マジで予想困難な日本シリーズ2016!! 広島カープvs日本ハム。黒田も大谷もドラマチック過ぎて意味がわからないw【勝敗予想】

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広島原爆ドームイメージ
2016年10月22日より、プロ野球日本シリーズが開幕する。
セリーグ覇者広島東洋カープvsパリーグ覇者北海道日本ハムファイターズ。

「2016年日本シリーズ、三戦目以降展望。優勝目指してがんばれ広島カープ!!」

ペナントレースの優勝チームがいずれもクライマックスシリーズを制し、文字通りの頂上対決が実現した。
2016年の有終の美を飾るのは果たしてどちらのチームか。日本プロ野球最高峰の戦いのスタートである。

第一戦 10月22日(土)マツダスタジアム
第二戦 10月23日(日)マツダスタジアム
第三戦 10月25日(火)札幌ドーム
第四戦 10月26日(水)札幌ドーム
第五戦 10月27日(木)札幌ドーム
第六戦 10月29日(土)マツダスタジアム
第七戦 10月30日(日)マツダスタジアム

頂上決戦実現!! やっぱり今年は広島と日ハムが激突するのが一番でしょ

広島vs日ハム頂上決戦開幕!!

日本シリーズ開幕が目前に迫っている。
圧倒的な強さでセリーグを独走し、CSファイナルステージで横浜DeNAに引導を渡した広島。
11.5ゲーム差からの大逆転で優勝をかっさらい、CSファイナルステージで再びソフトバンクとの一騎打ちを制した日ハム。
日本シリーズはペナントレースの優勝チーム同士が出場するべきだというのはもちろんだが、今シーズンほどドラマ性に富んだシリーズは珍しい。

「映画化必須の日本シリーズ2016!! 日ハムが本拠地で三連勝で王手」

まずは何と言っても二刀流でチームを引っ張った日ハムの若き大黒柱・大谷翔平。
指のマメを潰して投手としての登板が制限される間、野手での出場増加によってキャリアハイの22本塁打を放つ。
さらにシーズン終盤で投手に復帰し、M1で迎えた西武戦で見事な完封勝利で優勝を決定する。
ソフトバンクとのCS初戦で先発して勝利、さらに王手をかけた第5戦ではクローザーとして登板して165kmを計測。自身の持つ日本最速球速を更新し、日本シリーズ進出を決める。
まさしく二刀流の価値を自らの実力で証明してみせたシーズンだったと言えるのではないだろうか。

「大谷165kmキター!! 大谷のストレートの質が悪い? ファールされる160kmより空振りが取れる140kmの方が上?」

不遇のエース黒田博樹に野球の神様が微笑んだ

対する広島はもちろん、魂のエース・黒田博樹を抜きに2016年を語ることはできない。

本格的にローテーション入りを果たしたした2000年から、毎年コンスタントに二桁勝利を挙げる活躍を見せながらもチームは下位に沈み続ける。

2000年 広島5位 黒田9勝6敗
2001年 広島4位 黒田12勝8敗
2002年 広島5位 黒田10勝10敗
2003年 広島5位 黒田13勝9敗
2004年 広島5位 黒田7勝9敗
2005年 広島6位 黒田15勝12敗
2006年 広島5位 黒田13勝6敗
2007年 広島5位 黒田12勝8敗

ドジャースに所属した2008、2009年こそナショナルリーグのチャンピオンシップまで進むものの、2010、2011年はチームが成績を大きく落とし、いずれもプレーオフ進出を逃す。

ヤンキース移籍初年度の2012年こそアメリカンリーグチャンピオンシップに進んだが、長期高額契約のレギュラーの高齢化によってチームが弱体化。2013年には自身キャリアハイの16勝を挙げるものの、チームは2013、2014年とプレーオフ進出を逃す。

逆に2012年以降、巨額の補強費を投じたドジャースは再建に成功。皮肉にも黒田がチームを去った2012年から毎年西地区を首位で通過し続ける。

ヤンキースから提示された20億の高額契約を蹴り、満を持して日本球界復帰を果たした2015年。
マエケン、ジョンソンとの強力三本柱を形成し、セリーグ屈指の巨大戦力を有した広島は優勝筆頭と言われる。自身も11勝を挙げる活躍を見せるが、緒方新監督の稚拙な采配によってまさかの4位に沈む。

だが、ファンの期待に応えて現役続行を決意した2016年。黒田の野球人生の流れが変わる。
マエケンがチームを去り、前評判の低かった広島カープがシーズン当初から快進撃を見せて首位を独走。
黒田自身も衰えは隠せないものの、何とか先発ローテーションを保ち続け、7月23日の阪神戦でついに日米通算200勝を達成する。
そしてM1で迎えた9月9日の巨人戦に先発。6回6安打3失点の力投で9勝目をマークするとともに、念願の広島カープ25年ぶりの優勝を果たす。

「黒田年俸6億で契約更改!! 広島カープとかいう金満球団、男気黒田の2億円増(推定)は高い? 妥当?」

この優勝に一定の満足感を得たのか、10月18日に今シーズン限りの引退を発表し、またしてもファンを驚かせる。

CS終了直後、ドラフト前。
ここしかないという絶妙のタイミングでの引退発表。

超一流の成績を残しながらも不遇が続いた孤高のエース黒田博樹。
だが今シーズン、これまでの借金を清算するかのごとくすべての流れが黒田に傾き、信じられないようなドラマを紡ぐ。まるで野球の神様が黒田に微笑んでいるのではないかと思うほどに。

不遇の時代を生き抜いたレジェンド黒田博樹が念願の日本一に輝いて引退を迎える。これ以上のドラマがあってたまるかというくらいの最高の結末である。

「黒田200勝(まだ)、広島カープ優勝(する?)、引退(しない?)を受けて、黒田博樹の現状を考える」

予想がつかない日本シリーズ。とりあえず戦力比較をしてみる

思い入れが強すぎて前置きがクソほど長くなってしまったのだが、ようやく日本シリーズの予想である。

ただ、今回に関しては正直まったくわからない

両チームの戦力やCSでの勝ち方、そして野球ファンの度肝を抜いた大谷の165kmなど。勢い的にもメンツ的にも有利なのは日ハムではないかと思っていたのだが、絶妙なタイミングで黒田が引退を発表したおかげで一気にわからなくなってしまった。しかも日ハムは抑えのマーティンが故障で離脱している。

大谷の165kmが黒田引退に燃える広島の選手にどこまで通用するか。抑えのマーティンを欠いた状況の中、シーズン終盤冴えわたった栗山采配は再び発揮されるのか。どれだけ考えても答えが見えてこない。

「大谷翔平2016!! 二刀流に大賛成の僕が今さらだけどその理由を語ってみる」

まあ、こういうときは両チームの戦力を数字で比較してみるのが一番いいのかもしれない。

●広島
打率:.272(1位)
本塁打数:153(1位)
長打率.421(1位)
得点:684(1位)
盗塁:118(1位)
犠打:91(3位)
失策:67(3位)
防御率:3.21(1位)
QS率62.24%(1位)
被本塁打:101(2位)

●日ハム
打率:.266(1位)
本塁打数:121(2位)
長打率.385(3位)
得点:618(2位)
盗塁:132(1位)
犠打:178(1位)
失策:79(1位)
防御率:3.06(1位)
QS率54.55%(3位)
被本塁打:89(2位)

まず広島は見ての通りの巨大戦力である。
抜粋した項目のうち、犠打、失策、被本塁打以外すべてがリーグ1位。
以前から申し上げているように、広島の戦力はセリーグでも群を抜いている。そして、その巨大戦力を運用する監督の成長がそのまま2016年の快進撃につながったということである。

具体的には、
・打順の固定
・適切な投手起用

切れ目のない打線を意識したオーダーを組み、試合中は無駄に動かない。
勝ち試合と負け試合のメリハリをつけて投手を運用する。
要は他のチームよりも戦力があるのだから、普通にやれば普通に勝つ。それだけの話である。
ひと言で言えばがっぷり四つの横綱相撲。絶対的な力量差で押し切るスタイルである。

「ベイスターズCS初進出に際して愚将中畑清を語る。まあCS進出は1年遅かったよな」

対する日ハムだが、こちらは札幌ドームの広さを十二分に利用した運用を心掛けたことがうかがえる。
チーム打率はパリーグ1位だが、長打率は3位。ところが本塁打数は2位の121本である。
また投手陣で言うと、防御率はパリーグ1位だが、QS率は3位。

要は塁上にランナーを溜めて長打をドカン。
中軸の長打力で奪ったリードを強力リリーフ陣で守りきる。投手の運用のうまさと失策数パリーグ最小の堅守で逃げ切りまくる。若さと勢いを持ったチームに大谷の起用法を始め、栗山監督の大胆采配がうまくハマった結果の優勝だったのだろう。

なお、両チームのホーム、ビジターでの勝敗は以下である。
●広島
ホーム44勝19敗 .698
ビジター34勝27敗 .557

●日ハム
ホーム40勝20敗 .667
ビジター37勝25敗 .597

広島の方が若干ホームでの試合運びに長けているイメージだろうか。
今回のシリーズがマツダスタジアムで四試合組まれていることを考えると、若干広島が有利なのかもしれない。

シリーズの予想先発。広島はオーソドックスにジョンソンからかな?

続いてシリーズの予想先発を含めた投手陣についてである。

第一戦 広島ジョンソン-日ハム大谷
第二戦 広島黒田-日ハム増井
第三戦 広島野村-日ハム有原
第四戦 広島岡田-日ハム高梨
第五戦 広島ジョンソン-日ハム大谷
第六戦 広島黒田-日ハム増井
第七戦 広島野村-日ハム有原

予想先発はこんな感じだろうか。
思いっきりオーソドックスに考えてみたが、正直これもよくわからない

まず広島は初戦の先発がジョンソンであることはほぼ間違いない。
ジョンソンはマツダスタジアムでの防御率が1.85、それ以外では2.42と本拠地を得意としている。それを考えても、広島は初戦でジョンソンを立てて先手必勝を狙うはずである。

そして第二戦に野村ではなく黒田を予想したのも同様の理由である。ビジターの防御率が3.51に対してホームでの防御率が2.82と、こちらもマツダスタジアムを得意としている。そのため、札幌ドームで黒田を先発起用するより確率が高いのではないかと考えた次第である。
もちろんラストかもしれない黒田をマツダスタジアムで登板させたいであろう緒方監督の心情も加味している。

さらに野村がホーム防御率2.82に対してビジターが2.58と、若干マツダスタジアムを苦手にしていることも理由の一つである。

第四戦は岡田がくるかヘーゲンズがくるかは何とも言えないところだが、とにかく広島は序盤の三戦を二勝一敗で乗り切ることが最低条件になるだろう。

日ハムはマジで読めない。大谷の使いどころが全然わからんww

次に日ハムだが、こちらは本当に読めない。

増井と有原の順番はこれでいいのか。
CSであまり出来のよくなかった高梨を再びマウンドに上げるのか。それともメンドーサがくるのか? じゃあルーキー加藤の起用法は?
そして何より打線の中軸も兼ねる大谷はどうする?

先日「大谷は日本シリーズで先発しないかも」という記事も出ていたように、大胆な采配でシーズンを勝ち抜いた栗山監督が大谷をどう使うかがまったく読めない。

「大谷翔平、日本Sは野手に専念か!? 指揮官「先発投手をやらなくていい…」」

先発でないならクローザーか?
マーティン不在を日替わりでカバーするという記事が出ていたが、もしかしたらまた大谷のクローザー起用があるのか?
もしくは以前の記事で申し上げたように初戦ではなく第三戦の先発か?
などなど。

「大谷翔平が日ハムの足を引っ張っている? 相手を勢いづけたのは覚醒した投手大谷だった?」

大谷次第と言ってはアレだが、日ハムの先発陣は本当にわからない。

「【日本ハム】谷元、宮西、バース…帰国マーティンの代役守護神は「日替わり」濃厚」

恐らく栗山監督も今は決めかねている状態で、それこそ日本シリーズの流れを見て起用を変える可能性もあるのではないかと思う。

また、リリーフ陣で言うと、
●広島
中継ぎ:
ジャクソン、今村、ヘーゲンズ、大瀬良、一岡? 福井?
抑え:
中崎

●日ハム
中継ぎ:
宮西、谷元、バース、鍵谷、白村、石井、吉川?
抑え:
?

こうして見ると、リリーフ陣は若干広島が上回っている感じだろうか。特に日ハムは抑えの不在がかなり痛いように思える。

よく「短期決戦は特別なことをせずにこれまで通りの戦術を貫くのがセオリー」という話を聞く。
だが、そもそも二刀流の選手が日本シリーズに出場すること自体前例がないのだからセオリーもクソもない。過去の経験に照らし合わせてどうこう言える問題ではないのである。

勝敗予想は4勝3敗で日ハム。でもたぶん外れます

ここまで見てきてアレだが、やっぱりわからないww
勝敗予想は一応4勝3敗で日ハムとしておくが、外れる可能性はかなり高いと思う。

先発予想も恐らく当たらないし、また栗山監督が大谷の起用で驚かせてくれそうな気もする。しかも僕自身、そのサプライズを楽しみにしている部分がある。
なおかつ、広島には黒田引退によるターボエンジンを発動していただき、一気に日ハムをまくってもらいたいとも思っている。

いくら考えても結果が読めない。
それだけ今回の日本シリーズはおもしろくなりそうな予感がプンプンする。

日ハムが優勝するのは実は簡単? 高水準のチーム力を圧倒的な個で無効化する。稲尾和久が再評価されるとき

これは余談なのだが、僕は今回の日本シリーズで日ハムが確実に勝つ方法が一つあると思っている。
引っ張る必要もないので答えを言うと、いわゆる大谷翔平フル回転作戦である。

現在MLBでもプレーオフの真っ最中だが、ドジャースのエースであるクレイトン・カーショウが獅子奮迅の活躍を見せていることをご存知だろうか。

先発で6回2/3を投げた後、中一日でリリーフ登板で2/3を投げる。さらに中二日で再び先発のマウンドに上がり、7回を無失点に抑える。

中四日、100球が基本のメジャーでは掟破りの起用である。
短期決戦とはいえ、さすがにここまで明日なき戦いというのもどうかと思うが、今のところうまくいっているので文句のつけようがない。

また2013年には、当時楽天に所属していた田中マー君が160球完投した翌日にリリーフのマウンドに上がり、見事胴上げ投手になったという例もある。

ここ最近、勝てるチームの条件として最も効率がいいのは「切れ目のない打線を組める」ことではないかと思っている。
今シーズンで言うと、広島やクリーブランド・インディアンスのような、平均以上の選手をズラッと並べる。80〜90点の打者をバランスよく並べ、どこからでも得点できる打線を組むのである。

突出した選手がいなくても、ホームランを打てる破壊力と高出塁率を兼ね備えた打線が組めれば相対的な物量で相手をねじ伏せることができる。「細かい野球」などと言わず、どっしり構えた横綱相撲で勝利を目指せるチームである。

そして、この高水準なバランス型のチームを倒す一番手っ取り早い方法が、カーショウや田中マー君のような起用法。つまり「圧倒的な個で組織力を叩き潰す」という方法である。

高水準の打者が並んでいるのであれば、その上をいく投手をぶつけて手も足も出させなくすればいい。スーパーエースを先発、抑えのフル回転でひたすら投げさせ、力技で短期決戦を乗り切る。
非常に乱暴ではあるが、ある意味で正解。それを今回のカーショウや2013年の田中マー君が教えてくれているのではないだろうか。

つまり、日ハムで言えばその役目を担うのが大谷である。

第一戦、第三戦、第七戦に先発し、その他の試合はリリーフで待機。なおかつ全試合で野手出場。
困ったら大谷、困ったら大谷。
大谷の電池が切れるのが先か、日ハムが4勝するのが先か。

来年どうなろうが関係ない。
今シーズンの優勝に野球人生をかける。

僕は短期決戦でエースに依存するこの起用法を、ひそかに「稲尾和久方式」と名付けている。

1958年の日本シリーズをきっかけに「神様、仏様、稲尾様」と呼ばれ、シーズン42勝を挙げた稲尾和久。
完全にネジが一本吹っ飛んだ時代の産物ではあるが、圧倒的な個がバランス型のチームを破壊するという最たる例である。

伝説の日本シリーズから約60年。
短期決戦を勝ち抜く最適な方法はすでに確立されていたのである。
今こそ稲尾の偉業が再評価されるときがきているのではないだろうか。

「1958年度日本シリーズ 試合結果」

言うまでもないが、もちろんネタである。

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