ベルデホ復活? 無敗のマデラを豪快1RKOに下す。持って生まれた華と才能はホントにすげえ。ボクシング界の主人公にまで駆け上がれ【結果・感想】
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2020年7月16日(日本時間17日)、米・ネバダ州ラスベガスで行われたトップランクの無観客興行。メインに登場した元WBO世界ライト級1位フェリックス・ベルデホが無敗のウィル・マデラと対戦し、1R2分59秒TKOで勝利した一戦である。
開始直後から軽快なステップで左右に動くベルデホに対し、マデラはガードを上げてじっくり前進。両者の左リードが交錯する展開が続く。
距離をとってカウンターを狙うベルデホと懐に入って打ち合いたいマデラ。
時おりマデラのプレスにまっすぐ下がらされるベルデホだが、要所で鋭い左をヒットして前進をストップする。
そして、残り25秒を切ったところで鋭いワンツーでマデラを後退させると一気にペースアップ。ロープを背負わせた状態から猛ラッシュを浴びせ、最後はアッパーから得意の左右フックでマデラを仰向けにダウンさせる。
カウントを数えたレフェリーだが、立ち上がれないマデラの様子を見てそのままストップを宣告する。
2016年のバイク事故以降、やや停滞が続いていたベルデホだが、この勝利で再びトップ戦線に食い込むことができるかに注目である。
中谷正義とベルデホの成熟度が段違い。やっぱりOPBF王座11度防衛は伊達じゃねえな。そして井岡パパの名コーチ属性
なお、この興行では当初ミゲル・マリアガvsマーク・ジョン・ヤップの一戦がメインに組まれていたが、ヤップが前日計量で9ポンドの体重超過を犯したことで中止となっている。
ベルデホ復活!! 普通にやれば勝てるけど、苦戦するかもという不安定さがこの選手の特徴
かつてのトッププロスペクト、フェリックス・ベルデホの復帰戦? が行われたわけだが、結果は1RTKO。今回はなかなかいいパフォーマンスだったように思える。
相手のウィル・マデラは15勝無敗3分8KOの選手で、過去の試合を観る限りそれなりに強い。
ずんぐりむっくりの体型を活かしてプレスをかけ、自分の距離を作ってから強烈なパンチを浴びせるスタイル。身体の強さもあり、カウンター使いのフェリックス・ベルデホにとっては意外と手間取るかも? というタイプに思えた。
ただ、全体的にスピードはなく多彩な連打が出るわけでもない。
ベルデホとのスペック差は明らかで、普通にやれば負ける相手ではなさそう。
この“普通にやれば勝てると思うけど、意外と苦戦させられるかも”というのがフェリックス・ベルデホの不安定さだったり、そうでなかったり……。
ここ最近のピリッとしない試合(観たの久しぶりだけど)が続いた上での印象である。
快勝でした。得意な距離での動きはやっぱり素晴らしい。不安がないわけでもないけど
ところが今回に関してはそんな心配はまったくの杞憂となる。
初黒星を喫したアントニオ・ロサダ戦のように必要以上にバタバタと動き回ることもなく、普段はほとんど出ない左リードもちゃんと出ていた。
マデラの動き出しに合わせて左リードをヒットし、前進を寸断。
頭を振って右を出す瞬間を狙いってカウンターの右を打ち下ろす。
ボディへの左も伸びていたし、1発効かせた直後にサイドに回り込んでのぶん回しもド迫力。自分の得意な距離で見せる動きは普通に素晴らしい。
だが、それでも「ん?」と思う部分がなかったわけではなく。
プレスに押されてロープ際で足をもつれさせるなど、わずか3分の間に不安定なシーンはちょいちょい見られた。
相手が圧力を強めるとあっという間にタジタジになり、カウンター一辺倒になる癖が顔を出すのもこれまで通り。
接近戦が苦手なのは明らかで、しつこく前に出て腕を振るタイプに苦労させられる感じは尋常じゃない。
アントニオ・ロサダ同様、長身+フルスイングにビビらない相手と対峙すればグダグダの展開に持ち込まれる可能性は高い(気がする)。
ついでに言うと、ベルデホはもともとマデラのようなずんぐりむっくりタイプが得意だったってのもあるよね。
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スター性とポテンシャルの高さは凄まじいものがある。この調子でボクシング界の主人公まで駆け上がれ
しかし、改めてフェリックス・ベルデホという選手のスター性、ポテンシャルは凄まじい。
動き一つ一つからも身体能力の高さは一目瞭然で、左リードを打ち出す姿を観るだけでも惚れ惚れしてしまうww
フォームがいいとか、無駄がないとかではなく、とにかく華がある。
以前にも申し上げたが、この選手の佇まいやド派手なカウンター、動きの滑らかさは往年のスター選手と同種のものを感じる。
バイク事故を起こして以降、低調な試合が続いていたが、今回の快勝で吹っ切れれば。まだまだ可能性は残されている(はず)。
鷹村守vsデビッド・イーグルって要するにデラホーヤvsチャベスだよな。デラホーヤの初戦の最強っぷりと再戦での主人公感
ちなみに前戦からトレーナーがイスマエル・サラスに代わったとのこと。
確かにこの選手の能力の高さに井岡一翔のIQが少しでも加われば。ひょっとしたらとんでもない化学反応が起きる? かも?
現在、ライト級にはテオフィモ・ロペスやシャクール・スティーブンソン、ライアン・ガルシア、ジャーボンティ・デービスなど、若手の有望株がたくさんいる。
だが、今のところどの選手もボクシング界を引っ張るスーパースターという雰囲気はない。
テオフィモ・ロペスはやんちゃな悪童、シャクール・スティーブンソンは超絶塩、ライアン・ガルシアはイきり奴、ジャーボンティ・デービスはネクストブローナー一直線。
かつてのオスカー・デラホーヤやマニー・パッキャオような主人公タイプとは言い難い。
井上尚弥の主人公属性はなかなか高いが、階級的にちょっと……。
現状、ヘビー級のアンソニー・ジョシュアがその雰囲気にもっとも近い気がするが、残念ながらアイツの試合は超絶つまらない。
その点、フェリックス・ベルデホの華のあるファイトスタイルと顔面偏差値の高さは文句のつけようがない。
こういう“目を奪われる”“自然と周りに人が集まる”要素は持って生まれた部分が大きいので、ベルデホにはぜひともがんばってもらいたい。
この1勝だけでここまで大風呂敷を広げるのもどうかとは思いますが。
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マーク・ジョン・ヤップが9ポンド体重超過ってw 試合する気あれへんやん。でも時期的に調整も難しいよな
なお、この日のメインに予定されていたミゲル・マリアガvsマーク・ジョン・ヤップ戦だが、前日計量でのヤップの体重超過(約9ポンド)によって中止になったとのこと。
申し訳ないのだが、これにはちょっと笑ってしまった。
9ポンドと言えば約4.1kg。
2018年2月の山中慎介vsルイス・ネリ戦でルイス・ネリのやらかした超過が2.3kgだったことを考えると、あまりの格の違いに開いた口が塞がらない。
いやいや、嘘だろ?
4.1kgオーバーって。
完全に試合する気あれへんやんww
先日、メキシコ開催の興行に出場したWBO世界S・バンタム級王者エマヌエル・ナバレッテやWBC世界S・フェザー級王者ミゲル・ベルチェルトの出来の悪さにあれこれ言ったが、もう全然甘かった。
上には上がいるんやぞと。その程度でごちゃごちゃ言ってもしゃーないんやぞと。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で調整が不足していたのだとは思うが、それを踏まえた上ですげえなと。
ルイス・ネリvsアーロン・アラメダ結構接戦になると思うねんな。てか、またサウスポーw 右リードの差し合いと接近戦でのボディ合戦?
まあでも、トップランクがイベントを連発し過ぎという側面も間違いなくある。
再開当初はマッチメーク自体が困難を極めたらしいし、2、3週間前のオファーで試合に出場した選手もいると聞く。
ファンの耳目を集めるマネーファイターの試合が組みにくい中、小規模なイベントを増やして地道に採算をとるのが最善なのは理解できるが、それにしてもやり過ぎな気がしないでもない。
運動不足の状態からいきなりペースを上げれば高確率でプチるのは当たり前。実際、直前の負傷欠場もちょくちょく起きているし、ヤップの体重超過も自粛期間中のブランクが大きく影響したとしか思えない。
主催者側は少しでも利益を上げたい。
選手も試合ができなかった期間の収入減を賄いたい。
だが、満足に対人練習ができず調整もうまくいかない。
その結果、コンディションの整わないまま当日を迎えざるを得なくなる。
しばらくはいろいろと難しい時期が続くのかなと思う。
それでも9ポンドオーバーは笑っちゃうけどね。
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