エロール・スペンスvsマイキー・ガルシア本当に決まっちゃった。勇敢なのか無謀なのか。どちらにとってもメリットあるよな【予想・展望】

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2019年3月16日(日本時間17日)、米・てエキス州で行われるIBF世界ウェルター級タイトルマッチ。
同級王者エロール・スペンスが、4階級制覇王者マイキー・ガルシアを迎えて3度目の防衛戦に挑む。
 
 
ライト級王者マイキー・ガルシアが大勝負に出る。
2018年7月にロバート・イースターJr.との統一戦を制し、ウェルター級王者エロール・スペンスへの挑戦を公言してから約3ヶ月。
 
両者の交渉が成立し、2019年最初のビッグマッチが発表された。
 
迎えうつ王者スペンスは現在24戦全勝21KOの強打者。
2017年のケル・ブルック戦での戴冠以降、レイモント・ピーターソン、カルロス・オカンポを相手に防衛を重ね、ウェルター級でもトップクラスの評価を誇る。
 
戦前の予想ではスペンスが持ち前のパワーでマイキーを圧倒すると言われているが、果たしてどうなるか。
 
階級最強に躊躇なく挑むマイキー・ガルシアの勇敢さも賞賛される中、来春のビッグマッチに注目が集まる。
 
「最強スペンスがマイキーに大差判定防衛。ど正面からのどつき合いは見応えあったな。策士マイキーは黒星の代わりに評価を得たか?」
 

両者にメリットの多いマッチメーク。実は負けても失うものが少ないマイキーと、ビッグマッチを求めるスペンス

おおう……。
スペンスvsマイキー、ホントに決まってしまった……。
 
 
多くの方が注目し、そして「止めとけマイキー」と言い続けたこの一戦。
交渉の経緯はよく知らないが、割とスムーズに合意・決定までこぎ着けた印象か。
 
僕としても「さすがのマイキーもキツいんちゃう?」と思っているのだが、あの自信たっぷりの姿勢はそこまで嫌いじゃない。
 
「それよりロマチェンコと…」という意見ももちろん納得なのだが、いろいろ考えるとこの一戦はかなりお得感が高いと気づく。
少なくともロマチェンコに手を出すよりははるかに。
 
「リナレスがロマチェンコにKO陥落。あ〜惜しい。もう少しだったけどな。これがスピード&パワーの偉大さ」
 
まず、マイキーにとってはウェルター級という花形階級で最強王者スペンスに挑む意味はめちゃくちゃ大きい。
 
キース・サーマン、ショーン・ポーター、ダニー・ガルシアたちが別リーグでタイトルをローテーションする中、蚊帳の外のスペンスに躊躇なく挑戦する。
 
これだけでも賞賛を集めることは間違いなく、しかもライト級のタイトルは保持したまま。たとえ負けたとしても王座陥落のリスクはないし、スペンス相手に善戦すれば確実に評価は上がる。
 
要は、マイキーにとっては評価面、報酬面ともにメリットしかない。
少なくとも、下の階級から上げたロマチェンコやネームバリュー的にワンランク落ちるホルヘ・リナレスに負けるよりはずっといい。
 
対するエロール・スペンスにとっても、この試合は案外悪くない。
報酬面はもちろん、ケル・ブルック戦以外にビッグネームとの対戦がない現状を打破するためにも。
 
キース・サーマンやショーン・ポーターにはそっぽを向かれ、期待されるテレンス・クロフォードとの一騎打ちはプロモーターや放映権の関係でなかなか実現しそうにない。
 
階級アップしかない? という状況の中、中量級のビッグネームであるマイキーが名乗りを上げたのは渡りに船だった。
 
万が一負けるとシャレにならないが、フィジカル的に考えてもそれはまずない。
逆に階級最強の実力を誇示できる絶好の機会でもあり、こちらもデメリットよりもメリットの方が大きい。
 
「エロール・スペンス1RKO勝利。おいおい強杉かww でもオカンポのスペンス対策も間違いじゃなかったよね」
 
注目度は抜群。
双方の選手にメリットも多い。
 
言われているように階級違いの健康面さえケアすれば、これだけWIN-WINのビッグビジネスもないんじゃないの? という。
 
 
まあ、勝負として興味をそそられるかは別問題なのだが。
 
「ワイルダーvsフューリードローww ワイルダーのパンチって何で当たんの? フューリーは2度のダウンから立ち上がる」
 

大きいなあスペンス。マイキーが勝ってるのって顔面のデカさくらいじゃない?

実際の試合についてだが、申し上げたようにエロール・スペンスが有利であることは間違いない。それも圧倒的に。
 
下記の写真のように体格がまったく違うし、マイキーが上回っているのは顔のデカさくらい


スペンスのプレッシャーに耐えきれず、物量で圧し潰されてしまうのでは? という大方の見立て通りの結末を迎えそうな気配がプンプンしている。
 
てか、上記の記事内容には納得なのだが、それ以上に両者が並んだ写真のインパクトね。
下記でもわかるように、このフィジカル差はちょっとエグい。


ただ、それだとおもしろくない。
せっかくのビッグマッチなのに、ちっともワクワクしない。
 
なので、ここから先はマイキー・ガルシアがエロール・スペンスに勝つ方法を考えていきたいと思う。
 
相変わらず予想でも何でもない、ただの妄想記事なのだが、気にせず突き進むことにする。
 

スペンス対策はケル・ブルックが教えてくれた。動きながらのカウンターでのポイントアウト狙い。でもマイキーには不可能だよね

とりあえず、エロール・スペンスの攻略法は2017年のケル・ブルックが教えてくれた。
 
1発目のリードにカウンターの左を被せ、同時にサイドに動いての追撃。
常にスペンスの正面を外し、ガードの外から連打を浴びせ続ける。
 
右リードにカウンターを合わせることでパワーを封じ、どちらかといえば攻防分離気味なスペンスの後の先をとる。KOの望みは薄いが、ポイントアウト狙いとしては最適なスタイルに思える。
 
だがキツい。
とにかくキツい。
 
「ロマチェンコvsペドラザ。オラつけペドラザ。そうすりゃ意外とおもしろくなる(勝てるとは言ってない)から」
 
相手のパワーを相殺しなくてはいけない分、体力の消耗が激しく、なおかつ足を動かしながらパンチの威力を保つ必要がある。
 
実際、ウェルター級屈指の強フィジカルのケル・ブルックでも、中盤以降はスペンスの圧力を抑えきれなくなってしまった。
 
それをライト級のマイキーが実行するのは不可能に近い。
 
スペンスが身長177cm、リーチ183cmなのに対し、マイキーは身長168cm、リーチ173cm。
とてもじゃないが、スペンスのリードにカウンターを被せられるとは思えない。
 

村田諒太vsロブ・ブラント戦を再現するしかないだろうな。マイキーがスペンスのプレッシャーを前で止めれば


じゃあ、どうするの?
 
スペンス対策とかほざいて、自分で「それ無理っス」って言っちゃってるじゃん。
という話なのだが、まあ落ち着けと。
これから答えを言うからちょい待てと。
 
 
マイキーがスペンスに勝てる方法があるとすれば、村田諒太vsロブ・ブラント戦の踏襲だろうなと。
 
とにかく先手先手で手を出し続け、スペンスに攻撃のターンを与えない。
持ち味の貫通力を活かしたワンツーでガードの間を通しまくり、スペンスの前進を寸断する。
 
手を止めずに左回りに動き続け、極力スペンスの距離に留まらない。
 
先日の村田戦でロブ・ブラントは計1262発のパンチを放ったとのことだが、それと同等の数値を叩き出すくらいの勢い。それができれば、スペンスの前進とパワーを抑え込める可能性が生まれるのではないか。
 
この試合は「スペンスが距離を詰めて射程内でワンツーを打っていれば終わる」と言われているが、要はそれをさせない方法を考えればいい。
 
そして、その最適な方法が先日の村田諒太vsロブ・ブラント戦。
村田の圧力を前で止め、手数の少なさを逆手に取ったロブ・ブラントが見事に勝利した試合。
 
アレをマイキーが再現できれば、多少は勝率が上がるように思えるのだが。
 
「ハード路線の申し子バドゥ・ジャックが今度はマーカス・ブラウンとノンタイトル戦。どれだけキツい思いすりゃ気が済むんだよ」
 

勝敗予想はエロール・スペンスの8RKO。実はマイキーはスペンスのようなタイプが得意じゃないと思う

今回の勝敗予想だが、エロール・スペンスの8RKOでいきたいと思う。
 
散々マイキー・ガルシアが勝つ方法は? と言っておいてアレだが、やはり勝つのはエロール・スペンス。
さすがに今回に関しては、番狂わせは起きないだろうと。
 
 
とりあえず言えるのは、マイキーはスペンスのようなタイプがあまり得意ではない。
 
過去の3戦がエイドリアン・ブローナー、セルゲイ・リピネッツ、ロバート・イースターJr.。
どの選手も基本的にはL字のカウンター使いばかりである。
 
マイキーよりも身体は大きいが、どちらかといえば中間距離での差し合いを得意とする。
こういうタイプが相手だと、マイキーの貫通力の高いワンツーはめちゃくちゃ機能する。
 
低いガードでのクネクネディフェンスではマイキーの左リードに間に合わず、追撃の右をガードするのに手一杯になる。得意のカウンターにつなぐ余裕はほとんど与えられない。
 
現にブローナーもリピネッツもイースターも、自分より小さいマイキーにロープを背負わされるシーンが散見された。
 
「マイキー・ガルシア4階級制覇達成!! リピネッツに3-0で勝利。やっぱりS・ライト級ではスペシャル感は薄れるよな」
 

2017年のズラティカニン戦は案外紙一重だったと思うんだよね。それよりはるかにデカいスペンスを何とかできるとは…

だが、スペンスのようにガードの上を叩かせながらじっくりプレッシャーをかける相手には、このワンツーだけでは難しい。
 
パリングとシフトウェイトでうまく芯を外され、距離を詰められる可能性が高い。
 
たとえば2017年1月のデジャン・ズラティカニン戦。
あの試合はズラティカニンの3R失神KOという衝撃的な結末で終了したわけだが、実は意外と紙一重だったとも思っている。
 
ズラティカニンのプレッシャーにマイキーがタジタジになるシーンも結構見られ、サイドへの足運びも地味に怪しい。
 
最終的には強烈なジャブでマイキーがペースを掴んだが、言われているほどの圧勝ではなかった気がする。
 
 
しかも、マイキーのワンツーはどちらかと言えば下半身の踏ん張りによって威力が発揮される(ように見える)。
ロブ・ブラントのようなサイドへの足もなく、恐らく動きながらでは連打も出ない。
 
しかも、村田諒太のフィジカルにも耐えたブラントと違い、マイキーは正面衝突では歯が立たない。
 
「ロマチェンコ階級の壁? ペドラザに粘られ、久しぶりの判定で王座統一。てか、サイズ差に苦労してるよな」
 
そう考えると、やはり最終的にはスペンスのパワーに屈するという結末になるのではないか。
それこそ、鼻の頭にできたニキビを「プチュッ」と潰すように。
 
一応8RKO予想をしたが、これは少しでもマイキーに打倒スペンスの方法を見出してもらいたいという希望でもある。
 
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