やっとか! 和氣慎吾。ジョナサン(ジョナタン)・グスマンとの世界王座決定戦を予想する。リーゼントボクサー悲願の世界タイトル獲得なるか?

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IBF世界S・バンタム級王座決定戦が同級1位の和氣慎吾と2位のジョナサン(ジョナタン)・グスマンが争うことが濃厚となっている。

IBF(国際ボクシング連盟)からの王座決定戦のオーダーに際して、和氣慎吾をプロモートする共栄ジムの金平会長は和氣慎吾vsジョナサン(ジョナタン)・グスマン戦を日本開催を目指して交渉していることを明かす。
まだ正式発表はされていないようだが、7月の日本開催が濃厚と言われている。

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紆余曲折を経てようやく世界戦までたどり着いたリーゼントボクサー・和氣慎吾。日本屈指のテクニシャンは念願の世界タイトルを獲得することができるだろうか。

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和氣がスピード豊かなアウトボクサーだと思うだろ? 意外とそうでもないんだよ

個性的な髪型から「リーゼントボクサー」のニックネームが定着している和氣だが、試合内容は堅実そのものである。
ガードをしっかり上げて相手との距離を測り、小刻みなフットワークから徐々に距離を詰める。相手のパンチにカウンターを合わせながらじわじわとダメージを与え、相手を十分に疲弊させたところで仕留める。
一発の威力や怪物的な迫力があるわけではないが、自身のスピードを活かした手堅いボクシングを展開する選手といえるだろう。

だがこの和氣慎吾、どうもアウトボクサータイプにしてはバネが足りない
相手の距離を見切ってバックステップでパンチをかわす。そこまではいい。ただ、そこから打ち終わりを狙ってのリターンを打つことができない。スピード系の選手ではあるものの、そのスタイルを支える体幹が弱いのだろう。顔の長さ、スピードスターを売りにしている割にはレンジが短い。動き自体も直線的で予想がしやすい部分もある。

そのため基本的な射程は非常に近い。具体的には自分のつま先と相手のつま先が当たるか当たらないか、もしくはシューズ半足分ほど交差するくらい。そこまで近づかなければ、和氣は自分のベストショットを打つことができないのである。

つまり、和氣の最大の特徴は至近距離での打ち合い。見切りのよさとパンチのスピードを活かしたインファイトである。出入りの得意なアウトボクサーというイメージのある選手だが、実はインファイターに近いスタイルだと思う。

それを踏まえたうえで今回のジョナサン・グスマンとの一戦を予想するわけだが、実際かなり拮抗した試合になるのではないだろうか。序盤は和氣が前に出てグスマンが下がりながら迎え撃つ。そんな展開になりそうな気がするのだが、どうだろうか。

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小刻みにジャブを出して相手をけん制しながら距離をとるグスマン。もう一歩前に出たい和氣だが、グスマンのショートアッパーを警戒して思い切って踏み込むことができない。

意を決した和氣が大きく踏み込み、スピーディな連打で攻める。だがグスマンはロープ際で右のショートを当てて身体を入れ替える。打ち終わりに和氣の身体が流れた瞬間を狙ってさらに左フックをヒットする。

かすかなグラつきを見せる和氣。
グスマンがその瞬間を逃さずラフな連打で和氣に襲いかかる。
和氣をコーナーに磔にして左右のフックを振り回すグスマン。
その猛攻のわずかな間を狙って和氣が左ストレートを放つ。グスマンのガードの真ん中を突き抜けて顎にヒット!!
今度はグスマンがグラつきを見せる!!

こんな感じで、お互いに自分のパンチを当てながら被弾を繰り返し、激しくペースの取り合いを演じる試合になりそうな気がする。

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勝敗予想は試合後半のグスマンKO勝利。和氣の判定勝ちも視野に入れつつ……

まあ、正直に申し上げると、この試合の行方は僕にはよくわからない
両者ともに不確定要素が多すぎてどれを判断基準にすればいいのかがはっきりしない。

和氣は確かに抜群のスピードと優れたカウンターを持つ選手だが、申し上げたようにこの手のタイプにしてはバネが足りない。左右への動きも少なく、攻撃パターンも多いとは言い難い。
距離を詰めて打ち合うスタイルの割に、打ち合いの中でガードがルーズになるシーンも目立つ。
そして、グスマンのように瞬間的な爆発力のある相手への対応も未知数だ。

対するジョナサン・グスマンだが、こちらはそもそもサウスポーを得意としているのか。大前提としてその部分がまったくわからない。
相手との距離を測り、下がりながらのカウンターをヒット。相手がひるんだ瞬間に一気に攻撃力を爆発させるというのが得意のパターンのようだが、ガードの甘さもちょくちょく見受けられる。
あの低いガードで果たして和氣のスピーディな連打から逃れることができるのだろうか。何となく和氣の左ストレートがモロに当たりそうに思えるのだが。

マジで適当だが、両者の戦力を比較してみる。

スピードと手数:和氣
パンチのキレ:和氣
距離の長さ:グスマン
パンチ力を含めた爆発力:グスマン
当て勘:和氣
防御:五分五分

かなりざっくりだが、こんな感じだろうか。

後は性格的な部分だが、和氣にはどうも「俺の超絶技巧を見せてやるよ」というイキったところがある。前回後楽園ホールで和氣の試合を生観戦して再確認したのだが、格下相手だと「技術の差を見せつけて圧倒したい」という思いがひしひしと伝わってくるのである。

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「絶妙なカウンターで華麗にKOしてやんよ」と、タイミングを狙い過ぎるおかげでチャンスをみすみす逃す。普通に攻めれば倒せる試合が無駄に長引く。
恐らく「前哨戦」と称した格下相手との試合が続いたために、精神面が妙な方向に行ってしまっているのだろう。
あまり「メンタル」や「精神面」の話をするのは好きではないのだが、懸念材料の1つとして考えている部分ではある。

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まあ、何だかんだで、結局勝負の分かれ目は「和氣のスピードがグスマンに通用するか」ではないかと思う。
和氣が持ち前のスピードでグスマンを翻弄することができれば和氣の勝ち。
逆にグスマンが和氣のスピーディな踏み込みからの左、至近距離でのカウンターにいち早く対応すればグスマンの勝利。
和氣のスピードとグスマンの対応力。そんな感じで、割と単純な勝負になるのではないだろうか。

勝敗予想としては、グスマンの試合後半でのKO勝利。8〜10Rくらいに和氣の動きを見切ったグスマンが和氣を一気に攻め落としての勝利。これでいきたいと思う。

恐らく序盤は和氣がスピーディな踏み込みでグスマンを追いつめ、有利に試合を進める。1〜3Rくらいまでは和氣がポイントを奪取するのではないだろうか。
だが、4Rくらいから徐々にグスマンが対応力の高さを見せ始め、ショートの左からの右フックをヒットさせて和氣の前進を寸断する。

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流れを変えようと懸命に前に出る和氣だが、和氣の動きに慣れて自信を持ったグスマンには通用しない。逆に左ストレートの打ち終わりを狙われ、右フックを被弾して動きが止まる。その瞬間をグスマンは逃さず、得意のラッシュで一気に攻め込む。
ロープに詰められ、打たれっぱなしになる和氣。苦し紛れに右フックを放つが、グスマンの左フックをカウンターで被弾して膝が折れる。返しの右をモロにもらってたまらずダウン!!

逆に和氣有利の展開を考えるとすれば、グスマンが和氣のスピードに慣れるラウンドをどれだけ遅らせることができるかだろう。
繰り返しになるが、序盤は和氣がスピーディな動きでグスマンを翻弄すると思う。これを中盤7Rくらいまで継続することができれば、ポイント差で逃げ切れる可能性は高くなる。
例え後半にペースをとられたとしても、カウンター一発でダウンを奪って流れを変えることもできるのではないだろうか。

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21勝21KO無敗という凄まじい戦績を誇るグスマンではあるが、実際はそれほどぶっ飛んだ倒し屋というわけではない。チャンスの場面で一気呵成に攻め落とす爆発力が持ち味ではあるものの、フィジカル的な強さもあまり感じない。

スタイル自体も非常にオーソドックスでやりにくさも感じない。日本人選手が苦手とするフリースタイル系や長身テクニシャンといった要素は皆無である。
正直、作戦さえ間違わなければうまくポイントアウトで勝てる可能性が高い相手ではないだろうか。

というわけで、セカンドオプションとして和氣の判定勝ちも視野に入れておこうと思う。

どっちもがんばれ。どっちが勝ってもいいけど

いや、我ながらブレッブレである。
何だ「セカンドオプション」てww
「グスマンのKO勝ちor和氣の判定勝ち」ってww
安全運転にもほどがある。

まあ、要するに予想がつかないということなのだが、一番は僕自身が「どっちが勝っても別にええわ」と思っていることが大きい。

前回の記事でも申し上げたのだが、僕は和氣慎吾という選手があまり好きではない。格下相手に「俺のテクニックを見せてやるよ」とイキった感じを出すのもそうだし、そもそもスタイル自体が好みではない。

さらに面長の顔とそれを助長するような髪型、長い首。パッと見、キリンがインファイトしているのではないかと思えてくる。もしくは幽遊白書の桑原。
というか、結構いるよな矢沢永吉に憧れたはずが虎舞竜になっちゃってるおっさん。代々木公園で不気味に揺れとるわ。まあ、さすがに和氣慎吾があのおっさんどもと同類とまでは言う気はないが。

そして初顔ながらファーストネーム、ファミリーネームともにありがちな名前のジョナサン・グスマン。イメージ的には名字が「田中」や「山本」、名前が「大輔」や「隆」といったところだろうか(全国の田中さん、山本さん、大輔さん、隆さんすみません)。

あまり好きではないが珍しい名前の和氣慎吾vsありがちな名前の初顔ジョナサン・グスマン。
思い入れ要素ゼロである。

何から何まで「どちらが勝ってもいいや」。
そんな感じで遠目から緩〜く傍観している。

がんばれ和氣。
がんばれグスマン。
いい試合を期待しているぞ。

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