矢地祐介が桜庭大世にKO負け。白川陸斗のインパクトを5日で上書きするとはw シェイドゥラエフの絶望感、ヒーロー脳の鈴木千裕【RIZIN49感想】
2024年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN DECADE / Yogibo presents RIZIN49」。昼間からスタートしてメインイベントは0:00を超える長丁場となったわけだが。
実は僕も現地観戦を考えていたのだが、出場予定だったライアン・ガルシアが負傷欠場と聞いて見送ることに。
大田区総合体育館での井岡一翔vsフェルナンド・マルティネス戦を選んだ次第である(この試合も中止になったけど笑)。
堤駿斗が超強かった。レネ・アルバラードを8RTKO。階級アップで力強さも。井岡一翔vsマルティネス戦の中止で気合いも入ってたんだろうな
また、PPVも結局購入していない。
だいぶ遅れてYouTubeにアップされたものを視聴したことをお伝えする。
というわけで今回はその中から気になっていた試合の感想を。
具体的には
・鈴木千裕vsクレベル・コイケ
・久保優太vsラジャブアリ・シェイドゥラエフ
・矢地祐介vs桜庭大世
の3試合である。
×鈴木千裕vsクレベル・コイケ○(判定3-0)
まずはメインイベントのフェザー級タイトルマッチ、王者鈴木千裕と挑戦者クレベル・コイケの試合。
この両者は2023年6月に対戦、クレベルの体重超過によりノーコンテストで終わっている。
そして約1年半ぶりの再戦では(初戦でクレベルに瞬殺された)鈴木千裕のグランドがどれだけ向上しているか、クレベルが打撃をかいくぐってテイクダウンにいけるかが見どころと言われていた。
感想としては、鈴木千裕がグランドが想像以上だったのと、クレベルはさすがのテイクダウン能力だったなぁと。
千裕陣営の作戦は恐らく金原戦と同じ。
やや重心を落とした構えでタックルに備えつつ遠間からのカーフ、斜め下からのジャブでチクチクダメージを与える。
で、タイミングを測って顔面にパンチを伸ばす。
相手が一瞬でも怯めば連打で一気に攻め落とす。
金原戦同様、1発効かせて上になる→パウンドを落としまくってレフェリーストップを呼び込めればと考えていたのではないか。
金原正徳の負けがショックで整理がつかん。悔しすぎてインタビューも聞かずに帰ったw 鈴木千裕が勝つならコレだよね
だがクレベルは千裕の打撃に臆さず、逆に打ち終わりにタックルを仕掛けてくる。
金原のタックルにはうまく対応した千裕だが、クレベル相手ではそうはいかない。1R後半から2Rにかけてグランドで主導権を握られてしまう。
どなたかが「金原はテイクダウン能力はそこまで高くない」とおっしゃっていたが、なるほど確かに。
対するクレベルは相手の実力が一定以上になるとなかなか“ポペガー”できなくなる。
パトリシオ・ピットブル、金原正徳や今回の鈴木千裕、などなど。
どれだけ劣勢でもグランドに引き込みさえすれば何とかなるというのがこの選手の持ち味だったが、最近は対戦相手のレベルが上がっていることもあって寝技での決定力を発揮できていない。
そう考えると、いずれストライカー寄りのオールラウンダーにねじ伏せられるときがくるのではないか。同門のホベルト・サトシ・ソウザがそうだったように。
RIZIN vs Bellator全面対抗戦でRIZIN勢が全敗。クレベルと武田の試合でRIZINの現在地がわかった気がしたよ。スーチョルもサトシも惜しかった。扇久保は…
なお、1年半前は瞬殺されたクレベルにあそこまで肉薄した鈴木千裕は文句なしにすごい。
恐らく性格がめちゃくちゃ素直で吸収も早いのだと想像する。
いい意味でヒーロー漫画脳なのも格闘家としてはプラスなのではないか。
負けた相手に習いに行くなんて、完全に「ONE PIECE」のロロノア・ゾロですからね笑
×久保優太vsラジャブアリ・シェイドゥラエフ○(2R2分30秒TKO)
続いてはこの試合。
前戦で元王者の斎藤裕に勝利した久保優太と、RIZIN2戦2勝と圧倒的な強さを見せるシェイドゥラエフの一戦。
しかも今回は久保の方からシェイドゥラエフを指名したとのこと。
前回の斎藤戦、その前の高橋遼伍戦で久保への期待値が爆上がりしていたこともあり、個人的にこの試合にかなり注目していた。
感想としては、さすがにキツかったなぁと。
多くの方が「久保がシェイドゥラエフに勝つのは無理がある」とおっしゃっていた通りの結果。
スタンドの打撃、踏み込みスピードは鈴木千裕と同等かそれ以上。
テイクダウン能力も高く、打撃を警戒しているうちに速攻でコカされる。
久保も下になった状態から何度も腕を絡めていたが、あっさり振りほどかれてパウンドのスペースを与えてしまう。
2Rなどは一方的すぎて観るのが怖くなったほど。
血まみれの顔面で戦い続ける久保が称賛されていたが、残念ながら僕はそういうテンションにはならなかった。
他のファイターが「こんなヤツを入れちゃうとパワーバランスが崩れる」「さっさとUFCに行くべき」と言っていたが、冗談抜きででRIZINではオーバースペックかもしれない。
「久保が」というより誰がやっても似たような結末になったのではないか。
久保優太vs斎藤裕感想。久保優太に度肝を抜かれた。平本蓮より衝撃度は上。完成度はキックからの転向組の中でNo.1じゃない? 那須川天心に匹敵する天才なんだろうな
恐らくクレベルでもシェイドゥラエフの打撃、テイクダウンを防ぐのは難しい。
グランドで粘ったとしても3Rを通して支配されて終わりだろうと。
鈴木千裕ならスタンドでワンチャンあるかもしれないが、シェイドゥラエフが打撃に付き合ってくれない場合は……。久保と似た負け方をするのではないか。
辛うじて可能性がありそうなのは何だかんだでファン・アーチュレッタかな? と思っている。
ここまでのシェイドゥラエフのファイトを観る限りこの選手と正面から対峙すると一気に持っていかれる。
あの踏み込みスピード、馬力をまともに浴びて耐えるのはあまりに難易度が高い。
そう考えると、アーチュレッタのように左右に動きながら打撃を出せる、テイクダウンにいけるタイプなら……。
実際、前回の試合でもシェイドゥラエフはアーチュレッタを捕まえるまでにややモタついている。
(丸くて広い)ケージならもう少しやりようがあったのではないか。
まあ、アーチュレッタは2度の体重超過で商品価値がダダ下がりなので再戦が組まれることはないと思うが。
×矢地祐介vs桜庭大世○(1R26秒TKO)
ラストはこの試合。
桜庭和志の息子・桜庭大世がデビュー戦で矢地祐介と対戦、1R26秒TKOでアップセットを起こした一戦である。
この試合はもう、「マジかよ」としか言いようがない。
桜庭大世は手足が長くスラッとしていて上背もある。
フィニッシュの左ミドルからの左ストレートは同じ側(左)でのキックとパンチをつなぐ練習をしていたとのこと。
矢地の癖を研究した上での作戦だったと思うが、それを踏まえて「マジかよ」である笑
試合前から「舐めんな」「アマチュアから出るべき」等、強めのコメントを撒き散らしてこの結果は……。
ちょっとフラグを立て過ぎちゃうか? と思っていたら、ホントに回収しやがったよと笑
白川陸斗が気の毒すぎる件。あれだけのインパクトを残したのにわずか5日で矢地が上書きしやがったw
さらに気の毒なのが白川陸斗。
2024年12月26日の「-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2024」でMMAデビュー戦の奥山貴大に1R一本負けを喫したわけだが。
僕はこの試合を現地観戦していたが、とにかくやらかしたなぁと。
白川陸斗vs奥山貴大、一点買いで起こしたアップセット。登場時から強者感が漂ってたしタックルへの対処で「ただ事じゃねえぞ」ってなった
奥山貴大がすごかったのはもちろん、試合前から煽り散らかした白川のフラグ回収っぷりが……。
正直、これはある程度イジられるのは仕方ない。
「リスクを背負ってリングに上がる格闘家に〜」「リスペクトがどうたら〜」などと安易にフォローされるのは逆に惨めになる。
誹謗中傷は論外だが、しばらくはネタとして消化するのが正解なのではないか。
本人もそんな感じで切り替えたのに……。
トークショー行って来ました。
鋼のメンタルを手に入れました。
ただ見に来てくれたお客さんが温か過ぎた😇
気合い入りましたわほんま
ありがとうございました🙏 pic.twitter.com/QMf6PPKb9H— 白川 陸斗(Dark Rikuto) (@dr55634) December 30, 2024
わずか数日で矢地祐介にすべてを上書きされてしまうという。
もっと言うと、あくまでビジネスとして大口を叩いた白川陸斗に対して矢地祐介は素でやっているっぽいのが……。
●白川陸斗
試合時間:1分15秒
対戦相手:MMAデビュー戦
イベント:シュートボクシング
場所:TDCホール
●矢地祐介
試合時間:26秒
対戦相手:プロデビュー戦
イベント:RIZIN
場所:さいたまスーパーアリーナ
KOタイム、対戦相手、舞台。
あれだけのインパクトを残したのに、たった5日で上位互換が出現しやがった笑
これを不運と呼ばず何と呼ぶ?笑
そんな感じで僕は2025年の白川陸斗と矢地祐介をこっそり応援している。
格闘家が同情されるようになったら終わりだと思うので表立っては言わないけど(言ったじゃねえか笑)。
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