映画「悪魔祓い株式会社」感想。マ・ドンソク初心者が最初に観る作品じゃなかった。求めていたのはドンソク兄貴の“超暴力”による爽快感。スティーブン・セガールやジェイソン・ステイサムと同じ立ち位置だと思うけど

映画「悪魔祓い株式会社」感想。マ・ドンソク初心者が最初に観る作品じゃなかった。求めていたのはドンソク兄貴の“超暴力”による爽快感。スティーブン・セガールやジェイソン・ステイサムと同じ立ち位置だと思うけど

映画・マンガ・ドラマ記事一覧
 
映画「悪魔祓い株式会社」を観た。
 
〜〜〜〜〜
 
「悪魔祓い株式会社」(2025年)
 
「悪魔祓い株式会社」を営むバウは強靭な肉体と怪力の持ち主。
エクソシストのシャロンと情報収集担当のキムの3人で悪魔がらみのトラブルを解決する日々を送っていた。
 
そんなある日、精神科医のジョンウォンから異常行動を繰り返す妹ウンソを救ってほしいとの依頼が入る。
 
ところがバウはこの依頼が因縁のあるマルコ神父からの紹介だと知り態度を硬化させてしまう。
 
だがその直後に町を混乱に陥れる悪魔崇拝集団の存在が明るみに、さらにマルコ神父に直接頭を下げられたことで渋々依頼を受けることにするのだが……。
 
〜〜〜〜〜
 

 

「“マ・ドンソク初心者”が最初に観る作品ではなかった」←これが感想の8割

表題の通りだが、今作は“マ・ドンソク初心者”が最初に観る作品ではなかった
この一行が僕の言いたいことの8割である笑
 
 
お察しの通り僕はマ・ドンソク作品を観たのは今回が初めて。
「犯罪都市」シリーズや「悪人伝」「無双の鉄拳」といった有名どころも名前は知っていたが手を出してはいない。
 
たまたま目に入ったトレーラーにそそられたのと、「龍が如く」シリーズの越稔洋氏が今度はマ・ドンソクをモデルにした新作「GANG OF DRAGON(ギャング・オブ・ドラゴン)」を発表すると聞いて「じゃあ観てみようか」と。

 
諸々のタイミングが重なり足を運ぶことに決めた次第である。
 
で、最初の一行に戻るわけだが笑
 

期待してたのはドンソク兄貴の超暴力。セガールやステイサムと似た立ち位置だと思うけど…

当たり前だが、僕が期待していたのはモブ相手に無双しまくるドンソク兄貴
多勢に無勢、襲い掛かる敵をたった1人で殴る、蹴る、ちぎっては投げる姿(ドンソク兄貴はパンチのみ)である。
 
恐らくこの人の立ち位置はスティーブン・セガールやジェイソン・ステイサム、ドウェイン・ジョンソンに近い。
 
つまり、ストーリーや細かいディテールは大した問題じゃない。
“強い男”がひたすら強さを見せつける。
そこの爽快感を求めているのである。
 
映画「ビーキーパー」感想。いつも通りステイサムがステイサムするだけの105分。気に入らなければぶっ潰す。問答無用でぶっ潰す。大統領だろうがぶっ潰す
 
マ・ドンソク作品に触れるのは今回が初めてだと申し上げたが、身体つきや顔を見ればファイトスタイルは容易に想像がつく。
さらに「GANG OF DRAGON(ギャング・オブ・ドラゴン)」のトレーラーで答え合わせも完了している。
 
要するに「素手の暴力こそ正義」を求めて映画館に足を運んだのだが、今作がその欲求を満たしてくれたか? と言われれば“ノー”である。
 

メインはソヒョンとチョン・ジソの顔芸。チョン・ジソは本当にすごかった。でも…

今作におけるメインはシャロン役のソヒョン(少女時代)とウンソ役のチョン・ジソの顔芸で、マ・ドンソクのバトルは付け合わせにすぎない。
 
特にチョン・ジソの多重人格っぷりはすごかった。
ウンソ本人と彼女を乗っ取った悪魔がそのつど入れ替わるのだが、そこの切り替えが凄まじい。
 
今作の悪魔は様々な表情を見せる。余裕のある場面とそうでない場面、怒りを爆発させたりときには泣き落としの演技で周りを騙したり。
 
そして、それを演じるチョン・ジソの瞬発力である。
彼女の顔芸は今作における最大の見どころだと思う。
 
 
ただ、そうじゃない。
僕が求めてるのはこれじゃない
 
申し上げたように僕が求めているのはドンソク兄貴の超暴力(言い方)。
肉の舌になっているところに刺身を出されて「ほら、美味しいでしょ?」と言われても困るのである笑
 
 
下記によると今作は「アクションとオカルトの調和」を目指したとのこと。


過去作からの変化というか、本人の中では新しい挑戦だったと思われる。
 
つまり「“マ・ドンソク初心者”が最初に観る作品ではない」。
そういうことである笑
 

日本人俳優では誰になる? アクション縛りだと思いつかない

ちなみに日本人俳優でスティーブン・セガールやジェイソン・ステイサム、マ・ドンソクと似た立ち位置は誰になるのか。
 
作品よりも名前が先にくる、水戸黄門的なワンパターンによる安心感。
正直、パッと浮かぶ人がいないのだが。
 
アクション縛りをなくせば木村拓哉や高倉健、「ドクターX」の米倉涼子がそれに当たると思うが、アクションに絞ると……。
 
バイオレンスという括りならVシネマ?
現在進行形の作品では「日本統一」の本宮泰風だが、正直全然ピンとこない笑
 
そもそもアクションというジャンルでセガールやステイサムの位置まで上り詰めること自体が希少なのかもしれないが。
 
映画「バッドボーイズ RIDE OR DIE」感想。おもしろかったけど登場人物が唐突すぎた。クリスティーン? ジュディ・ハワード? いや、誰だ君らw
 
なおここまで中身の感想をほとんど言っていないが、え? だってそういうもんじゃないの?
だって、ステイサムが今さらヒューマンドラマに傾倒したら困惑するでしょ?
「なーにをクサいセリフ吐いとんねん」
「さっさとチャカ出さんかい」
 
つまり「ドンソク兄貴の暴力を求めて映画館に行ったけど、やや物足りなかった」。
これで十分である笑
 

太い二の腕、情報収集担当とかいうYouTuber

(ソヒョンとチョン・ジソの顔芸以外で)あえて印象に残った部分を挙げるなら
・ドンソク兄貴の腕が太い
・情報収集担当のキムが単なるYouTuber
・ジョンウォン姉さんが無能でよかった
くらいか。
 
パッツンパッツンのTシャツを着たドンソク兄貴の二の腕やべえ笑
ガタイや首回りでこの人が鍛錬を欠かさない人なのはわかるが、二の腕の太さはそれを象徴していた。
あまりの太さにギャグシーンでもないのに笑ってしまったほど。
 
 
またエクソシストのシャロンとともにバウを支える情報収集担当のキム氏。
中世的な表情に若干気弱な優男という役どころだが、有能さを発揮するシーンはほぼない笑
 
基本は悪魔祓いに精を出す同僚を撮影するのみ。
「白目を剝くシャロンvs歯を食いしばって耐えるウンソ」を汗だくで撮影しつつ、凄惨な光景に取り乱すジョンウォンをなだめる。
 
要するにアニメで言うところの“驚き役”である笑
 
映画「ペリリュー 楽園のゲルニカ」感想。家族に「ただいま」を言えたのはわずか34人。田丸均一の第三者視点が戦争の凄惨さを際立たせる。「西部戦線異状なし」と同種の空気感
 

Advertisement

 

“無能の人”担当のジョンウォン姉さん。パニック作品には欠かせない存在

そしてバウに依頼を持ち込んだジョンウォン姉さん。
 
妹を助けてほしいと悪魔祓い株式会社に駆け込むも、いざ本番が始まるとキツすぎて耐えられない。
苦しむ(フリをする)ウンソ(に取り憑いた悪魔)の姿にメンタルを削られ、挙句の果てにせっかく張った結界を壊してしまう。
いわゆる混乱のきっかけを作る人である。
 
パニック映画の代表作「ジュラシック・パーク」「ジュラシック・ワールド」でもそう。
ガキが余計な好奇心を出さなければ何も起きなかったはず。
あのガキが大人(姉)の言うことを聞いていれば主人公一行が危険な目に合わずに済んだのだが、ストーリーを動かすにはその“余計な好奇心”が必須となる。
 
「ジュラシック・パーク」は壮大な人間観察を記した資料映像だった? 主要人物が全員イラつくってすごくないっすか?
 
今作のジョンウォン姉さんも「指示があるまで動くな」「黙って見てろ」と言われていたにもかかわらず我慢できずに飛び出してしまう。
依頼主&被害者でなければぶん殴っているところだが、パニック作品には欠かせない“無能の人”だと思えば一気に寛容になれる笑
 

作品自体はおもしろかった。僕のテンションが“そっち側”ではなかっただけで

あーだこーだと申し上げたが、作品自体はおもしろかったことをお伝えする。
ホラー部分の緊張感、出演者の演技、手に汗握る(?)ラスト、そこに適度なチープさが上乗せされてしっかり楽しめた次第である。
 
単に僕のテンションが“そっち側”ではなかった 、「“マ・ドンソク初心者”が最初に観る作品ではなかった」だけで。
 
映画・マンガ・ドラマ記事一覧
 

Advertisement

 
「犯罪都市」
 
「悪人伝」
 
「無双の鉄拳」