ベテルビエフ怖えよ笑 顔面流血の冷血漢。マーカス・ブラウンをボロ雑巾に。お前の血も赤かったんだな…。ひょっとしたら危ないんじゃないか? とか言ってスマンw【結果・感想】

ベテルビエフ怖えよ笑 顔面流血の冷血漢。マーカス・ブラウンをボロ雑巾に。お前の血も赤かったんだな…。ひょっとしたら危ないんじゃないか? とか言ってスマンw【結果・感想】

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2021年12月17日(日本時間18日)、カナダ・モントリオールで行われたWBC/IBF世界L・ヘビー級タイトルマッチ。同級統一王者アルツール・ベテルビエフがWBC同級1位マーカス・ブラウンと対戦し9R46秒KO勝利。見事王座防衛(WBC2度、IBF5度)に成功した試合である。
 
 
16戦全勝16KOのパーフェクトレコードを継続中のアルツール・ベテルビエフが迎えた約9か月ぶりの王座防衛戦。
挑戦者マーカス・ブラウンは2019年8月にジャン・パスカルに敗れてキャリア初黒星を喫したものの、2021年4月にデニス・グラチェフに判定勝利を収めて再起に成功した強豪である。
 
 
試合は足を使いながら細かいパンチで距離を取るブラウンに対し、王者ベテルビエフはガードを上げてじっくりプレッシャーをかける。
1Rこそブラウンがスピードと左右への動きで上回ったが、2Rに入ると早くもベテルビエフがブラウンを射程内に捉え始める。
 
中盤以降、完全にペースを掴んだベテルビエフは7Rにボディからの右でダウンを奪うと、9Rにもロープ際でのアッパーでブラウンに膝をつかせる。何とか立ち上がったブラウンだがダメージは深刻。明らかに目の焦点が合っていない。
 
それを見たレフェリーが両腕を交差して試合をストップし、ベテルビエフの勝利を宣言した。
 
ベテルビエフvsアンソニー・ヤードは僕がL・ヘビー級が好きな理由が全部詰まった試合。素で人間辞めてるヤツらが技術まで実につけちゃったw
 

ベテルビエフ陥落もあるかも? と思っていた時期が僕にもありました

アルツール・ベテルビエフvsマーカス・ブラウン。
 
16戦全勝16KOのパーフェクトレコードを継続中の重量級の倒し屋アルツール・ベテルビエフ。
2019年10月のオレクサンデル・グヴォジク戦でのKO勝利は(僕の中での)ベテルビエフのベストバウトとして強烈に印象に残っている。
 
だが、その強さゆえになかなか試合が決まらず、プロモーターとのゴタゴタもあっていまいちキャリアが進まないのが悩みどころでもある。
 
しかも年齢もすでに36歳。
その強さに若干の陰りが見られるなど、そろそろ全盛期を過ぎつつもある。
 
僕も
「今回のマーカス・ブラウン戦は案外危ないんじゃねえか?」
「普通にやればベテルビエフだと思うけど、下降線に入りつつある中でのvs長身サウスポーというのは足元をすくわれる要素が多い気が……」
などと心配していた次第である。
それこそ3、4割の確率でベテルビエフ陥落もあり得るのでは? みたいな。
 
ドネアをさっさとよこしやがれ。12月にガバリョと統一戦決定? トリプル世界戦ってカシメロ、ニエテスもか? リチャード・シェイファー有能過ぎだろ笑
 
てか、この試合は現地時間12月17日に行われたとのことで、週末開催ですらなかったんですね。
 
“化け物の巣窟”であるL・ヘビー級で全試合KOを継続する人外がここまで不人気というのもなかなか切ない話だったりする。
 

ベテルビエフはやっぱりベテルビエフ。マーカス・ブラウンは最初から圧力に飲まれていた気がするよ

結論から申し上げると、ベテルビエフの圧勝だった。
 
ベテルビエフはやっぱりベテルビエフだったというか、24勝1敗16KOの挑戦者を終始圧倒した上でのKO勝利。もしかしたら危ないんじゃねえかという僕の心配()をよそに危なげなく難敵を退けてしまった。
 
いや、やっぱりすげえなベテルビエフは。
顔面を鮮血に染めながら相手を追いかけまわす姿が怖え怖え笑
こんなパフォーマンスを見せてしまったら、またしても対戦相手探しに苦労させられそうな……。
 
 
まず今回の試合、挑戦者マーカス・ブラウンは開始直後からベテルビエフの圧力に飲まれていた(気がする)。
 
ゴングと同時に細かい右リードを連打するが、後ろ体重(へっぴり腰)で打ち出すパンチにはまったく威力がない。
前後左右にせわしなく動き回る姿からは「絶対にベテルビエフと正対したくない」「少しでも射程内にとどまったらあっという間にやられる」という恐怖が見てとれた(気がする)。
 
右リードをヒットすると同時にサイドに回り込み、ガードの外側から連打を浴びせる。
恐らくブラウンは2019年10月のオレクサンデル・グヴォジクと同様、スピードと手数で翻弄する作戦だったのだと思うが、残念ながら根本的なメンタルが後ろ向き過ぎた。
 
1Rこそポイントを取ったかもしれないが、とてもじゃないがこれを12R継続できるとは思えないというのが率直な印象である。
 

2Rからはさらに一方的に。左のフェイントで追い詰められ、右ストレートで顔を跳ね上げられる

2Rに入ると、案の定流れはベテルビエフに傾く。
 
前のラウンドよりも半歩ほど距離が詰まり、いきなりの右がブラウンの顔に軽くヒット。
前手の左でフェイントをかけつつ動ける方向を左のみに限定、鋭角にプレッシャーをさらにかけて追い詰めていく。
 
この左の使い方がもう……。
小刻みに動かして警戒心を煽りながら前進。遠い位置では真っすぐ、中間距離では外側から打ち込み徐々に圧力を強める。
 
これによってブラウンは右側への動きを封じられ、左側に回り込もうとした瞬間に待ってましたのタイミングで右が伸びてくる。
 
で、逃げ場を失いまっすぐ下がる以外にできることがなくなり、中盤以降どんどん手詰まりに。
ロープを背負わされて連打に耐える絶望的な時間が続く。
 
 
右サイドへの動きは前手の左で遮られ、左側へ逃げると右ストレートが飛んでくる。
かと言って、ベテルビエフの剛腕と近場で打ち合うなどあり得ない。
 
1発1発の威力で相手をビビらせることが大前提だが、それと同時に足を使う相手を射程に捉えるまでの過程が何とも素晴らしい。
 
正直、今回のマーカス・ブラウンは3Rの時点でアップアップだった。
 
アルツール・ベテルビエフvsディミトリー・ビボル。金の力は偉大やでw コバレフ、グヴォジク、ベテルビエフ、ビボルのL・ヘビー級4強時代のラストファイト
 

血塗れのベテルビエフ怖え…。お前の血も赤かったんだな。無表情でブラウンをフルボッコにする姿に背筋が凍る笑

4Rにクリンチ際でブラウンの右がベテルビエフの額を切り裂き(バッティングじゃないよね?)、そこからベテルビエフが顔面から血を滴らせながら腕を振る流血戦に突入するわけだが、それもまた……。
 
恐らくレフェリーからの確認? が入ったのだと思うが、そこからのペースアップがまあ怖い
 
フェイントを交えた多彩な左で圧力をかける→相手を正面におびき出した上で右ストレートにつなぐ流れは序盤と同様だが、一段ギアが上がったことでブラウンはさらなる窮地に。
 
今までよりも激しく動き1発1発のパンチにも力を込めるブラウンだが、ベテルビエフが止まる気配はない。
それどころか、ベテルビエフが右リードに左をカウンター気味で被せてくるせいでうかつに手を出せなくなる。
で、結局ロープを背負ってガードを固めるしかなくなる。
 
逃げ場のない至近距離で顔面を血に染めたベテルビエフに連打を浴びせられるなど、想像するだけで寒気がする笑
 
流血の向こう側に光る冷たい目がさらにホラー感を増幅させるというか……。
「お前の血も赤かったんかい!!」としょーもないツッコミを入れなければ直視できないほどの禍々しさである笑
 
ロマチェンコ無双キタコレ。リチャード・コミーを遊びながらフルボッコで大差判定勝利。性格の悪さを隠そうともしなかったよなコイツ笑
 
1発の威力で相手をビビらせ、左右のフェイントとプレスで逃げ場を奪う。
仕上げに入る前段階で顔面からの出血によりスイッチオン。
ここから先はただ視聴しているだけの人間(僕)ですら恐怖を覚える冷徹な暴力の時間帯が続く。
 
競技者としての実力と背筋の凍るような強さを高い次元で両立するアルツール・ベテルビエフはまさしく“最強”と呼ぶにふさわしい()
 

ベテルビエフ攻略にはやっぱりカウンターかな。グヴォジクとブラウンにはかなり差があった

この試合を観ると、ベテルビエフを攻略するにはやはりカウンターなのかな? と思う。
 
マーカス・ブラウンは右リードの鋭さに加えて前後左右への足もある。身長187cm、リーチ192cmとこの階級でも大柄な部類。
スペック的にはファイタータイプを12Rさばき切るものを持っていた気がするが、実際に可能性を感じさせたのは最初の1Rのみ。
 
オレクサンデル・グヴォジク:10RTKO負け
マーカス・ブラウン:9RKO負け
 
字面だけならオレクサンデル・グヴォジクと同じくらい粘ったように見えるが、内容には雲泥の差がある。
 
ベテルビエフvsグヴォジク何やコイツら気持ち悪っw フィジカルの暴力と超絶カウンター。あの打ち方であの効き方!?
 
動き出しを狙って左を打ち込むことでそのつどベテルビエフの前進をストップしたグヴォジクに対し、マーカス・ブラウンは基本的には自分から手を出している“だけ”。
 
ベテルビエフとしても、この右をきっちりガードすればパンチの戻りに合わせて距離を詰めることが可能になる。
 
また、フットワークと連打を両立できる&1発出すごとに連打を返せるのがグヴォジクの持ち味だが、ブラウンはどちらかと言えば攻防分離気味の単発が目立つ。
 
動いている間はまずパンチは来ない。
強いパンチを打つ際はしっかり足場を決める必要がある。
 
やろうとしていたこと自体はグヴォジクと似ていたが、攻略のしやすさという意味ではだいぶ差があったなぁと。
 
 
まあ、ベテルビエフの射程内であの剛腕にカウンターを合わせるだけでも相当な勇気を要するのだと思うが……。
 

そろそろビッグマッチを! でも実現は難しそう。ビボルとはプロモーターが違うし、カネロがベテルビエフを狙うのはたぶんもう少し先

正直、さすがのベテルビエフも数年前に比べれば最大出力は落ちている(と思う)。
今のままの試合間隔が続けばどこかで足元をすくわれるかも? という思いは変わっていない。
 
 
なので、なるべく早い段階でオレクサンデル・グヴォジク戦に続くビッグマッチをだな……。
 
ところが現状候補として考えられるのはWBA王者ディミトリー・ビボルとS・ミドル級統一王者サウル・“カネロ”・アルバレスくらい。
 
マッチルーム傘下のビボルとトップランク所属(2019年にDAZNを離脱)のベテルビエフでは対戦までのハードルがそこそこ高そうだし、カネロがベテルビエフをロックオンするのは恐らくもう少し先。
 
カネロvsプラント、モグラ叩きみたいな試合。あっちを隠せばこっちを打たれ、こっちを隠せばあっちを打たれ。プラントもがんばったけど最後に決壊してアディオス
 
結局「最高の試合は同郷のオレクサンデル・グヴォジク戦でした」という結末を迎えそうな気もするが、このレベルの選手のキャリアがそれで終わってしまうのは何とももったいない(ボクシングらしいとも言う)話である。
 
元WBC王者のアドニス・スティーブンソンもそんな感じだったしね。
 
でもアレか。
ベルセンターの真っ赤なリングでスティーブンソンやベテルビエフが対戦相手をKOする光景には既視感がある上に何だかんだで会場の盛り上がりもすごい。そう考えると、地元のヒーローとしての需要は普通に高いのかもしれませんね。
 
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