競技レベルの向上と競技人口は関係ない。前田日明パイセンの「素質のある海外の選手を連れてくれば日本人選手と一緒に成長できる」説はその通りだとオモタ

競技レベルの向上と競技人口は関係ない。前田日明パイセンの「素質のある海外の選手を連れてくれば日本人選手と一緒に成長できる」説はその通りだとオモタ

金原正徳がクレベル・コイケに勝利したRIZIN44を現地観戦したのは下記で申し上げた通り。
 
金原正徳が全局面でクレベル・コイケを圧倒。アカン、感動が止まらん。でも石渡パイセンと川口春奈の彼氏の予想を聞いて「勝つかも」とオモタ笑
 
応援していた金原が勝ったことでめちゃくちゃテンションが上がった。


あれから1ヶ月以上経つが、世間? 格闘技界? での金原ブームはいまだに続いている笑
 
RIZINの事務所で榊原のおっさんとしゃべったり、U-NEXTの予想動画に出演したり。
僕も本人のYouTubeチャンネルをチェックするなど、金原の動向にはぼちぼち注目している。
 
その中で2023年11月3日に公開された前田日明との対談動画がなかなか興味深かった。
最近は格闘家のYouTubeを観ることがほとんどなくなったのだが、これに関しては「おお、なるほど!!」と思った次第である。
 
朝倉未来vsYA-MAN感想。試合後のゴタゴタがアレすぎる件。インパクトのデカさに本人のキャラが追いついてない。これなら予定調和の3Rドローでよかったろ
 

金原正徳と前田日明の対談。RIZINは育てるマッチメークがなってないってさ

まず該当の動画は下記↓

14分45、46秒あたりからの前田の意見がおもしろい。
 
・RIZINはマッチメイカーが何も考えてない
・話題を呼べばいいやみたいなマッチメークばかり
・育てるマッチメークが全然できていない
・将来伸びそうな素質のある選手を海外から引っ張ってくるべき
・そうすれば日本人選手と一緒に伸びていける
・PRIDE時代のヒョードル、ノゲイラがそれにあたる
・出来上がっている選手ばかり連れてきても壊されるだけ
・金もかかる
・素質のある原石を見極める目利きが必要
 
 
RIZINのマッチメークが刹那的で話題性重視、選手の扱いが雑というのは以前から言われていたこと。
日本のトップ団体であるRIZINに“育てるマッチメーク”が必要かは微妙だが、選手の扱いの雑さは僕もちょくちょく感じている。
 
一方「将来伸びそうな素質を海外から引っ張ってくるべき」「そいつらと切磋琢磨して国内選手も伸びていける」の部分は「そう!! それよ!!」となった笑
 
 
なるほど、すげえな前田日明。
滑舌が悪くておっかないけど、ガチでクレバーなんだな。
 
若干過去を美化しすぎな気もするが。
 

競技人口とトップ層のレベル向上は別。“ちょうどいい塩梅”の見極めが重要になる

以前にもちょろっと申し上げたが、僕は競技人口とトップ層のレベル向上は別だと思っている。
 
フューリーがガヌーにダウンを奪われ辛勝。競技のトップがポッと出のMMA選手に大苦戦って。自分の土俵に立たせた時点で言い訳はできないんだよ
 
10年、15年単位の長期的な目で見れば競技人口の増加、裾野の拡大は大事。
ただ、それが今現在第一線でやっている選手の実力アップにつながるわけではない。
 
現トップ層のレベルを短期間(2、3年後)でもっとも効率よく上げる方法は前田日明の言う「将来伸びる素質がある選手を外部から引き入れる」こと。
 
これはガチでその通りだと思う。
 
さらにそのためには“ちょうどいい塩梅”の見極めが重要になる。
 
ハイレベルすぎる人材(完成品)を連れてきてもあっさり牛耳られて手も足も出なくなる。RIZINにおけるファン・アーチュレッタやウガール・ケラモフ、クレベル・コイケやホベルト・サトシ・ソウザがそれ。
 
なので、連れてくるべきは「どうにか工夫すればチャンスがある」「今は難しいけど数年練習すれば……」みたいな立ち位置のヤツ。
 
前田日明は「素質のあるヤツがA、B、Cといたら、Aは金魚の中にピラニアを放り込むようなもの」「でもBだったら足の速い金魚なら逃げ切れるかも?」「そういう見極めができる人間の存在が不可欠」と言っているが、本当にその通りだよねと。
 
 
なおRIZINがそういう人材の発掘をしていないかどうかは一概には言えない(気がする)。
たとえばルイス・グスタボなどは「素材の段階から引っ張ってきた選手」に該当するのではないか。
 
ただ、フィジカルのゴリ押し、勢いで勝って自信をつけさせる時期に朝倉未来のようなクレバーな相手やパトリッキー・ピットブルのようなガチの強者と当ててしまったことでやや停滞した印象。
 
翌年からのコロナの影響もあり、いわゆる“RIZINが育てた”感じはない。
 
ベストバウトは井上直樹vsアーチュレッタ。一番刺さったのはブアカーオ。朝倉海はアーチュレッタに勝ち筋ありますかね?
 

助っ人の加入によって競技レベルが向上したのがラグビーとアメフト。特にアメフトは顕著だよね

そして“ちょうどいい塩梅”の選手を引き入れたことで全体の底上げに成功したのがラグビーとアメフト
 
ラグビーは2015年W杯での大躍進が印象的だが、日本代表も海外出身の選手(帰化含む)が徐々に増えて2019年W杯ではほぼ半数を占めていた。
 
 
アメフトに関してはさらに顕著である。
 
Xリーグのトップどころが海外選手をどんどん加入させ、下位チームとの格差もめちゃくちゃ広がった。
同時に毎年正月に開催されていた学生とのRICE BOWLも勝負にならないどころか学生側の怪我が心配される状況に。
 
 
 
重要視されるポジションの移り変わりも全体のレベルアップを表している。
 
最初はQBとWRに助っ人を配してひたすら外を走らせる戦術がリーグを席巻した。ディフェンス側はそれに対応するべくDLに強力な助っ人を起用しまくった。
 
120kgの体重で50mを6秒前半で走るようなDLに身長175cm、75kgの学生QBが適うわけがないのである笑
 
 
だが数年経つと各チームがWRのランに適応し始め、QBのロングパスだけでは勝ちきれなってくる。
 
それを受けて、今度はRBにフィジカルモンスターを起用して真ん中をぶち抜かせる戦術が主流となる。
現在のXリーグは大雑把に言えば快速WRのランとRBの正面突破の2択が中心になっている(違ったらすみません)。
 
強力な助っ人に引っ張られてリーグ全体がレベルアップした典型的な例である。
 
ライスボウル2023が最高だった件。富士通がパナソニックに逆転勝利。第3Qのパスに感動した。へえ〜、今はRB無双が主流なんだね
 

アメフトの競技人口は約18000人。それでもトップ層のレベル向上は可能だよね

一応言っておくと、これはあくまでトップ層の底上げ。競技人口の増加、裾野の拡大とはまったく別の話である。
 
 
そもそもアメフトなんてそこまで競技人口が多いわけじゃないですからね。
 
下記によると日本でのアメフトの競技人口は18000人(今はもっと増えてる?)。サッカー(750万人)、野球(730万人)、バレーボール(650万人)と比較しても普及率の低さは明らかである。
 
「日本のアメリカンフットボールの競技人口拡大の為の施策とその可能性」
 
競技人口が少なくてもトップ層のレベル向上は可能な証明と言えるのではないか(もちろん多いに越したことはない)。
 

個人競技の格闘技はポジションを奪われる心配もない。前田日明の言う通りにすれば数年後には…?

繰り返しになるが、競技レベルを向上させる効率的な方法は“ちょうどいい塩梅”の人材を外部から連れてくる
 
Xリーグには
・助っ人は1チーム4人まで登録可
・同時にプレーできるのは2人
・NFL等のアメリカのプロリーグ経験がない選手
という条件がある。
 
要するに「NFLには届かないけど日本では最上位」の立ち位置の選手である。
 
そして上述の通り最初の数年は助っ人QBとWRに無双されたが、近年ではRBの突破が主流になった。
前田日明の「素質のある海外選手と日本人選手が一緒に伸びていける」説がそのまま立証されている。
 
特に重要なのは「工夫次第で何とかなる」「数年後にはどうにかできる」ラインを見極めること。


しかも格闘技は個人技なので特定のポジションを占拠される心配もない。
 
アメフトで言えばQBやRB。
ラグビーで言えばSOやFWの第3列。
バスケで言えばCやPF。
野球で言えばクローザーや4番打者。
サッカーで言えばFW。
 
身体を張る、怪我をしやすい、高さやスピードが要求される等、日本人選手が苦手とするポジションを(悪く言えば使い捨ての)助っ人に担わせる。
 
結果、そのポジションで日本人選手が育たず国際大会で苦労する。
 
 
だが1対1の格闘技にはその心配がない(はず)。
前田日明の言う“ちょうどいい素質”がRIZINに多数入ってくれば、数年後には国内全体の底上げがバランスよく実現するのではないか。
 
知らないけど笑
 

Advertisement

 


 

 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!