下町俊貴vs石井渡士也戦すごい試合だった。全体の流れは石井。でも下町はよく踏みとどまった。よし、次は武居由樹と(しつこい)【結果・感想】
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2023年10月31日に東京・後楽園ホールで行われた日本S・バンタム級タイトルマッチ。同級王者下町俊貴とランキング1位石井渡士也が対戦し、結果は1-0(96-93、95-95、95-95)のドロー。下町が初防衛に成功した試合である。
この日はLeminoで視聴していたのだが、セミファイナルのTJ・ドヘニーvsジャフェスリー・ラミド戦がすごすぎたせいでメインがまったく入ってこず笑
TJ・ドヘニーがジャフェスリー・ラミドを1RKO。最高かよドヘニー。驚きすぎてテンションがおかしいw 大橋プロモーションの思惑をぶっ壊したのも爽快だった
だいぶ時間が経ってしまったが、先ほど視聴を終えたところである。
「明らかに下町の勝ち!!」とまでは思わないかな。石井はもう少し苦労すると思ってた
まず結果は上述の通り1-0の判定ドロー、下町が初防衛に成功している。
前半下町、中盤石井、終盤互角(若干下町か?)という流れで戦況が二転三転する大接戦。
ビッグパンチをもらってガクッときてもすぐに回復する石井と、中盤の失速から強引に持ち直した下町。両者とも見るからにしんどそうな10Rだった。
正直、僕にはどちらが優勢だったかはわからない。
全体の流れを掴んでいたのは石井だが、要所で的確さを発揮した下町の方がポイントでは上回った?
それとも再三ロープを背負わせ防御一辺倒に追い込んだ石井の馬力が勝っていた?
「明らかに下町の勝ちだった」という意見も見かけたが、僕はそこまで差があったようには感じない。
何だかんだでドロー防衛という結果が一番しっくりきている。
なお僕は石井がもう少し苦労すると思っていたので、あれだけゴンゴン前に出て連打を浴びせたのにはちょっと驚かされた。
すまん石井渡士也。
ここまで接戦になるとは思ってなかった。
武居由樹vsマリオ・ディアス。早い段階で「あ、武居勝つわ」ってなった。でも若干フワフワして見えたな。移籍して井上尚弥と真っ向勝負しちゃえ笑
前回の大湾戦を踏まえると下町が圧勝する感じもなかった。案外石井が食い下がるかも? と
ただ、下町が圧勝する感じもなく。
前回の大湾硫斗戦の際も思ったが、この選手は危険地帯に入られるケースが意外と多い。
下町俊貴vs大湾硫斗。下町の試合運びが思ったよりヒヤヒヤした。見切りと上体のみのディフェンスと危険地帯に留まる時間が長いのが…。vs武居由樹は実現なしかなぁ
防御は見切りと上体の動き中心でガード自体はそこまで硬くない。
また連打を浴びると頭が下がる、ロープを背負ったまま亀になるなど防戦一方になるシーンが散見される。
この試合でもロープを背にしてひたすら耐える光景が目についた。
ジョー・サンティシマのようにノシノシ歩いてくるタイプをいなすのは得意だが、ダッシュ力のある相手には案外危ない場面が増える。
そして今回の石井渡士也は大湾硫斗以上のダッシュ力とよく伸びる右を兼ね備える。
同じ長身アウトボクサーの石田匠に敗れた石井だが、あの試合はジャブの差し合いで歯が立たなかったのが主な敗因。
その点、下町は石田ほどジャブを多用するわけではなく中間距離で圧倒される心配はない。
そう考えると石井が食い下がる可能性も少しはありそう。
下町有利だとは思うが、少なくともサンティシマや大湾よりは拮抗するのでは?
漠然とそんな予想をしていた次第である。
石井が下町をよく研究していた印象。1発もらうと頭が下がる、ロープ際で亀になる
そして石井渡士也は思った以上に動きがよく、それ以上に下町のモタつきが目立つ試合となった。
特に石井は下町をよく研究していた印象。
中に入るタイミングや下を見せて上、もしくは上を見せて下、などなど。飛び込む際にさまざまな工夫が感じられた(気がする)。
近場での連打もすごかった。
フック気味の右で頭を揺らし、下町が頭を下げたところにボディ、顔面とコンビネーションを浴びせる。
打ち終わりから次のアクションを起こすまでにわずかな間ができる、その間を狙われるシーンが散見されたが、それ以外は本当によかったと思う。
2020年11月の石田戦ではジャブの差し合いを挑んで撃沈した石井。
もともとダッシュ力や馬力は階級屈指だが、過去の敗戦を踏まえた上での作戦だったのかもしれない。
確かに防御面のヌルさは目立つが、攻撃に振り切ったスタイルな分ある程度は仕方ないのかな? という気もする。
むしろ防御を意識しすぎるとこの選手のよさが失われてしまう可能性も?
まあ、ボクシング自体は井上尚弥の劣化コピーみたいであまり好きではありませんが。
平岡アンディvsバロッソ、佐々木尽vsカミル・バラ、下町俊貴vs津川龍也。平岡アンディのベストバウト。1、2試合目がガラガラすぎて…
下町は危なかった。でも、あそこで踏みとどまったのはすごい。あの二番底には驚いた
一方の下町だが、こちらはかなり危なかった。
申し上げたように全体の流れは石井寄り。パンチの精度と打ち終わりのカウンターで何とか踏みとどまった印象が強い。
それこそ中盤5〜7Rあたりはこのまま押し切られるんじゃないか? というほど。
序盤こそ近場での打ち合いに応じたものの、徐々に石井の馬力に後退させられる流れに。
で、ロープ際で亀になる悪癖パターンに突入→疲労とボディへのダメージで足がついてこない悪循環。
減量苦もあったのかもしれないが、それ以上に石井の馬力、効かされてもすぐに持ち直す回復力に気圧されていた感じである。
だが、そこで踏ん張ったのはすごい。文句なしにすごい。
ラウンド序盤〜中盤まで石井の馬力に圧倒されるも、要所で1発当てて反撃スタート。何だかんだで「互角かな?」という印象を残してラウンドを終える。
そして終盤になると再び動きが戻り、9Rには決死の猛ラッシュで石井をストップ寸前まで追い込む。
あそこの二番底は想像していなかったのでめちゃくちゃ驚いた。
ああ、石井渡士也は8Rに顎が折れたのね。
下町俊貴―石井渡士也の日本Sバンタム級タイトルマッチは壮絶ドロー 石井はアゴ骨折でも打ち合い見せた https://t.co/WkVv9j7NgO #スポーツ #sports #ニュース
— スポーツ報知 (@SportsHochi) October 31, 2023
確かに下町が流れを引き寄せたのがちょうどそのあたりだったかな。
実は懐に入られやすい。
攻撃をもらうと頭を下げて亀になる。
危険地帯にとどまる時間が長い。
チャンスの場面で仕留めきれないなど、やや爆発力に欠ける。
この試合で下町が露呈した部分は多いが、それ以上にピンチの局面で踏みとどまる底力を見せた。もしかしたらこの試合を経て一段成長する可能性もあるのではないか。
下町俊貴がジョー・サンティシマを危なげなく完封。危なかったのは接近戦に巻き込まれた5Rだけかな。もしかしたら下町はホームで力を発揮するタイプ?
しつこいけど下町俊貴vs武居由樹やろうぜ。やっぱり武居の右フックなら届くんじゃないの?
何度も喚き散らしていていい加減しつこいのだが、僕は下町俊貴vs武居由樹戦が観たい。ぜひとも観たい。
井上尚弥の王座返上にともなって階級を下げると言われている武居だが、現状はOPBF S・バンタム級王座を保持したまま。
しかも昨年12月のブルーノ・タリモ戦から防衛戦を行っていない。
それどころか前回のロニー・バルドナド戦、次回のマリオ・ディアス・マルドナド戦とキャッチウェイトでのワンマッチが続く。
要するに井上尚弥vsマーロン・タパレス戦の結果待ちなのだろうと。井上が王座を返上すればS・バンタム級のまま、その前にバンタム級でチャンスが来ればそちらに!! という両睨みだと想像する。
マーロン・タパレスが井上尚弥に勝つ方法を考える会。井上のvsサウスポーを振り返って絶望した。タパレスは前半勝負しかなさそうだけど…
いや、それならなおさら日本王者と統一戦をやろうぜ。無駄に王座を停滞させるよりもおもしろい試合をした方がいいでしょと(主に僕が)。
少なくとも井上拓真はWBO-AP王者として日本王者の古橋大輔と対戦しましたからね。
もちろん武居にも勝機は十分ある(と思う)。
下町vs石井戦、下町vs大湾戦を観る限り武居の右フックなら普通に届くと思うのだが。
下町俊貴vs石井渡士也ちゃんと観た。
石井はかなり対策してきたんだろうな。もっと苦労するかと思ってた。
下町は首の皮一枚踏みとどまった感じか。前回も思ったけど武居由樹の右フックなら届きそうな気がするんだよな。
OPBF王座抱えたままキャッチウェイト連発してねえでさっさと統一戦やりやがれw https://t.co/sEDOfx6RZO— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) November 11, 2023
もっと言うと、武居は石井ほど近場のボディが得意ではない。
今回のような消耗戦ではなく1発で決着がつくような刹那的な試合になりそう。
武居にとっても実はブルーノ・タリモよりも下町の方がやりやすいという噂も?
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