サイボーグvsヌネスが年末のUFC232で遭遇だとさ。これは女子MMAの一つの終焉かもね。ロンダ時代にケリをつける試合
2018年12月29日(日本時間30日)に米・カリフォルニア州ラスベガスで開催されるUFC232。
かねてから噂されていた女子フェザー級チャンピオン、クリス・サイボーグとバンタム級チャンピオン、アマンダ・ヌネスの対戦が実現すると報道された。
UFC232でクリス・サイボーグ対アマンダ・ヌネスが決定 https://t.co/TpAkQSzRGG pic.twitter.com/HDjwyzX3rQ
— UFCの最新情報 from USA (@dunkshot25) 2018年8月22日
2017年、長年絶対女王として君臨していたロンダ・ラウジーに完勝したアマンダ・ヌネス。
そのヌネスとの対戦が期待されていたのが、圧倒的な強さでフェザー級を制したクリス・サイボーグである。
「いろいろあったけどアマンダ・ヌネスvsクリス・サイボーグが2018年末ベストバウトで異論ないよな? 山本美憂vs長野美香もよかったぞ」
当初、両者に9月の対戦オファーを出したものの、ヌネスはこれを固辞。準備期間の少なさから12月開催を主張する。
対するサイボーグは、12月開催では試合間隔が空き過ぎるとして9月開催を希望。交渉は暗礁に乗り上げたかに思われた。
だが「ESPN」の報道によると、最終的にサイボーグが譲歩する形で12月開催に同意。対戦が実現することが明らかになった。
ESPN story on Cyborg-Nunes being a done deal for Dec. 29 by @bokamotoESPN — https://t.co/4iZAmywoPk
— Ariel Helwani (@arielhelwani) 2018年8月22日
なお、この試合はフェザー級タイトルマッチとして行われ、ヌネスが勝利すればUFC史上3人目の2階級同時制覇となる。
クリス・サイボーグvsアマンダ・ヌネスついにキタ!! 同時に、僕のMMA観戦も完全に終わるのかな?
アマンダ・ヌネスが絶対女王ロンダ・ラウジーを衝撃的なKOで叩きのめしてから約1年8ヶ月。
ようやく待望の試合が実現する。
クリス・サイボーグvsアマンダ・ヌネス。
両者ともに対戦を希望はしていたが、開催日時等の条件で折り合わずに交渉が難航。最終的にサイボーグ側が譲歩する形で正式合意に至ったとか。
ともにパワフルな打撃とグランドでの攻防というオールマイティーな能力を持つ者同士。
まさに女子MMAの頂上決戦にふさわしいマッチメークである。
と同時に、僕がMMAを真剣に観る最後の試合になるのかな? という気もしている。
「天心vsメイウェザー実現するってよ。よかったな、みんなが望む形になって。メイウェザーに振り回された1ヶ月」
競技レベルの向上とともに初期のごちゃ混ぜ感は失われ、僕の興味も失せていった
以前から何度か申し上げているが、僕は普段、MMAをあまり真剣に観ない。
UFCもRIZINも適当にザッピングする程度で、有名選手の試合をいくつかつまむくらい。
理由は、よくわからないから。
マジでしょーもないのだが、MMAの攻防が難し過ぎて理解できず、あまり楽しくない。
大の大人2人が絡み合って転げ回る映像に耐えられない。
要するに、MMAに挫折した。
「RIZINやべえのか? 那須川天心vs堀口恭司戦が決定。まあ、やべえんだろうな。RENAvs浅倉カンナも焦って組んだし」
もともと僕がMMAを観始めたのは、初期の異種格闘技戦の雰囲気が好きだったから。
まったく洗練されてない感じというか、各々が自分の特技で勝負する草創期のごちゃ混ぜな空気が気に入っていたからである。
だが、時間が経つにつれて競技レベルは上がり、いわゆるMMA用の技術が確立されていく。
他競技からの転向組が付け焼き刃で練習しても通用しない、MMAという一つの競技形態ができあがる。
もはやMMAの舞台はボクサーやキックボクサーがちょろっと練習しただけで立てる場所ではない。すべての技術を80点以上でマスターしたトータルファイター同士がしのぎを削る高い頂となる。
その結果、初期のごちゃ混ぜ感は鳴りを潜め、競技レベルの向上に反比例して僕の興味は失せていった。
「「ONE Championship」でシーサケットが防衛戦やるってさ。ようやくボクシングとMMAの選手が同じ日に同じ舞台に上がるんだね」
シンプル・イズ・ベスト。効率的に燃費よく。グランドに持ち込むのに、タックルなんかしてる場合じゃない
どんな競技(格闘技)でもそうだが、レベルの向上に伴いスタイルはシンプルかつ効率的になっていく。
ディフェンス技術は洗練され、不意打ちなどはまず決まらない。番狂わせもめったに起きない。
また、高次元のスキルを長期間維持するために、1試合でのダメージを極力少なくする必要にも迫られる。
つまり、より効率的でシンプルなスタイルを極めた選手が長期政権を築きやすい状況が確立される。
「那須川天心vsロッタン感想。呼吸するのを忘れたよねw すご過ぎてww パンチの那須川、キックのロッタンかな?」
以前のMMAは、打撃の得意なミルコ・クロコップとグランド技術に長けたアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラのように、選手によって長所短所が比較的はっきりしていた。
だが、最近はどちらかというと打撃中心。
立ち技でまともに打ち合えない選手は、トップ戦線ではお話にならないところまできている。
「サイボーグさんがクニツカヤに余裕の勝利!? マイッタね。攻略法はわかっても、それをできるヤツがいない」
そして、これも恐らく「シンプルかつ効率的なスタイル」を追求した結果ではないかと思っている。
グランドで勝負する選手は、とにかく相手を寝かさなければならない。
相手の打撃をかいくぐってタックルを仕掛け、自分が上になるポジションを作る。
ただ、タックルというのはめちゃくちゃしんどい。
頭から飛び込む分カウンターの危険が伴い、モーションが大きいために仕掛けるタイミングも難しい。
相手も警戒するのでチャンスも少なく、きれいに決まるのはせいぜい1試合に3回くらい。
「格闘技で久しぶりにウルっときた。那須川天心vs堀口恭司感想。盛り上げたるテッペンとったる!!」
しかも1回ごとの体力、精神力の消耗が尋常じゃない。
さんざん苦労して、成功するのは2、3回。
その少ないチャンスをものにできればいいが、必ずしもそうとは限らない。
得意なグランドに持ち込むためとはいえ、はっきり言って燃費は悪過ぎる。
「武尊vs皇治戦の既視感。会場の雰囲気が試合をグレードアップする。武尊はK-1でやること残ってないよな」
それならぶん殴って倒しちゃった方が早くね?
がんばって打撃をかいくぐるより、打撃で寝かした方がよくね?
つまり、危険を冒してタックルを仕掛けるより、立ち技でぶち抜いた方がはるかに効率がいい。
あれ? 殴った方が全然楽だし安全じゃん。
RIZINでの堀口恭司の無双により、UFC選手の打撃技術のすごさは嫌というほど証明された。
そして、その背景にはこういった理由があるのかな? などと勝手に考えている。
「那須川天心vsメイウェザー@RIZIN14。僕はガッツリ乗るよw こういうお祭りは楽しんだ方が幸福度が高い」
ロンダのごり押しファイトは最高だった。だがその時代も終わりを告げ、MMAはトータルファイターしか活躍できない舞台に…
申し上げたように、近年のMMAの競技レベル向上は凄まじい。すべての技術を高次元で身につけた選手のみが立つことが許され、他競技からの転向組が小遣い稼ぎで上がる余地は残されていない。
中でも打撃技術のレベルアップには目を見張るものがあり、ますます手がつけられない場所まで上り詰めている感じ。
「五味バッカ野郎お前、サイコーじゃねえかww ベストバウトかましやがってゴルァww 大みそかは判定じゃダメだよ」
ただその中において、女子MMAだけは別。
特にロンダ・ラウジーが君臨したバンタム級は技術レベルが稚拙(な気がした)で、その分僕の好きな原始的なごちゃ混ぜ感が色濃く残されていた。
以前の記事で「ロンダ・ラウジーが、まんまボブ・サップだった」と申し上げたが、マジでその通り。
パワフルな突進力で相手を下がらせ、金網に押し付ける。
両手をぶん回して萎縮させ、上から強引に押し潰して得意の腕十字に移行する。
スピード&パワーで技術をねじ伏せる、まさに「フィジカルのごり押し」と呼ぶにふさわしいファイトだった。
そして、それこそが僕が好きなMMAの姿。
男子MMAはもはや僕の理解を超えた場所に行ってしまったが、女子MMAはロンダを筆頭に草創期の雑多な雰囲気の中で躍動していた。
「ロンダ・ラウジーがわかりやすくボブ・サップだった件。ヌネスに48秒TKOか。ちょっとマズい負け方かもしれんな」
ところが、そのロンダ・ラウジーもホーリー・ホルムの打撃の前に完膚なきまでに敗れ、そのホルムは次戦でミーシャ・テイトにグランドで敗戦。それ以降は苦戦が続く。
「武居由樹の時代が来たぜぇぇ……!! って、ええ??!! 武尊はぁあ??? K-1の主役2人にビックラこいたww」
ホルムに勝利したテイトも次戦でアマンダ・ヌネスの打撃に手も足も出ずにあっさり陥落。次戦でペニントンに判定負けを喫し、そのまま引退してしまった。
そして肝心のロンダ・ラウジーも、復帰戦でアマンダ・ヌネス相手に何もできずに秒殺KO負け。
女子MMAが、トータルファイター以外は生き残れないレベルに達したことを示す結果となる。
その後のロンダ・ラウジーはご存知の通り。WWEと契約し、完全にボブ・サップと同じ道を歩み始めている。
\??大阪、ありがとう?/
夏を締めくくる最高の夜でした!#WWE #WWEOsaka #wwe_jp
Ronda Rousey and Osaka, Japan get “Rowdy” at WWE Live: photos https://t.co/gfMNlbCwa4 @wweさんから— WWE Japan (@WWEJapan) 2018年9月1日
しかもボブ・サップと違ってプライドも高そうなので、今後並行して格闘技の舞台に上がることはないのでは? と予想している。
サイボーグvsヌネス戦はロンダ時代にケリをつける試合。どちらかと言えばサイボーグ有利かな
長々と女子MMAについて語ってきたが(よく知らないくせに)、まあ要するにアレだ。
今回のクリス・サイボーグvsアマンダ・ヌネスの一戦は、ロンダ・ラウジー時代にケリをつける試合になるんじゃないの? と。
スピード&パワーで相手の技術をねじ伏せてきたロンダ・ラウジー。その彼女を中心とした女子MMA草創期に終止符を打つとともに、この競技が一段上に上る試合になるのではないか。
どちらの選手も打撃を中心に、全局面で高次元の技術レベルを持ち合わせる。
ロンダ・ラウジーに打撃で完勝したアマンダ・ヌネスが、圧倒的な強さを見せつけるクリス・サイボーグにどこまで対抗できるかの一戦。
「那須川vs藤田がおもしろかった!! 那須川天心がボクシング? やらなくていいんじゃない? 転向する意味ある?」
階級、パワー、体力もろもろを考えるとサイボーグの有利は動かないと思うが、前半で一気にペースをつかめばヌネスにもチャンスはある(気がする)。
いや、知らんけど。
とにかく、僕の最後の真剣MMA観戦となる(のかな?)試合を楽しみにしておく。