ダニエル・ローマンがギャビン・マクドネルをKO! い〜い試合でしたね。最初から右のオーバーハンドのタイミングが合ってた【結果・感想】

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アメリカ合衆国国旗イメージ
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2018年10月6日(日本時間7日)、米・シカゴ州で行われたWBA世界S・バンタム級タイトルマッチ。
同級正規王者ダニエル・ローマンがランキング2位のギャビン・マクドネルと対戦し、10R2分36秒TKOで勝利。3度目の防衛に成功した一戦である。
 
 
「マッチルーム・ボクシング」との契約後、初の防衛戦となったダニエル・ローマン。
相手のギャビン・マクドネルは、2017年2月のレイ・バルガス戦以来の世界戦となる。また、今年5月に井上尚弥と対戦したジェイミー・マクドネルは双子の兄である。
 
開始直後から身体を振って前に出るローマンに対し、マクドネルは足を使って距離をとり、左ジャブの連打で迎えうつ。
序盤は互角の差し合いが続くが、ローマンのオーバーハンドの右がたびたびマクドネルの側頭部を捉える。
 
中盤以降、自ら前に出てきたマクドネルとローマンが真正面から打ち合う展開。
ラウンドごとにわずかにローマンが上回り、徐々に均衡が崩れる。
 
そして10R。
ローマンのフェイントからの右がカウンターでマクドネルの顔面にヒット。
ロープ際に後退する追撃を浴びせ、崩れ落ちるようにマクドネルがダウンを喫する。
 
一度は立ち上がったマクドネルだが、足元がおぼつかない。
その姿を確認したレフェリーが試合をストップ。ダニエル・ローマンの3度目の防衛が決定した。
 
「リナレスがS・ライト級進出? アブネル・コットを3RTKOで再起に成功。S・ライト級でマイキー、ラミレスに挑戦だと?」
 

いい試合でした!! 実は井上vsパヤノ戦より注目していた一戦。Mr.名試合探知機()と呼んでくれww

ダニエル・ローマン勝利!!
ギャビン・マクドネルを10RTKOで下し、3度目の防衛に成功する。
 
 
この日、井上尚弥vsファン・カルロス・パヤノ戦とともに僕が楽しみにしていた試合。
先日の記事でも申し上げたように、かなりの接戦になるのでは? と予想しつつ、個人的には井上尚弥の試合よりも注目していたくらい。
 
「この試合はいいですよ」
「神試合を望みます」
 
そして、実際の試合も期待通りの好試合。
両者が自分にできることを目一杯発揮した結果、ダニエル・ローマンがギャビン・マクドネルをわずかに上回った。
 
井上尚弥の壮絶KOに比べればスケール感は物足りないが、これはこれでアリだよねと。
 
「神試合希望ダニエル・ローマンvsギャビン・マクドネル。好ファイト(スケールの小さな)の予感がするぞ」
 
また、我ながら自分の好試合探知機っぷりもなかなかの精度だなと思ったりもしている。
勝敗予想はちっとも当たらないんですけどねww
 
ただ単に拮抗しそうな試合を選んでるだけという噂もありますがww
 

マクドネルが足を使い、ローマンが追いかける。凡人の達人同士のスタイルウォーズ最高だぜ

試合展開も、概ね予想と近からずも遠からずといった感じか。
 
左のジャブを連打しながらリングを回るマクドネルをダニエル・ローマンがどう追いかけるか。
 
ローマンには一瞬で距離を詰めるだけの足はなく、マクドネルのジャブはローマンのコンビネーションを防ぎきるほどではない。
 
スペック的に恵まれてるとは言い難い両者が、相手の足りない部分を攻めつつ自分の足りない部分をどうカバーするか。
凡人の達人同士のスタイルウォーズというか、めまぐるしく攻守が入れ替わるおもしろい試合だった。
 

序盤は互角の展開。中盤から均衡が崩れ、マクドネルが防戦一方に追いやられる

ジャブを出しながら足を使うマクドネルに対し、ローマンは身体を振って近づく。
左を起点にするわけではなく、大きく踏み込んでの右で一気に距離を詰める。
 
だがマクドネルの足が速く、一足先にサイドに回られてしまう。
1発目の右はガードの上に当たり、2発目を振るった際には目の前にいない。
 
前に出て攻めるのはローマンだが、細かいパンチを当てるのはマクドネル。
リング中央ではお互いの左が相打ち気味に当たり、ローマンの右がマクドネルの顔面をかすめる。
 
序盤はどちらとも言えない展開が続く。
 
「チャーロ兄vsウィリー・モンローJr.キタコレ!! モンローさんが3度目の王座挑戦。自称階級最強のチャーロ兄を翻弄できるか」
 
ところが、3Rあたりから徐々に均衡が崩れる。
マクドネルがローマンの前進から逃げ切れず、ロープに詰められコンビネーションを浴びるシーンが目立ち始める。
 
左を出しながら近づき、大振りのアッパーでマクドネルを下がらせる。
そのまま身体を左に倒し、反対側からオーバーハンドの右を打ち込む。
 
死角から飛んでくる右にマクドネルは反応が遅れ、ガード一辺倒に。
ロープ際で身体を振りながらローマンのコンビネーションに耐え、自分のターンを待つ状態。
 
うん、いいですねダニエル・ローマン。
ジャブをほとんど使わずいきなりのフックで距離を詰める。
マクドネルの足にどう追いつくかに注目していたが、なるほどと。
 
身体を振って的を絞らせず、マクドネルの左の合間を狙っての踏み込み。
そのつど歩幅を変えて距離を詰め、近場でフックを振り回して後退させるイメージか。
 

リング中央でローマンとの打ち合いを挑むマクドネル。そして、これがローマンの望んだ展開でした


4R以降。
このままではまずいと判断したか、マクドネルが前に出ての打ち合いを挑む。
リング中央で足を止め、ローマンとのコンビネーション勝負。
 
ただ、これはローマンにとっては「待ってました」の展開。
わざわざ追いかける手間が省け、得意の連打を存分に打ち込める流れである。
 
恐らくだが、ローマンは正面からの打ち合いなら自分に分があると考えていたのではないか。この展開なら、どこかでペースを掌握できると思ったはず。
 
実際、中間距離での打ち合いではローマンに流れが傾く。
ヒット数や手数は五分五分、もしくはマクドネルの方が上回ったかもしれないが、ローマンの顔に傷はほとんど見当たらない。
逆にマクドネルの顔面はどんどん紅潮していき、鼻からも出血が見られる。
 
毎度思うのだが、ダニエル・ローマンの芯を食わない能力はホントにすごい。
最小限のヘッドスリップと細かいガードでパンチを外し、戻り際に距離を詰めて連打に巻き込む。
 
マクドネルのジャブには多少苦労したが、それでも中盤までには自分の土俵に引っ張り出してしまう。
 
KOラウンドとなった10Rの右については、何だかんだで最初からタイミングが合っていた。
身体を傾けて逆側から打ち込むフックにマクドネルは反応できず、最後はカウンターで被弾。
 
完全な後出しだが、マクドネルを中間距離での差し合いに巻き込んだ時点で勝負あったということか。中盤以降は、ローマンがあのパンチをいつ当てるかを待つだけの展開だったのかもしれない。
 
お互いが持てる力を出し切った好試合ではあるが、振り返ってみればダニエル・ローマンの完勝ということでいいかな。
 

ダニエル・ローマンに勝つには? 前に出てコンビネーションを出させないことかな。2017年のアダム・ロペスが実行した作戦

こうなると、どうすればダニエル・ローマンを攻略できるかに興味がわいてくるわけだが、この選手に勝つにはやはり前で止めるのが有効な気がする。
 
1発目に同時打ちでカウンターを合わせ、コンビネーションの発動を抑える。
ローマンの前進を止めたところでハンドスピードを活かした連打を浴びせ、反撃の余裕を与えない。
 
ローマンに前進を許すと、必ずあのコンビネーションに巻き込まれてしまう。それを防ぐためには、とにかく自分から前に出て打ち合った方がいい。
 
1発目に相打ち覚悟でカウンターを合わせる勇気と、ローマンに手を出させないだけの連打。
イメージ的には、先日のゴロフキンに対するカネロの作戦がそれに近い。
 
また過去の対戦相手で言えば、2017年のアダム・ロペスだろうか。
あの試合でのロペスは、ローマンの1発目に必ず同時打ちでカウンターを合わせ、そこからパンチをねじ込むことで無理やり自分のターンを作り出していた。
 
試合を観直すと、ローマンの得意なコンビネーションがほとんど機能していないことがわかる。
特に序盤は完全に互角の展開。ひょっとしたら、久保隼に挑戦していたのはこの選手だったのでは? というくらい。
 
「ダニエル・ローマンvsTJ・ドヘニー。新しい扉のその先へ。後楽園ホールのリングは世界へ続いてた()」
 
だが、結局はローマンの勤勉さに根負けして最後はギブアップ。
直近の数戦ではもっとも健闘した選手だが、ペースを変えずに淡々と同じことをやり続けるローマンには敵わなかった。
 
攻略法はいくつか思いつくが、実はこの勤勉さがダニエル・ローマンの一番手強い部分なのかも? とも思ったり。
 
マジな話、ダニエル・ローマンを中間距離でやり込められる選手はおらんかね。
 
フィジカルモンスターがスピード&パワーでねじ伏せるのもいいが、できればこの選手に駆け引きで上回る選手が出現してほしい。
 
たとえばvsディエゴ・デラホーヤとか、結構おもしろそうな気がするのだが。
 
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