巨人? 広島? 優勝はどっちだ? セリーグ優勝ラインは80勝超えだろうな。神試合3連戦でカープ有利か? ジャイアンツ逆転はあるか?【2016年】

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広島城イメージ
8/5 ○巨人5-4●広島
8/6 ○巨人3-2●広島
8/7 ●巨人7-8○広島

広島1勝2敗
巨人2勝1敗

広島60勝42敗2分 .588 1位
巨人52勝45敗3分 .536 2位

首位広島と2位巨人の差が5.5ゲーム差

これが2016年8月8日現在、セリーグの首位攻防3連戦を終えた段階での両チームの成績である。

・天王山
・天下分け目の決戦
・全面対決
・総力戦
などなど。

言いまわしは数あれど、今回の3連戦は間違いなく今シーズン最高の3連戦だったのではないだろうか。シチュエーション的にも試合内容的にも。

そして、結果的には広島が土俵際いっぱいで残したという3連戦である。

「代わったところに打球が行くには根拠がある。2016年4勝2敗で広島を下して日本ハム優勝!!」

25年ぶりの栄光を目前にしながら若干の足踏みを続ける広島カープ。
球界の盟主の名に恥じない復活劇で怒涛の追い上げを見せる巨人ジャイアンツ。
2016年シーズン、プロ野球界最高峰の優勝争いを制するのはどちらのチームだろうか?

「祝! 広島カープ2016年優勝!! 25年ぶりの優勝おめでとうカープ!! そして巨人ジャイアンツはよくやった」

奇跡の逆転勝利!! 巨人の勢いをギリギリで持ち堪えた広島が優勝に大きく近づく

広島カープ、9回2死ランナーなしから逆転サヨナラ!!

何と言うか、さすがにこれはちょっと……。
言葉が出ないとはこういうことだろうか。

6-7と1点ビハインドで迎えた9回。
巨人のマウンドには守護神澤村。
代打西川、1番田中が相次いで倒れて2アウトランナーなし。
九分九厘巨人の勝利が決まりかけていた局面から、まさかのサヨナラ勝利。

ここまで4打数4安打の菊池がホームランを打ち、気落ちした澤村から丸が四球を選ぶ。そして最後は新井の二塁打(ほぼ松本の落球)でのサヨナラ勝ちである。

こんなことがあってたまるかというか、マジでこういうことが起きるんだなという衝撃的な結末。まさしく劇空間プロ野球としか言いようがない。

「リオ五輪のウサイン・ボルトが100m、200mで金メダルを獲得する理由」

3連敗していたらマジで危なかった。巨人の勢いと強さは本物だった

正直に申し上げて、もし広島があのまま負けていたら冗談抜きで巨人が優勝をかっさらう可能性は高かったと思う。

前日までの2試合、広島は明らかに巨人の勢いに飲まれていたし、それに伴ってこれまで酷使してきた中継ぎ陣の疲労が一気に噴出していた。
盤石だったはずのヘーゲンズ、ジャクソン、中崎が打たれ、好調巨人打線の勢いを止めることができない。相手先発のマイコラスに来日第一号が飛び出すなど、すべての流れが巨人に傾いていたのである。

僕は幾度となく「今シーズンの優勝は広島だ」と言い、巨人の勢いがすごいと申し上げた記事でも「何だかんだで広島が勝つ」と断言している。

「巨人は優勝を狙わなアカン。可能性が低いとかCS狙いとか関係ない。帝王巨人の至上命題は優勝のみ」

それはなぜか。
大きな理由の一つとして、今回の3連戦があったからである。
最悪1勝2敗でOKの広島に対し、優勝するには3連勝が至上命題である巨人。
両チームの陣容を比較すると、さすがに広島が3連敗することはないだろうという確信があった。勢いは完全に巨人だが、カープの打線と先発陣を見れば巨人が3つとることはまずあり得ない。最悪1つは勝てるだろう。そう考えていたのである。

逆に巨人が奇跡を起こすとしたら3連勝。
というより、3連勝すること自体が奇跡であると考えると、それを達成した時点で巨人の優勝は一気に現実味を帯びてくる。感覚的な話になってしまうが、巨人があのまま3連勝していれば6:4から7:3の割合で逆転優勝に傾いていたのではないかと思っている。

そして、実際にそれは起きかけていたのである。
1996年長嶋巨人のメークドラマの再現となる「リメークドラマ」。
同時に僕自身、盛大な掌返しと謝罪の準備を進めていたことを告白しておくww

とはいえ、この3連戦はとにかく目の離せない試合だった。
両チームの意地と意地がぶつかる神試合。やっぱりプロ野球はおもしろい。

広島優勝の確率は80%? 優勝ラインは80勝超えになりそう

奇跡の逆転勝利で3連敗を阻止した広島だが、どうやらこの勝利で優勝への歩みを一気に進めたと言って間違いなさそうである。確率で言えば80%を超えたのではないだろうか。

ちなみに2015年シーズンに優勝を果たしたヤクルトの成績が76勝65敗2分、勝率.539。そして、現状この成績に一番近いのが現在52勝45敗3分、勝率.536の巨人である。
これもだいたいの感覚になってしまうのだが、セリーグの優勝ラインは恐らく80勝を少し上回るくらいではないかと思う。

「日本シリーズ2015予想!! ヤクルトがソフトバンクに勝つには?」

たとえばだが、2014年にセリーグ制覇を果たした巨人の最終的な勝敗が82勝61敗1分、勝率.573。貯金が21という成績である。

現在のカープの成績が60勝42敗2分で貯金22。それに対し、巨人は52勝45敗3分で貯金7。
つまり、カープが残り試合をほぼ5割でいけば優勝できるのに対し、巨人は30勝13敗でいく必要がある。30勝13敗と言えば勝率.698。残り全試合を2勝1敗でクリアしても追いつかないほどの困難な数字である。

これはぶっちゃけ、広島の優勝が決定的だと判断していいと思うのだが、どうだろうか。

広島優勝決定? いや、まだ予断は許しませんよ

広島カープの優勝確率は80%以上。
3連敗阻止で、ほぼ巨人との決着をつけた。

「2016年広島カープ優勝確実か? オールスター直前で2位に9ゲーム差をつけての首位」

何度も言うように、今回の3連戦を1勝2敗で乗り切ったことで広島が優勝に大きく近づいたことは動かしようのない事実である。

だが、これで安心していいかと言われれば決してそうでもない。
まだ巨人の逆転優勝の可能性が残り20%。それも非常に濃い口の20%が君臨している状況である。

おおざっぱに言ってその理由は一つ。
「広島の余裕のなさ」である。

繰り返しになるが、この3連戦の広島は巨人の勢いに完全に飲まれていた。
3連戦が始まる前まで6.5ゲーム差があり、なおかつホームのマツダスタジアム。先発は勝ち頭の野村、レジェンド黒田にルーキーながら3勝を挙げている岡田である。
ところが絶対的有利なはずの状況の中、2戦連続で逆転負けを喫するなど、首位を走る余裕はまったく感じられなかった。

それが顕著に表れたのが3戦目のオーダーである。

四番新井
五番岩本
六番鈴木誠也

好調のルナを外して四番に新井を入れ、五番にここまで23試合しか出場していない岩本を起用する。
恐らく右投手のマイコラスということで、アクセントとしての左を入れたかったのだと思う。だが、そのことによって新井と鈴木誠也の強力な並びをわざわざ分断しているのである。
後ろに鈴木がいることで新井と勝負せざるを得ない。その逆もしかり。あの並びは相手チームにとっては完全な脅威となっていたはずなのに。

案の定2三振の岩本は3打席目で交代を告げられ、代わりに入った松山も2打数無安打と振るわず。チャンスで代打を送らなくてはならない打者を大事なクリーンナップに加えるなど、誰がどう見ても愚行である。

しかも前の試合まで.353と当たっている四番ルナを外してまで右対左にこだわるのだから、首脳陣がテンパっていたとしか言いようがない。

マエケン不在の影響も大きい。スーパーエースの偉大さが身に染みる?

また、8月7日の試合で先発の岡田が肩痛によって降板したため、代役としてヘーゲンズを先発に移動させる予定だという。

なるほど。
確かにこの措置は理解できる。ロングリリーフもこなすヘーゲンズは先発としても機能する力があるのだろう。
だが、これまで広島の快進撃を支えてきたヘーゲンズ、ジャクソン、中崎の勝ちパターンが崩れる影響は思いのほか大きい。恐らく今村辺りが7回の勝ちパターンに昇格すると予想するが、果たしてどこまでやれるのか。というより、疲労困憊のヘーゲンズはそもそも先発でどの程度計算できるのか。
大きな不安とともに迎える8月戦線である。

これはいわゆるマエケンの不在、スーパーエースが抜けた穴がモロに出てきているとも言い換えられる。

2015年のマエケンの成績を見ると、8月は4試合に登板して防御率1.24、QS率100%。9、10月は7試合に登板して防御率1.72、QS率85.71%の成績を挙げていることがわかる。

8~10月の間に11試合に先発して7回を投げた試合が8試合、8回を投げた試合が2試合。
つまりリリーフ陣の登板試合を無条件に12回分節約しているのである。

一概には言えないが、現在43試合に登板して疲労困憊状態のヘーゲンズだが、マエケンがいれば単純に10試合分登板数を減らせる計算になるのである。

「舐めんなメジャー、これがマエケンだぞ? あ? ドジャース前田健太がデビュー戦で初勝利&本塁打」

さすがマエケンと言うしかない。
これが200イニング、防御率2点台前半をコンスタントに記録するスーパーエースの偉大さである。

このマエケンの抜けた大きな穴を補ってきたヘーゲンズ、ジャクソン、中崎の三枚を解体する広島。その影響は計り知れないものである。

やっぱり若干広島寄りなのかな? 優勝を狙いにいく巨人には感動したけど

ここまで長々とセリーグの展望を語ってわかったのだが、どうやら僕は広島に優勝してもらいたいと思っているらしい。

正直僕はどちらのチームのファンでもアンチでもないので、どちらが勝とうがどうでもいい。だが、それでも今シーズンに限っては広島が優勝するのが一番いいような気がしている。

確かにここ数日の巨人には実力以上の見えない力を感じたし、CS狙いなどではなく優勝だけを目指してローテを組みかえる姿勢は胸にくるものがあった。

あまりメンタル的な話をするのが好きではないのだが、今回ばかりは好きなだけ言っていいww こういうギリギリの戦いの中で勝負を分けるのはやはりメンタルだ。王者の風格というか、帝国巨人による“勝者のメンタリティ”というヤツは確実に存在していたのである。

「黒田200勝(まだ)、広島カープ優勝(する?)、引退(しない?)を受けて、黒田博樹の現状を考える」

ただ、それらの要因を差し引いても、やはり今シーズンに限っては僕は広島に肩入れしたいと思う。どうしても広島目線で展望を考えてしまうのが何よりの証拠である。

「日和見主義」や「勝ち馬に乗ってるだけ」と言われればそれまでなのだがww

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