朝倉未来vs平本蓮感想。左を当てるための対策を重ねた平本蓮。トラウマ? で縮こまった朝倉未来。やっぱり斎藤裕Vol.1かな。挫折を糧に成長する機会を失ったのが…
2024年7月28日にさいたまスーパーアリーナで開催された「超RIZIN.3」。
メインイベントのフェザー級5Rマッチで朝倉未来と平本蓮が対戦、1R2分18秒TKOで平本蓮が勝利したわけだが。
この試合が公式YouTubeにアップされたので視聴した次第である。
ちなみに今回の超RIZIN.3で唯一僕の興味をひいたのは第4試合のRENAvsケイト・ロータス戦。
順当にRENAが勝てば大晦日にようやく伊澤星花vsRENA戦が実現する。同時にケイト・ロータスvsシン・ユリ戦が組まれる可能性も高い。
誰もが思いつくシナリオ(笑)を僕も期待していた。
もっと言うと、
・伊澤星花vsRENA
・ケイト・ロータスvsシン・ユリ
に加えて
・金原正徳vsファン・アーチュレッタ
が決まれば完璧である。
最近の金原の言動を聞くとどうやら現役続行の火は消えていない。
投稿者: @kinchan_alphaThreadsで見る
手術を控えているとのことなので大晦日出場の可能性は低いと思うが、どこかの時点で復帰してもらえれば。
金原にモチベーションが残ってるなら大みそかに金原正徳vsフアン・アーチュレッタの敗者復活戦やってほしいけどな。
このままだとホントにRIZINフェザー級トップ戦線がよく知らん海外勢ばっかりになっちゃう。https://t.co/gNwBzTTf1J
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) June 11, 2024
金原正徳の負けがショックで整理がつかん。悔しすぎてインタビューも聞かずに帰ったw 鈴木千裕が勝つならコレだよね
そんな感じでできればRENAvsケイト・ロータス戦も公開してほしかった笑
まあ、それはそれとして。
今回は表題の件、朝倉未来vs平本蓮戦の感想を言っていくことにする。
平本蓮がすごかった。左を当てるための対策を山ほど練ってきたんだろうな
まず何より平本蓮がすごかった。
実質勝負ありとなった左のカウンター。
サイドにステップしてからカクっと方向転換→視界の外側から左をぶち込み、掴む余裕を与えず連打を浴びせる。
この連打もめちゃくちゃ速い上にスムーズで、グロッキー状態の朝倉は再び左フックを合わせられてダウン→上からのパウンドでレフェリーストップという。
朝倉未来が得意とする右フック、左右への動きに合わせる練習を重ねてきたのだと思うが、それを最初の1回目でパーフェクトに決めてしまうのはとんでもない。
同じストライカーでも感覚と理論の融合で戦う鈴木千裕と違って平本は研究を重ねて緻密に組み立てるタイプだとか。今回はそれがモロにハマった印象である。
メイウェザーとのボクシングマッチやYA-MANとのキック等、スタンドでの対策を山ほど練ってきたのだろうと。
朝倉未来vsYA-MAN感想。試合後のゴタゴタがアレすぎる件。インパクトのデカさに本人のキャラが追いついてない。これなら予定調和の3Rドローでよかったろ
過去の試合を振り返ると平本の研究の成果が感じられる。ドミネーター戦はびっくりしたよね
また過去の試合と比べても平本の研究の成果? が感じられる。
MMAデビューから3戦、鈴木博昭戦まではオーソドックスで構えていて距離も近い。
得意の打撃を活かすためだとは思うが、K-1時代から接近戦が得意だったせいか腰が高くタックルに入られやすい部分もあった。
2022年3月の鈴木千裕戦などは“MMAの打撃”で差をつけられた感じである。
ところが2022年11月の弥益ドミネーター聡志戦以降は左構えで対峙する。
平本蓮vs弥益ドミネーター聡志感想。まさかの平本覚醒。“待ち”に徹することで得意の打撃を最大化。次戦の相手はアイツしかいないんじゃない?
空手を取り入れたことでMMAにおける打撃のコツを掴んだとか。
”武道空手で勝てた”平本蓮、師匠・岩崎氏「黒帯になればさらに次元超える」#平本蓮 #剛毅會空手 #RIZIN #岩崎達也 #弥益ドミネーター聡志https://t.co/CS07Ntjffd
— eFight(イーファイト)格闘技&フィットネス情報 (@efight_twit) November 6, 2022
後ろ重心で“待ち”に徹することでドミネーターのタックルを切りまくる&カウンターで迎撃しまくってみせた。
リングよりも広いケージファイトだったのもあるが、これまでとガラッと変わった平本のスタイルはかなりの衝撃だった。
だが後ろ重心でどっしり構えるやり方はどうしても攻め手が限られてしまう。寝かされる頻度は減ったが、先に手を出させることが前提なので一定以上の相手に同じ作戦が通用するかは何とも言えない。
で、2023年4月の斎藤裕戦では(ドミネーター以上の)斎藤のタックルを防ぎ切れずに判定負け。
先日の久保優太は前蹴りで斎藤をダウンさせたが、散々テイクダウンに苦しんだ平本は腰より上に足を上げることすら嫌だったのかもしれない。
久保優太vs斎藤裕感想。久保優太に度肝を抜かれた。平本蓮より衝撃度は上。完成度はキックからの転向組の中でNo.1じゃない? 那須川天心に匹敵する天才なんだろうな
上記を踏まえて朝倉vs平本戦を再視聴。試合がさらにおもしろく感じる
上記を踏まえて朝倉未来vs平本蓮戦を再視聴するとよりおもしろい。
斎藤戦やドミネーター戦ほど後ろ体重でもなく極端な“待ち”に徹しているわけでもない。
小刻みに前後に動きつつ、若干腰を落として膝のバネを使える状態を保っている。
朝倉未来は斎藤裕やドミネーターのようなタックラーではない。
射程のギリギリ外をキープしながら打撃で勝負する展開に持ち込めば十分勝機はある。
一点突破の左をぶち込むために横に動きながら距離を詰める練習、右フックに左を合わせる練習をひたすら反復してきたと想像する。
安保瑠輝也vsマニー・パッキャオ感想。「ボクシングは甘くない」風に言うなら「いくらレジェンドでもちょろっと練習したくらいで勝てるほどキックのトップ選手は甘くない」
朝倉未来のフィジカル面が落ちたかはよくわからない。むしろメンタルの影響が大きいような…
一方の朝倉未来だが、僕はこの人が衰えたのかはよくわからない。
メイウェザーやYA-MANにKOされたことで打たれ弱くなったという話も聞くが、今回もそれが当てはまるかは不明。
あのタイミング、角度でカウンターをもらえば誰でもピヨると思うのだがどうだろうか。
「反応が悪くなった」に関しても何とも言えない。
試しに2019年4月ノルイス・グスタボ戦を観てみたが、明確な衰えがあるかは……。
ちなみにこの「RIZIN.15」は僕が初めてRIZINを現地観戦した日でもある。
振り返ってみるとマネル・ケイプ、村田夏南子、イリー・プロハースカといったUFCへの移籍組が出場していて隔世の感がある笑
「RIZIN.15 試合結果一覧」
申し上げたように朝倉未来のフィジカル面が落ちているかは僕にはわからない。
ただ、負けが込んだことでメンタルに影響が出たというのはありそう。
この辺は金原正徳の見解が一番納得がいく(どんだけ金原好きなんだよ笑)。
今までの試合に比べてテイクダウンにいくべき場面でいかない、サークリングしながらも手が出ていないと感じたとのこと。
これは負けが続いたことでメンタルが後ろ向きになっている可能性が高い。やられた場面がフラッシュバック? して「ここぞ」の局面で縮こまってしまうと。
確かに2021年10月の萩原京平戦ではスムーズなタックルを連発している。
・萩原は自分からくるタイプで距離も近い
・サウスポーvsオーソドックス
といった違いはあるが、今回の平本戦は“悪い意味”での警戒心が感じられる。
ドミネーター聡志がタックルを切られまくったことや、(自分よりもテイクダウン能力の高い)斎藤裕が倒すのに苦労していたこと。
クレベル・コイケに失神させられたり、ヴガール・ケラモフに瞬殺されたりとグランドで完敗を喫していること。
そこにメイウェザーやYA-MANに打撃でKOされた経験? トラウマ? が重なり前に出られなくなったのではないか。
言い訳の余地なしの未来vsケラモフ、大番狂わせの鈴木千裕vsパトリシオ、納得の扇久保vsアーチュレッタ。クレベル、ケラモフに対抗できるのって結局金原だけじゃ?
いや、もうね。
いったん恐怖心が染みつくとなかなか払しょくできないのよ。
どれだけ自分に言い聞かせてもその状況になると「うっ」てブレーキがかかっちゃう。
マジでかかっちゃう。
練習や本番で反復して乗り越えるしかないんだけど、ヘタしたら年単位で苦労するパターンもある。
頭部を殴り合う格闘技ならなおさらですよね。
朝倉未来が一番勢いがあったのは2019年。たとえばグスタボ戦直後にYouTubeを初めていなければ…
RIZINのHPで朝倉未来の戦績を眺めているが、この人が一番勢いがあったのはルイス・グスタボ、矢地祐介、ジョン・マカパに3連勝した2019年だと思う。
グスタボ、矢地という階級上の脳筋ファイターを手玉に取り、ジョン・マカパを得意のカウンターで切り刻んだ1年。
2020年2月のダニエル・サラス戦を入れると4戦連続でスタンドで勝負できる相手をチョイスしてくれたのも大きい。
ところが次の斎藤裕戦(フェザー級タイトルマッチ)でまさかの判定負けを喫する。
案外グランドに弱点がある、カウンターを怖がらずにタックルを仕掛けられると崩されやすいことを露呈した。
たとえばこの時点でグラップラー対策に注力していれば。
もっと言うと、ジョン・マカパに勝った勢いのままベラトールに参戦していれば。
極論、グスタボ戦のあとにYouTubeを始めずにより格闘技にのめり込んでいれば。
挫折を糧に這い上がる機会がなかったのが残念。存在が大きくなりすぎたせいで自由が利かなくなった?
現地観戦した「RIZIN.17」、矢地祐介戦での煽りVで朝倉未来が「YouTubeの収益が月400万円くらい」と言っていた覚えがある。
あのひと言がきっかけで格闘家がこぞってYouTubeを始めた(と思う)わけだが、やはり「月400万」という数字には相当なインパクトがあった。
格闘家はファイトマネーがすべてではない、セルフプロデュース次第でいくらでも裕福になれると示した功績はめちゃくちゃ大きい。
手広くビジネスをやるようになって格闘技に影響が出たかは知らん。
だが、ターニングポイントとなった斎藤裕戦(一段上のグラップラーに負けた)からの成長を妨げたというのは大いにありそう。
存在が大きくなりすぎた結果、求められるものも大きくなって自由が利かなくなったというか。
太田忍や久保優太、平本蓮、山本美憂のように挫折を糧に這い上がる機会が得られなかったのが……。
それこそ同じ負けるにしてもメイウェザーやYA-MANの打撃でダメージを負うよりベラトールでグラップラーに極められる方がはるかによかった(本人のプライドが許さないかもしれないけど)。
前田日明が言うには持って生まれた才能はとんでもなかったらしいので。
競技レベルの向上と競技人口は関係ない。前田日明パイセンの「素質のある海外の選手を連れてくれば日本人選手と一緒に成長できる」説はその通りだとオモタ
大好きな格闘技をきっかけに「人の意見を気にせず自分のやりたいようにやっていく」と言っていた朝倉未来が、その格闘技で自由が利かなくなったというのは皮肉な話である。
一応言ってくと、僕は朝倉未来に対して思い入れもないので基本は「お疲れさまでした」のみです。
ズレたことを言っていたとしても知ったこっちゃないので笑
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