ジョー・コーディナvsシャフカッツ・ラヒモフすげえ試合。コーディナはこんなに接近戦がうまいんだな。尾川堅一との再戦あるか?【結果・感想】

ジョー・コーディナvsシャフカッツ・ラヒモフすげえ試合。コーディナはこんなに接近戦がうまいんだな。尾川堅一との再戦あるか?【結果・感想】

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2023年4月22日(日本時間23日)に英・カーディフで行われたIBF世界S・フェザー級タイトルマッチ。同級王者シャフカッツ・ラヒモフと前王者ジョー・コーディナが対戦、2-1(115-112、114-113、116-111)の判定でコーディナが勝利し王座返り咲きに成功した試合である。
 
 
日本の尾川堅一を下して初戴冠を果たしたものの、負傷離脱で早々に王座をはく奪されたコーディナ。
相手のシャフカッツ・ラヒモフは2021年2月にジョセフ・ディアスと引き分けるなど17勝1分の戦績を持つ強豪。前戦でゼラファ・バーネットとの王座決定戦を制し今回が初防衛戦となる。
 
 天海ツナミvsエストラーダ、ジョセフ・ディアスvsフォルトゥナ、ラミレスvsスリバン・バレラ振り返り。どの試合も見応えがあったね
 
と言いつつ、この日は外出していたためにリアルタイム視聴はできず。
さらにジャーボンティ・デービスvsライアン・ガルシア戦という注目試合があったせいでいつの間にか後回しに。
 
ジャーボンティ・デービスvsライアン・ガルシア。序盤物量勝負を仕掛けたガルシアはよかった。でもデービスの嗅覚、精度が高すぎる
 
で、ようやくDAZNの見逃し配信を観終わったところである。
 

おもしろい試合だった。両者一歩も引かない打ち合い。ラヒモフってこんなに近い位置で勝負するヤツだっけ?

まず感想としては、めちゃくちゃおもしろかった
 
両者一歩も引かない打ち合いが12R続き、わずかな差でコーディナが上回った試合。
 
だが、僕にはどちらの勝ちだったかは何とも言えない。
 
後半の追い上げは明らかにラヒモフだが、見栄えのよさ、効果的なパンチを当てていたのはコーディナの方。
一方、中盤7、8Rあたりでいったん落ちそうになったラヒモフがそこから盛り返したのはとんでもない。
 
結果的に2Rのダウンを含む中盤までのリードをコーディナが守り切ったわけだが、どちらの手が上がっても全然OKな試合だった。
 
 
また個人的に意外だったのが、ラヒモフがかなり近い位置で勝負したこととコーディナがそれにうまく対応したこと。
 
僕はシャフカッツ・ラヒモフの試合は2021年2月のジョセフ・ディアス戦(ディアスが豪快に体重超過したヤツ)くらいしか知らないのだが、そのときはどちらかと言えば中間距離で打ち合っていた印象。
 
ある程度スペースのある位置でディアスと打ちつ打たれつのシーソーゲームを展開していた記憶が……。
 
と思って振り返ってみたら、普通に近いなオイ笑

ただ、今回のように頭がガンガン当たるほどの接近戦ではない。
右左の違いもあるのかもしれないが、ラヒモフがこれだけ前に出る展開はあまり想像していなかった。
 
 
へえ〜。
シャフカッツ・ラヒモフってこんなに身体に悪そうな試合運びするんだ〜。
 
みたいな。
 

コーディナが接近戦に強くて驚いた。てっきり遠い位置から長いパンチを狙うだけの選手だと…

対するジョー・コーディナもラヒモフの突進を真っ向から受け止める。
 
がっちりガードを固め、ラヒモフの連打が収まったところを見計らって今度は自分が連打を返す。
微妙に角度を変えつついきなりの右やアッパー等、ガードの間からスパスパとヒットを重ねる。
 
自分のターン、相手のターンと目まぐるしく攻防が入れ替わる展開が続く。
 
 
また両者のパンチの質? が微妙に違うのもおもしろい。
ラヒモフのパンチがドスドス入るのに対し、コーディナのパンチは鞭のようなしなりを感じる。
中盤からラヒモフの顔がかなり腫れ上がっていたので、恐らく相当スナップが利いているのだろうと。
 
 
と同時に僕はジョー・コーディナがここまで接近戦に対応できることにかなり驚かされた。
 
前回の尾川堅一戦やそれ以前の試合を観ると、この選手は基本的に遠い間合いからの踏み込みが得意なタイプ。
 
尾川堅一がジョー・コーディナの狙いすました右で撃沈。距離の遠さとタイミングに慣れる前にもらったな。フラグになるから勝敗予想をしなかったのに笑
 
一足飛びで距離を詰める→バババッと連打を浴びせる→サッと離れるの繰り返しでペースを握るスタイルで、どちらかと言えば接近戦は苦手だと思っていたのだが。
 
むしろ見栄えのよさ、フットワークの軽さはコーディナに分があったという。
 
しつこく追い回されても動じないメンタル、近場でもサイドに動きながらスペースを確保できる機動力、その他。
「お前、こういう試合もできるのかよ」と謎の上から目線で眺めていた次第である笑
 

コーディナにこの試合をされると尾川堅一も厳しいか? 結局どちらが右を先に当てるか勝負しかない?

表題の通りだが、ジョー・コーディナにこういう試合運びをされると尾川堅一としても厳しい気がする。
仮に再戦が決定しても勝つのはなかなか骨が折れそうな……。
 
 
2022年6月の初戦は2Rに右1発でKOされたわけだが、アレは腕を下げて構える尾川が一番もらいやすいパンチ。もし再戦があるのならあのパンチを食ってはいけないのは大前提になる。
 
ところが今回の試合を観る限り強打を防ぐために距離を詰めるのは逆に危ない。
 
先日の尾川の復帰戦を観直してみたが、確かにそんな感じ。
遠い位置からの踏み込み、ジャブの鋭さ、強力な右ストレートは文句なしに凄まじい。その一方で近場で打ち合う場面はほとんどない上に相手の右が危ないタイミング、角度で顔面をかすめるシーンが散見される。
 
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結局尾川がコーディナに勝つには前回同様、遠い間合いでのジャブの差し合い、どちらが先に右を当てるかの勝負しかないわけだが、諸々を加味するとコーディナの右が先に当たる可能性が高そうに思える……。
 

ラヒモフが勝っていたらちょっと危なかった? 接近戦でゴリゴリ削られて押し潰されていたかも

ただ、尾川にとってはコーディナが勝ってよかったのかもしれない。
 
“サウスポー絶対殺すマン”の尾川堅一だが、それはあくまでクネクネしたアウトボクサータイプ。あれだけプレッシャーをかけてくる相手は接近戦が得意ではない? 尾川にとってはめちゃくちゃやりにくい。左右関係なく圧力で押し潰される可能性もあったのではないか。
 
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正直、ラヒモフに接近戦でゴリゴリに削られる尾川堅一というのはあまり想像したくない笑
 
 
 
今後の動向もわからない中でいろいろと適当なことをほざいたが、とにかくおもしろい試合だった。
 
ジョー・コーディナもシャフカッツ・ラヒモフもナイスファイト。ここに尾川堅一がどう絡むか、帝拳パワー()がいつ炸裂するかを楽しみにしておく笑
 
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