アニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」感想。女性キャラが全員ウザくて受け付けないw うさぎドロップの進化版を期待したのに

アニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」感想。女性キャラが全員ウザくて受け付けないw うさぎドロップの進化版を期待したのに

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アニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」を観た。
 
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「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」(2021年)
 
26歳のサラリーマンの吉田は数年間想いを寄せていた上司の後藤に告白するも、豪快に振られてしまう。
その夜、傷心の吉田は振られた腹いせにやけ酒を煽り、フラフラになって家路につくのだった。
 
 
すると、帰り道で路上に座り込んだ制服姿の女の子を見つける。
 
酔った勢いのまま「こんな時間にしてんだ」と声をかけた吉田に対し、彼女は「もう電車がない。でも朝までここにいるのも寒い」と答える。
 
「じゃあ、どうすんだよ?」
「おじさん、泊めてよ」
 
突拍子もないことを言い出す彼女に戸惑う吉田。
だが気を取り直して「駅まで行けばカラオケボックスがある」と諭すが、お金を持っていないという。
 
「じゃあ俺の家には無償で泊めろって話か?」
 
「ああ、うんうん」
「やらせてあげるから泊めて」
 
屈託のない笑顔で信じられない言葉を口にする彼女に吉田は愕然とするが、放っておくこともできずに結局家に上げてしまうことに。
 
そして「朝になったら追い出す」と決意してベッドに入るのだが……。
 
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柔らかいタッチの絵柄に惹かれて視聴をスタートしたアニメ。でも原作の絵柄を最初に見ていたらスルーしてたかな

2021年4月からTOKYO MXほかで放映中のアニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」
ライトノベルを原作としたアニメで、2021年6月4日現在第8話まで進んでいる。
 
僕自身、例によってこのアニメの原作はまったく知らず。
たまたま放送予定の中に見つけた+柔らかいタッチの絵柄に惹かれたという理由で視聴し始めた次第である。
 
後々知ったのだが、単行本化されている方の絵柄はアニメ版よりも若干少女マンガ風味が強い。

 
こちらはあまり僕好みではないというか、最初にこの絵柄を見ていたらスルーしていた可能性が高い。
 

賛否両論あるみたい。犯罪助長アニメだとか誘拐罪に当たるとか。でも、趣旨はそこじゃないと思うよ

で、どうやら今作は各所で賛否両論割れているとか。
 
26歳の男が赤の他人である未成年(女子高生)を自分の家に泊める+そのまま同居生活する行為は誘拐罪に当たる。これを地上波でO.A.すること自体が犯罪を助長する可能性を孕んでおり、とうてい受け入れられるものではない。
といった批判。
 
Amazonのレビューなどでも“犯罪を助長するからダメでしょ”組と“フィクションなんだからいいだろ”組に分かれてヒートアップしていたり、確かにいろいろと物議を醸しているっぽい。
 
ただ、僕はこの辺の議論にはあまり興味がわかない。というより、今作の趣旨はそこじゃないんじゃないの? という思いの方が強かったりする。
 
 
実家のある北海道旭川から家出し、東京に出てきた女子高生。
10代後半の少女が着の身着のまま親元を離れて見知らぬ土地に流れ着くなど、相応の事情を抱えていることは想像に難くない(第8話で真相が語られている)。
 
・親とうまくいかない
・学校に馴染めない
・いじめにあった
その他諸々。
 
さまざまな理由で世間で“普通”とされる生活からはみ出す人間は一定数いる。年齢、性別問わず間違いなくいる。
 
学生であればたいていはそれが学校に当たるわけだが、今作のヒロイン・荻原沙優は家庭にも居場所がなかったパターン。
親が子の味方であれば登校拒否や転校、引っ越しといった方法もあったと思うが、沙優の親はそうではない。世間体を何よりも優先し、全力で子どもを守ってやらなければいけない状況の中で一番言ってはいけない言葉を口にしてしまった。
 
学校で居場所をなくし、家庭にも逃げ場がない。
つまり沙優にとっては吉田の家こそが逃げ場であり、初めて手に入れた安心できる居場所。
 
アニメ「オッドタクシー」が完全におもしろい。脚本の此元和津也が天才らしい
 

“普通”に馴染めない人間は一定数いる。でも“子どもの逃げ場所”は大人が用意してやらなければダメ

マジな話、“子どもの逃げ場所”というのは大人が用意してやらなければいけないのだと思う。
 
申し上げたように世間一般で“普通”とされる生活に馴染めない人間は一定数存在する。
仕事、学校、家庭……。たいていの場合は人間関係によるところが多いと想像するが、とにかく集団の中に居場所を見つけられない人間は確実に存在する。
 
これが大人であれば仕事を辞めたり引っ越したりが可能。成功するかどうかはともかく、起業という選択肢もある。行動に責任が伴う反面、今の生活を放り出してもすぐに窮地に立たされるケースは少ない。
 
だが、子どもはそうはいかない。
学校生活が社会との唯一のつながりと言っても過言ではなく、そこから逃げ出すにはそれなりの覚悟が必要になる。
退学や登校拒否といった行動を起こさなくても、地獄のような学生生活を送る(送った)人間は今も昔も相当数いる(いた)はず。
 
そして、そういう“馴染めない”人間の逃げ場、居場所を用意し導いてやるのはやはり大人の役目なのだろうと。
 
 
僕自身、小学校時代は毎年夏休みに親に連れられて二泊三日の学習会? みたいなものに参加していた記憶がある。
 
さまざまな地域から同年代の子どもを集めて自然学習やキャンプファイヤーなどで交流を深める催しだったと思うが、今考えるとアレは親が僕に学校以外の居場所を作ってくれようとしていたのだと思う。
 
幸いなことに僕は登校拒否や退学を真剣に考えるほど追い込まれることはなかったが、学校以外に自分の居場所を確保しておくことは悪いことではない。
 
特に学校の外に交流できる相手がいるというのは大きい。
引きこもりによる現実逃避も否定はしないが、多少なりとも社会とのつながりを持っておくことは近い将来財産になり得る(はず)。
 
スポーツにおける暴言、暴力による熱血指導()で抱えたトラウマの話。「あの頃があったから今の自分がある」のかもしれないけど、負の側面の方が多そうだよね
 

居場所を失った子どもを大人が導く話として受け取ればいいんじゃない? アニメなんてもともと現実逃避するためのものだし

そういう意味でも今作「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」は、逃げ場を失った女子高生・沙優を吉田という26歳の大人が導く作品と言える。
 
「世の中、そんなに捨てたもんじゃないから」
「お前が考えているより世界は広いんだぜ」
 
冗談でも何でもなく家庭環境やクラスメート、担任ほど運ゲーなものってないですからね。
 
 
誘拐罪や犯罪助長云々を言いたい気持ちはわからないでもないが、フォーカスすべきはそこじゃない。最低限、現実とフィクションの線引きはしておいた方がいいとは思うかな。
 
学校や家庭でつまはじき者にされたアウトローが偶然出会ったわけのわからんお人好しに救われる。
そういう話でいいんじゃないの?
 
そもそもアニメなんて現実逃避するために観るものだしね。
日常のしがらみ、面倒ごと等のストレスから解放されて明日への英気を養うというか。
 
 
まあ、某YouTuber親子みたいに“普通”とされる生活を送る人を見下すのはアウトだけど。
 
お前らの言う自由な生き方とやらを否定する気はないけど、それを支えてるのはお前らが“ロボットみたい”と見下した多くの人たちだってことを忘れんなよってね。
 
僕がサッカーを嫌いな理由。「悩みがある人間はスポーツをやれば解決する」とかいうスポーツ万能クソ理論が反吐が出るほど嫌いです
 

おもしろいアニメではない。なぜなら周りを固める女性キャラが揃いも揃ってウザいから

長々と申し上げてきたように僕は今作の設定をそれなりに受け入れている。
犯罪助長どうこうの話も結構だが、現実とフィクションは切り離して考えようぜということで。
 
 
ただ、決して今作をおもしろいと思っているわけではない
 
評価としては5点満点中2点くらい。
出だしの期待値が高かった分、残念な気持ちが強いことを報告しておく。
 
理由は表題の通り、周りを固める女性キャラ(後藤愛依梨、三島柚葉、結城あさみ)がウザ過ぎるから。
 
・後藤愛依梨
吉田に告白されるが彼氏持ちだと言って断る。だが実は自身も吉田に好意を抱いていて、吉田に積極的な三島柚葉のことが気になって仕方がない。
沙優に対してはミステリアスな大人の女性をアピールするが、吉田と出会う前の荒れた生活を聞かされてドン引き。
 
・三島柚葉
教育係の吉田に好意を抱いている。わざわざ吉田の家の最寄駅で映画を観て、その帰り道に偶然を装って吉田に会いにいく。沙優の境遇を心配しているが、毎回小難しい説教で沙優を追い詰める世話焼き。
 
・結城あさみ
親に相手にされないことを理由に外見をド派手に着飾り、わざと汚い言葉遣いで気を引こうとするかまってちゃん。小説家を目指しているだけあって洞察力は優れている。
 
 
ことあるごとに意味不明なミステリアスさを出そうとするアラサー女(処女)のウザさはもちろん、後輩の三島柚葉も大概である。
「ちょっとお節介だけど健気で一途な年下」、いわゆる“報われないNo.2”の役どころなのだが、お節介も行き過ぎるとウザくなってくる。高校生相手に人生論を説くのもアレだし、会社帰りにわざわざ相手の最寄駅まで押しかけるとか、完全にストーカーじゃねえかと。
 
バイト先で出会った結城あさみに関しては、はっきり言って僕が一番嫌いなタイプである。
 
非行に走ったり道を外れたりする理由に親への反発心や寂しさを持ち出すヤツ。僕はこれが心底ムカつく。
 
マジな話、複雑な家庭なんてものは世の中にナンボでも存在する。それでもほとんどの人間はちゃんと生活しているのに、お前だけが道を外れていい道理などどこにもない。くだらない言い訳を並べて“私がんばってる”感を出してんじゃねえよ。みたいな。
 
 
繰り返しになるが、今作の出だしはなかなかよかったと思っている。
それこそ「うさぎドロップ」の進化版というか、あの作品の作者がとことん避けた思春期のドロドロに真正面から向き合ってくれそうな予感があった。
難しいテーマを処理しつつ、どう癒しにつなげてくれるのかと期待したのだが。
 
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困ったことに女性キャラ3人のウザさが先行してストーリーに入り込むことができずにいる。
 
 
我ながらしょーもない部分に拒否反応を示しているとは思うが、事実なのだから仕方ない。
 
 
というわけで来週も見逃せねえぜ()
 
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