ベナビデスvsモレルのデビッド対決はベナビデスの勝利。階級アップによってベナビデスの器用さが際立った。この俺様ファイトがどこまで通用するか【結果・感想】

ベナビデスvsモレルのデビッド対決はベナビデスの勝利。階級アップによってベナビデスの器用さが際立った。この俺様ファイトがどこまで通用するか【結果・感想】

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2025年2月1日(日本時間2日)に米・ネバダ州ラスベガスで行われたWBA世界L・ヘビー級タイトルマッチ。同級王者デビッド・モレルに現WBC同級暫定王者デビッド・ベナビデスが挑戦、3-0(115-111、115-111、118-108)の判定でベナビデスが勝利しWBA王座戴冠を果たしている。


スティーブン・フルトンvsブランドン・フィゲロアVol.2と同日メインイベントとして組まれたこの試合。
 
スティーブン・フルトンがブランドン・フィゲロアに勝利し2階級制覇。フィゲロアは作戦をミスったの? フルトンは出来がよかったし、井上尚弥はよくこの人を圧倒したな笑
 
僕はいつも通り(?)リアルタイム視聴はできずに後追いで観たのだが、今回はその感想を。
 
というより実を言うとフルトンvsフィゲロア戦がメインだとばかり思っていた笑
WOWOWの番組表を見て初めて「あ、ベナビデスとモレルなんだ……」となったことをお伝えする。
 
 
まあ、前回のフルトンvsカルロス・カストロ戦のガラガラっぷりを考えればメインなわけはないのだが。
 

L・ヘビー級は全階級で一番おもしろい。適度に不人気なのでビッグマッチも決まりやすい笑

まず僕は全階級の中でL・ヘビー級が一番おもしろいと思っている。
2024年10月のアルツール・ベテルビエフvsディミトリー・ビボルの頂上対決には上と下で同時に漏らすほどテンションが上がった。
両者の再戦が間近に近づいているが、噂ではこの試合の勝者とベナビデスの統一戦があるとかないとか。
 
ベテルビエフ相手にアウトボクシングで逃げ切ったのはビボルだけ。アウトボクシングするビボルをあれだけ疲弊させたのはベテルビエフだけ。頂上決戦過ぎてヨダレが止まらないw
 
L・ヘビー級はヘビー級やウェルター級のような人気階級ではない分ビッグマッチも決まりやすい。
そこにサウジアラビアの王子様がジャバジャバ大金をぶち込むおかげでよりマッチメークがスムーズになっている笑
 

階級アップによってベナビデスの器用さが際立った。カネロが試合をしたがらないのもわかる笑

試合の感想としては
「やっぱりL・ヘビー級っておもしろい」
「ベナビデスって結構細かいことをやってるね」
主にこの2つである。
 
 
ガードを上げてプレスをかけるベナビデスをモレルが真正面から受けて立つ。
 
モレルは1発1発に力を込めてベナビデスの前進を止める。
ベナビデスは長い腕をうまく使ってモレルの強打を受け流す。
 
サウスポーのモレルがどこまでアウトボクシングで対抗できるか、ベナビデスが持ち前の馬力を発揮できるかが見どころだったわけだが、実際にはそうはならず。
 
モレルは思った以上に足を踏ん張ってパンチを打つ、ベナビデスは思った以上にディフェンスがうまい。
 
特にベナビデスの相手の力を吸収する、いなす能力の高さは「へえ~」と思った。
さらに当て勘もよくガードの間を通して再三モレルの顔面を跳ね上げる。
上体反らしやバックステップで距離を測ったりと柔軟性もある。
 
僕は勝手にベナビデスをパワー偏重の剛腕タイプという印象を持っていたが、実は芸が細かく器用な選手。
これまではフィジカル強者っぷりに隠れていたものが階級アップによって明るみに出たというか。
 
今のカネロがこの選手と対戦したがらないのもわかる気がする笑
 
カネロvsエドガー・ベルランガ。カネロは至近距離での差し合い、左の多彩さは健在だけど、全力で動ける時間が短くなったか? ベルランガはガチガチだったね
 

攻撃のバリエーションも豊富で強弱もある。同じ剛腕系の佐々木尽がこの器用さを身につければ…

またベナビデスは攻撃のバリエーションも豊富。
 
ボディ、顔面への打ち分けがスムーズで力みもない。
ダメージを与えるためのパンチとガードを動かす? ズラす? ためにフワッと打つパンチの使い分け、強弱もいい。
片方の手でガードをどけたりといったグレーなテクニック? もちょいちょい見せる。
 
ノシノシ圧力をかけて強打を振るう剛腕系だが、その強打がナチュラルに柔らかい&相手の力を吸収する防御力も高い。
この辺はマジで天才なのだと思わされる。
 
似たようなタイプとして日本の佐々木尽が思い浮かぶ。あの選手がベナビデスのようなバリエーション、強弱を身につければあっという間に一段上にいけると思うが、現実的にそれが一番難しいんでしょうね……。
 
佐々木尽vs坂井祥紀戦。佐々木尽の豪快KOでスカッとしたかったけど。坂井祥紀のディフェンスマスターっぷりが…。“溜め”の大きい佐々木尽と流れるような連打の坂井祥紀
 

足を踏ん張って強打を打ち込むモレル。アンドラーデのやられ方を見て打ち合うしかないと判断した?

対するデビッド・モレルだが、上述の通りこちらは思った以上に足を踏ん張ってパンチを出していた。
 
連打は基本3発まで。
1発1発に力を入れ、ベナビデスの前進を正面から受け止める。
 
何となくだが、2023年11月にデメトリアス・アンドラーデがKO負けしたのが大きかったのではないか。
あの試合は当初「ベナビデスが有利では?」「でもアンドラーデが走り切る可能性もある」と言われていた(覚えがある)。
 
ところが試合が始まるとアンドラーデは早々にアウトボクシングを攻略され、ラウンドを追うごとに深いダメージを負い6Rについに決壊した。
 
モレル陣営もアンドラーデのやられ方を見て「ベナビデス相手に足を使って逃げ切るのは難しい」「正面から打ち合うしかない」と考えたのだと思う。
 
そのためには“動きながら打つ”“打ったら動く”では間に合わない。
足場を決めてスピードと威力を両立させなければ勝ち目はないと。
 
正面から打ち合えば被弾も増えるが、それ以上にパンチを当てれば。
致命的なダメージを抱える前にリードを奪う→逃げ切る作戦だったと想像する。
 
ルイス・ネリvs亀田京之介は京之介を応援する。その方がおもしろそうだから。厳しいと思うけどがんばれ。阿部麗也、清水聡をごぼう抜きしてイキり倒す京之介を見たいぞ笑
 
それでも5、6Rあたりで息切れし、後半にいくにつれて守る時間が長くなっていった。
11Rに奪ったダウンもどちらかと言えば押し倒しただけの印象。明確なダメージを与えた感じではない。
 
ボディを効かされ、アッパーで顔面を跳ね上げられ、しんどいなかでも反撃を続けたのは文句なしにすごい。
ただ、試合自体はずーっと劣勢だったなぁと。
 

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ベナビデスの自己中俺様ファイト。アレがベテルビエフ、ビボルにも通じるかに注目ですね

そして改めてL・ヘビー級はおもしろい。
 
以前「デビッド・ベナビデスは“自分は絶対に正しい”と思ってる人間」だと申し上げたが、今回もそれが随所に見える試合だった。
 
デビッド・ベナビデスは“自分は絶対に正しい”と思ってる人間だよね。デメトリアス・アンドラーデを6RTKOで初防衛に成功。これはカネロも危ないかもしれん
 
モレルが強打を打ち込むたびにニヤッと笑って同じような連打を返す。
近場でボディ、顔面への打ち分けをもらえばそれをそのままやり返す。
モレルのペースアップによって防御を強いられた場合は強引にアクセルを吹かして自分のターンでラウンドを終える。
 
常に倍返ししなくては気が済まない俺様ファイト。
正面に立って勝負するモレルと同じ土俵でねじ伏せにかかる自己中っぷり。
 
階級アップによって怪物感はやや薄れたが試合の見応えは増した(気がする)。
ベテルビエフやビボルにこの俺様ファイトが通用するかはマジで楽しみである。
 

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アウトボクサーがL・ヘビー級で頂点に立つのは難しい? トップ層が超人すぎて…

またこの階級でアウトボクサーが頂点に立つのはかなり難しい印象。
 
ベテルビエフとビボルにセルゲイ・コバレフを加えたロシア、旧ロシア勢の超人っぷりがエグすぎて、「足を使って~、ジャブで距離を取って~」を12Rやり切るのはほぼ不可能。
今回のデビッド・モレルもベテルビエフに挑戦したマーカス・ブラウンも、コバレフと2度対戦したジャン・パスカルも最終的に圧力に飲み込まれている。
 
ベテルビエフ怖えよ笑 顔面流血の冷血漢。マーカス・ブラウンをボロ雑巾に。お前の血も赤かったんだな…。ひょっとしたら危ないんじゃないか? とか言ってスマンw
 
それこそ彼らを抑えるには同じ旧ロシア系のオレクサンドル・グウォジク並みのフットワークと連打が必要になる。
極論、リングの広さと体格、スピード&パワーのバランスを考えるとL・ヘビー級でアウトボクサータイプが頂点に立つのは不可能なのでは? と思ったり。
 
下降線に入ったコバレフに2度勝利してさっさと引退したアンドレ・ウォードは本当にクレバーだった。
 
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