亀田和毅がレラト・ドラミニに判定負け。でもめちゃくちゃ見ごたえがあった。ドラミニの予想以上の強さと想像と真逆の展開【2023.10.7現地観戦、結果・感想】

亀田和毅がレラト・ドラミニに判定負け。でもめちゃくちゃ見ごたえがあった。ドラミニの予想以上の強さと想像と真逆の展開【2023.10.7現地観戦、結果・感想】

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2023年10月7日に東京・大田区総合体育館で開催された「3150FIGHT vol.7 ~拳闘士はゲンコツで語る~」を現地観戦してきた。
 
お目当てはメインイベントの亀田和毅vsレラト・ドラミニ戦。IBFフェザー級2位決定戦として12回戦で行われ、1-2(112-116、112-116、115-113)の判定で亀田和毅が敗れる波乱が起きている。
 
 
 
亀田興毅が主催する「3150FIGHT」に亀田和毅が出場することで注目を集めた今回。
 
個人的に大田区総合体育館があまり好きではないので迷ったのだが、ここを逃すと次に和毅が東京で試合をするのがいつになるかわからない、もしかしたら最後になるかも? ということで「よし、行くか」と。
 
階級アップ初戦だったこともあって思い切って足を運ぶことにした。
 
3150FIGHT Vol.7現地観戦。尋常じゃないテンポの悪さ。「演出がんばってるでしょ?」の押し付けがヒドい。試合は見ごたえ十分なのに
 

おもしろい試合だった。和毅の消極姿勢が酷評されてるけど僕は楽しめた

まず率直な感想だが、おもしろい試合だった
 
応援していた亀田和毅が負けてしまったこと、フェザー級初戦でつまづいたことは残念だが、試合自体はめちゃくちゃ見ごたえがあった。
 
 
ところがこの試合はかなり酷評されているらしく、
 
・亀田の手数が少なすぎる
・単純におもしろくない
・マスボクシング並み
 
和毅の手数の少なさ、消極的な試合運びを指摘する声、記事が多数見られる。
 
言われてみれば確かにその通りで、そこについてあれこれ言うつもりはない。
多くの人が退屈な試合だったと感じるのも納得である。
 
ただ、僕個人はおもしろかった。
12Rを通じてクソほど堪能したことを報告させていただく。
 
手数は少ない、和毅に攻める姿勢を感じない。
だけどなぜかおもしろい
 
僕は2023年4月の井上拓真vsリボリオ・ソリス戦を酷評しまくったが、あの試合と何が違うのかは自分でもよくわからない笑
 
佐々木尽vs小原佳太→100点満点、阿部麗也vsキコマル→微妙、井上拓真vsリボリオ・ソリス→ダントツ最下位。天心、オラスクアガ、佐々木尽がこの日の功労者
 
わからないのだが、楽しめてしまったのだから仕方ないw


 

思った以上に強かったドラミニ。和毅が普通にスペック差で勝つと予想してたけど

内容についてだが、レラト・ドラミニが思った以上に強かったなぁと。
 
試合前の展望は下記。
 
亀田和毅vsレラト・ドラミニ。和毅のフェザー級には結構期待してる。ここ2戦はかなり動きがいい。ドラミニは情報が少なくてよーわからん
 
申し上げた通り僕は普通に和毅が勝つと思っていた。
 
 
レラト・ドラミニはいい選手。
 
腕が長くフットワークも悪くない。
 
ジャブを出しながら左右に動く、ハイガードをキープできる、ボディが強烈、その他。
若干スケール感は足りないものの、よくまとまったハイレベルなアウトボクサー。
 
世界ランキング8位通りの実力者だと思う。
 
 
ただ、和毅に勝てるか? と言ったらちょっと難しそう。
ジャブの精度、足の速さ、出入りといった基本スペックは和毅の方がやや上。
 
特に和毅は相手がスピードに慣れていない前半に貯金を作るタイプで、この試合もその流れになるのではないか。
 
序盤から中盤にかけてスピードで翻弄し、ポイントをごっそりゲットする。
後半から盛り返されるものの、決定打は許さない。
 
ハイレベルなアウトボクサー同士、KO決着にはならないと思うが、和毅がスペック差で勝利する可能性は高い(気がする)。
 
亀田和毅vsケビン・ビジャヌエバ。元祖亀田家スタイルで押し潰す。ルイス・アルベルト・ロペスに同じことができるかは…
 

和毅にスピード負けしないドラミニ。コンビネーションに関しては和毅より上だった?

ところが実際は真逆。
前半はドラミニ、後半から和毅が追い上げるが逆転には至らず判定負けという結末に。
 
正直、これはかなり意外だった。
 
想像していた流れとまったく逆だったこと、レラト・ドラミニが思った以上に強かったこと。
この2つが今回の試合を(僕にとって)見どころ満載のものにした。
 
 
ドラミニの何がすごかったかというと、和毅にスピード負けしなかったこと。
 
上述の通り僕は序盤から和毅がスピード差で煽りまくると思っていた。
 
だが、試合が始まると両者にスピード差はほとんどない。むしろ連打に関してはドラミニの方が上だったほど。
 
僕は和毅がスピード勝負で相手をまったく引き離せなかった試合を観たことがない。
ドラミニの過去の試合を漁ってもあんなスピーディなコンビネーションなど見当たらなかったのだが笑
 
バトラー怒りの撤退w カシメロ計量に現れず。勅使河原弘晶がタパレスにあんな負け方をするとは。亀田和毅がパレホに大差判定勝利
 

ドラミニのスピード、うまさに面食らった和毅。おかげで接近戦への切り替えが遅れて逆転できず

そして、和毅自身もドラミニのスピードに面食らったと想像する。
 
何度も申し上げているように「序盤はスピード差でぶち抜く→中盤からややグダるものの、前半の貯金で逃げ切る」のが和毅の勝ちパターンである。
 
だが今回のドラミニはそのスピードでまったく千切れない。それどころかまともな連打勝負では置いていかれる。
 
和毅としてもここでつまづいたのは完全に想定外だったはず。
自ら距離を詰められなくなったのも、遠間でしか手を出せなくなったのもドラミニの速さ、うまさに動揺したからではないか。
 
で、中に入るタイミングを測っているうちにどんどんラウンドが経過したとか、そんな感じ。
 
仕掛けの遅さ、接近戦への切り替えが利かなかったことを酷評されていたが、それだけ動揺が大きかったとも考えられるわけで。
 
スピードでアドバンテージを取れない、自分の土俵で後塵を拝したことは和毅にとって大事件だった? のかも?
 
そういう心理状態を想像しながら観戦できたのも僕がこの試合を楽しめた要因だったりする。
 
亀田和毅vsルイス・カスティージョ。和毅今回もよかった。出入りとサイドへの動きが向上。ひょっとしたら井上尚弥の対抗馬の可能性が?
 

後半からの和毅の追い上げも見ごたえ十分。ああいう展開はこれまでの和毅にはなかったもの

また、和毅の後半からの追い上げもなかなか見ごたえがあった。
 
純粋なパワーではドラミニを上回っていた和毅だが、スピードで圧倒できなかったことで切り替えが遅れた。
 
だが、あの時点(9、10Rくらい)でドラミニはクッタクタ。もう一押しすれば!! というところまで追い詰めたことも確かである。
 
マジな話、あの追い上げはこれまでの和毅にはなかったもの。
これまで散々「和毅は前半型」「序盤の貯金で逃げ切るタイプ」と喚き散らしてきたが、逆に後半にギアを上げるシーンは一度も観たことがない。
 
いつもはモタモタする時間帯にあれだけの強度を出せるのならそれはそれでアリ。この辺は階級アップの効果と言えるのではないか(前半ほとんど攻めてないのもあると思うけど)。
 
サム・グッドマンが階級上のミゲル・フローレスを全局面で圧倒。これは指名挑戦者の先頭に立ったでいいんじゃない?
 

強かったドラミニ。がんばった和毅。両者ナイスファイト

いや、でもホントに強かったよレラト・ドラミニ。
 
どう考えても階級アップ初戦でぶつけてはいけない相手。それこそ調整試合を挟んでからでも全然よかったのに。
 


 
和毅は早々にこの位置でしかパンチが出せなくなった。

 
思ったよりドラミニのジャブが伸びたんでしょうね。

 
中に入ってもコンパクトなスイングで迎撃される。

 
後半以降の接近戦はよかった。


やや仕掛けが遅かったけど。
 


 
繰り返しになるが、僕にとっては見ごたえ十分のおもしろい試合だった。
 
どちらもナイスファイト。
 
亀田和毅vsドラミニ、健文トーレスvsKJ・カタラジャ。人をぶん殴る才能しかないガチクズの天才が一発逆転を狙えるのがボクシングの醍醐味だよね
 
和毅はまた戻ってこいよ。
井上尚弥云々はともかく、こんなところで終わるわけにはいかんでしょ。
 
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