スペンス圧勝!! ケル・ブルックを一方的にコントロールしてウェルター級最強対決に勝利。試合後にキース・サーマンへ対戦を呼びかける【結果・感想】

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ロンドンイメージ
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2017年5月27日(日本時間28日)に英国・シェフィールドで行われたIBF世界ウェルター級タイトルマッチ。
同級王者ケル・ブルックにランキング1位のエロール・スペンスJr.が挑戦し、11R1分47秒でスペンスJr.が勝利。見事に王座獲得に成功した試合である。
 
強豪たちをなぎ倒し、無敗街道をひた走るエロール・スペンスJr.が最強王者ケル・ブルックに挑んだこの一戦。
 
「KO必至? ブルックvsスペンスウェルター級頂上決戦の行方は? パワーとテクニックの最高峰の激突が待ちきれないぞ」
 
試合は期待通りの大激戦となり、序盤から両者が激しくペース争いを繰り広げる。
だが中盤以降、やや失速を見せるケル・ブルックに対し、スペンスが一気にペースアップ。10、11Rとブルックを圧倒し、最後は棄権に追い込んでの勝利。
 
なお、大一番に勝利したスペンスは試合後、WBA・WBC王者キース・サーマンとの対戦を希望する。
 
「絶望的挑戦? スペンスvsピーターソン予想。ピーターソンがスペンスを攻略する方法ってある?」
 

エロール・スペンスの一方的な勝利。ケル・ブルックを圧倒してウェルター級最強を証明!!

事実上のウェルター級最強対決として注目を集めた今回。
ゴロフキンに敗れはしたものの、ウェルター級では無類のパワフルさを見せつけるケル・ブルックと、圧倒的な強さでタイトルマッチにたどり着いたスペンス。
 
予想が非常に難しいと言われた試合だったが、僕個人の感想を申し上げると、
「スペンスの一方的な勝利だった」
 
ポイント的にはかなりのシーソーゲームだったようだが、正直、僕にはそうは思えなかった。
パッと見、激しくペースを取り合う大激戦だったのかもしれないが、実際はスペンスのワンサイドゲーム。むしろ、ケル・ブルックがよく食らいついていたなという印象である。
 
「はあ、ラッセルたん…。エスカンドンを接近戦で圧倒して勝利!! この試合好き過ぎて、もう5回くらい観てるw」
 
ブルックの眼底骨折で棄権とのことだが、「もしあの負傷がなかったら」などと考える必要はない。ましてや再戦など話にならない。
どこからどう見ても、スペンスの完全勝利にしか思えない。
 
「マイキー・ガルシアがブローナーに判定勝利。階級の壁をちょっと感じたかな。ブローナーもよかったよね?」
 

スペンスの巧さに攻撃のパターンを封じられたブルック。冷静なスペンスの対応力が光る

今回の試合、イメージとしてはお互いが自分の持ち味を出し、お互いが相手の持ち味を潰した試合だったと思う。
そして、その中でスペンスは本当にうまい試合運びを見せたのではないだろうか。
 
まず序盤の1、2R。
スペンスはいつも通り、ガードを高く上げた広いスタンスで構える。
対するケル・ブルックもいつも通り。相手と正対した状態から踏み込みのタイミングを測る。
 
だが、ブルックはいつものように踏み込むことができない。
 
スペンスが自分の右足をブルックの左足の前に置き、ブルックに踏み込みのスペースを与えない。さらに右膝を外側からブルックの左足に押しつけ、サイドへの回り込みを封じる。
ブルックが飛びかかるように前に出るが、スペンスは構えを崩さない。スタンスを広げたままバックステップし、ブルックの打ち終わりにパンチを返す。
 
とりあえず、これでブルックの踏み込みと左は殺された。
 
以前にも申し上げたように、ケル・ブルックという選手はナジーム・ハメドの完成版だと思っている。
ハメドのように無駄に動き回ることなく、最小限の動きで相手を追い詰める。強靭なフィジカルとハメドを彷彿とさせるバネで一気に距離を詰め、大砲のようなパンチを浴びせて相手を圧殺するスタイル。
 
「ケル・ブルックは強化版ハメドだ!! ケビン・ビジェールに圧勝!!」
 
そして、ときおり見せる遠い間合いからの豪快なアッパー。中間距離でのパワフルな攻勢に加え、野性的な動きを持ち合わせた剛腕のオールラウンダー。それがケル・ブルックという選手である。
 
だが今回、スペンスの広いスタンスと距離感によって、一歩目の踏み込みをあっさり封じられてしまった。
 
1、2Rを観直すと、ブルックがつんのめるようにパンチを出すシーンが散見されると思う。また、その後のラウンドでも苦し紛れにサウスポーにスイッチしたり、とにかくスペンスのスタンスに苦労しているのがありありと伝わってくる。
 
「亀海がコットをダウンさせる未来が見えた。亀海の大の字KO勝利以外あり得ない。やる前からわかる」
 

ポイントゲームに切り替えるブルック。スペンスはこれにも慎重かつ冷静に対処する

一歩目の踏み込みを封じられ、自分の間合いで対峙できないケル・ブルック。
このままでは手詰まりになると、3R以降は距離をとってスペンスの打ち終わりを狙う作戦に切り替える。
 
スペンスの右に左、左に右をかぶせ、遠い位置からリターンを返す。いわゆるポイントゲームというヤツである。
また、ときおり右を出しながら飛び込み、強引に至近距離での打ち合いに持ち込むメリハリも見せる。
 
「この試合をわからないヤツはニワカだ!! エリスランディ・ララvsガウシャのハイレベルな駆け引きの末に生まれた芸術的ボクシング」
 
だが、スペンスは動じることなく冷静に対処する。
強引に踏み込まれても絶対にスタンスを崩さず、鋭い右ジャブで迎撃。
基本的にブルックの1発目は右オンリーのため、距離感さえ間違えなければクリーンヒットは防げる。慎重にステップバックしてブルックの突進をいなし、タイミングを測ってリターンを返す。
 
「スペンスがブンドゥをKO!! アカン、こりゃぁガチだ。絶対キース・サーマンより上でしょ? さっさとパッキャオ戦やらせてやれ」
 
なるほど。
スペンスすごいですね。
ケル・ブルックの攻撃パターンを限定し、そこにリターンを返すとは。
しかも圧力を正面から受け止めても絶対にスタンスを崩さず、攻撃姿勢を保ってチャンスを待つ周到さ。
パワーとメンタル両面が高次元で充実したコンプリートファイターである。
 
「スティーブンソンがフォンファラを2RKO!! 顔面かち上げたろか? と言わんばかりの自慢の左が炸裂」
 

ケル・ブルックはよく食らいついた。だが、スペンスの巧さの方が一枚上手だった

もちろんケル・ブルックがすばらしかったことも間違いない。
 
スペンスにあれだけやり込められても、サッと遠い間合いでのポイントアウトに切り替える柔軟性。
さらに、スペンスのディフェンスを強引に突破するパワー。踏み込みを封じられ、攻撃パターンを削られた中でも自分の距離での打ち合いに持ち込むフィジカル。
一方的にコントロールされた中で、互角以上の接戦を演出するのだからすごいとしか言いようがない。
 
「エロール・スペンス1RKO勝利。おいおい強杉かww でもオカンポのスペンス対策も間違いじゃなかったよね」
 
だが、慣れないスタイルを強いられるというのは思った以上の疲労感があるのだろう。さすがに9R以降は失速が見られ、10、11Rでペースアップしたスペンスに一気に決められてしまった。
 
「ジョシュアがクリチコを粉砕!! 圧倒されながらも逆転勝利。怪物元王者を沈めたジョシュアの次戦は」
 
さらに言うと、その前の7、8R。スペンスは明らかに一休みしていた。
ブルックの攻撃に耐えつつ、要所で右のカウンターで出足を止める。恐らくだが、ラスト4ラウンドで勝負を賭けると決めていたのだろう。
 
「スペンスがピーターソンを圧倒してギブアップ防衛。ボコボコやねピーターソン。スペンスは階級アップした方がよくね?」
 
反対にブルックはあの2ラウンドで出し切った感が強い。積極的に前に出てスペンスを攻めてたが、実はそれほど効果的なダメージは与えられていない。ポイントと引き換えに残りの体力を吐き出してしまった。
 
「クロフォードww インドンゴをボディ一閃!! 4団体統一戦に3RKO勝利。ナミビアのシンデレラストーリーを破壊する」
 
いろいろな意味で、スペンスの方がブルックよりも一枚上だった。そういうことではないだろうか。
 
「エリクソン・ルビンvsジャーメル・チャーロ予想。チャーロ弟か、新星ルビンか。チャーロ弟がドネアとか井上尚弥っぽい」
 
冷静に戦況を見極め、勝負どころに照準を合わせたスペンスと、羽をもがれた状態で食らいつくのに必死だったブルック。ポイント差以上に一方的な試合だったように僕には思える。
 
「ジェフ・ホーン圧勝!! パッキャオ議員に力技で勝利し人生の厳しさを教える!! 作戦勝ちかな。フィジカル面も差があったよな」
 
なおケル・ブルックは2試合連続で眼底骨折とのことだが、スペンスの強烈な右がバシバシ入っていたのを考えると、確かに仕方ないかなという感じである。眼底骨折がクセになったとか、そういうことではなく。
 
てか、前回のゴロフキン戦でやられたのは右目か。
 
「無謀にもほどがあるケル・ブルックがゴロフキンに5RTKO負け!! セコンドのナイス判断」
 

キース・サーマンvsエロール・スペンスJr.ねえ……。楽しみなような、そうでもないような……

敵地で最強王者に快勝し、無敗を守ったエロール・スペンスJr.。
次戦以降、対抗王者であるキース・サーマンとの対戦を希望しているとのこと。


これ、どうなんだろうか。
正直、今回の試合を受けてどうこうとはなかなか言いにくい気がするが。
 
基本的にケル・ブルックはフィジカルの優位性を活かして正面から圧倒するタイプで、サーマンのようにリングを走り回る足はない。
そして、ご存知のようにサーマンはクリス・アルジェリ以上の持久走野郎である。
 
「エロール・スペンスがクリス・アルジェリをまったく問題にせず!! こりゃ本物だ」
 
単純なボクシングのクオリティだけなら断然エロール・スペンスだとは思うが、サーマンが持久走&タッチゲームに逃げた場合、スペンスに追いつくことができるのか。
 
それこそ「ペースを握っていたのはスペンスだが、ヒット数と手数の差でサーマン勝利!!」みたいな結果にならないとは限らない。というか、その可能性はそこそこ高いように思える。
また、そうなった場合はクソほどつまらない試合になることも保証されるわけで、それはそれでご勘弁願いたい。
 
アイツ、ボディを効かされてからの粘りがすげえからな……。
 
前回のダニー・ガルシアvsキース・サーマン戦を観た率直な意見です。はい。
 
「ガルシアvsサーマン感想!! 才能の塊キース・サーマンがパワーでダニー・ガルシアを置き去りにする」
 
しかし、アレですね。
先日のバルテレミーvsキリル・レリク戦やクロフォードvsフェリックス・ディアス戦を含め、中量級の試合はやっぱり迫力がありますね。
ここ最近、軽量級の試合観戦が続いていたので、S・ライトやウェルターの重厚感はたまらないですね。
 
「大激戦のバルテレミーvsキリル・レリク!! まさかの苦戦のダークヒーロー、バルテレミーはクロフォード打倒を果たせるか?」
 
 
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