映画「喜劇 女は男のふるさとヨ」感想。ナニこれ? ドタバタすぎて主役が誰か分かれへん笑 でも、なぜか意味不明にアッタマルw 倍賞美津子の超絶美貌

映画「喜劇 女は男のふるさとヨ」感想。ナニこれ? ドタバタすぎて主役が誰か分かれへん笑 でも、なぜか意味不明にアッタマルw 倍賞美津子の超絶美貌

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映画「喜劇 女は男のふるさとヨ」を観た。
 
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「喜劇 女は男のふるさとヨ」(1971年)
 
ストリッパー斡旋所「新宿芸能社」を営む金沢と妻・竜子は踊り子たちととともに質素ながらも賑やかな毎日を送っていた。
 
 
そんなある日、全国のストリップ劇場を渡り歩く笠子が7年ぶりに「新宿芸能社」に帰ってくる。
 
「母さん、私結婚するわよ」
「誰と!?」
「誰かと」
 
あいかわらずの能天気さに呆れつつ、金沢夫妻は快く笠子を受け入れるのだった。
 
ところが帰った早々、昔のヒモに連れ去られてしまう笠子。
騒ぎを聞きつけた金沢は笠子を助けるために暴力バー「コスモス」に単身乗り込むが、案の定返り討ちにされ傷だらけで帰宅する。
 
ボロボロにされた夫の姿に激昂した竜子は、今度は自らが乗り込むことに。
糞尿をなみなみと汲み入れた4つのポリバケツをリヤカーに乗せ、勢い込んで店の前にたどり着くと……。
 
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映画「喜劇 女は男のふるさとヨ」おもしろかった。期待していたエロ描写はないけど満足度は高い

藤原審爾の小説「わが国おんな三割安」をもとに森崎東監督「喜劇 女」シリーズ第1段として1971年に公開された作品「喜劇 女は男のふるさとヨ」
 
と言っても、僕はこれまでこの作品をまったく知らず。
 
たまたまWOWOWでO.A.されているのを見つけ、紹介写真とあらすじ説明を読んで「ほう、ちょっと観てみるか」と思った次第である。
 
「喜劇 女は男のふるさとヨ」
 
一応言っておくと、今作には(僕が期待したような)エロ描写はいっさい出てこない。
上記のWOWOWの作品紹介では“いかにも”な写真が使われているが、残念ながら(僕の期待したような)“そういう”シーンは最後まで描かれることはない。
 
正直に申し上げて「ストリッパー」「ヤクザ」「女は男のふるさと」などのフレーズから、僕は今作をエロ満載の内容だとばかり思っていた。
というより、そういうエロ描写を期待してこの作品に手を出したと断言させていただく。
 
要するに「思てたんとちゃう」「こんなはずじゃなかった」というのが本音だったりする。
 
映画「木曜日に抱かれる人妻」感想。いったいこれは何だ。検索すると2ページ目以降アレな内容しか出てこねえんだがw エヴァ・アリアスのスタイルは必見
 
ただ、おもしろかった。
残念ながら? 期待していたエロ描写には出会えなかったが、満足度自体はすこぶる高い。
 
WOWOWはここ数年台頭してきた配信サービスに比べると月額料金も高く作品数も少ないものの、今作のような“隠れ名作”をちょいちょい掘り起こしてくるのが何とも憎いww
 

ドタバタすぎて主役が誰か分かれへん笑 2つのエピーソドが強烈すぎてどっちつかずの内容に…

表題の通りなのだが、今作は誰が主役なのかが割と最終盤まで判然としない。
 
 
最初は森繁久彌が演じる金沢なのかと思ったら、あっさり中村メイコ扮する妻・竜子のパワフルさに食われる。
で、ここから「新宿芸能社」内でのドタバタ劇がスタートするんだろうなと思った途端に笠子(倍賞美津子)が登場。
 
倍賞美津子の圧倒的美貌と存在感で「あ、コイツが主役だ」と確信させられるのだが、大量の糞尿を抱えてバー「コスモス」に乗り込む竜子の姿に「やっぱり主役はコイツだ」とあっさり路線変更を迫られる。
 
ところが再び旅に出た笠子が九州で自動車修理工の照夫(河原崎長一郎)と出会い、そこからしばらく笠子と照夫のパートが続く。
 
一方、笠子のいない日常が戻った「新宿芸能社」には星子(緑魔子)と名乗る少女が訪ねてくる。
星子は旅途中の笠子に世話になったとかで、笠子からの書状を金沢夫妻に見せ……。
 
 
笠子と照夫のロードムービーと、「新宿芸能社」で暮らす星子の日々がパラレルで描かれ、そのうちに結婚を決めた笠子と照夫が再び戻ってくる流れ。
 
 
最終的には人情味あふれる肝っ玉母さんっぷりを発揮した竜子が一人勝ちを収めるわけだが、ここにたどり着くまでにいったい何度軸がブレたことか……。
 
 
聞くところによると今作は上述の藤原審爾作「わが国おんな三割安」の中からいくつかのエピソードを抜粋しているとのこと。
 
つまり「笠子と照夫の馴れ初め」「新宿芸能社での星子の日々」という強烈な2つのエピソードを取り上げたせいで、どっちつかずのしっちゃかめっちゃかな内容になってしまったのだろうと。
 
 
そして、それがいい。
 
アニメ映画「HELLO WORLD」これは酷い。ギャン泣き目指してピュアッピュアなテンションで観たのに見事にスレた自分出てきちゃった笑
 

変人ばかりの登場人物としっちゃかめっちゃかのストーリー。竜子の肝っ玉母さんっぷりがそれらを力技でねじ伏せた

はっきり言って、今作に登場する人物は変人ばかりである。
“喜劇”と冠していることからもだいぶ誇張されているとは思うが、それを踏まえても。コイツらの破天荒さには毎回「うっそだろ笑」となってしまう。
 
 
やたらと惚れっぽい笠子は行く先々でいわくつきの男とのトラブルを抱えて戻ってくるし、夫・金沢は“トルコ”のなじみに平気で「新宿芸能社」で発生したトラブルを相談する。もちろん妻・竜子は夫の“トルコ”通いを黙認。
 
妻に先立たれたお隣さんはその直後に妻の遺影の前で別の女とXXXしちゃうし、勢いで身体を許してしまった女の子は後悔の思いから大泣きするが、翌日には2人で手を繋いでケロッとしている。
 
「新宿芸能社」に転がり込んできた星子は酔客とトイレでXXXして飲食の仕事をクビになり、50歳も年上の男と恋仲に。で、偶然出会った高校生の自殺を止めるために寒空の下で服を脱ぎ捨てる。
それを聞いた50歳上の彼氏は「勇気がある」と感心し、星子との結婚を決意するという。
 
 
そして、そういう有象無象のやらかし、収拾がつかないアホどもを竜子の肝っ玉母さんっぷりが力技で解決していく。
 
申し上げたように昔のヒモと笠子のトラブルはバー「コスモス」に糞尿をぶちまけた竜子が終結させたし、突然現れた世間知らずな星子を一人前の踊り子になるまでサポートする面倒見のよさも持ち合わせる。
 
夫・金沢の“トルコ”通いを気にしない器の大きさ、踊り子たちを商売道具ではなく娘のように大事にする人情味、その他。
しっちゃかめっちゃかなストーリー展開も、“アウトローで生きる人たち”という名目だけでは収まらないほど常識はずれな登場人物たちも、竜子のパワフルさがすべて何とかしてくれる。
 
懸命に生きる自分たちを「売春斡旋」呼ばわりした刑事に涙を流しながら食ってかかる度胸を含め、主人公が最後まで判然としない今作の中でもっとも輝いたキャラと言える。
 

笠子が出て行った直後の竜子のセリフにグッときた。そして、金沢のダメさ加減がそれをより際立たせる

中でも僕がグッときたのが、生涯添い遂げると決めた照夫が妻子持ちだと知った笠子が出て行ったときの竜子のセリフ。

「99嘘ついても、肝心なとこ一つがホントならいいけどさ。その肝心なとこで嘘つかれたんじゃ、あとの99がホントでもあの子は我慢できないんだよ」

軸がブレッブレで常識はずれの有象無象ばかりが登場する今作だが、竜子のこのひと言によって芯が1本バシッと通った印象である。
 
 
マジな話、このセリフとバー「コスモス」に糞尿をぶちまけるシーン、星子を迎えに行った先で刑事に食ってかかるシーンの3つだけでも今作を観る価値はあると思う。
それくらい「喜劇 女は男のふるさとヨ」における竜子のキャラは群を抜いていた。
 
映画「るろうに剣心」が“惜しい”理由。詰め込んだなぁ。斎藤一は必要でしたかね? 100点満点のアクションも“フワッと牙突”で台無しに笑
 
そして、それをさらに際立たせているのが夫・金沢のダメさ加減。
 
照夫の実家が資産家だと知り、うまくやれば5000万円が転がり込むと知ったときの表情と言ったら……。あそこまでわかりやすく両目が「$」になるヤツが今までおったんかい! という話でww
 
しかも、上述の竜子の決めセリフを聞いた直後に「しかし、もったいなかったなぁ」と呟いてしまうダメ人間っぷり。
 
さらに竜子が星子を迎えに行った翌日には、やっぱり“トルコ”でなじみの女の子と寿司を食いながら事の顛末をベラベラ喋っているという。
 
いやお前、何で寿司食ってんだよ笑
 
要はストーリーを整理するためのフック的なシーンなのだとは思うが、さすがに身内のプライバシーを赤の他人にあそこまで明かしてしまうのは……。
 
 
女好きでだらしないダメ亭主とパワフルで面倒見のいい姉御肌な妻。
クソほどベタな組み合わせではあるが、それが今作を単なる喜劇以上の人間臭い名作に昇華させた根幹となっている気がする。
 

倍賞美津子の美貌は必見です。脱ぎまくる踊り子の中で1人だけ肌の露出がほとんどないw

ちなみにだが、今作で僕がもっとも驚いたのは倍賞美津子の美貌
 
最初に「笠子の美貌と存在感で『主役はコイツ』と確信した」と申し上げたが、冗談抜きで今作の倍賞美津子はダントツに美しい。
 
僕自身、倍賞美津子については“優しそうなおばちゃん”という印象しかなかったのだが、若いときはこんなにすごかったんかい!! と。
 
「アントニオ猪木の元奥さん」くらいの知識しかなかったせいで完全に油断していたが、これはガチですごい。
 
自分の美貌をよく理解しているというか、溢れ出る“宝塚感”を抑えることができない(宝塚じゃねえけど)。決して演技がうまいとは思わないが、凄まじいまでの「私、綺麗ですけど何か?」オーラに思わずひれ伏したくなるww
 
僕の中での「昔の映像を観て度肝を抜かれた女優No.1」は松坂慶子だったのだが、もしかしたら今作の倍賞美津子はその座を塗り替えるかもしれない(お前のさじ加減だろ)。
 
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てか、ホントにすごかったですよね倍賞美津子。
 
作中にストリップのシーンも結構あったのだが、ブランドイメージを守るためか知らんが倍賞美津子だけは肌の露出がほとんどない。
周りの踊り子たちが豪快に脱ぎまくっている分、色々な意味で格が違った()
 
 
逆にアレか。
年齢を重ねて味が出てきた女優の代表格は岩下志麻と原田美枝子かなぁ。
 
まあ、これを言い出すと趣旨が変わってくるのでやめておきますが。
 
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