からクラブチーム化され、「レッドイーグルス北海道」として再スタートを切ることを知った次第である。
ただ、これに関しては2019年の「日本製紙クレインズ」→「ひがし北海道クレインズ」のケースとは違い、あくまで「レッドイーグルス北海道」は王子HD傘下の事業会社という位置付けとのこと。
恐らく業績の悪化によってリスクを分散させたのだと想像するが、当面はチームが存続できることが確定している。
今後も子会社として継続していくのか、もしくは新たな引き継ぎ先を探すまでのつなぎの措置なのかは不明だが、数年前の日本製紙クレインズ廃部の悲壮感に比べればだいぶマシに思える。
ところがその翌日。
今度は2013-2014シーズンからアジアリーグ参戦を継続していた韓国のデミョンキラーホエールズの解散が発表される。
もともと韓国のアイスホッケーチームは2018年の平昌オリンピックを盛り上げるための意味合いが強く、あまり長期的な展望はなかったらしい。
オリンピックが終わると同時に観客数も激減していたとのことで、どちらにしても衰退は免れない状態だったとか。
で、今回の新型コロナウイルス感染拡大で完全にとどめを刺されたのだろうと。
僕自身、先日の現地観戦以降、久しぶりにアイスホッケーをがっつり観てみようと思っていたところだっただけに……。
信じられないような出来事が立て続けに起きる状況に唖然とさせられるばかりであるww
僕が初めて現地観戦したのが2018年12月。そこからわずか2年3ヶ月でこれだけのことが…
2018年12月 僕、アイスホッケーの日本選手権を初めて現地観戦
2018年12月 日本製紙クレインズ廃部発表
2019年4月 クラブチーム「ひがし北海道クレインズ」として再スタート
2020年2月 日本代表、北京五輪3次予選敗退
2020年2月 新型コロナウイルス感染拡大によプレーオフファイナル中止
2020年6月 横浜GRITSアジアリーグ参戦決定
2020年9月 新型コロナウイルスの影響で2020-21シーズン中止が決定
2020年10月 国内5チームによる「ジャパンカップ」開幕
2020年10月 王子イーグルス廃部、来季よりクラブチーム化発表
2020年11月 僕、平野裕志朗のラストゲームを観るために日光へ
2020年12月 平野裕志朗、所属チームのリーグ不参加によりまさかの残留
2020年12月 アイスホッケーを題材にしたアニメ「プラオレ!」制作発表
2021年3月 僕、久しぶりにダイドードリンコアイスアリーナへ
2021年3月 王子イーグルス、企業チームとしてのラストシーズンで優勝
2021年3月 デミョンキラーホエールズ解散発表
上述の通り僕が初めてアイスホッケーを現地観戦したのは2018年12月の日本選手権。
そこからたった2年3ヶ月の間に、ざっと振り返っただけでもこれだけの出来事が起きている。
アイスホッケーの現地観戦は太る。アイスホッケー第86回全日本選手権大会準決勝の感想。速い!激しい!目まぐるしい!
横浜GRITSの新規参入、アイスバックスとのコラボ? アニメ「プラオレ!」の制作発表といったポジティブな出来事もあるにはあるが、基本的にはネガティブなことばかり。
約70年の歴史を持つ日本製紙クレインズが廃部となり、日本代表がオリンピック出場を逃し、コロナの感染拡大でプレーオフが中止に。
翌シーズンも国内5チームによる変則シーズンでスタートしたと思ったら、開幕早々に王子イーグルスのクラブチーム化が発表される。
横浜グリッツと短期契約を結んだ平野裕志朗もコロナの影響で今シーズンの渡米を断念。
で、王子イーグルスが企業チームとしてのラストシーズンに優勝を飾って大団円だと思っていたら、その数日後に韓国のデミョンキラーホエールズがチーム解散を発表するという。
横浜グリッツvsアイスバックス現地観戦感想。横浜グリッツの可能性。イベントは文句なしに楽しいのであとは結果がほしい
日本アイスホッケー界が激動過ぎる件。どうやってメンタルを維持すればいいんだろうか
日本アイスホッケー界、冗談抜きで激動過ぎやしませんかね。
それこそ数年単位で起きるか起きないかの出来事がこの短期間で一気に発生しているというか。もともとゆっくりと衰退が進んでいたものが、コロナの影響もあって一気に加速した印象である。
申し上げたように僕自身は先日の現地観戦をかなり楽しんだし、これからアイスホッケーをがっつり観ようと思っていたところ。
「アイスバックスのファンクラブに加入してみるか」
「でも、東京←→栃木間を毎試合往復するのは…」
「さすがに採算が合わないかな」
などなど。
アイスバックスのファンクラブ加入を考える程度には前向きなテンションになっていたことを報告しておく。
そして、その矢先のデミョンキラーホエールズの解散発表だっただけに衝撃は大きい。
アイスバックスvs横浜グリッツ感想。費用対効果最強のイベントを現地観戦してきた。平野裕志朗やっぱりええわ
マジな話、ここからどうメンタルを維持していけばいいのだろうか。
「ネガティブなことを口にするとそれに引っ張られて不幸になってしまう」「無理にでも前向きに振る舞った方が物事は好転する」という話はよく耳にするが、ここまで厳しい状況を目の当たりにして前を向けと言うのもかなり酷な気が……。
それこそ僕のようなクソニワカでも今のアイスホッケー界を直視するのは気が滅入る。
ボンヤリ薄眼で眺めるか、視界の隅に映る“風景”としてやり過ごすくらいしか処理の仕方が思いつかない。
いつの間にかアジアリーグのHPがhttps化されていたり、公式Twitterが稼働していたりと、実際には何かを変えようとする動きはちょこちょこ目につく。
久々にアイスホッケーに触れて知ったこと
・アイスバックスがちょい強くなってた
・アイスバックスとのコラボアニメ「プラオレ!」なるものが10月からスタート
・王子イーグルスのクラブチーム化
・アジアリーグのHPがhttps化、公式Twitterの稼働
・ダイドードリンコアイスアリーナがダサい— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) March 22, 2021
有志の方? たちが「プラオレ!」の横断幕を掲げるなど、現地ファンの好感度も相変わらず高い。
安齋監督、声優の皆様ありがとうございました✨
また、素敵な横断幕をご用意いただいたファンの皆様☺️本当にありがとうございます❣️2021年は #プラオレ で熱くなりましょう‼️#プラオレ#アイスバックス#女子アイスホッケー#声優#監督 https://t.co/BshcummkaB pic.twitter.com/6Q0oVIHPxQ
— H.C.栃木日光アイスバックス【公式】 (@NIKKOICEBUCKS) March 23, 2021
だが、それ以上に展開がスピーディ過ぎるせいで、すべてが置いてきぼりを食っている状態なのかなぁと。
新しい体制下での危機感、培ってきたカルチャーの差ねえ…。普通に王子イーグルスのチームカラーでよかったと思うけど
なお先日の試合後にアイスホッケーファンの方々のSNSがざわついていたので何事かと思ったのだが、どうやら発端は下記の記事らしい。
アイスホッケー、アジアリーグのジャパンカップは3月20日、王子が優勝を決めました。その翌日、悪天候の中を観戦に訪れたファンの前で、彼らが見せたプレーと精神性。そこには「プロの集団」として生まれ変わる、彼らの覚悟が垣間見えました。https://t.co/iwkr3k7Yb0
— Ice Sports Japan(Tokyo Blues) (@BLUES_icehockey) March 22, 2021
僕が現地観戦した翌日の試合で大敗を喫したアイスバックスに苦言を呈するとともに、両チームが積み重ねてきた時間とカルチャーに「差」を感じた旨の記事。
3月21日のアイスバックスの試合はだいぶしょっぱかったらしく、「アイスバックスが強くなった」という僕の素人評価をあっさり覆すような有様だったとか。
対する王子イーグルスは優勝を決めた翌日もいっさい気を抜かず、中でもGK成澤は出色のパフォーマンスを披露したとのこと。
現在、成澤は昨季から加入したドリュー・マッキンタイアの存在により2番手に甘んじているが、それでも腐ることなく練習を続けて見事に成果を出してみせた。
その姿勢からは、来シーズンから王子イーグルスがクラブチーム化されることへの危機感、自身の立場への危機感が感じ取れた。
一方、前日に延長3-4と大健闘を見せたアイスバックスはこの日はまったくいいところなく惨敗。
天気の悪い中、会場に足を運んだファンに爪痕を残そうという意地が感じられない情けないパフォーマンスだったいう。
今回の試合で王子イーグルスの選手たちが見せた危機感の背景には、彼らが長きにわたって培ってきたカルチャー、“プロのプライド”が内在していた。
「ファンが見ている以上、『消化試合』は存在しない」
それは本来、アイスバックスが示すべきものだったという内容である。
ほほう、なるほど。
これは確かに荒れるかもしれませんね笑
王子イーグルスの出来がよかったこと、特にGK成澤の動きが素晴らしかったこと。
対するアイスバックスはすこぶる出来が悪く、観客に見せるような内容ではなかったこと。
いいプレーを評価し、しょっぱいパフォーマンスにダメ出しする。
これ自体はごく普通のことであり、いたって健全である。
だが、その要因を「生き残るための危機感」「チームのカルチャー」「プロの集団に生まれ変わる覚悟」とやらに求めたのはちょっと悪手だった気もする。
この日の王子イーグルスのプレーからは「新しい体制下で生き残るための危機感」を感じたとのことだが、正直そんな危機感を今さら出してどうする? という話ではある。
これまで「王子製紙」というデカいバックに守られながらプレーを続けてきて、いざそのバックがいなくなるとわかってから危機感を募らせるなど遅きに失したとしか言いようがない。
すでに20年以上クラブチームを維持しているアイスバックスにとっては、そんな危機感など日常茶飯事である(そんなことない?)。
コロナ禍に見舞われた2021年にはクラウドファンディングでの資金集めも敢行しているし、「プロの先輩としてプライドや意地を示せ」と言うのであれば「この20年間のアイスバックスを見ろ」でだいたい終わる。
『アイスバックス 栃木・日光応援プロジェクト』
要はプレーの良し悪し、リンク上でのパフォーマンスに言及するだけでよかったわけで。
普通に「消化試合でも関係なく、目の前の試合に全力を尽くすのが王子イーグルスのチームカラー」とでも言っておけばサラッと済んだところを、わざわざ「Aを上げるためにBを下げる」手法で波風を立てたのは少々マズかったなと。
いや、もうね。
ただでさえ闇の深さが尋常じゃないのに。
わざわざ小難しい理屈でつっつかなくてもええんちゃうの? とは思ったかな。