タイソンvsホリフィールド戦を初めて観ました。耳噛みつき事件も観たけど酷いな。スポーツとして破綻しとるやんけ。感想? 超つまらねえww
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マイク・タイソン(53)とイベンダー・ホリフィールド(57)が披露したトレーニング動画が話題になっているらしい。
I’m a Bad Boy for Life. Watch #BadBoysforLife now on DVD Blueray @realmartymar #willsmith #stillthebaddestmanontheplanet pic.twitter.com/R9Zmz19GFm
— Mike Tyson (@MikeTyson) May 1, 2020
Team Holyfield preparing for battle?#comeback
? @Klitschko ? @AntonioTarver #teamholyfield #boxing #evanderholyfield pic.twitter.com/EFDX6utIWW
— Evander Holyfield (@holyfield) May 21, 2020
1996〜1997年にかけて2度対戦し、2度目の試合では激昂したタイソンがホリフィールドの耳を噛みちぎるなど、前代未聞の因縁を残した両者。
だが2009年のテレビ出演時に和解を果たし、その後2人でプロモーション活動を行ったりもしている。
そして今回、新型コロナウイルス対策支援のチャリティーマッチとして3度目の対戦実現の可能性があるとのこと。
【ボクシング】マイク・タイソン、ホリフィールド戦に前向き「助けを必要としている多くの人がいる」#マイクタイソン #MikeTyson #ボクシング #boxing #ホリフィールドhttps://t.co/3kEBYecN8R
— eFight(イーファイト)格闘技情報 (@efight_twit) May 22, 2020
実はタイソンvsホリフィールド戦を観たことがない。エキシビションマッチ実現? という噂を聞いて初めて観てみました
実を言うと、僕はこれまでマイク・タイソンvsイベンダー・ホリフィールド戦を観たことがない。1996年11月の初戦も、耳噛みちぎり事件が起きた1997年6月の再戦も。
理由は単純におもしろくないから。
以前「マイク・タイソンおすすめ4試合」と題して僕が好きなマイク・タイソンの試合をご紹介したことがあるが、あれはすべて1991年以前のもの。
マイク・タイソンおすすめ4試合。ボクシングを観ない人に魅力を伝えるにはタイソンの試合を見せておけばいい
1995年8月のピーター・マクニーリー戦で鮮烈な勝利で復帰を果たしたものの、それ以降はイベンダー・ホリフィールド、レノックス・ルイスといったトップどころには勝てず、一段落ちるフランソワ・ボタにも大苦戦するという。
改めて振り返ると、復帰戦がピークと言っても過言ではないのかもしれない。
特に2002年のレノックス・ルイス戦は序盤以外はほぼワンサイドゲーム。一足飛びで距離を詰めるかつての踏み込みは失われ、その場でウィービングを繰り返すのみ。まったく自分の距離に入れず、ルイスのジャブに手も足も出ないまま8RKO負けを喫する結果に。
要するに足が動かないタイソンの試合は見るべきものが少なく、その上ホリフィールド戦では“耳噛みちぎり”などという意味不明な反則も発生した。
歴史に残る一戦であることに違いないが、どちらかと言えば黒歴史。諸々を踏まえると今さら観る気にはならない。
だが今回、両者のエキシビジョンマッチが実現するかも? という話を聞き、いい機会なので初めて観てみた次第である。
クソつまらない試合でした。両者のインファイトに差があり過ぎだったな。タイソンは案外インファイトがうまくない
率直な感想を申し上げると、クソつまらない試合だったww
初戦が11RKO、再戦が3R終了失格。計14Rのうち、盛り上がったと言えるのは初戦の9、10、11Rくらい。それ以外はほぼほぼ無風の退屈な時間が流れる試合だった。
まず思ったのが、この両者はインサイドに差があり過ぎた。
この試合でホリフィールドが実行したのは徹底してインサイドで削る作戦。
タイソンの踏み込みに合わせて自分も前に出てカウンターを合わせ、そのまま頭を下げて身体を寄せる。そしてタイソンの腕に自分の腕を絡め、もう片方の手で細かいパンチを浴びせる。
マイク・タイソンという選手は基本、鋭い踏み込みありきのスタイル。
遠い位置から頭を振って一気に距離を詰め、視界から消えるほどのウィービングと連動したコンビネーションを浴びせる。一瞬で相手との間合いを詰める脚力とヘビー級離れしたスピードが最大の持ち味で、それを発揮するには自分の間合いに入る必要がある。
だが、復帰後は生命線となるダッシュ力が失われたことでパフォーマンスが著しく低下した。
そして、その時期の試合を観るとわかるのだが、実はタイソンはあまりインファイトがうまくない。距離が近過ぎるとコンビネーションが機能せずに糞詰まりを起こす傾向が強い。
以前「比嘉大吾はインファイトはうまくない」「ロマゴンというよりタイソンに近い」とおっしゃっていた方がいたが、その意味がようやく理解できた気がする。
初めて間近で観た比嘉大吾はインファイトのスペシャリストではなく、むしろ脚力と連打の回転力で勝負するタイプに思えた。
比嘉大吾を初めて間近で観た感想。
・まだコンディションは全然戻ってない
・案外インファイトは上手くない
・超愛されキャラでクソほど人気がある
・S・フライ級で再起させようとしてる具志堅は圧倒的に正しい pic.twitter.com/YmVc5zXxAD— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) February 13, 2020
それに対し、ホリフィールドは近場でも鋭いパンチを打つことが可能で、なおかつタイソンに押し負けないフィジカルも兼ね備える。
頭を下げて身体を寄せ、片腕をロックしながら細かいパンチをヒット。
タイソンが無理やり振りほどこうとすれば、上からのしかかるように体重をかけて体力を奪う。
申し上げたように脚力が落ちたタイソンは一瞬で距離をゼロにする以前のような踏み込みはない。
その上至近距離では糞詰まりを起こす傾向があり、1発目の踏み込みに合わせて前に出る勇気さえ振り絞ればインファイトで十分上回れる。
遠い位置ではジャブで動きを制し、強引に踏み込んでくればクリンチ+近場のもみ合いに持ち込む。
インファイトで体力を削って動きを鈍らせ、たっぷりとイライラさせたところで10Rにカウンターをドカン。
相手のよさをいかに消すか、どれだけ退屈な試合にできるか。
バーナード・ホプキンス的な試合巧者っぷりでタイソンの馬力を封じたホリフィールドの完勝というヤツである。
伝説のロイ・ジョーンズvsバーナード・ホプキンス感想。初めてちゃんと観たけどクソつまんねえなこの試合w
クッソつまらなかったけど。
あり得ねえ…。耳を噛みちぎったあとも試合続行? もはやスポーツとして破綻しとるやん…
1997年6月の再戦でも基本的な流れは変わらず。
頭を振りながら踏み込みのタイミングを測るタイソンに対し、ホリフィールドは左右に動きながら左で牽制する。タイソンの1発目に合わせて頭を下げて突っ込み、そのままもみ合いのインファイトに持ち込む。
近場の打ち合いでタイソンを押し込み片腕で腕をロック。もう片方の腕でコツコツとパンチを浴びせ、レフェリーのブレイクを待つ流れ。
2Rには早くもバッティングでタイソンが右目から出血するなど、ホリフィールドのインファイト作戦は前回以上の激しさを見せる。
で、迎えた問題の3R。
ラウンド開始直後からタイソンがどう猛な突進で腕を振りまくるのだが、ホリフィールドは落ち着いてこれに対処。上からタイソンの頭を押さえ、離れ際に左右フックをヒットして距離をとる。バーナード・ホプキンス的なうまさはここでも山ほど発揮される。
ところがラウンド終盤。
リング中央でタイソンを抱え込んだホリフィールドが突然飛び上がって痛みを爆発させる。
そのまま背中を向けて自身のコーナーに戻ろうとしたところ、何とタイソンが後ろからホリフィールドを突き飛ばすのである。
耳を抑えて激昂するホリフィールドに異変を感じたレフェリーがタイムをかけ、ドクターに状態を確認させる。
一方、反対側のコーナーで待機するタイソンは鋭い目つきでホリフィールドを睨みつける。
歓声の中に混じる罵声、混乱。
リング上で起きた“何か”を理解できない観客が両者にブーイングを浴びせる。
そして長い中断の後、レフェリーが両者をリング中央で向かい合わせ、腕を交差してファイトをかける。
って、ファイトなの!?
だって耳を噛みちぎったんでしょ?
耳を噛みちぎるってことは、マウスピースをしてなかったってことでしょ?
間違いなく確信犯でしょ?
で、ファイッ!! なの!?
それをわかった上でファイッ!! なの!?
再開後、抑えの効かなくなったタイソンが今度はホリフィールドの左耳に食いつき、3R終了時に失格負けを宣告されるわけだが、もはや意味がわからない。
マウスピースをせずに噛みつく気満々なタイソンも意味不明だし、噛みつきがあったあとの「ファイッ!!」も意味不明。
そもそもそんな状況で試合続行を認めるホリフィールド陣営も意味がわからないし、もはやスポーツとして破綻している。
ローマン・ゴンサレス、マイク・タイソン、内山高志。最強の勝ちパターンさえあれば構成はシンプルでいい。シンプル・イズ・ゴールデンベスト()
辰吉丈一郎や畑山隆則の時代を取り戻す? いやいや、そんな必要ないでしょ。さすがに神格化し過ぎですよ
以前、井上尚弥がインタビューで「辰吉丈一郎さんだったり、畑山隆則さんだったり、あの沸かした時代を取り戻したい」とコメントしたことが絶賛されていたが、正直これはいろいろ神格化し過ぎだと思う。
井上尚弥『あの沸かした時代を取り戻したい』ボクシングへの熱い…彼のファイトに多くの人が熱狂する理由 https://t.co/Jhu9TWZuX2 #プロフェッショナル #プロボクサー #井上尚弥 #長谷川穂積
— おとなカワイイWEBマガジンCOCONUTS (@CoconutsJPN) November 13, 2019
タイソンvsホリフィールド戦の破綻っぷりもそうだが、辰吉や畑山の時代の試合映像を観るとやはりアングラ感は強い。
リングサイドにはカタギとは思えない人たちがずらっと座り、びっくりするような汚いヤジが平気で飛ぶ。
また、試合中にも関わらずカメラのフラッシュが無遠慮に炊かれ、どう考えても止めた方がいい状態にも関わらずレフェリーが続行を宣言する。
先日WOWOWで特集が組まれたエドウィン・バレロの試合でも、興奮した客がリングにゴミを投げ込んで試合がストップする事態が起きたり、時代を感じる光景は端々に目についた。
エドウィン・バレロの化け物感。本能と勢いで戴冠を果たし、ピタルア戦での2階級制覇とともに一気に成熟した
もちろん観客の熱気や選手の気迫など参考にするべきところは多いが、古いもんは古い。ここを取り戻す必要性はまったく感じないのが本音である。
思い出は思い出として残しておけばいいだけの話で、個人的にはあんな洗練さのかけらもないアングラを目指すのはご勘弁いただきたい。
タイソンvsルイス戦のワンサイドゲームっぷりに驚いた。この試合はヘビー級の巨人化時代の幕開け的な試合だったのかも
話が逸れたが、初めて観たマイク・タイソンvsイベンダー・ホリフィールド戦の感想はこんな感じである。
なお、ついでに2002年6月のマイク・タイソンvsレノックス・ルイス戦も観てみたところ、ホリフィールド戦以上のワンサイドっぷりにビックリしてしまった。
身長196cm、リーチ213cmのレノックス・ルイスがリーチを活かしたジャブでひたすらタイソンの前進を寸断し続けるのだが、絶望感という意味ではホリフィールド戦をはるかに上回る。
射程の一歩外で左ジャブのヒットを重ね、タイソンが前に出てきた際はバックステップで距離をキープ。
強引に近づいてくれば長い腕を絡めて上からのしかかり、徐々に体力を奪う。
そして、タイソンの踏み込みが鈍った中盤からは強めのジャブでさらに削りまくり、最後は凄まじい右ストレートで豪快KO。
ホリフィールドの実行した作戦に自身のサイズを活かしたジャブを上乗せし、“鉄人”と呼ばれた男を完膚なきまでに叩きのめす。
8R残り59秒で見せた渾身の右がこの試合におけるタイソンの最後の力だったと思うが、まさに“一方的な試合”としか言いようがない。
常々「ボクシングはデカくて動けるフィジカル強者が最強」「体重制限のないヘビー級はそれが顕著」と申し上げているが、このタイソンvsルイス戦はヘビー級の巨人化時代の幕開け的な試合だったのかもしれない。
ワイルダー陥落! フューリーがヘビー級史上最強でいいよな
違うかもしれない。
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