全盛期のドネアやっばww ノニト・ドネアvsフェルナンド・モンティエル感想。これは井上尚弥にも勝てるかも? 歴代PFPではないと思うけど
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実を言うと、僕はノニト・ドネアvsフェルナンド・モンティエル戦をフルで観たことがない。
ドネアが勝利したことは知っているし、2Rの左フックでダウンしたモンティエルが全身を痙攣させるシーンはこれまで500回は観た(気がする)。
だが、試合を最初から最後まで観たことは一度もなく。
この時期のドネアはまさに全盛期で、モンティエル戦以降もオマール・ナルバエス、ウィルフレド・バスケスJr.、西岡利晃、ギジェルモ・リゴンドーなどのビッグマッチに進んでいく。
一方のモンティエルも前年の長谷川穂積戦での勝利から満を持して迎えた統一戦。
両者ともに一番いい時期に一番いい相手と遭遇した試合と言える。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界中のボクシング興行がストップしている状況の中、絶好の機会? なので初めて観てみた次第である。
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ドネアvsモンティエルやっばww 長谷川穂積をKOしたモンティエルがすべての面で置いていかれる
開始直後、似たような構えで対峙する両者。
やや広めのスタンスに左を少し下げた構え。
お互いに中間距離を得意とし、フィニッシュは左フックのフルスイング。
左リードから身体を伸ばして右のボディストレートを放つドネアに対し、モンティエルは徹底して右ガードを上げた状態をキープする。
小さく踏み込んで放ったモンティエルの左を鋭いバックステップで避けるドネア。
お互いのフェイントにお互いが即座に反応する緊張感たっぷりの立ち上がり。
そして、30秒あたりでドネアがいきなりの右を放つ。
ほぼ予備動作ゼロのままあっという間にモンティエルの間合いに侵入し、右ストレートから左ボディにつなぐ。
モンティエルもこれに鋭く反応。抜群のタイミングで左フックのカウンターを合わせる。
ややバランスを崩したドネアが体勢を立て直すと、モンティエルが左で額を押さえてバッティングをアピールする。
火花が散るような一瞬の攻防に場内からも歓声が沸き起こる。
さらにモンティエルがいきなり打ち込んだ右をドネアがダッキングでかわし、反動をつけて左フックをヒット。
しかもダッキングから起き上がる最中、フェイントで一瞬モンティエルの動きを止めてからの一撃。これにより、モンティエルはガードを上げて後退する。
モンティエルのフェイントにドネアがバックステップで距離を取り、戻り際に右、左と続けざまにヒット。踏み込みの鋭さにモンティエルはガードが間に合わない。
いや、やっばいわww
なんつー試合だよこれww
長谷川穂積を4Rで沈めたモンティエルのすごさはもちろんだが、ドネアはそのモンティエルをすべての局面で上回る。
似たようなスタンス、似たような得意パンチ、似たような距離感を持つ両者ながら、スピード&パワーでドネアがそのつど上をいく。
ニコラス・ウォータースってやっぱりカッコよかったよな。ノニト・ドネアをKOした試合は最高だった。でも内山高志なら勝てる可能性があったと思う
勝負に出たモンティエル。距離を詰めて左を狙うが、最後は必殺の左カウンターを被弾して撃沈
2Rに入ると、満を辞してモンティエルが距離を詰める。
1Rよりもさらに左を下げ、カウンターを打ちやすい構えでドネアを待ち受ける。
なるほど。
まともに対峙していてはあらゆる面でドネアに敵わない。しかもお互いに得意な分野が似通っているため、長所と短所で勝負するのも難しい。
勝機を見出すには、もう半歩だけ近づいて左フックの1発を狙うしかない。
恐らくそんな感じの判断だったのだろうと。
1Rの攻防でこれだけの覚悟を見せたモンティエルもすごいが、わずか3分で長谷川穂積を下したモンティエルに“このままだと負ける”と思わせたドネアはもっとすごい。
ドネアの鋭いワンツーに耐えながら前進を続けるモンティエル。
サイドに回りながらカウンターのビッグチャンスを待つドネア。
両者の空間に1Rとは別種の緊張感が流れる。
そして残り1分。
身体を振っていきなりの右を放ったモンティエルに対し、ドネアはガードした腕をそのままグルっと回して左フックをカウンターでヒット!!
この一発でモンティエルは糸が切れた人形のようにマットに崩れ落ちる。
さらに意識のないまま手足をバタバタさせ、何もない空中に右手を伸ばす。
大歓声の中、何とか膝立ちしたモンティエル。だが、右足に力が入らず再び顔面からマットに落下。すぐさま両腕をついて踏ん張り、カウント9でどうにか続行の意思を示す。
結局直後のドネアのラッシュで試合がストップされるわけだが、もう笑いが漏れるくらいすごいw
カウンターを狙って待ち構えるモンティエルの懐にあえて踏み込み、ワンツーをヒット。
左フックと同じタイミングで左ボディをねじ込みさっと離れる。
最後は覚悟を決めて放ったモンティエルの右にカウンターの左フック→痙攣ダウン。
全盛期のドネアがいかにすごかいか、噛み合う相手との試合がどれだけおもしろいかが山ほど詰まった試合だった。
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全盛期のドネアはすごい。井上尚弥に勝てるかも? でも、歴代PFPとまではいかないかな
繰り返しになるが、2011年2月のvsフェルナンド・モンティエル戦には全盛期のノニト・ドネアのすごさがこれでもかというくらい詰まっていた。
2019年11月の井上尚弥戦で「ドネアが全盛期を彷彿とさせるパフォーマンスを披露した」と申し上げたが、今ここではっきりと訂正させていただくww
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全盛期のドネアはあんなもんじゃない。
もしかしたら今の井上尚弥にも十分勝てるのでは? というほど。それくらい、モンティエル戦でのドネアの動きは群を抜いていた(と思う)。
ただ、だからと言って全盛期のドネアが井上尚弥に匹敵するという話でもない。
個人的に井上尚弥はこの先歴代PFPのトップ5入りする可能性もあると思っているのだが、ノニト・ドネアの全盛期がそのレベルか? と聞かれれば答えは“No”な気がする。
申し上げたように自分のスタイルを発揮した際のドネアは文句なしに凄まじい。
このモンティエル戦のように得意な距離で対峙し、得意なパンチを目いっぱい打てる試合での強さは戦慄が走るほど。先日の井上尚弥戦でも、噛み合う相手となら今でもトップレベルの力を残していることが証明された。
だが、そうではない相手との試合ではあっという間にやれることが少なくなる。
モルティ・ムザラネのプレスに苦しめられ、オマール・ナルバエスには糞詰まりにされた。ビック・ダルチニャン戦やジェシー・マグダレノ戦では最後まで距離感が合わず、カール・フランプトンには12Rを通して捌かれてしまった。
そして、S・バンタム級頂上対決として注目を集めた2013年4月のギジェルモ・リゴンドー戦では、追い足のなさと瞬間のスピードでリゴンドーに遅れをとっての判定負け。
怪我をしつつも左ジャブのみでペッチバンボーン戦をクリアし、河野公平のプレスを跳ね返して一気に成長した井上尚弥に比べてドネアは何だかんだで身体能力頼りのままここまできてしまった。
この対応力の低さはさすがに歴代PFPとまではいかない気がする。
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まあ井上尚弥に関してもね。一番大事な試合でエマヌエル・ロドリゲス、ノニト・ドネアに勝利したのはめちゃくちゃ大きかったよね。
中間距離で目いっぱい腕を振るタイプという、自分とモロに噛み合うタイプとの試合がWBSS準決勝、決勝にきたのは幸運としか言いようがない。
もちろんこういう巡り合わせもスーパースターの条件なのだとは思うが。
そして、ド派手なKO勝利を量産する一方、得手不得手がはっきりした脳筋ファイターというのもノニト・ドネアの魅力。このドネアvsモンティエル戦はそのことが十分伝わってくる試合だった。
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