2016年広島カープ優勝確実か? オールスター直前で2位に9ゲーム差をつけての首位。しかも破竹の10連勝!! この強さはホンモノなのか? 優勝確率70%以上?

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広島観光イメージ
2016年プロ野球ペナントレース。
6月28日時点でセリーグの首位は広島カープ。
全日程の約半分(75試合)を消化したところで2位に9ゲーム差をつけての単独首位である。しかも現在破竹の10連勝中(22年ぶり)と波に乗っている。

このまま混セを抜け出し、一気に優勝へ向かうのか。

広島市民が待ち望んだ栄冠に向けて。
1991年以来、25年ぶりのセリーグ制覇に向けて。
生ける伝説・黒田博樹の念願に向けて。

栄光を掴みとれ!! 広島カープ。

「巨人? 広島? 優勝はどっちだ? セリーグ優勝ラインは80勝超えだろうな」

カープ破竹の連勝中!! その要因を考える

広島が強い。
6月28日時点で2位と9ゲーム差の首位。しかも22年ぶりとなる10連勝中である。
その間、大勝あり接戦あり完封ありと、あらゆる状況、あらゆるパターンで勝利を収める安定感。
しかも、交流戦でセリーグの他チームが例年どおりパリーグに圧倒された中、唯一3位に食い込んでの貯金独り占めである。

まだ全日程の半分を消化した段階ではあるが、どうやら独走態勢に入ったと言ってもいいのではないだろうか。

果たしてこの勢いはホンモノなのか。
広島カープは25年ぶりの悲願を達成することができるのか。

というわけで、今回は「広島カープ優勝の可能性」について、独断と偏見と好みをふんだんに織り交ぜて考察してきたいと思う。

「祝! 広島カープ2016年優勝!! 25年ぶりの優勝おめでとうカープ!! そして巨人ジャイアンツはよくやった」

かなりの長文ですが、興味があればおつき合いください。

予想大外れ。カープは優勝できないとか言ってすみませんww

2016年セリーグ予想順位
1.巨人
2.ヤクルト
3.広島
4.阪神
5.横浜
6.中日

これは以前の記事で申し上げた僕の2016年セリーグ順位予想である。

「プロ野球開幕!! 俺的阪神戦力分析&セリーグ順位予想!! 金本阪神超変革は成功するのか?」

さらに、以下の記事でも申し上げているのだが、「今シーズン広島は絶対優勝できない」と再三にわたって連呼している。

「黒田年俸6億で契約更改!! 広島カープとかいう金満球団、男気黒田の2億円増(推定)は高い?」

そして、現時点(2016年6月28日現在)での実際の順位が以下である。

1.広島
2.巨人
3.中日
4.横浜
5.阪神
6.ヤクルト

もう何というか、すみませんとしか言いようがないww

まだペナントレースも半分残っているのでここから何が起こるかはわからないが、正直広島がここまで走るとは思わなかった。

加えて、2015年シーズン優勝のヤクルトがこんなに苦戦することも予想できなかった。ゲーム差やチーム状態(先発陣の崩壊、オンドルセク謹慎など)を見ても、残念ながら今年のヤクルト優勝は消えたと考えるしかなさそうである。
そして絶対的最下位候補だと思っていた中日の健闘。これもマジで予想外だった。

「CSは不要。あんなの何がおもしろいんだ? あんなの敗者同士の傷のなめ合いだろ」

交流戦を終えて各チームが借金まみれになるとは思っていたが、その中で広島だけが悠々自適の貯金生活である。

シーズン前の予想がバッチリ当たるなどとは思っていないが、ここまで外れるとも思っていなかった。今年のセリーグの状況には心底驚いている次第である。

「鳥谷敬守備劣化と絶不調の原因はレーシック? 成績低迷で阪神ファンの堪忍袋が限界に」

広島躍進の理由→「今年のボールは飛ぶ」

今シーズンの広島躍進の要因をひと言で言うなら「2016年のボールは飛ぶ」
これに尽きると思う。

公式にアナウンスされているわけではないが、2016年シーズンのボールが2015年シーズンより飛ぶことは誰の目にも明らかである。
勘のいい方であれば恐らく開幕後数試合でお気づきになったのではないだろうか。
「あ、今年のボールは飛ぶぞ」

体感的なものだけではなく、チーム成績を見れば一目瞭然である。

広島カープを例に挙げるとすれば、

2015年
チーム打率:.247
チーム長打率:.368
チーム本塁打数:105本
チーム防御率:2.92

2016年(75試合消化時点)
チーム打率:.266
チーム長打率:.404
チーム本塁打数:72本(144試合換算で約138本)
チーム防御率:3.40

さらに言うと、2015年のチーム打率.247は、今シーズン貧打に苦しむ横浜と巨人のチーム打率と同じである。
そして、2016年のチーム防御率3.40は現時点でセリーグ2位だが、これを2015年と比較すると途端にすごいことになる。なんと中継ぎ崩壊に苦しんだ5位の阪神の3.47とほぼ互角なのである。

もはや疑う余地もない。
2016年シーズンのボールは飛ぶ。
少なくともセリーグで採用されているボールが2015年のものより反発係数が上がっていることは間違いない(パリーグはよく知らない)。

要するに、これが2016年シーズンの広島躍進とヤクルト低迷の最も大きな要因である。
つまり、セリーグで唯一ソフトバンクに対抗できる戦力を擁するカープが、ボールの反発係数アップによって打撃陣の力が最大限発揮されるようになった。そういうことである。

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逆に「そこそこの先発陣」と中継ぎ陣の運用のうまさで勝利を拾うスタイルのヤクルトにとっては痛かった。
「そこそこの先発陣」がボールの変更と狭い神宮球場によって「ダメダメな先発陣」に成り下がり(チーム防御率6位の5.04)、序盤で試合が壊れる状況が加速度的に増えたのである。

中継ぎを運用しようにも投手交代の時点で試合の流れが決まっているのだからどうしようもない。それに加えて先日のオンドルセクの謹慎である。何から何までボールの変更が裏目に出たとしか言いようがない。

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ボールの変更自体は悪くない。でも黙ってやるのは絶対ダメ

僕自身、ボールの反発係数をいじることはそこまで悪いことだとは思っていない。2015年シーズンはあまりに投高打低傾向が強すぎたし、適度なバランスを探ることは決して間違いではないと思う。
たとえば3点差の最終回、2アウト満塁の状況でも一発逆転のハラハラがある方が、興行として考えた場合ははるかに楽しい。

ただ、アレだ。
黙って変更するのはダメだ
絶対にダメだ。

「ベイスターズCS初進出に際して愚将中畑清を語る。まあCS進出は1年遅かったよな」

なぜなら、それをやってしまうとファンの順位予想だけでなく、チームの編成にも直結するからである。

事前にボールの変更が知らされていれば、恐らくヤクルトはシーズンオフに速球派の助っ人補強に動いたはずである。また、打撃に課題のあるチームはホームランの打てる打者。低打率でも一発のあるフリースインガータイプを補強ポイントとしたはずである。

つまり、こういう重大な変更を無断でやってしまうと、チーム強化の方針という根本的な前提が覆ってしまうのだ。

「マジで予想困難な日本シリーズ2016!! 広島カープvs日本ハム。黒田も大谷もドラマチック過ぎ」

いわゆる「違反球」と呼ばれた2011年の飛ばないボール。あのときも多くの打者が打撃を崩し、中途半端な投手が「自分は好投手だ」と勘違いをする現象が起きたと思う。

ボールの変更というのは興行的な面だけでなく、選手寿命すらも左右しかねないほど重大な要素である。責任者がどう考えているのかは知らないが、以後はそのことを強く認識していただきたい。

無理だと思うけど。

広島カープが優勝する確率は高い(70%くらい?)。打てるセンターラインと鈴木誠也の成長、そして監督の成長が大きい

飛ぶボールの恩恵をモロに受けて独走態勢に入った広島カープだが、冷静に考えてこのまま優勝まで突っ走る可能性は高いのではないだろうか。個人的には広島優勝の確率は70%くらいはあると思っている。

理由はいくつかあるのだが、大まかに言うと、

・安定した守備と高打率のセンターライン
・鈴木誠也の成長
・監督の成長

である。

まず安定した守備と高打率のセンターラインについてだが、

1.田中(遊).286
2.菊池(二).307
3.丸 (中).283

この3人を上位に固定できているのが本当に大きい。

特にセカンドを守る菊池は言わずと知れた日本一の守備を誇る名手である。しかも今シーズンは3割を超える打率をキープしている。

.280(出塁率.402)を超える先頭打者の田中の後ろを.307の菊池が打ち、これまた.280の打率に加えて一発も期待できる丸が3番に座る。この3人でチャンスを作り、破壊力のある外国人打者や成長著しい鈴木誠也につなぐ。そして下位にも一発のある新井を置くことができており、現状8、9番以外打線にほとんど穴が見当たらない。

しかも菊池、田中ともに安定感抜群のセンターライン。
安定した内野守備、打てる上位打線。この条件を見事にクリアした鉄壁の布陣である。

次に鈴木誠也の成長。
売り出し中の鈴木誠也の覚醒は、カープにとって待ちに待った和製大砲誕生を予感させるものではないだろうか。

多くの方がおっしゃっていたように、鈴木誠也はもともとの素材は抜群のものがあった。
「栗原健太の再来」や「前田智徳を彷彿とさせる」などといった声を聞くが、僕はどちらかというと江藤智に近いのではないかと思っている。
本塁打と打率を同時に残しつつも思いきりのよさを失わないタイプ。確実性と恐さを兼ね備えた真の大砲。MAX覚醒すれば3割30本を5年以上続けるポテンシャルを持った選手なのではないだろうか(ちょっと言い過ぎか?)。
こんな選手がベテラン新井のサポートを受けながら5番に座っているのだから強いに決まっている。

そして最後は緒方監督の成長である。
以前の記事でも申し上げた通り、2015年の広島カープはソフトバンクにも対抗できる戦力を有していながらセリーグ4位に沈むという快挙を成し遂げている。

マエケン、ジョンソン、黒田の強力三本柱に加え、セットアッパーの大瀬良、ヒース。抑えには中崎。打撃陣もエルドレッドを中心に2016年シーズンと変わらぬ充実の陣容である。

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あれだけの戦力を有し、なおかつレジェンドエースである黒田の帰還とマエケンラストイヤーが重なった2015年。カープ女子を始めとしたファンの期待感も最高潮。まさしく勝負のシーズンに、首脳陣の無能っぷりによってCS進出すらも逃すという歴史的快挙を成し遂げてしまったのである。

「有能or無能? 阪神タイガース和田監督の采配がいかに有能だったかを考えるの巻」

何度も言うが、2015年シーズンの広島が4位に沈んだのは球史に残る大失態である。

下記のサイトを見ればわかるように、シーズン序盤からなぜか鈴木誠也ではなく野間を重宝し、勝ち試合負け試合関係なく大瀬良を投入する無計画さ。

「2015年広島スタメンデータベース」

野間は悪い選手ではないが、鈴木誠也に比べれば残念ながらワンランク落ちる。どう考えても重宝すべきは鈴木誠也だったはずなのに、スタメン野間にこだわり続けて肝心の鈴木誠也の成長を阻害。
極めつけはのびのび打たせてなんぼの鈴木誠也にチャンスで送りバントを命じるというゴミ采配である。あの戦力があれば、鈴木誠也を下位打線に置いて「勝ちながら成長させる」こともできたはずなのに。

投手運用に関してはさらにひどかった。
どんな試合でも大瀬良、大瀬良、大瀬良。
勝っても負けても大瀬良、大瀬良、大瀬良。
晴れても雨でも大瀬良、大瀬良、大瀬良
9点リードの最終回にヒースを投入するという暴挙に出たこともあった。

勝ちパターン以外いっさい信頼せず、捨て試合と勝ち試合の区別がつかない単細胞。

勝負どころの8月後半から9月のスクランブルに備えて戦力を温存したヤクルトとは真逆のクソ運用である。

「ソフトバンクが4勝1敗でヤクルトを下し日本シリーズ優勝!! 第五戦の勝利で連覇を達成!!」

おかげで大瀬良はどうなりましたか?
今シーズンはマエケンに代わるエースに抜擢するはずじゃなかったんですか?

言い始めると長くなってしまうのでこの辺で止めておくが、とにかく2015年の広島が4位に沈んだ原因の90%以上は首脳陣の無能によるものである。

緒方監督右肩上がりで成長中。無能から並みの下に格上げ

申し上げたように、2016年シーズンの緒方監督には劇的な成長が見られる。

まずは野間偏重から鈴木誠也の成長路線に軌道修正したこと。
あれこれいじくりまわしていた打線を固定したこと(特に上位3人)。
「機動力野球」と称した無駄な盗塁刺を減らしていること(盗塁刺:2015年50、2016年144試合換算で38)。

つまり、クソ無能采配が並の下程度には改善した。当たり前の運用を当たり前にこなし始めたということである。

そしてその結果、戦力どおりの結果が出始めた。非常に簡単な話である。

というか、それが普通なんですけどね。

出塁率の高い先頭打者がいて、3割超えの2番打者がいる。クリーンアップにはリーグ屈指の破壊力がある。だったらわざわざ危険を犯して盗塁するよりもじっくり打たせなさい。せっかく出たランナーを大事にしなさい。
投手はシーズンを見越して極力疲れを溜めない運用をしなさい。
若手のポテンシャルを見極めて適材適所での起用を心がけなさい。
勝ち試合と負け試合のメリハリをつけなさい。

もともと戦力のあるチームなのだから、普通に運用すれば普通に強い。何度も言うが当たり前の話である。

この幼稚園児でもわかるようなことを、緒方監督は1年間かけてようやく気づいたのである。それも球界随一の巨大戦力を練習台にして。

もちろんこの先、広島が好調を維持し続けるとは思えない。佳境を迎える夏場に防御率2点台、200イニングをこなしていたマエケンの穴が響いてくることは間違いないだろう。ジャクソン、ヘーゲンズ、中崎に負担が大きい運用を見るに、投手起用に関してはまだまだ課題が多い。

「舐めんなメジャー、これがマエケンだぞ? あ? ドジャース前田健太がデビュー」

だが、対抗となりそうなチームがないことも確かで、マジでこのまま走りきる可能性は高いと思う。断言はできないが、9月前半にはマジックが点灯して広島全体がお祭り騒ぎになるのではないだろうか。

そして、残念ながら黒田博樹の引退も秒読みになるのだろう。
最後の最後で最高の花道を用意できるという意味では素晴らしいグランドフィナーレである。だが、広島ファンではないけど黒田博樹は好きな人間としては若干寂しい気持ちもある。

まあ、優勝して思いっきり泣いて思いっきり笑う黒田を見てみたいというのもあるが。

とにかくアレだ。
何と言うか、がんばれカープ。

そして、くれぐれも余計なことをするなよ緒方。
普通でいいぞ普通で。

普通にしてればカープは強いんだぞ。
わかったな?

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