安保瑠輝也vsマニー・パッキャオ感想。「ボクシングは甘くない」風に言うなら「いくらレジェンドでもちょろっと練習したくらいで勝てるほどキックのトップ選手は甘くない」【超RIZIN.3】

安保瑠輝也vsマニー・パッキャオ感想。「ボクシングは甘くない」風に言うなら「いくらレジェンドでもちょろっと練習したくらいで勝てるほどキックのトップ選手は甘くない」【超RIZIN.3】

2024年7月28日にさいたまスーパーアリーナで開催された「超RIZIN.3」。
セミファイナルの第10試合で元ボクシング世界王者マニー・パッキャオと安保瑠輝也がRIZINスタンディングバウトルールで対戦、3R判定なしのドローで終わっている。
 
 
フロイド・メイウェザーに続きボクシング界からの参戦となったマニー・パッキャオ。
当初予定されていた鈴木千裕が拳の負傷で離脱したため、代わりに安保瑠輝也の出場となったわけだが。
 
なお僕は今回、PPVを購入していない。
外出の予定があったのもあるが、純粋に興味がわかなかったのが一番の理由。
 
パッキャオ参戦についてこれまで一度も触れてこなかったのも、避けていたわけではなく単に興味がなかっただけ。
 
U-NEXTで配信された6月23日の鈴木千裕vs五味隆典戦(KNOCK OUT)も「ふーん」という程度。鈴木千裕が安保瑠輝也に代わろうがどうでもいい。
 
金原正徳の負けがショックで整理がつかん。悔しすぎてインタビューも聞かずに帰ったw 鈴木千裕が勝つならコレだよね
 
マニー・パッキャオが9、10月あたりに現役復帰するという話は聞いていたので、今回はその調整の意味合いもありそう。興味があるとすればパッキャオのコンディションのみである。
 
 
ところが当日のパッキャオはすこぶる動きが悪く、逆に安保はかなりよかったとのこと。
 
で、先日公開されたのが下記↓である。

 

安保瑠輝也がいい。現時点でも日本の上位ランカーくらいの実力はありそう?

まず全編を観た感想だが、確かに安保瑠輝也がいい動きをしている。
 
サウスポーの死角に回り込む立ち回りやリーチを活かした距離の調整、いきなりの右、パッキャオを置いてきぼりにする足運び、バックステップ、などなど。
パッキャオがトロいのはもちろんだが、どちらかと言えば安保のキレッキレっぷりが目に付く。
 
体重差、ラウンド数、マットの違い(パッキャオ談)等、単純比較はできないものの、現時点でも日本の上位ランカーに匹敵する実力はありそう。
 
 
もともと安保はパンチ技術向上のために数年前からボクシングの練習を重視していたとのこと。
とは言え、約1か月前にいきなり決まった試合(エキシビジョン)でここまでやれるのはすごい。
 
パンチの強弱が足りない、連打を浴びると亀になるといった(K-1時代からの)悪癖もちらほら見えたが、だからどうした。
ポテンシャルの高さは山ほど発揮したと思う。
 
久保優太vs斎藤裕感想。久保優太に度肝を抜かれた。平本蓮より衝撃度は上。完成度はキックからの転向組の中でNo.1じゃない? 那須川天心に匹敵する天才なんだろうな
 

トロかったパッキャオ。秋ごろの現役復帰を考えているなら今回はいい調整になると思ったら…

一方のパッキャオだが、こちらはだいぶトロかった。
 
上述の通りパッキャオが秋ごろの現役復帰を目論んでいるという話はちょいちょい聞こえてきていた。
 
そう考えると今回のRIZIN出場はそこまで悪くない。
安パイのMMAファイター(当初の相手は鈴木千裕だった)とそこそこの強度で実戦経験? が積める。
 
適度に試合勘を取り戻せる上にお金ももらえる。引退から数年経ったパッキャオにとってはいいことづくめじゃねえかと思った次第である。
 
なので、僕の興味はパッキャオのコンディションのみ。
本当にマリオ・バリオスに挑戦するつもりなら今の段階でもぼちぼち期待できるかもしれん。
 
 
ところが困ったことに全然動けない。
 
踏み込みスピードは見る影もなくパンチに対する反応も鈍い。
 
「そこから連打で畳みかける」はずの局面で次の1歩が出ない。
それどころかサイドステップについていけずにつんのめってしまう。
 
2021年8月のヨルデニス・ウガス戦の時点でだいぶ足が衰えていたが、今回はあの試合の比ではなかった。
 
落ちたなパッキャオ…。ウガスに3-0の判定負け。仮に現役続行するなら王座を狙うよりも“生き様を見せる”方向にシフトしていけば
 
正直、これは現役復帰どころかエキシビジョンとしてもどうなのよ?
さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード)のセミファイナルという舞台に立つならもう少しがんばってほしかったのが本音である。
 
 
それでも、3R中盤あたりでタイミングを掴みかけてはいた。
 
安保に先に手を出させてそこにカウンターを被せる。
自分から攻めるのは微妙だが、カウンターを合わせる→連打につなぐやり方ならギリギリ何とかなりそうな感じ。
 
まあ、ラウンド終盤にその初弾をもらってガクッとなってしまったが。
 
朝倉未来vs平本蓮感想。左を当てるための対策を重ねた平本蓮。トラウマ? で縮こまった朝倉未来。やっぱり斎藤裕Vol.1かな。挫折を糧に成長する機会を失ったのが…
 

「ボクシングは甘くない」風に言うなら「キックのトップ選手のポテンシャルは甘くない」

今回の試合(エキシビジョン)はパッキャオのトロさ以上に安保瑠輝也のよさが際立った印象。
 
申し上げたように現時点でも安保は日本の上位ランカーくらいの実力はありそうだし、約1か月であそこまで持ってくるのはとんでもない。


僕は真のボクシングハァン()の言う「ボクシングは甘くない」がゲロを吐くほど嫌いなのだが、アイツら風に言うなら「キックのトップ選手のポテンシャルは甘くない」
 
6階級制覇のレジェンドだろうが、引退から数年経ったロートルがちょろっと練習した程度で勝てるほどキックのトップで勝負する選手は甘くなかったのだろうと。
 
 
キャリア9戦で世界王者になった武居由樹やデビュー4戦目で世界王者に匹敵する実力を見せている那須川天心もそう。
正しい練習と大手プロモーションのバックアップがあれば10戦前後で世界王者になれる(軽量級なら)化け物ばかり。
 
「ボクシングは甘くない」「ボクシングを舐めるな」勢が他競技のトップ選手を舐めていたというのが僕の中でのファイナルアンサーである。
 
武居由樹がモロニーに勝利、キック出身選手で初の世界王者に。要は「ボクシングは甘くない」勢が他競技のトップ選手のポテンシャルを舐めてたんでしょ
 

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安保瑠輝也はボクシングには向いてないと思うぞ。適正とは別の意味で

なお個人的に安保瑠輝也はボクシングには向いていないと思っている。
 
一応言っておくと、適正自体はめちゃくちゃあると思う。
僕は安保瑠輝也のMMAには懐疑的な人間だが、それに比べればボクシングははるかに合っている(気がする)。
 
 
ただ、性格的にそっち側ではなさそうな……。
 
たとえば日本orアジア王座(S・ウェルター、ミドル級くらい?)を戴冠したとして、そこから先は一気に難易度が上がる。
 
金メダリストの肩書き&帝拳プロモーションのバックアップを受けた村田諒太も世界王者になるまでに4年、ゲンナジー・ゴロフキン戦にたどり着くまでさらに4年半かかっている。
 
同じようにアジア王座の防衛or微妙な相手を選んで試合経験を積みながら年単位でチャンスを待つことになると思うが、その根気が安保瑠輝也にあるか? というと……。
 
BreakingDownで手っ取り早く知名度アップを図ったり、RIZINで突然MMAに手を出したり。
で、今回は鈴木千裕が離脱したパッキャオ戦にいち早く手を挙げた。
 
安保瑠輝也が1分3Rの謎ルールでシリル・アビディを圧倒。そうか、手ごたえを感じちゃったか…。この人の他流試合に期待してたけどソコジャナカッタ
 
奇抜な試合、耳目を集める振るまいで諸々をショートカットする、躊躇なくイロモノ枠に飛び込む性分を考えるとボクシングが合うようには思えないのだが。
 
それこそ「ちまちま防衛を重ねてチャンスを待つなどかったるくてやってられへん」となるのではないか。
 
今回の試合を受けて「3Rなら~」の方向にいくのがその証拠というか。いいか悪いかではなく。


ちなみに僕は秒速で調子に乗るこの人の性格を嫌いではない笑
ファンではないけど。
 
以前から何度か言っているが、僕は安保瑠輝也の首から下のファンである笑


 

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