岩佐亮佑、敵地でアフマダリエフに5RTKO負け。レフェリーがストップのタイミングを探してたよね。セコンドが声をかけてもよかった?【結果・感想】

岩佐亮佑、敵地でアフマダリエフに5RTKO負け。レフェリーがストップのタイミングを探してたよね。セコンドが声をかけてもよかった?【結果・感想】

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2021年4月3日(日本時間4日)、ウズベキスタン・タシュケントで行われたIBF/WBA世界S・バンタム級王座統一戦。IBF暫定王者岩佐亮佑とIBF正規/WBAスーパー王者ムロジョン・アフマダリエフの一戦は、5R1分30秒TKOでアフマダリエフが勝利。母国ウズベキスタンで開催された初の大型興行のメインで見事防衛に成功した試合である。
 
 
サウスポーのテクニシャン同士の一戦となった今回。
開始直後から右リードを中心にペースを奪いにいく岩佐に対し、アフマダリエフもガードを高く上げた構え+右リードで対抗する。
 
初回は岩佐がやや優位な展開を作ったものの、2回以降、徐々にアフマダリエフがギアを上げると流れが変わる。激しい連打でたびたび岩佐にロープを背負わせるなど、中間距離での差し合いで差を見せつける。
 
 
そして、アフマダリエフ優位のまま迎えた5R。
リング中央での打ち合いの中、アフマダリエフのアッパーが岩佐の顔面をモロに捉える。
これによって岩佐の動きが止まり、そのまままっすぐ後退。ロープを背負った状態で一方的に打たれる流れに。
 
岩佐のこの姿を見たレフェリーが両者の間に入って試合をストップ。その瞬間、アフマダリエフの防衛が決定した。
 
実は僕はリゴンドーのことが大嫌いなんですよ。僕のジェイソン・モロニー再起成功。ウォーレン、ロドリゲスvsラッセル、コンラン、前田稔輝振り返り
 

残念だったな岩佐亮佑。キャリアでもっとも重要な試合だったけど…

日本の岩佐亮佑が敵地ウズベキスタンで地元のヒーロー、ムロジョン・アフマダリエフに挑んだ今回。
本人も「自分のキャリアの中でもっとも大きな試合」とコメントしていたように、岩佐にとっても人生をかけるくらいの重要な一戦となったわけだが。
 
残念ながら結果は5R1分30秒TKO負け。
終始アフマダリエフの馬力、連打に押されまくり、最後はレフェリーストップという結末に。
 

相当厳しい試合になるとは思っていたが、期待感が膨らんでいたことも確か。計量の様子を観て「これはいけるぞ!」と

僕は今回、岩佐にとっては相当厳しい試合になると思っていて、勝敗予想もアフマダリエフの判定勝ちとさせていただいていた。
もちろん問答無用で岩佐を応援するが、それでも勝つのは困難を極めるだろうと。
 
岩佐アァ! ネリイィ! カネロオォ! テイラーアァ! 正式決定キタワヨオォ! vsアフマダリエフ、vsフィゲロア、vsサンダース、vsラミレスの勝敗を考える
 
ただ、直前の両者の様子を観て期待感が増していたことも事実。
 
下記は前日計量+フェイスオフの様子だが、パッと見で岩佐の方が一回り大きいことがわかる。


アフマダリエフの試合を観ると、遠間からの踏み込みと近場での躊躇ないぶん回しを持ち味とする。
一方の岩佐は相手が強引に前進+腕を振り回してくると、頭を下げてまっすぐ後退する悪癖が目につく。
 
僕が今回相当厳しいのでは? と思った一番の理由がこれで、岩佐が勝機を見出すにはどれだけアフマダリエフの馬力を抑えることができるかにかかっているのではないかと。
 
 
岩佐がこの試合を優位に進めるにはとにかく下がらないことが重要になる。自ら前に出てスペースを潰し、アフマダリエフの自由を奪った上で流れの中でカウンターを狙うのが一番だと思っていた。
 
 
で、たまたまTwitterで見かけてテンションが爆上がりしたのがコレ↓


この前傾姿勢の構え+遠い間合いに「なるほど」と思わされた次第である。
 
恐らくだが、今回の岩佐陣営の作戦は右リードを駆使してアフマダリエフを遠い位置に釘付けにし、前に出ながら左のカウンターを狙うというものだったと想像する。
 
申し上げたように僕はアフマダリエフ攻略には自ら前に出て近場で押し潰す方がいいと思っていたが、右リードでアフマダリエフを遠間に留まらせることができるのならその方がいいに決まっている。
 
岩佐の前傾姿勢からは「絶対に下がらない」「身体の大きさを活かしてねじ伏せる」という強い意思が感じられたし、これはマジで期待できるのではないかと。
 
ひょっとしたら撮った写真がたまたまそうだっただけか? とも思ったが、開始直後の岩佐を観て「おお、これはガチでいけるぞ」と(DAZNから引用)。

 
ちなみにここ最近、ボクシングよりもMMAを観ているせいで、「これだとカーフキックを狙われやすいんじゃないの?」と思ってしまったことは内緒であるww
 
RIZINバンタム級GPのガチ感に思いのほかワクワクしておる笑。わからないなりに勝敗予想をしてみる。井上直樹、朝倉海ほか
 

立ち上がりの岩佐はよかった。でも、ペースアップしたアフマダリエフの連打にことごとく打ち負け…

実際、1Rの岩佐はかなりいい動きをしていたと思う。
 
vsサウスポーでもまったく精度の落ちない右リードに加え、自分のパンチだけが当たる位置に動くポジショニングもいい。
初回は間違いなくポイントを取っていたし、このままいけばどこかで左のカウンターが炸裂するのでは? と思わせる立ち上がりだったのではないか。
 
逆に1Rのアフマダリエフは若干動きが悪かった(気がする)。
 
今回はウズベキスタンで行われる初のボクシングの一大イベントとのことで、リングサイドには要人っぽいおっさん連中が山ほど並んでいた。
演出も「なげえなオイ」と言いたくなるほど豪華なもので、メインの立場としてかなりのプレッシャーがあったと想像する。
 
 
だが2Rに入ると肩の力が抜けたか、アフマダリエフの動きにも滑らかさが戻る。
 
鋭い右リードを何発も顔面にヒットし、ラウンド中盤には早くも岩佐の顔面を紅潮させていく。
右リードの差し合いでそのつど岩佐を上回り、さらにもう一歩近づき連打を浴びせる流れ。
 
対する岩佐はまっすぐの軌道と外旋回のフックをまったく同じタイミングで打ち込むアフマダリエフになかなか対応できず。どうにか反撃を見せるものの、近場の打ち合いでことごとく打ち負け後退させられてしまう。
微妙にアングルを変えながらのプレスにたびたびロープを背負い、顔を跳ね上げられる状態が続く。
 

まさか中間距離であそこまで上を行かれるとはね。左のカウンターを狙っているのは伝わってきたけど、チャンスは訪れず

マジな話、中間距離の差し合いで岩佐があそこまで上を行かれるとは思わなかった。
 
もともとこの選手は中間距離での攻防をもっとも得意とするタイプ。
アングルを調整しつつ右リードを駆使して相手を正面に誘い出し、流れの中で左のカウンターをねじ込む。
自分の腕が伸びる位置での差し合い、カウンターのセンスに関しては天才肌と言ってもいい選手である。
 
岩佐亮佑を諦めないw 敵地でのvsアフマダリエフは強敵+苦戦必至だと思うけどぶっ倒せ。僕が許す。覚醒した? お前を信じとるぞ、お?
 
だが、今回はそのもっとも得意とする中間距離で上回られるというまさかの事態に。
右リードの差し合いで一歩上を行かれ、そこからの連打のバリエーション、馬力の面でも置いてきぼりを食う。
連打に耐えるだけで手いっぱいとなり、前半は出ていたボディも徐々に出せなくなっていくという。
 
何となく左のカウンターを狙っているのは伝わってきたが、結局最後までそのタイミングは訪れず。
4R中盤に1発クリーンヒットして以降、アフマダリエフに若干の躊躇が見られたが、結果的にはあそこが最初で最後のチャンスだった気がする。
 
 
繰り返しになるが、岩佐亮佑が各局面でここまで上を行かれるというのはかなり意外だった。
 
僕自身、3Rの後半あたりで漫画「はじめの一歩」の伊達英二vsリカルド・マルチネス戦での鷹村のセリフを思い出したのだが、どうだろうか。

鷹村「殴り合いに見えるか? 違うな。攻撃も技術も高等技術の応酬だぜ」
青木村「全然応酬じゃないですよ」
青木村「一方的じゃないですか!!」
鷹村「だから見たまんまなんだよ」
鷹村「それほど差があるんだよ!!」
鷹村「やるコトなすコト一つ一つ上をいきやがる。ハッキリ言って、ケタが違う」

さすがに“ケタが違う”とまでは言わないが、どちらにしろ岩佐が中間距離であそこまでやり込められた事実に狼狽させられたことを報告しておく。
 

5Rのストップが妥当かについては興味がない。でも、明らかにレフェリーが止めるタイミングを探してたし、それをもう少し早く察知できれば

なお5Rのレフェリーストップが早かったかどうかが話題になっていたが、個人的にはそこにはあまり興味がない。
 
それより、試合を止めようとしているレフェリーの仕草をもう少し早く察知できればよかったかな? という思いの方が強かったりする。
 
 
5Rの序盤に岩佐がコーナーに詰まったシーンでレフェリーが「ん? ん?」という動きをしていたのだが、僕はあれを観て「アカン、抵抗しないと止められちゃう」とハラハラしていた。
 
で、案の定、再びロープに詰まった際に止められてしまったわけだが、恐らく今回のレフェリーはあの時点で「もう一回無抵抗な状態になったら止める」と判断していたのだと想像する。
 
また試合を観直してみると、4Rの後半に岩佐がコーナーで亀になった場面でも「大丈夫か? まだやれるか?」というレフェリーの表情が確認できる。
 
要は、割と早い段階で岩佐は危ないと思われていたわけで、あのストップを回避するにはそこを覆す必要があったことになる。
そして、できることならセコンドがそれを本人に伝えてやれればよかったのかな? という気がしている。
 
もちろん試合に入り込んで選手と共に戦う姿勢が大事なことは言うまでもないが、戦況を見極めて適切な指示を出す第三者的な視点も同じくらい重要なのも間違いないのだろうと。
 
シャクールvsナカティラ、鈴木雅弘vs永田大士、赤穂亮vs杉田ダイスケ振り返り。地獄のシャクールにあの名選手とそっくりな鈴木雅弘
 
試合後にコーナーで号泣する岩佐側のセコンドの姿がちらっと映っていたが、ああいうのを見ると本当に悔しかったのだと思う。
 
できることなら岩佐には止められる前のペースアップがほしかったし、周りの人間は選手だけではなくレフェリーの仕草にもう少し注意が向いていればとも思う。
「抵抗しないと止められる」ことを早めに本人に教えられていれば、少なくともあの時点でのストップは回避できた可能性も?
 
 
前半を耐えて後半から追い上げる作戦だったのならなおさら。試合後の本人のコメントを読む限り、まだまだ余力はあったみたいだしね。


もともと岩佐亮佑は頭の位置があまり動かない上に、今回はかなり前傾姿勢で試合に臨んでいた。その分パンチをもらいやすい状況だったことを加味しても、第三者の視点がより重要だったのかもしれない。
 
試合後に
・近年は安全を重視する傾向が高まっている
・アウェイのリングはそういうもの
等の意見を山ほど目にしたが、その部分をあらかじめ想定しておけば、また違った結果になった? のかも?
 
仮にそれをやった上で打たれっぱなしになっていたのであれば、あのストップは妥当だったとしか言いようがないが。


てか、そういう部分も“人間が試合を裁く”ことの醍醐味だと思うんですよね。
試合の流れ、選手のコンディションはもちろん、レフェリーの傾向やリングの状態をいち早く把握して“チームで”戦略を立てる。
 
ジャロン・エニスvsセルゲイ・リピネッツはまあ、仕方ないよな。リピネッツがエニスに勝つ姿は想像できなかった
 
近年、どの競技でも機械判定の導入を望む声が大きくなっているが、僕自身はその場にいる者にしかわからない“生身の人間臭さ”というのは失くなって欲しくないと思っている。
 
 
批判とか否定ではなく、単なる部外者の感想でございます。
 
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