ジャーボンティ・デービスがマーティンを8RKO。マーティン2R途中までがんばったけど右の器用さが足りなかったかな。デービスを攻略できそうなのはアイツ?【結果・感想】

ジャーボンティ・デービスがマーティンを8RKO。マーティン2R途中までがんばったけど右の器用さが足りなかったかな。デービスを攻略できそうなのはアイツ?【結果・感想】

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2024年6月15日(日本時間16日)に米・ネバダ州で行われたWBA世界ライト級タイトルマッチ。同級王者ジャーボンティ・デービスとランキング2位フランク・マーティンが対戦し、8R1分29秒でデービスが勝利。王座防衛に成功している。
 
 
今月楽しみにしていた試合の一つ、デービスvsマーティン戦が行われたわけだが。
 
例によってリアルタイム視聴はできず。結果を知った状態での視聴となっている。
なので、デービスの衝撃的なKO勝利も比較的冷静に観ることができた笑
 
 
というわけで、後追い視聴した試合の感想を言っていくことにする。
 
アルテム・ハルチュニャンは打倒シャクール・スティーブンソンの可能性を見せたんちゃうか? 機動力のあるハイカロリーな連打型。フォスターvsコンセイサンは…
 

試合前の展望。マーティンは前半がんばるけど、中盤からデービスのペースになるのでは?

まず僕の試合前の展望は下記。
 
ジャーボンティ・デービスvsフランク・マーティン。vsサウスポーの経験が少ないマーティンとエクトル・ガルシアをKOしたデービス。近場の打ち合いでどうなるか? かな
 
・フランク・マーティンはvsサウスポーの経験が少ない
・ただシャクールとの試合が決まりかけたりデービス戦を受けたりと苦手意識はなさそう
・ゲイリー・ラッセルJr.っぽい選手なのかと思ったら違った
・ラッセルほどのハンドスピードはないが、横の動きはラッセルより上
・デービスを手こずらせたエクトル・ガルシアのような右の器用さはない
・危険地帯に留まる時間が長いのが気になる
・打ち合いで強さを発揮するが、デービス相手にそれができるか
・流れ的には序盤は優位に進めるも、中盤以降に捕まるのではないか
・勝敗予想はデービスの8RKO
 
 
僕はフランク・マーティンの試合をあまり観たことがなく、勝手なイメージでゲイリー・ラッセルJr.っぽい選手を想像していた。
 
ところが実際にはラッセルほどのハンドスピード、ダッシュ力はない。
その反面横の動きは旺盛で、正面を外しながら出入りするファイトはラッセル以上(に思える)。
 
右リードの連打が特徴だが、デービスを手こずらせたエクトル・ガルシアのような器用さはない。
 
さらに打ち合い上等、相手の射程内に長く留まるシーンが目につく。
正直、このやり方だとデービスの1発の餌食になりやすいのではないか。
 
 
スピードや見切りのよさを踏まえると前半はマーティンが有利に進める可能性が高い。
ただ、デービスが対応してくる中盤以降はかなり危ない。
 
見どころとしては、マーティンがデービスに慣れられたあとにどれだけ粘れるか。デービスに対応されるラウンドをいかに遅くできるか。
 
 
勝敗予想はデービスの8RKO。
マーティンのアップセットも観てみたいが、どちらが勝つか? と聞かれればやはりデービスかなぁと。
 

マーティンは極力コンタクトを減らしたい。ジャブで動きを止める、打ったらすぐにサイドに動く

上記を読み直すと展開的にはそこそこ当たっていたっぽい笑
 
前半はマーティンが優位に。
だがデービスが慣れる中盤以降に形勢が逆転する。
 
KOラウンドまで当たったのは完全にまぐれだが、「まあそうなるよな」という感想である。
 
マドリモフのアップセットに期待する。でもクロフォードを攻略できますかね? クロフォードに勝つには前半3Rまでだと思うけど
 
恐らくマーティン陣営の作戦は“極力コンタクトを減らす”だったのではないか。
 
遠い位置で対峙し右リードで牽制。
タイミングを見て連打を当ててパッと離れる。
射程の外側をキープしながら左右に動いて正面を外す。
 
デービスは基本的にカウンター使いで手数は多くない。
ガードの間から「細かいヒットを当ててすぐに離れる」を繰り返す作戦だったと想像する。
 
 
そして、2Rの途中まではその作戦はうまくいっていた。
 
申し上げたようにデービスは手数が多い方ではなく一足飛びで懐に入る踏み込みもない。
 
ジリジリとにじり寄る→得意の間合いに入ったところで攻撃を開始するスタイルなので、その距離を作られる前にジャブで止める、打ったらサイドに動くやり方は悪くなかった。
 
シャクール・スティーブンソンvsアルテム・ハルチュニャン、オシャキー・フォスターvsロブソン・コンセイサンのTOPRANK興行。フォスターvsコンセイサンはいい対戦だね
 

右の器用さが足りなかったかな。エクトル・ガルシアは鞭みたいな右リードでデービスを手こずらせたけど

だが、デービス相手にやり切るには器用さが足りなかったなぁと。
 
今回のマーティンの作戦は2023年1月のエクトル・ガルシアと近いと思っている。
 
あの試合のガルシア(ライアンじゃない方)は右を鞭のように使ってデービスの出足を止めつつ、打ち下ろし気味の左をねじ込んでいた。
9RにKOされたものの、内容的にはかなり健闘したのではないか。
 
ジャーボンティ・デービスvsエクトル・ルイス・ガルシア。ガルシアってライアンじゃない方か笑 ルイス・ネリ同様、vsサウスポーが得意なタイプだったけど。8Rの猛攻でギブアップ
 
ただ、あのやり方は右リードの器用さ、多彩さがあってのもの。
腕をしならせつついろいろな角度から打ち込む右にそのつど邪魔され、デービスはなかなか懐に侵入できずにいた。
 
それに比べてマーティンの右は正直すぎるというか。
基本的にまっすぐの軌道なので、その分慣れられるのも早かった。
 

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手数を減らしたのは悪手だったかも? シャクールとデービスは同じカウンター使いでも系統が違う

さらにコンタクトを避けるために手数を抑えたのは悪手だったかもしれない。
 
要するに2023年11月のシャクール・スティーブンソンvsエドウィン・デ・ロス・サントス戦をイメージしていたと想像するが、シャクールとデービスでは同じカウンター使いでも系統が異なる。
 
シャクール・スティーブンソンvsロス・サントス前代未聞の手数の少なさ。でも僕はおもしろかったw 突進力のある連打型のサウスポーに可能性を感じたよ
 
触らせることすらしたくないシャクールに対し、デービスはガードの上を打たせる、上体をずらして芯を外すやり方。
極論、致命打さえもらわなければ多少の被弾もOKという割り切りがある。
 
触られたくない、自分だけが打ちたいシャクールの場合は自分から手を出さなければ膠着を作ることは可能(1発で倒せるパンチさえあれば)。
 
だが、被弾が前提のデービスは相手が手を出してこなければどんどんプレッシャーを強めてくる。
 
僕の中では大雑把に言えばデービスはカネロと同じ括り
カウンターをチラつかせながら圧力をかける→コーナーに追い詰めて連打を浴びせる等、共通項は多い。
 
デービスはカネロに比べて大味で被弾も目立つが、1発の威力と勝負どころの爆発力は全階級No.1と言っていいレベル。緻密さで劣る分を破壊力で相殺しているイメージである。
 
ジャーボンティ・デービスは寝起きに人を殴ったその足で朝マックするヤツ。マリオ・バリオスをパワフルに粉砕。小型のカネロじゃんコイツ
 

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デービス攻略には結局連打勝負かな? もっともうまくできそうなのはアイツ…

何だかんだでデービス攻略には連打勝負が最適かなぁと思っている。
 
・手数が少ない
・ガードを上げてにじり寄る
・カウンター使い
 
要はデービスにカウンターを返す余裕を与えないことが大事。
ガードの上でも関係なしに連打を浴びせ、デービスをひたすら亀にするやり方である。
 
 
ただ、それをやるにはその場に留まらない機動力とハンドスピードが必須になる。
ライアン・ガルシアはいい線行っていたが、フットワークが足りずにカウンターの餌食になった。
 
ジャーボンティ・デービスvsライアン・ガルシア。序盤物量勝負を仕掛けたガルシアはよかった。でもデービスの嗅覚、精度が高すぎる
 
実際、もっともがんばったのは2017年1月のホセ・ペドラサだったりする。
あの試合のペドラサは左右に動きながらの連打でデービスに反撃のタイミングを作らせなかった。
 
中盤に息切れ+ダメージの蓄積で7Rに沈んだものの、攻略の可能性は一番感じさせた(と思う)。
 
 
そして、より高い次元でそれをできそうなのがIBF同級王者のワシル・ロマチェンコ
 
空いた場所にどんどん連打をねじ込む。
常にアングルを変えて死角に回り込む。
この2つを両立しつつ12R動き続けるスタミナも兼ね備える。
 
 
12Rのどこかでデービスの1発が当たるか。
ロマチェンコが得意の連打を当てまくって根負けさせるか。
 
相性的にはドンピシャだと思うのだが。
 
ロマチェンコvsカンボソス。何も変わってなかったカンボソス。ロマチェンコとの相性最悪なまま置いてきぼりを食って11RTKO負け
 
問題は両者の全盛期がずれていることと、ライト級のロマチェンコが適性を超えていることか。
正直、ライト級で対戦した場合はデービスが1発で終わらせそうな気ががが……。
 
S・フェザー級時代はメイウェザーにガッツリプロテクトされていたし、どのみち難しい対戦でしたね。
 
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