L・フライ級のロマゴン凄すぎワロタw ベストバウトはスティベン・モンテローサ戦で異論ないよな? これはオールタイムベストかも?

L・フライ級のロマゴン凄すぎワロタw ベストバウトはスティベン・モンテローサ戦で異論ないよな? これはオールタイムベストかも?

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2020年5月18日にWOWOWエキサイトマッチで「ローマン・ゴンサレス特集」がO.A.された。
「中米の小さな巨人 ローマン・ゴンサレス特集」
 
僕がロマゴンの試合を初めて観たのは2008年9月の新井田豊戦だと思うのだが、正直あまり覚えていない。
あとで映像を観直して「こりゃすげえ」と思ったものの、当時は「なーんかすげえのが出てきたな」程度の認識でしかなかった。
 
順調に防衛回数を伸ばしていた新井田豊をボコボコにした時点で間違いなくすごいのだが、2000年代は僕のボクシングの観戦熱が下がっていたこともありほとんど興味が湧かず。
 
その後2014年9月の八重樫東戦まで、ロマゴンの試合をまともにを観ることもなく生活していた。
 
新井田豊とかいう全盛期ロマゴンと真正面から打ち合った男。新井田豊vs高山勝成は歴代日本人対決のベストバウト
 
八重樫に勝利して以降はブライアン・ビロリアやマックウィリアムス・アローヨを下し、2016年9月のカルロス・クアドラス戦で4階級制覇を達成。ところが初防衛戦でシーサケット・ソー・ルンビサイに初黒星を喫し、再戦では壮絶なKO負け。
 
そこから膝の故障によるブランクを経て、2020年2月のカリド・ヤファイ戦で約3年ぶりの王座復帰を果たすという。
 
一時はPFP No.1とも言われる実力で米国での軽量級の地位向上に大きく貢献するなど、ロマゴンの出世街道をリアルタイムで追えたことはなかなかよかった。
 
 
で、今回WOWOWエキサイトマッチでロマゴンが特集されるとのことで、改めてこの選手の試合を漁ってみた次第である。
 

ロマゴンの全盛期はL・フライ級。新井田豊戦前後のミニマム級時代はややゴリ押し感が強い

ロマゴンの試合をあれこれ観て思ったのが、この選手の全盛期はL・フライ級であること。
2012年11月のWBA世界L・フライ級タイトルマッチでファン・フランシスコ・エストラーダを下して5度目の防衛に成功した試合までがもっとも強かった(と思う)。
 
 
申し上げたように僕がロマゴンの試合を初めて観たのは2008年9月の新井田豊戦。この試合でミニマム級王座の戴冠を果たすわけだが、この時期のロマゴンはまだまだ荒削りで力任せの印象が強い。
 
力みまくって1発1発を打つためにスムーズさに欠け、自分のスイングで身体が流れるなど連打も続かない。また上体の上下動も大きく、決して流れるような連打とフットワークが両立できているとは言い難い
ミニマム級としてはオーバースペックのフィジカルによるゴリ押しで相手をねじ伏せているイメージである。
 
 
2009年2月の初防衛戦では自ら前に出てペースを潰しにくるフランシスコ・ロサスを攻めあぐね、2009年7月の2度目の防衛戦では縦横無尽に動きながら連打を出し続ける高山勝成を最後まで捉えきれず。
 
中間距離で真っ向から打ち合った新井田豊とはモロに噛み合ったが、全方位に対応可能な千手観音スタイルが確立されるのはもう少し先なのかなと。
 
もちろんそれが悪いと言っているわけではなく。
身体能力全開の脳筋ファイトで自信をつけさせる時期というのは恐らく必要で、ロマゴンにとってはミニマム級戴冠前後がちょうどその時期だったのだと思う。
 
エドウィン・バレロの試合を漁った際も申し上げたが、フィジカルのゴリ押しで1階級目を戴冠するくらいの選手が“ガチの化け物”になり得るのかもしれない。
 
ローマン・ゴンサレス、マイク・タイソン、内山高志。最強の勝ちパターンさえあれば構成はシンプルでいい。シンプル・イズ・ゴールデンベスト()
 

2011年10月のオマール・ソト戦で一気に成熟する。攻防兼備の連打でソトを壮絶KOに下す

その後、2010年10月に2階級目となるL・フライ級戴冠を果たすわけだが、2011年7月のオマール・サラド戦、2011年10月のオマール・ソト戦あたりから一気に成熟度が増す。
 
特に初の米・ネバダ州ラスベガスに上陸したオマール・ソト戦はすごかった。
 
肩の力が抜け、1発1発のパンチがめちゃくちゃ伸びる。力感のない左リードが遠い距離からソトの顔面を捉え、そこから攻防兼備の連打が発動する。
 
また、これまでと違って足の運びもスムーズ。相手が下がればスルスルと距離を詰め、前に出てくれば滑るように下がる。パリングとガード、シフトウェイトを駆使して芯を外しながらどんどん挑戦者を追い詰めていく。
 
恐らく試合を重ねるごとに目いっぱい腕を振るより回転力を重視する方が効率的なことに気づいたのだと思うが、この試合のパフォーマンスは“上下の連動”などという言葉では言い表せないほど素晴らしい。
 
ウィキペディアによると、テレビ解説を務めたフリオ・セサール・チャベスがこの試合を観て「これぞリトル・アルゲリョ」とコメントしたとのこと。
 

2012年10月スティベン・モンテローサ戦でロマゴンスタイルが完成する。この時期のロマゴンならオールタイムベストでもいいんじゃない?

オマール・ソト戦での2RKOによって驚異的な成熟を見せたロマゴンだが、その後の2012年10月のスティベン・モンテローサ戦で完全に覚醒する。
 
この試合はロマゴンの母国ニカラグアでノンタイトル10回戦として行われた一戦。
 
結果はロマゴンが3RTKO勝利を挙げるのだが、もうヤバすぎて笑いが漏れるくらい。冗談抜きでこの日のコンディションならオールタイムベストと言っても過言ではないほど。
 
開始直後は左リードで相手の出方をうかがい、1R1分半あたりから徐々にペースアップ。
左の連打だけでモンテローサにロープを背負わせ、流れるようなフットワークで正面を外さずプレッシャーをかける。
相手の攻撃はガードとパリング、シフトウェイトですべてかわし、連打とプレスの両立で逃げ場を奪う。
 
そして、手詰まりになったモンテローサをコーナーに詰め、根負けするまで殴り続ける。
 
スティベン・モンテローサは戦績こそ無敗ながらも0勝◯◯敗の選手を相手に勝利を積み上げた選手で、正直王者クラスと比べれば見劣りする。
 
しかもBoxrecによるとこの試合はフライ級契約で行われたとのこと。ロマゴンにとっては顔見せを兼ねた調整試合だったのだと思う。
 
 
だが、それを踏まえた上でこの試合での怪物っぷりはとんでもない。
オマール・ソト戦で見せた成熟度に圧倒的な凄みが上乗せされ、キャリア34戦目にして“ロマゴンスタイル”が完成された感じ。
 
以前、僕の中でのオールタイムベストはロイ・ジョーンズJr.かワシル・ロマチェンコだと申し上げたが、2011年10月のオマール・ソト戦から2013年9月のファン・フランシスコ・エストラーダ戦までのロマゴンは彼らを上回るかもしれない。
 
伝説のロイ・ジョーンズvsバーナード・ホプキンス感想。初めてちゃんと観たけどクソつまんねえなこの試合w
 

フライ級以降は少しだけ落ちた気が…。いきなりクアドラスとのタイトルマッチを強行したのもよくなかった?

成熟度と凄みをMAXで両立していたL・フライ級時代に比べ、フライ級以降はやはりほんの少しパフォーマンスが落ちているように思える。
 
2014年9月の八重樫東戦で3階級制覇を達成。その後もロッキー・フエンテスやエドガル・ソーサ、ブライアン・ビロリアと次々強敵を打ち倒していくのだが、L・フライ級での流れるような動きは若干目減りし身体全体に力みも感じられる。
 
1発1発に力を入れて腕を振るため次の動作に遅れが生じ、フットワークにカクカクとした引っ掛かりが目立つ。若さと勢いでゴリ押ししていたミニマム級時代とは別種の、階級アップによる相対的なパワー不足を補うための力みというか。
 
八重樫とのタイトルマッチまでに5試合挟んでいることを考えると、陣営もフライ級進出にはかなり慎重になっていたのかもしれない。
 
 
その後、2016年4月のアローヨ戦でわずかな綻びを見せたロマゴンはS・フライ級進出後のカルロス・クアドラス戦、シーサケット・ソー・ルンビサイ戦で階級の壁をはっきりと感じさせる。
そして、2017年9月のシーサケットとの再戦で問答無用のKO負けを喫する流れ。
 
完全なタラレバだが、フライ級進出時のような慎重さがあのときのロマゴンにあればと思わないでもない。
S・フライ級初戦でいきなりタイトルマッチを強行せずにいくつか調整試合を挟んでいれば、もしかしたら膝の怪我も防げていたかも……。
 
ボクシング歴代好きなKO3選。衝撃度+爽快感で選んでみたぞ。僕の好みだから異論は認めない
 
まあ、「SuperFly」のメインに抜擢されたことを考えれば仕方ない話なのだが。
 
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