映画「G.I.ジョー バック2リベンジ」感想。ポンコツ度爆上がりのC級アクション超大作()。“そういうもん”だと思って観れば逆に楽しめるかも?
- 2020.08.05
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映画「G.I.ジョー バック2リベンジ」を観た。
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「G.I.ジョー バック2リベンジ」(2013年)
謎の犯罪組織コブラによる“ナノマイト”の兵器化を防いだG.I.ジョー。その一員であるデュークはさらに実績を重ね、今では一部隊を率いるリーダーを任されるまでになっていた。
部下であり親友でもあるロードブロックと日々の任務に励んでいたデュークだが、パキスタンでの核兵器回収の任務中にコブラの襲撃を受け命を落としてしまう。
本部を壊滅させられ、致命的なダメージを受けたG.I.ジョーメンバーの中、何とか生き残ったのはロードブロック、レディ・ジェイ、フリントの3人。
親友を殺され怒りに震えるロードブロックは、デュークの形見のネックレスを手にコブラ壊滅を誓う。そしてレディ・ジェイ、フリントと協力し、様子がおかしいと言われる大統領を調査するためにまずはアメリカへ向かうのであった。
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ポンコツ度が爆上がりしたC級アクションクソ大作。湯水のように金を使って出来上がったのがコレですかw
先日WOWOWで「G.I.ジョー」を視聴した結果、何とも薄っぺらい映画だった旨の感想を申し上げている。
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で、今回はその続編「G.I.ジョー バック2リベンジ」についてである。
例によってこの作品もWOWOWオンデマンドで観たのだが、いやもう酷えなと。
前作に関しては「テンポはいいけどうっすうすのB級アクション」「次世代のアクション女王育成に失敗した」などとあれこれクサすようなことを言ったが、今作の酷さはその比ではない。
等級はB→Cに格下げされ、ストーリーのポンコツ度だけがうなぎ登り。
表題の通りだが、「ポンコツ度爆上がりのC級アクションクソ大作」とでも言えばいいか。
出演陣は“WWEのロック様”ことドウェイン・ジョンソンや「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィリスなどが加わり、豪華な陣容に様変わり。
相当な製作費が投入されているだろうことは容易に想像がつくのだが、え? それでこの出来ですか? と。
湯水のようにジャブジャブと金を使い、豪華な出演陣も揃えた結果、完成したポンコツC級アクション超大作()。
何というか、ここまでくると残念さが裏返って逆におもしろくなってくるほどw
途中から“そういうもん”だと思って観ていたのだが、あーだこーだと細かい部分を気にしなければそれなりに楽しめる。むしろ今作を観るスタンスはそっちの方が正解なのかもしれない。
ポンコツその1:前作の主人公とラスボスポイ捨て酷過ぎワロタw
まず残念なところの一つ目として、前作とのつながりを豪快にちょん切ったというのがある。
前作「G.I.ジョー」で活躍した面々、リップコードやスカーレット、ヘビーデューティは今作にはいっさい登場せず、セクシー担当だったバロネス(シエナ・ミラー)も当たり前のように新メンバーのレディ・ジェイ(エイドリアンヌ・パリッキ)に取って代わられている。
というより、デュークの元恋人バロネスなどそもそもこの世に存在していなかったのでは? と思うほど。
スネークアイズやストームシャドーといった引き継ぎメンバーもいるにはいるが、前作とは完全に別次元の作品と言っても過言ではない。
そして、中でも酷かったのが前作の主人公とラスボスをあっさりポイ捨てしたところ。
申し上げたように今回はパキスタンでの任務中にG.I.ジョー本部がコブラの襲撃を受けて壊滅させられてしまうのだが、その時点でデューク退場というまさかの事態が起きる。
もともと開始直後からロック様中心のカットが多く、今作の主人公がデュークでないことには早い段階で気づいたが、それでも……ねえ。
序盤も序盤、あんなモブキャラ的なやられ方で前作の主人公を退場させるのはさすがにあり得ないと思うのだが。
コブラの襲撃後、とっさに井戸に飛び込んで生き残ったロードブロックがあたりを見渡すと、そこには親友デュークの亡き骸が……。
怒りに震える手でデュークの首に手を伸ばし、ネックレスを引きちぎるロードブロック……。
って、死んだの!?
いやいやいやいや。
うっそでしょww
そこは「くっそ、やってくれたぜ」って立ち上がるところじゃないの?
「よっしゃ、やってやろうぜ!!」って感じでロック様と復讐を誓い合うシーンじゃないの?
恋人バロネスどこ行った? どころの話ではない。
こんな雑な感じで前作の主人公を退場させていいんすか?
前作のラスボス、デストロの扱いはさらに酷い。
ドラゴンボールのメディカルマシーンのようなカプセルに入れられたまま、先に復活したコマンダーに「コイツはいらん、放っとけ」と言われておしまい。発言の機会をいっさい与えられずに退場させられるという地獄。
ここまでくると逆に清々しさすら覚えるほどのぶつ切りポイ捨てである。
「踊る大捜査線」での和久平八郎はいかりや長介の没後も引退→病気で亡くなった設定になっていたし、キアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックによる最高の一作目から圧倒的なクソ化を見せた「スピード」シリーズでも、「2」におけるジャックはアニーの元カレとして描かれている。
どんな作品もシリーズものであれば前作への最低限の配慮は必要だし、ストーリーのつながりを考慮するなど当たり前。
それを怠れば、視聴者に違和感や嫌悪感を抱かせてしまうのは当然の話である。
だが、今作「G.I.ジョー バック2リベンジ」にはそういった配慮はいっさい存在しない。それどころか、前作を全否定した上で“新たなG.I.ジョー”を作ってやろうという邪悪な意気込みすら感じられる。
しかもそれが壊滅的にうまくいっていないというのが……。
このどうにもならない空回りっぷりが、観ているうちにだんだんおもしろくなってくるのであるw
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ポンコツその2:スネークアイズとストームシャドーの因縁後付け杉問題
今作ではイ・ビョンホン演じるストーム・シャドーが一時的にG.I.ジョーと手を組むのだが、その経緯がなかなか……。
もともとスネークアイズとストームシャドーは同じ師匠に育てられた兄弟弟子の間柄。だが、師匠に特別に目をかけられるスネークアイズに嫉妬したストームシャドーはある日、師匠を殺して行方をくらましてしまう。
それ以来、師匠殺しのストームシャドーを探し続けていたスネークアイズはコブラの一員となっていたストームシャドーに再開し、ついに師匠の仇をとることに成功する。
ところが今作では師匠殺しの犯人が実はストームシャドーではなく、ザルタンだったことが明かされる。大統領に扮したザルタンを倒すという共通の目的のため、ストームシャドーは一時的にスネークアイズたちと手を組むのだが……。
後付けキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
いや、そこはストームシャドーが師匠殺しでよくね?
確かに前作では幼少期のストームシャドーが師匠を殺すシーンはなく、思わせぶりな感じもしたが。
次回作への伏線というのも重々理解できるが、その結果がザルタンかよと。
幼少期からの恨みを晴らす相手としては絶望的にパンチが足りなくねえっすか?
って、生きとったんかいお前えええええぇぇぇぇ……!!
確かストームシャドーって前作でスネークアイズに豪快にぶっ刺されて奈落の底に落っこちてなかったっけ?
しれっと再登場してるけど、あそこから生還したこと自体がかなりの奇跡じゃねえかww
で、それを当たり前のように受け入れているスネークアイズもどうかと思うぞ?
そもそもストームシャドーってそこまで魅力的なキャラですかね。
正直、僕には「世界忍者戦ジライヤ」に白いペンキをぶっかけただけにしか見えないんですが……。
浮世離れしたスネークアイズと違って悪い意味で表情が豊かなんだよなコイツ。何かっつーとすぐに上半身を見せたがるし。
これ系のキャラの魅力は“神秘的で謎めいたヤツ”だと個人的には思うのだが。
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ポンコツその3:ブルース・ウィリスいります?
下記を見ると、今作は明らかにブルース・ウィリスがメインだと思わせるジャケットデザインとなっている。
だが、実際にはブルース・ウィリスはちっとも活躍しない。
主にレディ・ジェイと行動をともにするのだが、引退を撤回して復帰した重鎮という大物感は皆無。それどころか、若い女の前でええカッコしようとしてダダ滑りしているただのイタいおっさんである。
そもそも論として、今作にブルース・ウィリスいります?
それこそ上司ポジションならヘビーデューティを引き継げば全然事足りたと思うのだが。
元部下のデュークを殺されたことを聞き、急遽チームに加わる流れにした方がよっぽど自然だった気が……。
いきなり主人公に抜擢されたロードブロックの元上司とかいう二段階のポッと出っぷり。この微妙さ加減は唐突感満載だった前作をはるかに上回る。
マジな話、ドウェイン・ジョンソンとブルース・ウィリスのせいでデューク役のチャニング・テイタムに支払うギャラが足りなくなったとか、そういうことじゃないの?
生き残りメンバーのフリントなんて、明らかに劣化版デュークでしたからねww
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また、前作の数少ない萌えポイントであるパワードスーツや大掛かりなCG+アクションがなくなっていたのも、もしかしたらお金絡みの事情があったのかもしれない。
最初に「金を湯水のように使ってこの出来ですか?」などと言ったが、実はそんなことはない?
G.I.ジョー感をなくして普通の武器+筋肉バトル映画にしちゃったのも苦肉の策だった?
ちなみにだが、北朝鮮の要人をいじりまくった件はちょっとだけおもしろかったっス。
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