富岡樹vs藤田裕崇戦、大激戦にテンション上がりまくり。富岡選手は残念だったけどナイスファイト。藤田選手の今後に期待【2021.10.30後楽園ホール感想】

富岡樹vs藤田裕崇戦、大激戦にテンション上がりまくり。富岡選手は残念だったけどナイスファイト。藤田選手の今後に期待【2021.10.30後楽園ホール感想】

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2021年10月30日に東京・後楽園ホールで行われた「A-SIGN BOXING & DANGAN244」を現地観戦してきました。


 
お目当ては第1試合の63.0kg契約8回戦、日本ライト級7位富岡樹vs藤田裕崇戦でございます。
 
結果は2-1(77-76、75-77、75-77)の判定で藤田選手が勝利。これによって藤田選手は日本ランク入りを確実にしております。
 
というわけで今回は撮った写真を載せつつ、試合の感想を適当に言っていこうと思います。
 
藤田炎村vsアオキ・クリスチャーノ戦が花山薫vsスペックだった件。「オドろいたねェ、ボウヤ。奇しくも同じ構えだ…」と言ったとか(言ってない)
 

富岡樹選手は吉野修一郎戦を現地観戦してからまた観たいと思っていた選手。角海老宝石ジムへの移籍はいいよね

富岡樹選手は2020年2月の吉野修一郎戦を現地観戦し、あまりの熱戦っぷりにまたいつか生で観たいと思っていた選手。
 
吉野修一郎vs富岡樹at「ダイヤモンドグローブ」最高過ぎワロタw 比嘉大吾の復帰戦もあったよ
 
ところが再起戦で元日本S・ライト級王者岡田博喜選手に判定負けを喫したと聞いて「は? 何それ?」と。
 
改めてキャリアを振り返ってみると、2018年7月の中谷正義戦での敗戦後にもかつて帝拳ジムで期待されていた正木脩也選手に判定負けを喫している。
 
ああ、なるほど。そういうことね。
 
親戚の富岡浩介選手も東日本新人王決勝戦で敗れた次の試合で3勝3KOの高山涼深選手(今回の興行にも出場していた)と対戦し、1RKO負け。
 
負けた直後の復帰戦で同等の相手をぶつけるというのが育成方針なのだと思いますが、これは割と高リスクな気も……。
 
 
強敵に打ち勝つことで大きく成長するというのは確かにわかりますが、負けた際の挫折もそれだけ大きくなる。
 
10代後半〜20代前半の時期は精神的にも肉体的にももっとも伸びる時期。それこそ脳筋ファイトで連勝を重ねて自信をつけさせるやり方も全然アリだと思っています。
 
特に富岡一族は見るからにイケイケのタイプ。脳筋ファイトで自信を深めるべき時期に強敵とばかりぶつけられたら自信を失って潰れてしまう可能性も……。
 
坂井祥紀、重田裕紀、佐々木尽、富岡浩介、牛島龍吾、谷口彪賀他。いい選手が多くておもしろかったですね
 
そもそも論として、富岡樹選手は7勝4敗1分の選手じゃないでしょ。
今さら言ってもアレだけど、もう少しじっくりキャリアを重ねて15戦目くらいで日本王座挑戦とかでもよかったんじゃないの?
 
 
そういう意味でも大手の角海老宝石ジムへの移籍はめちゃくちゃいい。
 
しかも、移籍第1戦目の相手が2019年新人王西日本代表の藤田裕崇選手。
 
うん、素晴らしいですね。
7勝1敗6KOの倒し屋ではあるけどキャリア的には格下。
再起戦の相手としては絶妙でございます。
 
そうだよな。格上に挑ませるばかりが育成ではないんですよ。
最終的にハネるためにはこういう試合を組むのも大事だよね。
 
などと素人の分際で勝手に思っていたところ……。
 
いや、待てよ。
63.0kg契約?
ライト級ではないのか。
 
というより、キャッチウェイトではあるけど実質S・ライト級のようなものか。
 
 
でも、前回の岡田博喜戦もS・ライト級8回戦だからそこは大丈夫なの? かな?
 
前田稔輝vs木村蓮太朗現地観戦感想。初めて生で観たけどやっぱり前田稔輝カッコいいな。木村蓮太朗の粘りもすごくていい試合だった
 

ファイターに矯正中の富岡選手。その試運転の相手が階級上の藤田裕崇選手というのはどうなんだ?

たまたま見つけた試合の展望記事が下記。


富岡樹選手が移籍を決めたのは相性のいいトレーナーとの出会いによるものとのこと。
 
これまで
「ファイターをやれ」
「ガードを上げて下がるな」
と言われたことがなく、それがおもしろいと思い移籍を決めたと。
 
そして、

「以前の僕を知っている人に『全然違うじゃん!』と思わせる自信はめっちゃあります」

との本人談です。
 
 
う〜〜ん、これはどうなんだ?
 
もともとフットワークとジャブが得意なアウトボクサータイプだったのを現在はファイターに矯正している。
それ自体が悪いとはまったく思いませんが、スタイルチェンジ初戦の相手が7勝6KOの藤田裕崇選手。しかも本来の階級より重い63kg契約というのは……。
 
試運転の試合としては少々厳しい気がするけど……。
 
最初にこの対戦を知ったときは7:3〜8:2で富岡選手有利だと思っておりましたが、63kg契約と聞いて7:3が6:4になり、上記の記事を読んだあとは「まったくわからんぞ」と。僕の中では完全に5:5のイーブンになっておりました。
 
 
逆に藤田選手にとっては大チャンス。
不利予想を覆すにはうってつけの相手だし、その可能性は十分ある。
 
とにかく楽しみな試合、これは現地観戦せないかんぞと思った次第です。
 
渡来美響vs柴田尊文、矢作海vs高橋世魁感想。渡来美響のほっときゃ出てくる感と矢作海の入念に準備を重ねて当日を迎えた感。どっちも好きっすね
 

出だしがよかった富岡選手ですが、あっという間に顔面が紅潮。パワー差が顕著に…

前置きが長くなりましたが、ようやく実際の試合について。
 
まず青コーナーから富岡樹選手の入場です。

ステフィン・カリーのレプリカユニフォーム? が似合います。
 
 
続いて赤コーナーから藤田裕崇選手。

ガウンがモッフモフです。
って、金髪になっとるやんけ!!
 
 
選手紹介が終わり、いよいよ試合開始です。

 
開始直後に富岡選手のスピーディなジャブが数発ヒットします。

 
この瞬間は「お、やっぱりうまいし速いなぁ」と。
しかも両者のハンドスピードにはかなりの差があり、藤田選手はなかなか富岡選手の動きについていけません。
 
もしかしたらこのまま富岡選手が捌ききるかも? などと思っていると、
 
 
あれ?
富岡選手の顔面が……。

数度の交錯の直後、早くも富岡選手の顔が紅潮しております。
 

藤田選手の馬力とインファイトのうまさ。流れの中でのナチュラルなスイッチがよかった

スピードと当て勘、センスは文句なしの富岡選手ですが、パワー、1発の威力、フィジカル面では藤田選手の方が明らかに上。
 
正面衝突で押し勝ち、相打ちでも富岡選手を身体ごと弾き飛ばしていきます。


 
グイグイ距離を詰める藤田選手と、それを嫌がる富岡選手。

 
それでもたびたび藤田選手が富岡選手をロープ際に追い込み、細かい連打を浴びせるシーンが目立ちます。


 
富岡選手も姿勢を低くしてボディ、顔面を打ち分けます。中盤にはボディを効かせて藤田選手を失速させる局面も。


 
ですが、やはり身体の馬力、打たれ強さは藤田選手の方が一枚も二枚も上です。


 
しかも藤田選手は流れの中でナチュラルにスイッチするのがうまい。

遠い位置でパッと切り替えるのではなく、打ち合いの最中に踏み出す足によってスタンスを変えるやり方。
こういうスイッチはMMAではよく目にしますが、最近はボクシングでもちらほら見かけるようになった気が……。
 
 
確かに藤田選手は被弾の多いファイターですが、恐らくパンチの芯を外すのに長けているのだろうと。
ガードの真ん中を割られても額の一番硬い部分で受けていたし、スイッチを繰り返しながら微妙にアングルを変えているのかもしれません(違うかもしれません)。
 
一方の富岡選手はディフェンス面、特に近場でのパンチのもらい方で遅れを取っていたと言える? かも?
 
前に出る馬力と1発の威力で上回られ、パンチを芯でもらいまくる。
その結果、藤田選手の圧力を抑えきれず、ポイントでも一歩届かなかった印象です。
 
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どちらもナイスファイト。藤田選手の今後に期待ですね

試合直後の藤田選手。

めちゃくちゃ綺麗な顔をしております。
やはり純粋なパンチ力だけでなく、インファイトのうまさも兼ね備えていたと言えそう。
 
 
富岡選手の顔は結構腫れております。

階級上の豪腕ファイター相手に急造のインファイトでは難しかったということでしょうか。
 
 
と言いつつ、どちらもナイスファイト。
本当にいい試合でした。


判定を聞いて喜びを爆発させる藤田選手。

そりゃそうですよね。
格上と言われる相手にあれだけしんどい試合をしての僅差判定勝利。嬉しくないわけがない。
 
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そして、この勝利でランク入りが濃厚とのこと。
今後に期待でございます。
 
なお、僕も今回の試合でだいぶテンションが上がっておりますので、ぜひともまた藤田選手の試合を現地観戦したいと思っております。
 
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