紆余曲折の末にカネロvsゴロフキン再戦決定。デービスvsクエジャル、ベルチェルトvsバロス、ダラキアンvsヨドモンコン圧勝づくめ振り返り
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サウル・“カネロ”・アルバレスvsゲンナジー・ゴロフキンの再戦が、すったもんだの末についに2018年9月16日に開催されることが決定した。
「アルバレスvsゴロフキン再戦を予想する。まあ、いろいろなことは水に流して楽しくいこうやww」
当初、2018年5月に予定されていたこの試合。
カネロの禁止薬物陽性やゴロフキンの報酬釣り上げなど、問題山積によって開催自体が危ぶまれていた。
だが、何としても興行を実現させたいGBPのオスカー・デラホーヤが根気強くゴロフキン陣営を説得。やっとのことで正式合意に至ったとのこと。
聞くところによると、ゴロフキンの首を縦に振らせるためにデラホーヤ自身が身銭を切ったとか。
制御不能なモンスターと化したカネロと、最低限のリスペクトを求めるゴロフキン。
膨れ上がった自我を最後に解決したのは、やはりお金だったということか。
「嗚呼ゴロフキンww マーティロスヤンがんばったけどな。ゴロフキンの衰え? あると思います」
まあ僕としては、一連のゴタゴタには心底うんざりしていたのでどうでもいいっちゃあどうでもいいのだが。
それでも試合は観るとは思いますが。
「ゴロフキンが求めていたのは金ではない。尊敬だ」という報道を見かけた記憶もあるが、う〜ん……。それもどうなんだろうか。
ゴロフキン陣営は交渉の席でビリー・ジョー・サンダースとの統一戦をチラつかせたというし、サンダースが決まっていた試合を寸前でブッチしたのもそれが理由か? とも言われている。
しかも、肝心の統一戦は交渉のダシに使われただけで実現しないという。
突然代役に任命されて、階級違いの最強王者にボッコボコにされたマーティロスヤンも災難っちゃあ災難だった。
で、一番割を食ったのがサンダースに挑戦するはずだったマーティン・マレー。
あの人、何だかんだで2度もサンダースに袖にされてますからね。
ゴロフキンが尊敬を求めた?
ハッハッハ!!
笑わせんなよ。
これだけ周りをかき回しておいてよく言うぜww
「ベストバウトきました。テイラーvsポストル興奮したわ〜ww ポストルに感動したかな。どっちもよかったけど」
いや、でも待てよ?
マーティン・マレーは2015年のタイトルマッチで、逃げに徹した末にゴロフキンにKO負けを食らうというクソ試合を披露した経緯がある。
あれ以来、僕はマーティン・マレーのことが大嫌いなのだが、その因果応報が今回だと考えれば……。
つまり、一番悪いのはマーティン・マレーってことだな(←?)。
よしマーティン・マレー、お前は謝れ。
全世界に謝れ。
可及的速やかに。
というわけで(どういうわけ?)、先週末までの気になった試合を適当に振り返っていこうと思います。
「岩佐亮佑、ドヘニーとのV2戦。なかなか厳しそうだけどがんがれ。前回のサウロン戦はノーカンでいいから」
〇ジャーボンティ・デービスvsヘスス・クエジャル×
2018年4月21日、WBA世界S・フェザー級スーパー王座決定戦。
3R2分45秒TKOでデービス勝利。
まずはこの試合。
ちょっと時間が経ってしまったが、先日WOWOWエキサイトマッチで視聴したので感想を。
「ライアン・ガルシアとかいう右構えの清水聡がジェイソン・べレスに苦労しつつも3-0で勝利。打倒デービス? マジで?」
正規王者にアルベルト・マチャドがいるのに、なぜスーパー王座決定戦?
前戦で体重超過をやらかしたデービスがなぜいきなりタイトルマッチ?
この試合については開催自体が納得いかない旨の声も多数聞かれたが、内容には大満足。
というより、単純にデービスがすごかった。
2Rにボディを突き刺してダウンを奪い、そこからは一方的な滅多打ち状態。
たっぷりダメージを蓄積させ、コーナーでパワフルな連打を浴びせてレフェリーストップを呼び込む。
「ロマチェンコvsペドラザ。オラつけペドラザ。そうすりゃ意外とおもしろくなる(勝てるとは言ってない)から」
ファンマ・ロペスやダルチニャンに勝利し、アブネル・マレスに判定まで粘った強豪クエジャルをまったく相手にせず。
文句のつけようのないパーフェクトな勝利である。
「サンタ・クルスvsマレス再戦感想。興味なかったけど予想外におもしろかった。ラッセルJr.と統一戦ってマジ?」
と言っても、この試合はクエジャルにはキツかったかなと。
射程の外側から単発の右リードを出すが、スピードもなく踏み込みも浅いのでデービスには届かない。
軽くバックステップで外され、すぐさま強烈なカウンターを被弾。
そして、基本的にやっていたのはほぼこれだけである。
クエジャルは手を出すたびにデービスのカウンターをもらい、どんどんダメージを蓄積させていく。
手を出せば出すだけ被弾が増え、怯んで手数が減ったとたんにデービスの猛打の餌食になる。
にっちもさっちもいかない状況でコーナーにくぎ付けにされ、ガードの上からパワフルなフックをもらってジ・エンド。
「ダニエル・ローマン危なげなく勝ったなオイ。フローレスが残したものは体重超過とデカい掛け声だけ…」
カウンター使いのデービスにとって、射程が短く連打も出ないクエジャルは完全にいいカモだった。
アレをやるならクエジャルはもう1歩中に入りたいのだが、デービスの圧力が強くそれもできない。
マジでどこにも突破口が見つからなかった。
「サンキューコバレフ、お前はサイコーだった。アルバレスに7RKO負けで王座陥落。クラッシャーの終焉か?」
〇ミゲール・ベルチェルトvsジョナサン・バロス×
2018年6月23日、WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ。
3R1分53秒TKOでベルチェルト勝利。
日本の三浦隆司に勝利したミゲール・ベルチェルトの3度目の防衛戦。
相手は元WBAフェザー級王者ジョナサン・バロス。2016年に日本の細野悟に勝利し、リー・セルビーのタイトルへの挑戦経験を持つ。
って、S・フェザー級?
バロス、いつの間に階級アップしたんだ?
などと思いつつ。
「ウォーリントンvsセルビー。お互いがクソ意地張りまくった名試合。目まぐるしくて脳みその処理が追いつかん」
そして、これまた一方的な試合で……。
開始直後から距離の測り合いを繰り広げる両者。
お? これは長引くか? と思っていたら、ベルチェルトがあっさりタイミングを掴んでグイグイ距離を詰める。
全身を伸ばすようにして打ち込む得意の連打でバロスを後退させ、ロープ際でさらに回転数を上げる。
挑戦者のバロスは、リーチはあるが基本的には大振りの単発タイプ。
追い足もなく、打ち終わりのケアもヌルい。
ベルチェルトの高速の連打にまったくついていけず、空いたところを打たれまくる最悪の展開が続く。
「ベルチェルトに三浦隆司完敗……。対策されてたなぁ。何もさせてもらえなかったなぁ」
まあ、ベルチェルトはこういうタイプは大得意ですよね。
フットワークもなく、三浦隆司ほどのパワーもない。そもそものハンドスピードが違うので、攻防のつなぎさえ気をつければ反撃の隙を与えることもない。一方的にタコ殴りにできる美味しい相手というヤツ。
何となくだが、今回は相手を厳選したかな? という印象が強い。
「エロール・スペンス1RKO勝利。おいおい強杉かww でもオカンポのスペンス対策も間違いじゃなかったよね」
なお、以前にも申し上げた記憶があるが、ベルチェルトvsジャーボンティ・デービスの組み合わせはなかなかおもしろいと思う。
あの突進力とリーチ、ハンドスピードなら、恐らくデービスのカウンターより先にベルチェルトのパンチが届く。
逆に左を起点に連打を発動するベルチェルトが、サウスポーのデービス相手にこれまでと同じことができるのかも興味深い。
実現性の有無は不明だが、もし決まればテンションが上がり倒す統一戦になりそうな……。
「カネロvsゴロフキン再戦感想。最強王者を真っ向勝負で上回ったカネロ。前回を超える感動的な試合」
〇アルテム・ダラキアンvsヨドモンコン・CPフレッシュマート×
2018年6月17日、WBA世界フライ級タイトルマッチ。
8R2分54秒TKOでダラキアン勝利。
はい。
最後はこの試合。
2018年2月のSuperfly2でブライアン・ビロリアに勝利し、戴冠を果たしたダラキアンの初防衛戦。
変則パワフルなダラキアンが、指名挑戦試合を圧勝でクリアした一戦である。
以前にも申し上げたのだが、僕の中でのダラキアンはいわゆる小型版ロイ・ジョーンズ。
「ダラキアンvsビロリア、ニエテスvsレベコ、ビーモンvsラモス、ラミレスvsアメドなど。やっと観たのでまとめて感想」
遠い間合いから一足飛びで距離を詰め、パワフルな1発目のフックから連打につなぐ。
バランスを崩さずサッと離れ、そのまま射程の外側に退避する。
避け勘もよく、ヨドモンコンのような追い足のない単発タイプがこの選手をつかまえるのは至難の業である。
今回も激しい出入りで山ほどパンチを当て、ほとんど反撃を許さずストップを呼び込む試合運びはお見事だった。若干パンチ力不足な面もあるが、この選手の身体能力の高さは普通にすごい。
あえて欠点を挙げるなら、離れ際に一瞬棒立ちになることくらいか。
打ち終わりに顎が上がったまま至近距離に留まる瞬間があるので、そこを狙われたらちょっと危ないかな? みたいな。
「木村翔はワシが育てたww ゾウ・シミンにアウェーでジャイアント・キリング!! 大観衆の前で中国の英雄にTKO勝利」
そして、見れば見るほど井岡一翔戦が実現しなかったのが残念だった。
恐らくダラキアンは井岡にとっての天敵タイプ。それこそアムナット・ルエンロエン戦よりも難しい試合になったのではないか。
リング上を飛び回るダラキアンに、井岡がどう対応するかはマジで観てみたかった。
また現役選手で言えば、vs田中恒成にはめちゃくちゃ興味がある。
前戦のバルドナド戦で見せたパワフルなプレスが、ダラキアン相手にも通用するか。
例のロマチェンコもどきのステップで対抗するより、ガードを上げて距離を詰める方がダラキアン相手には可能性があるように思えるのだが。
「田中恒成ええじゃないですか! バルドナドを9RTKOで下し、フライ級初戦を飾る。木村翔戦は…全然わからん」
ゾウ・シミンのせいで身動きが取れない木村翔を待つより、思いきってダラキアンに方向転換してもいい気がしている。
なお、体重超過でサスペンド中の比嘉大吾は……。
まあ、いいや。
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