田中将大6失点の炎上。2試合続けて3被弾!! 自己ワーストの自責点6【アストロズ戦。今日の結果】
アメリカ大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースに所属する田中将大投手(26)が27日(現地時間日本時間28日)に敵地ヒューストンで行われたアストロズ戦に先発。結果は5回を7安打6失点と炎上し、2試合連続で3ホームランを被弾するなど、不安の残る内容だった。なおチームは終盤の勝ち越しに成功し、9-6で勝利した。通算成績は4勝3敗は変わらず防御率は3.88に悪化した。
「マー君炎上!! 自己ワーストの3被弾で3敗目。タイガースに打ち込まれて自責点5」
2回までに6点の援護をもらった田中だが、そのリードを守りきれず、自責点はメジャー自己ワーストの6。先日のタイガース戦に続いての炎上に、またしても周囲のざわつきが大きくなることが予想される。
案の定「彼はエースではない」という論調で書き立てるメディアもあり、まだシーズンも前半だが、3年ぶりのプレーオフを狙うヤンキースにとっても田中自身にとっても正念場を迎えたといえるかもしれない。
今日も初回から球にキレがない田中。アストロズ打線にさっそくつかまる
初回。
先頭打者のスプリンガーにいきなりのフォアボール
88マイルのスプリット、83マイルのスライダーを軽々と見逃される。
コントロールが悪いというより、どちらかというと球にキレがなくて見極められている印象だ。
続く2番打者コレア。
2球目に今日初めてのまっすぐを投じる。球速は91マイル。ややカット気味だろうか。
カウントが1-1になったところで83マイルのスプリット。ファール。お、当てられた。普段は空振りをとれている球だが。
1-2からの4球目。変化量を減らしたスプリット。球速は88マイル。これもファール。
やばい。キレがない。ここまでは「これ」という頼れる球が見当たらない。
5球目。右打者の内側へのスライダーがすっぽ抜ける。ドロンとした軌道。やはり今日はキレがない。カウント2-2。
6球目。83マイルの外側へのスプリット。腕を伸ばして拾われる。センター前ヒット。
いや〜、厳しい。今日は厳しい。
3番アルトゥーベ。165cm右打ちの小柄な大打者だ。
初球はすっぽ抜けのスライダーが真ん中へ。ストライク。だがホームランボール。見逃してくれて助かった。
2球目。88マイルのスプリット。空振り。この試合初めていい落ち方をした。
3球目。内側から曲げるスライダーだが、惜しくもボール。この球もキレがない。今日はスライダーが特に厳しい。
4球目。外側を狙ったカッターが真ん中へ!! 危ない!! しかしファール。これも助かった。
5球目。外側へのスプリット。手を伸ばしてカットされる。ファール。
6球目。88マイルのスプリット。空振り三振!! しかしあまり落ちがよくない。
続く4番バルブエナ、5番ガティスを打ち取り初回は無失点で切り抜けた田中。
だが今日の調子で長い回を投げるのは厳しいのではないか。全体的にはそんな印象だ。
言われているほどコントロールが悪かったわけではないと思うが、球にキレがないために厳しいコースを狙わざるを得ず、カウントを悪くしてそういう印象を与えてしまうのだろう。
今後の展開はかなり厳しくなりそうではある。
味方打線が爆発して6点の援護をもらった2回。
6番シングルトンにいきなりツーシームを2球。内野フライで1アウト。
お、ツーシーム投げた。今日は左打者用に使うのか?
続くサンタナにも初球ツーシームから入る。おや、全然投げてるじゃないですか。
ただ、相変わらず球の威力がない。
2-1から高めの92マイルまっすぐを左中間に思い切り引っ張られる。ノーアウト2塁。
8番カーターには86マイルのスプリットが真ん中に入り、左中間の同じような場所に打たれる。連続ツーベースであっさり1失点。
やばい。普段空振りがとれている球で空振りがとれない。それどころか軽く見逃され、手を伸ばして拾われている。
9番左打者のカストロ。
0-1から内側へのカットボール。わずかに外れる。オーバーリアクションでよけるカストロ。スタンドからは大ブーイング。
「え? そんなにヤバい球ちゃうやろ」という表情で苦笑いする田中。確かにそんなに騒ぐほどの球ではなかった。
結局外のスプリットでカストロを三振に打ち取った田中。この最後の球はキレのいい落ち方だった。今日の田中はいい球と悪い球の差が激しい。
2アウト2塁で続く打者は1番スプリンガー。
初球は外側の89マイルのカットボール。空振り。この打者、恐らく外の球に手が届かないタイプだ。
と思った3球目。外側低めの88マイルのスプリットを鋭く振り抜きレフト前ヒット! セカンドからランナーが帰り2失点目。
う〜ん、やはりあの80マイル後半のスプリットは効果的ではないように思える。
気を取り直して2番コレア。田中、ここは切り替えたい。
カウント1-1からの3球目。今日初めて右打者の内側へのツーシームを見せる。ファールされたが、この球には力があった。
4球目は内側へのスライダー。同じコースから逆に曲げる球。ボールにはなったがいい球である。
こういうピッチングができれば徐々に上がってきそうなのだが。
結局この回は2失点で切り抜けた田中だが、とにかくいい球と悪い球の差が激し過ぎる。はっきり言って状態はよくない。
変化球でかわす投球を続ける田中だが、ついに5回……
6-2で迎えた3回。
先頭打者は3番アルトゥーベ。
初球は外側への91マイルのカットボール。ボール。
2球目は真ん中高めのスライダー。甘い!! 鋭く振り抜くアルトゥーベ。しかし打球はファール。いや、助かった。
3球目。外角へのカットボール。これもファール。アルトゥーベ、ホントに積極的に振ってくる。
4球目。93マイルのまっすぐが外側へわずかに外れてボール。
5球目。同じコースへのスプリット。89マイル。ファール。これを空振りしてくれないのがキツい。
6球目。84マイルのスプリット。またもファール。あっさりついてこられている。いや、厳しい。
7球目。外側へのカットボール。この球もファール。
8球目。先ほどと同じコースへのまっすぐ。内野ゴロで1アウト。田中の粘り勝ち。
ただ、球にキレがないので一人の打者を打ち取るのに労力がかかっている。
でも最後に投げた94マイル。この球のように球速自体は出ているのだから、1球高めに見せるなど、もっと効果的に使いたい。
3回は苦労しつつも、この試合初めて三者凡退に抑えた田中。
とはいえ調子自体が上がっているとは言いがたい。
スピードを上げた80マイル後半のスプリットは相変わらず効果的とは思えないし、何より空振りが奪えていない。普段初球のカウント球に使うことが多いカーブも浮き気味だ。
依然として厳しいピッチングが続く。
4回。
この回先頭は6番の左打者シングルトン。
初球は外側のまっすぐでストライク。
2球目は内側のカットボールが外れてボール。
そして外側へのスプリット。これもボール。
2-1からの4球目。左打者の外側からストライクになるスライダー。空振り。お、バックドアきました!
5球目のスプリットはファールされたが、続く6球目もスプリット。これをシングルトンが空振り。三振で1アウト。
うん、今の攻めはよかった。だんだん調子が出てきたか?
ただ相変わらず変化球が多い。力のあるまっすぐをどこかで見せたい。
続くサンタナをスプリットで内野ゴロに打ち取り2アウト。本来は空振りして欲しい球だが、まあ結果オーライだ。
8番カーター。
初球は内側へのカットボール。カーターが空振りで1ストライク。おや、珍しい。右打者の内側へのカットボールとは。
2球目。ドロンとしたスライダーが真ん中へ!! カーターが迷わず強振!!
打球は一直線にレフトスタンドへ。ソロホームラン!! 6-3と3点差。
あ〜、やられた。今日抜け気味だったスライダーだ。ついに捉えられたか。今まで打たれない方がおかしい完全なホームランボールばかりだったしな。
続くカストロを外角の93マイルまっすぐで見逃し三振に打ち取った田中。最後の球は威力抜群で素晴らしかった。そう、これですよ。先ほども言ったが、この球をどんどん効果的に使っていきたい。
5回。
先頭の1番スプリンガーにフルカウントからフォアボールを出す。
でもこの打者への攻めは威力あるまっすぐ系で追い込んだ後のスプリットで誘うという組み立て。
うん、この感じでいきたいんですよ。この打席は決め球のスプリットとスライダーが抜けたというだけで。
2番コレア。
初球は外側への90マイルのカットボール。外れてボール。おや、肘が下がってきたか田中。
2球目。外側高めへのスライダー。ボール。いや〜、さっきからこのスライダーが浮いていて危ない。
3球目。初球と同じようなコースへのまっすぐ。コレアが鋭く振り抜く!!
ピシッ!!
小気味いい打球音を残してボールはライトスタンドへ。ツーランホームラン!!
得点6-5。
う〜わ、いかれた。
悪い球じゃなかったけど、思い切り踏み込まれた。
球に威力がなくて躊躇なく踏み込まれたか、それとも外側を続け過ぎたか。どっちにしろこれは打った方を褒めるべきだろう。得点は6-5。
3番アルトゥーベ。
初球は抜け気味のまっすぐが内側へ。強振するアルトゥーベ。打球はわずかに三塁線を切れてファール。危ない危ない。
2球目。外側の83マイルのスプリット。アルトゥーベ、この球を泳ぎながら拾う。
高く上がった打球は長い滞空時間でレフトスタンドへ。ソロホームラン!!
連続ホームランで6-6。ついに同点!!
いや、厳しい。この回はとにかく変化球のキレがない。
大体80球を超えた辺りで落ちてくる今シーズンの田中だが、どうやら今日もそのパターンのようである。
前半戦の正念場を迎えたか。次回登板が田中にとっての一つの分岐点となりそう
結局5回は後続を抑えてホームランによる3失点で切り抜けた田中。同点での降板となり、勝ち負けはつかなかった。
ただ、内容的には厳しい批判にさらされるものであったことは間違いない。先発投手としての役割を2戦連続して果たせなかったことも大きい。これで手術に対する議論も再燃するのだろう。
確かに今日の田中の球にはキレがなかった。特に変化球、スライダーは抜け気味でホームランボールがかなりあったと思う。コースを狙い過ぎての失投も目立った。
ここ2戦の不調は肘や腕の故障が原因ではなく、単純な疲れだろう。
また、個人的には投球の組み立てにも若干問題があるように思える。前から言っているのだが、低めへの変化球中心の組み立てはわかるのだが、やはりそれだけだと打者はついてくる。どこかで高めまっすぐを見せる思い切りが欲しい。結局スピードボールはすべてを凌駕する大正義の球なのは間違いないし、田中のまっすぐは球速93〜94マイルは出るのだから。
特に今日のようにスライダーが抜けて使えない場合に、投球の幅が一気に狭まる状況に陥る。
ジラルディ監督のコメントにもあったように今日は「ただ単に投球内容が悪かっただけ」だろう。身体に問題を抱えているわけではないのは間違いないと思う。そのことがむしろ問題視されている部分もあるのだが。
「ヤンキース田中将大復の復活したのか? 不調は続くのか? フォームの比較で検証する」
次回登板が田中にとって一つの分岐点になるのではないだろうか。周囲の信頼を左右する登板といっても過言ではないかもしれない。田中マー君、神の子と言われた底力に期待したいところだ。
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