マー君炎上!! 自己ワーストの3被弾で3敗目。タイガースに打ち込まれて自責点5。それでも肘には心配はなし?【田中将大、今日の結果】

NO IMAGE

青空イメージ
アメリカ大リーグニューヨーク・ヤンキースに所属するマー君こと田中将大投手(26)が現地時間の21日(日本時間22日)に本拠地ヤンキースタジアムで行われたデトロイト・タイガース戦に先発。今シーズン8度目の先発となったが、結果は5回を投げて10安打7失点(自責点5)。メジャーワーストの3被弾を許し今季3敗目(4勝)を喫した。防御率は3.14。

故障明けから好投を続けていた田中。完全復活を印象づけたかった今回の登板だが、結果は強力タイガース打線にメジャー自己ワーストの3被弾を含む7失点を許す結果に。再び現地では田中の健康面を懸念する報道が持ち上がっている。

「田中将大、怪我の心配はなしか? 7回1失点で4勝目!! サイ・ヤング賞シャーザーに投げ勝つ!!」

こういった周囲の雑音に一喜一憂するタイプではないと思うが、今後の田中投手の動向にはますます注目が集まりそうである。

いきなり2本のホームランで4失点。暗雲立ちこめる立ち上がり

初回。
先頭打者のデービスが右打席に入る。
初球。真ん中やや内側寄りのツーシームで1ストライク。
2球目。もう1球、内側へのツーシーム。内野フライで1アウト。

2番、右打者のキンズラー。
初球は外角へのカットボール。キンズラーがバットを止めるが、スイングの判定で1ストライク。
2球目。内側を狙ったツーシームが引っ掛かって外角低めへ。ボール。
3球目。外側へのスプリット。これも低めに外れてボール。
4球目。外側へのスライダー。初球のカットボールよりもやや変化量を大きくした球。空振りで2ストライク。
5球目。外側へのスプリット。4球目と同じコースから落とす球。キンズラーは空振り。三振で2アウト。

先頭の2人に対して一見、順調な滑り出しに思える。だが投げている球自体はいまいちな印象だ。キレ、勢いがあまり感じられない。まだフォーシームを1球も投げていないことも気になる。

3番ミゲル・カブレラ。メジャー最強の打者が右打席に入る。
初球。外側へのスライダー。ゆうゆう見逃されてボール。
2球目。真ん中低めへのスプリット。これもボール。ああ、あまり落ちがよくない。この感じだと、今日は苦しい投球になるかも知れない。
3球目。スプリットが内側へ。高い!! だがカブレラが見逃してストライク。危ない!!
4球目。真ん中やや内側よりのツーシーム。この球にカブレラが軽くバットを合わせる。打球はライト前へ。ヒットで2アウト1塁。
ああ~、軽々打たれたなあ。やはり今日の田中の球には勢いがない。カブレラがすごい打者だというのもあるが、ちょっと苦戦しそうな立ち上がりである。

打席には4番ビクター・マルティネス。こちらもメジャーを代表する左打者だ。
初球。真ん中寄りのフォーシーム。もしかしたらカットボールかもしれない。ボール。勢いがない。ヤバい。
2球目。左打者の外側ボールゾーンからストライクになるスライダー。マルティネスがバットを出すがファール。1ストライク。
3球目。今度は外角低めへのスプリット。ボール。いいコースにいっているが、ゆうゆうと見送られている。
4球目。外角へのスプリット。「あ、高い!!」と思った瞬間、マルティネスが鋭くバットを振り抜く!!
打球は一直線にライト上段へ!!
ツーランホームラン!! 0-2。
ゆっくりとベースを一周するマルティネス。
憮然とした表情で見送る田中。
今のは明らかな失投だった。あれを見逃してくれるほど甘くはない。

続くバッターは5番セスペデス。こちらも強打の右打者だ。
初球。外角から真ん中に入ってくるツーシーム。うわ、甘い!!
しかしセスペデスは手を出さずに見送ってストライク。危ない!!
2球目。首を2度振って投じた球はスライダー。これも甘い!!
セスペデスが強振!!
強烈な打球がショート正面へ転がる。遊撃手のグレゴリウスがボールを弾く!! エラー!!
2アウトランナー1塁。いやいや、今のはしっかり捕ってやろうよグレゴリウス。

打席には6番J.D.マルティネス。
次々と強打者が登場するタイガース打線。一瞬も気を抜くことができない。
初球。外角低めへのスライダー。空振りで1ストライク。この球をどうにか有効に使っていきたい。
2球目。内側を狙った90マイルのツーシームが外寄り高めへ。うわ、これも甘い!!
バシン!!
鋭く振り抜かれた打球はぐんぐん伸びて左中間スタンドへ。ツーランホームランで4-0。
いや~、今のはダメだ。あのコースへツーシームを投げたらただの打ち頃の半速球になってしまう。
どうやら今日の田中は球の威力がないだけでなく、ツーシームをうまくコントロールできていない。
どちらにしても初回の4失点は痛い。

続いて打席に立つのは7番ブライアン・ホラディ。
ランナーがいなくなったこの状況での田中。どうにかこの打者で初回を切り抜けたいところだ。

初球。88マイルのカットボール。しかしコースは真ん中高めへ。ファールで助かったが、完全にホームランボールだった。
2球目。外寄りのスライダー。ストライクにはなったがこれも甘い。2球続けてのホームランボール。本当に危ない。
3球目。外側へのスプリット。空振り三振!! 最後のスプリットはいいコースへ落ちた。それまでの2球が完全にホームランボールだったが、この2球を見逃してくれて本当に助かった。

初回を観た印象だが、今日ははっきり言ってよくない。
球に勢いがないし、コントロールもよくない。
何より、まだフォーシームを1球も投げていないあたり、今日の球威に自信がないのだろう。どことなく身体も重そうで、前回登板までの疲れも出ているようだ。
この先どうにか立ち直ってもらいたいが、どういう展開になるか。

2回も調子は上がらず失点を重ねる田中。炎上Day突入

2回。
初回の失点から切り替えていきたい田中。
しかし先頭のロマインにこの日初めて投げたフォーシームを軽々ライト前に運ばれる。球速も90マイルとあまり上がらない上に、ベース上での球威も感じられない。左打者に外角低めを軽々引っ張られるのもやばい。今日は本当にやばい。

ラストバッターのイグレシアスを内野ゴロに打ち取ったものの、その後もリーグを代表する強打者が並ぶタイガース打線。
今のところ、右打者の外側へのカットボールくらいしか使える球がない。

2番キンズラーはど真ん中のスライダーを打ち損じてくれて助かったものの、続く3番のカブレラにはフルカウントからスプリットを叩きつけて四球で歩かせてしまう。
カブレラのこの打席、94マイルのフォーシームを見せはしたが、外角低めギリギリのスライダーをあっさりとファールされ、スプリットも余裕を持って見逃されてしまう。とにかくスピード、キレ、コントロールともにいまいちの状態が続く。

2アウト満塁で打席には、先ほどホームランを打たれているビクター・マルティネス。
初球は内側のボールゾーンからストライクになる93マイルのフロントドア。今の球はキレ、スピードともに申し分なかった!! この日初めてだろうか、やっといいボールがきた。ギアを一段上げてきたか田中。

2球目。外角低めへの93マイルのフォーシーム。ファール。マルティネスは完全に振り遅れている。いいぞ田中。
3球目。外角低めへ90マイルのスプリット。腕を伸ばして拾うようなスイングのマルティネス。打球が二塁手の横を抜けて打球はセンターに転がる。センター前ヒット!! ランナー2人が帰って0-6。

いや~~……、今のは何とも……。
完全に捉えられた打球ではなかったが、相手の方が一枚上手だった。打ったマルティネスの技ありというヤツだ。
ちなみに今の球は、ここ最近投げている変化量を落として球速をアップさせたスプリットだが、現状そこまで打者が苦労している印象はない。

続くセスペデスを外野フライに打ち取りこの回を切り抜けた田中。あまりに痛い2失点だ。

ようやく調子が上がってきた田中に再び立ちはだかるJ.D.マルティネス

味方打線が2点を返して2-6として迎えた3回。
J.D.マルティネス、ホラディを三振に取って2アウト。
続く9番ロマインには四球、9番イグレシアスには内野安打で再びピンチを迎えるが、1番デービスを外野フライに打ち取り3アウト。この試合初めてスコアボードに「0」を点灯させる。

この回はホームランを打たれているJ.D.マルティネスに対して初球カーブを使うなど、やや落ち着いてきた印象のある田中。また、ホラディを内側からのスライダーで三振に取るなど若干の余裕も感じられる。いわゆる右打者へのフロントドアというヤツだ。この球を投げられるなら投球に幅が出ると見ていいだろうか。

内野安打にはなったが、イグレシアスに投じた2球のツーシームもなかなか威力があった。外側のスライダーと内側ツーシームでの揺さぶりなど、ゾーンを広く使うピッチングもできている。
相変わらずスプリットを叩きつける場面は多いが、初回からカッターの精度はいいし、全体的にはある程度自分の思ったコースに投げられてきている。フォーシームのスピードがあまり出ていないし、スプリットで空振りが取れていないのは気になるところだが、悪いなりに切り抜けている。このままリズムに乗っていければいい。

続く4回も1アウトからカブレラに外寄りのカットボールを捉えられてヒットを許すが、セスペデスを三振に打ち取るなど後続を断って無失点に抑える。

特に4番ビクター・マルティネスへの投球はよかった。
外側へのツーシームでストライクを取り、次は外側から入ってくるスライダーで空振り。同じコースへ逆の変化をつけてカウントを取るピッチングである。
最後は内側への威力抜群のツーシームでボテボテのピッチャーゴロ。この打席のマルティネスに打てる球はなかった。

セスペデスに対しても内側のスライダーで空振り三振を奪い、上々のピッチングを見せる田中。どうやら今日のセスペデスは田中にはあまり合っていないようである。

ツーシームがやや真ん中寄りに入ってヒヤリとする場面もあるが、外のスライダーに対して右打者がつんのめるようなスイングを見せるなど、立ち上がりに比べれば調子は上向きとみてよさそうである。

得点変わらず2-6で迎えた5回。
先頭打者は先ほどホームランを打たれているJ.D.マルティネス。
初球。カウントを取りにいったカーブが内側からスーッとストライクゾーンに。
「あっ、ヤバい」と思った瞬間、マルティネスが強振!!
打球はセンターへ一直線。この日2本目のホームラン!! 得点は2-7。

ああ~、狙われたか~。
初球のカウント球にうまく反応されたなぁ。さっきの打席と同じ入りだったしなぁ。調子が出てきた矢先だっただけに残念だ。
とはいえ、このホームラン自体はそこまで心配するものでもないだろう。

続くホラディには追い込んでから内側のまっすぐをレフト前に引っ張られてノーアウト1塁。
再びピンチが広がるかと思われたが、ロマイン、イグレシアス、デービスを打ち取りこの回を切り抜ける。

ヒットを許したホラディには2ストライクまではうまく組み立てていたし、後続に対してもスプリットがひっかかり気味ながらも内側ツーシームをうまく使って我慢の投球を見せていた。3~5回の田中はナイスピッチングといえるのではないか。

結局この回で球数が90球を数えて降板となった田中。
チームも4-12で敗れて田中に3敗目(4勝)が記録され、防御率は3.17となった。

打たれはしたけど、そこまで心配はしなくていいんじゃないか?

今日の田中は、立ち上がりの調子が上がる前にいきなり被弾してバタバタしてしまった印象だ。調子自体あまりよくなかったのもあるだろうが、リズムに乗る前に強力打線につかまったのが痛かった。

前回登板から多少球の威力が落ちてきているが、原因は単純な疲れで肘の痛みなどではないと思う。3~5回のピッチングを観る限り、今後も問題なく好投を続けてくれるのではないだろうか。

何度も言うが田中は本当に器用なピッチャーなので、今日のように「調子が悪いときにメジャーの強打者を抑えるコツ」も近いうちに自分のものにするだろう。去年はちょうど、調子が落ちてきたときに故障離脱してしまったので、そのコツを掴むまでには至らなかったのだ。

ヤンキースは今後、オールスターまでは中五日のローテーションが続くようなので、うまく調整して次回登板に備えてもらいたいものである。

今後もますます田中マー君のピッチングに注目していこう。
「田中将大6失点の炎上。2試合続けて3被弾!! 自己ワーストの自責点6」

【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!