RIZINバンタム級GP1回戦勝敗予想後編。倉本一真と岡田遼に注目。バンタム級“四天王”とどこまでやれるか。金太郎はやっぱり華があるよな
先日申し上げたように僕は2021年5月23日からスタートする「RIZIN JAPAN GRAND-PRIX 2021 バンタム級トーナメント」をめちゃくちゃ楽しみにしていて、大してMMAに詳しくもないのに1回戦8試合の勝敗予想を行なっている。
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で、今回は残り4試合、後編となるわけだが。
このGPに僕が望むことがあるとすればただ一つ。
「とりあえず、トラブルなく無事に開催されてね」。
体重超過や負傷で試合が飛ぶことはもちろん、新型コロナウイルス感染拡大によるイベント自体の延期や中止その他。
規模が大きくなればなるほど想定外の事態が発生した際の影響も多岐にわたるので、どうにか滞りなく進んでいただければと願うばかりである。
まあ、前置きが長くなりそうなのでさっそく本題に入りたいと思う。
朝倉未来がクレベル・コイケに失神KOで敗れる。リングならではの決着だったな。勝負論のある好ファイト
倉本一真vsアラン“ヒロ”ヤマニハ
勝利予想:倉本一真
最初に言っておくと、1回戦8試合の中で僕がもっとも楽しみにしているのがこの倉本一真vsアラン“ヒロ”ヤマニハ戦である。
倉本一真は2020年末のRIZIN26で初めて観た際、その勝ちっぷりに度肝を抜かれた経緯がある。
早い時間帯の試合だったせいか会場の盛り上がりはいまいちだったが、井上直樹、クレベル・コイとともに僕の中ではこの日のベストバウトに数えらえている。
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もともとレスリングのトップ選手だったこともあって倉本の純粋な馬力、極め力は文句なしに凄まじい。見るからに身体能力も高く、現段階ではリオ五輪銀メダリストの太田忍よりも完成度は上。今回のトーナメントに出場すると聞いてもっともテンションが上がった選手である。
対するアラン“ヒロ”ヤマニハだが、こちらはクレベル・コイケやホベルト・サトシ・ソウザと同門のボンサイ柔術所属とのこと。
過去の試合を観るとこれまた高い実力の持ち主で、ひょっとしたら倉本も危ないのでは? と思わせる動きをしていることがわかる。
肩回りがゴツくフィジカル強者であることは一目瞭然で、柔術出身らしく上でも下でも極めきる技術を持ち合わせる。だが、どちらかと言えばスタンドでの打撃が得意と言えそう。グランドに関してはサトシ・ソウザやクレベル・コイケほどの脅威はないように思える。
馬力と身体能力、圧倒的な極め力の倉本一真vsスタンドの打ち合い+上でも下でもOKのアラン“ヒロ”ヤマニハ。
両者ともに周りに壁のないリングファイトを得意とするタイプで、どちらが相手のパワーを抑え込むかが勝負の分かれ目になりそうな……。
一応勝敗予想は倉本にさせていただいたが、正直どちらが勝つかはよくわからない。
個人的に元谷友貴や石渡伸太郎、扇久保博正といったバンタム級“四天王”の面々に倉本一真がどこまで通用するかを観てみたいというのが倉本推しの一番の理由だったりする。
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瀧澤謙太vs今成正和
勝利予想:瀧澤謙太
“足関十段”の異名を持つ大ベテランの今成正和がRIZIN4戦目となる瀧澤謙太と激突する一戦。
空手ベースの打撃を得意とする瀧澤vs自らグランドに引き込み下から関節技を極める今成という、双方のコントラストが鮮明な組み合わせである。
瀧澤謙太は全体的に痩躯でリーチも長く、パッと見での印象は朝倉海と少し似ている。
だが朝倉海ほど前後左右への動きがあるわけではなく、基本はリング中央で打ち合うファイトが中心。
展開的には今成が瀧澤の打撃を警戒しながら下から足関節を狙う流れになると予想するが、恐らく瀧澤は今成に捕まる。
前回の佐々木憂流迦戦でも瀧澤は何度もテイクダウンを許していたし、あのフットワーク+狭いリングということを加味すると、割と早い段階でグランドの攻防が発生するのではないかと。
ざっくり言うと、下から足関節を狙う今成を瀧澤が上からのパウンドで迎撃する流れ。
で、今成が決定機を作れずジリジリとした膠着が続き、ポジショニングとヒット数の差で瀧澤の判定勝利とか、そんな感じになるのではないか。
もちろん流れによっては今成が勝利する可能性も十分あり得る。
グランドでの瀧澤の力がどの程度かによっても大きく変わると思うが、ベテランの今成が実力差を発揮して瀧澤を圧倒するパティーンも?
瀧澤が勝つならグランドをしのぎ切っての判定orスタンドでのKO。
今成が勝つならグランドでの一本奪取。
最終的にはスタンドの打撃で出足を鈍らされた今成が狙い通りの形を作れず、そのまま終了のゴングを聞く流れで瀧澤優勢を予想しておく。。
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元谷友貴vs岡田遼
勝利予想:元谷友貴
てっきりONEに行くと思っていた岡田遼がまさかのRIZIN参戦を果たし、バンタム級“四天王”の一角、元谷友貴と対戦する。
と同時に、個人的には上述の倉本一真vsアラン“ヒロ”ヤマニハ戦に次ぐ注目試合となっている。
元谷友貴はグランドの達人と言われているが、実は打撃もそこそこいける選手。
というよりスタンドでの差し合いから試合を組み立てる流れを基本とするので、流れを掴むためには打撃である程度拮抗した状態を作る必要がある。
また、相手のスケールが一定以上になるとあっという間に手も足も出なくなるのもこの選手の特徴。パトリック・ミックスや井上直樹といった格上になすすべなく敗戦を喫した姿は僕の中で強く印象に残っている。
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対する岡田遼だが、この選手が得意とするのは間違いなくケージファイト。
相手をケージに押し付けてバランスを崩したり、腕を掴んで動きを封じたり。また、タックル等で押し込まれた際もケージを背にした状態でしれっと休憩してみせたり。
スペック的に突出したものがあるわけではないが、とにかくMMAのIQが高く器用な選手と言える。
逆に戦いのステージがリングになった途端にパッとしない試合が目につく(気がする)。
相手を転がすまでに時間がかかる上に金網際での攻防がないためフィニッシュまでの効率も悪い。
打撃もグランドもOKというオールラウンダーではあるが、やはりケージファイトに比べてインパクトは落ちる。
そんな感じで今回は元谷がスタンドで岡田をどう崩すか、グランドでどこまで岡田が食い下がれるかが見どころになると思っているが、どちらにしても拮抗した試合になるのではないか。
で、フルラウンドにわたる激戦が展開され、最後の最後に元谷がわずかに上回ると予想している。
伊藤空也vs金太郎
勝利予想:伊藤空也
ラストはこの試合、RIZIN3戦目となる金太郎と初参戦を果たす伊藤空也による一戦である。
そして毎回同じことを申し上げるが、僕にはどちらが勝つかがまったくわからない。
一応勝敗予想は伊藤空也とさせていただいたものの、実際には「ほぼ勘です」としか言いようがない。
ためしに両者の過去の試合を漁ってみたところ、どちらも基本は打撃、グランドをまんべんなくこなすオールラウンダータイプに思える。
ほぼ5:5の割合で打撃とグランドを両立する伊藤空也に対し、金太郎はだいたい6:4もしくは7:3で打撃寄りの選手。
また比較的近い距離での差し合いを得意とする金太郎と、遠い位置で間合いを測る伊藤空也という違いも見られる。
展開予想としては、じっくり距離を詰めて間合いに入ろうとする金太郎を伊藤空也が打撃をチラつかせつつ遠間からタックルを狙う感じだろうか。
何とも言えないところだが、総合力の高さで伊藤空也がわずかに金太郎をリードしているような……。
さらに金太郎の試合を観ていて思うのが、全体的に身体が固いこと。
上体の柔軟性がなく相手の攻撃を芯でもらいやすい。しかも足の動きが重いせいでパンチの伸びも悪い。機動力に限れば、残念ながら伊藤空也の方がだいぶ上と言っていいのではないか。
申し上げたように両者の実力はかなり拮抗していると思うが、射程が長い上にできることが多い分、今回は伊藤空也に軍配が上がると予想する。金太郎が自分の間合いに入る前に伊藤空也が細かいヒットを稼ぐイメージで。
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ただ、アレなんですよね。
金太郎という選手はナチュラルに華があるというか、ド派手な試合運びは本当に魅力的。器用さはあるがどことなく地味さが拭えない岡田遼とは真逆のファイターである。
強面な外見を含め、こういうタイプが勝ち上がった方がトーナメントは盛り上がるわけで。
果たして金太郎は日本のトップどころ相手にも持ち前の思い切りのよさを発揮できるか。前回の瀧澤謙太戦のような警戒心丸出しの消極策ではない、豪快ブンブン丸なファイトに期待しておく。
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