サンタクルスがキコ・マルティネスにKO勝利!! インファイターのマルティネスを5Rで沈め、試合後にフランプトン、ラッセルとのビッグマッチを希望!!

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田舎道イメージ
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2016年2月27日(日本時間28日)に米・カリフォルニア州で行われたWBA世界フェザー級タイトルマッチ。
スーパー王者レオ・サンタクルスが挑戦者キコ・マルティネスを5R2分9秒TKOに下し、初防衛に成功した。

フェザー級転向3戦目のサンタクルスが手数とパンチの正確性で、好戦的なインファイターを圧倒。1Rに2度のダウンを奪うなど終始優勢に試合を進め、5Rのラッシュで一気にフィニッシュする決定力の高さも見せつけた。

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今回の勝利で戦績を32勝1分としたサンタクルスは、同日に英国のマンチェスターでスコット・クイッグとの統一戦を制したカール・フランプトンやWBC王者であるゲーリー・ラッセルとのビッグマッチを望んでいる。

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どんな態勢からでも強いパンチが打てるサンタクルスの引き出しの多さは驚異的

前回のアブネル・マレス戦でも思ったのだが、サンタクルスのいいところは下がりながらでも威力のあるパンチが打てることである。

足の運びを見ていると気づくのだが、常に両足に体重を乗せてバランスよくステップしているのである。片足重心の状態になる時間が非常に短いため、後退しながらでも腰の入った強いパンチを打つことができるのだ。常に両足にバランスよく体重を乗せた状態を保てるので、どんな体勢からでも手打ちになることがないのである。

1R早々に奪ったダウンなどがまさにそうだ。
一度後退してからススッと前に出ての右フック。マルティネスの突進をいったんバックステップでいなし、相手の身体がわずかに流れた瞬間に一歩踏み込んでのカウンターである。
先日の記事でも申し上げたが、これは和氣慎吾にはないバランス感覚である。

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さらに、サンタクルスのパンチの正確さと引き出しの多さにも改めて感心させられた。

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実を言うと、もともと僕はこの選手をそこまでいいと思ってはいなかった。
特別スピードがあるわけでもないし、パワーがあるわけでもない。堅いガードとスムーズなコンビネーションはあるものの、どこか決め手に欠ける選手という印象が強い。それほど飛び抜けた能力があるようには見えなかったのである。

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だた、前回のアブネル・マレス戦でその評価が一変した。
マレスの突進を受け止めるだけの懐の深さと、打ち合いの中でもカウンターをとれるセンス。試合開始直後からゴリ押しで攻め込んできたマレスの猛攻にわずか3Rで適応して見せた対応力と引き出しの多さには驚かされた。

今回のマルティネスから奪った2度目のダウンなどもそうだ。
外旋回のフックを何発も見せておいてから突然打ち込むシャープな右。流れの中で細かい変化をつけながら相手を仕留める嗅覚と当て勘である。サンタクルスがあれほど幅の広いボクシングができる選手だとは思っていなかった。

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パワーレスが響いてマルティネスに攻め込まれたサンタクルス。やはりこの階級での課題はパワー?

ただ、やはりパワーレス。
今回もやっぱりパワーレス。

1Rに2度のダウンを奪ったところまではよかったが、その勢いも2Rにはきっちりと失速を見せていた。

そして3R以降は見てのとおりである。
勝利への執念を見せるマルティネスがサンタクルスのパンチを被弾しながら果敢に前進し、徐々にサンタクルスが後退させられる展開である。

はっきりさせておかなくてはいけないので強調するが、後退したのではなく、後退させられたのだ。
マルティネスのがんばりとサンタクルスの失速によって、後退させられたのである。

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恐らく、フェザー級にアップしてからのサンタクルスはパワーのなさを各方面から言われ続けているのだろう。そして、この試合でそのイメージを払しょくしようと意気込んでいたのだと思う。立ち上がりから早いラウンドで片づけてやろうという思いがひしひしと感じられた。

ただ、飛ばし過ぎた。
飛ばし過ぎてすぐにバテた。

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スリップダウンについても、右のフックのダメージが若干あったのかもしれない。

3R以降は明らかにマルティネスの前進に押されていたし、パンチのキレもなくなっていた。あからさまにまっすぐ下がるシーンなどを見ると、体幹部分では完全にフェザー級に対応しきれていないのかもしれない。

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ラウンド終了間際にはサンタクルスが強引に両腕を振り回し、マルティネスはコンパクトに最短距離を打ち抜くという不思議な光景が展開されていた。

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驚異的なパンチの精度でKO勝利を上げたサンタクルスだが、できればもう少しあっさり倒したい

4、5Rも執念で前進し続けるマルティネス。その前進を持て余すサンタクルス。
試合のペースを掴んでいたのはむしろマルティネスの方といってもいいかもしれない。

ジグザグに前進してプレッシャーをかけ、相手のパンチを被弾しながらもコーナーに追い込む。至近距離で左右フックを打ち込むといういつものマルティネスのパターンである。

一方のサンタクルスは苦しい。いくら打ってもマルティネスの前進が止まらない。苦し紛れのスイッチを見せたり、どうにかマルティネスの前進を止めようと足掻き続ける。

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パンチを多く当てているのはサンタクルスだが、ペースを掴んで攻めているのはマルティネス。何とも不思議な状況である。

最終的には精度の高いパンチを数多く当てたサンタクルスが、ダメージが蓄積したマルティネスを5Rで押し切るわけだが、サンタクルスのパワー不足が改めて感じられた試合でもあったように思える。
結果だけを見れば圧勝には違いない。だが、内容的にはちょっと苦しい試合だった。

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パンチのスタッツを見ると、74 or 468と16%のマルティネスに対し、サンタクルスは234 of 570の41%。驚異的な精度の高さである。
いくらマルティネスでもこれだけ被弾すればKO負けは免れない。サンタクルスの当て勘のよさには改めて脱帽する。

ただ、これだけパンチを当てる能力が高いのであれば、もう少しあっさりと倒して欲しいと思うのも確かである。このパワーレスという課題にサンタクルスが今後、どう向き合っていくのか。興味は尽きない。

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おもしろい試合だった。今後の課題もはっきりしたし、成長に期待

いやしかし。
おもしろい試合だった。

先ほども申し上げたように前回のマレス戦以降、僕の中でサンタクルスへの興味が一気に増している。

ちなみに、世間でのこの試合の評価はどんな感じなのだろうか。技術の差でサンタクルスが圧倒したという見方が大半なのだろうか。
僕はどちらかというとパワー不足のサンタクルスがマルティネスの突進を持て余したという印象が強いのだが。

まあパワーレスとは言っても、試合自体は5Rできっちり終わらせているし、圧勝であることには変わりない。
しかも前回のマレス、今回のマルティネスと好戦的なファイターとの打ち合いを制して上げた白星である。両者とも体格的にやや小型だったとはいえ、ある程度評価していいことには変わりない。
サンタクルスの能力を考えると、どうしても厳しい目で見てしまうのだが。

ゲーリー・ラッセルとの統一戦実現なるか? 実現したら楽しみな試合だ

サンタクルスは今後、カール・フランプトンやゲーリー・ラッセルとのビッグマッチを望んでいるという。

これまた楽しみなカードである。
フランプトンは現状のS・バンタム級のままリゴンドー戦、もしくは和氣慎吾戦に進むことが有力だが、ラッセルとの統一戦に関しては実現の可能性がかなり高そうである。

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踏み込みの鋭さとハンドスピードだけのボクシングの限界をまざまざとロマチェンコに見せつけられたラッセルだが、前回のジョニー・ゴンサレス戦は一味違っていた。
前後左右に動くフットワークを駆使した縦横無尽のボクシングで、ジョニゴンに何もさせずに見事に圧勝してみせたのである。

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正直、ロマチェンコ戦を見る限りラッセルの実力はここが頭打ちだと思っていた。だが、そこから万能型のファイターに変貌してみせたラッセルの努力と成長スピードは見事というほかない。

高速の連打に加えて左右への動きと防御技術を身につけたラッセルに、鉄壁のガードを持つサンタクルスがどう対応するのか。ラッセルのスピードにサンタクルスはついていくことができるのか。

そしてサンタクルスのスタイルがトップ戦線でどこまで通用するのかも興味深い。何としても実現してもらいたいカードである。

毎度思うが、やはりボクシングのトップ戦線を妄想するのはおもしろい。
日本人選手絡みももちろんいいのだが、交渉の期待感という意味では残念ながら遠く及ばない。この辺はやはり日本国内で完結しているビジネスモデルゆえの限界と言わざるを得ないのだろうか。

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1日も早く海外専門のフリーのマネージャー業が一般化することを祈るばかりである。

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